穂高岳【上高地BTBS→奥穂高岳→涸沢岳→上高地BTBS】


- GPS
- 19:32
- 距離
- 40.1km
- 登り
- 2,164m
- 下り
- 2,154m
コースタイム
- 山行
- 5:39
- 休憩
- 0:44
- 合計
- 6:23
- 山行
- 4:57
- 休憩
- 2:09
- 合計
- 7:06
天候 | ■8月24日→曇りのち雨 ■8月25日→雨 ■8月26日→晴れ一時ガス ■8月27日→晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
https://www.alpico.co.jp/traffic/local/kamikochi/national/ ■アルピコ交通 さわやか信州号 新宿〜上高地線 http://sawayaka.alpico.co.jp/route/kamikochi/shinjuku/ |
予約できる山小屋 |
横尾山荘
|
写真
感想
年に1度のお楽しみ、夏休みの縦走計画は今年も台風によって阻まれました。
8月下旬は高気圧に覆われて晴れるのでは無かったのでしょうか。。。
日程をずらして目的地も変えれば、台風一過の晴れ間に登れそうな感じ。
が、人と会うから週末は家に居ろとの無慈悲な一言で打ち砕かれます。
つまり、雨の中を彷徨するか、家でじっとしているかの2択を迫られたようです。
仕方ない、アプローチに時間を割いて少しでも晴れの可能性を上げつつ上高地へ。
■上高地BTBS→小梨平
夜行バスなら、朝イチで上高地入りできるので行動の幅が広がります。
が、特に毎日あるぺん号はキャンセル規定が厳しくて使うのを躊躇います。
なので、時間に余裕がある時は融通の効く特急でアクセスするようにしています。
上高地に着くのは最早でも12時になりますが、野営場は多いので問題なく。
この日は夕方から雨予報なので、無理せず小梨平で終了にしました。
食堂はあるしお風呂も入れる、至れり尽くせりとはこの事か。
■小梨平→横尾→涸沢
天気予報の通りなのですが、朝から雨なのは流石に気分が乗りません。
予定より2時間ほど延発してみるも、状況は大して変わりませんでした。
降りしきる雨の中を、取り敢えず横尾を目指して歩き始めます。
粛々と歩くだけなので、特筆するような事はありませんでした。
小腹が空いたので、横尾で早めのランチにして登山を再開します。
意外にも雨の中を歩くハイカーが多かった事に驚きました。
横尾から本谷橋までは、標高よりも奥行きを稼ぐ印象でした。
それなりに登りもありますが、平坦なトレースを辿る印象です。
本谷橋を渡ると勾配が増しますが、急坂と言うほどではないように感じます。
石畳で整備されている区間が多くて歩きやすい反面、隙間にストックのゴムキャップが吸い込まれそう。
涸沢下の分岐は、涸沢ヒュッテよりも涸沢小屋へと辿った方がテン場に近いと思います。
涸沢ヒュッテを乗り越す分だけ、時間が掛かるように感じました。
涸沢は500張と言われるほど広大なテン場ですが、コンパネ無しで快適に過ごせるのは数十張ほどか。
受付横にコンパネが積んでありますが、1人で持ち運びするには厳しい重さに感じました。
雨の中テントを設営して、中も外もびしょ濡れのテントに荷物を放り込みます。
涸沢ヒュッテの手作りおでんで気を紛らわせようとするも、品切れで市販品という追い討ち。
■涸沢→奥穂高岳→涸沢岳→涸沢
朝、涸沢の上空はまずまずの天気ながら、槍穂は夕方までガスに覆われるようです。
明日には下山しないと家で雷が落ちるので、今日か明日の朝イチで登らないとなりません。
幾つか選択肢がある中で、今日のうちに奥穂ピストンして涸沢に連泊を採りました。
山頂からの眺望は得られずとも、時間的にも体力的にも無理するべきで無いとの判断です。
登り始めは涸沢カールの迫力を間近に味わえる、パノラマコースがお勧めです。
涸沢小屋からのルートは、ガレた樹林帯をひた歩くだけで楽しさは感じませんでした。
ちょっとした広場になっている取付点で、ヘルメットを装着します。
涸沢からもよく見えた緑色の帯、ザイテングラートを登り始めます。
序盤に現れる鎖のトラバースと、それに続くハシゴの辺りがいきなり核心部でしょうか。
足場が狭くて慎重になりますが、少し緊張したのはそこだけだったように感じます。
朝イチなので離合もなく、岩稜地帯を粛々と登り上げていきます。
ストックは邪魔になるだけなので、涸沢に置いてきてもいいと思います。
穂高岳山荘で一息つく傍ら、どうしても存在感を隠せない南側に聳える壁を見上げます。
これ、よしんば登れても降りて来られるのか不安に駆られるほどの絶壁に見えます。
取り付いてしまえばペンキのルート案内は潤沢で、鎖は手繰る必要もないレベルです。
トラバースするところが足場が狭くて少し緊張したくらいで、他は意外と簡単でした。
序盤の登りをクリアしてしまえば、あとはペンキに従って緩やかに登り続けるだけです。
幾つか偽ピークを見上げますが、いずれも右側を巻いてやり過ごします。
ガスと強風に煽られながら、気付いたら山頂直下まで来ていた事を知ります。
好天の日だったら、北アの名峰たちを俯瞰しながらの気持ち良い稜線歩きだったのでしょう。
周囲など何も見えない奥穂高岳の山頂で休んでいると、僅かにガスが切れて眺望が広がりました。
360度の絶景には程遠いものの、それでも槍ヶ岳、御嶽山、富士山、そしてジャンダルムが目の前に。
同様にガスが切れるのを待っていた数名の方と、歓喜の声を上げながら夢中でシャッターを切りました。
これだけの事と言えばそれまでですが、ガスの中を登ってきたのが報われた気がします。
やがて、再びガスに閉じ込められたのを機に穂高岳山荘へと下山を開始します。
核心部と思っていた山荘直上の壁は、ペンキの通りに歩いたら難なく下りられました。
続いて、手頃な場所にある涸沢岳にも登り返してみる事にしました。
山頂直下はペンキが少なく正規ルートを見失いますが、山頂は見えてるので適当に登ります。
こちらも少し待っていたら、奥穂高岳やジャンダルムに至る稜線が見えたので満足です。
槍ヶ岳方面は一向に見える気配がなかったので、根負けして下山です。
穂高岳山荘でランチがてら足を休めて、涸沢まで下山します。
ザイテングラートの下りもペンキが潤沢なので、よほど疲労困憊でも無ければ大丈夫でしょう。
午後になると、登ってくるハイカーと離合が発生しやすくなるので注意です。
登り優先の場面でも、疲労困憊の人が多いので様子を見ながら対応が求められます。
涸沢に戻って、ヒュッテの生ビールで一人祝杯を上げてテントに引き上げます。
山小屋のお酒は高額なので、調子に乗るとお札に羽が生えるので続きは持参したウイスキーで。
■涸沢→横尾→上高地BTBS
下山するだけなので、朝のんびり起きて朝食を済ませて撤収準備をします。
快晴の空の下、楽しそうに山頂を目指す人たちが羨ましく見えるのは当然ですが。
ピストンなので特筆する事はありませんが、本谷橋までの間はガレに足を取られないよう注意です。
出発が遅くなると登ってくる人と離合の頻度が高くなり、下りのこちらは一方的に譲るのみです。
ある意味で、横尾から上高地までの単調な歩道歩きが試練でしょうか。
このエリアも楽しめたら本物なのでしょうが、残念ながらその境地には至りませんでした。
小梨平の日帰り入浴は休業だったので、上高地温泉ホテルまで歩きます。
コロナ禍の昨今において、上高地で安定した日帰り入浴を行っているのはここだけか。
ガラ空きの温泉を楽しんだら、上高地食堂に移動してランチにします。
帰路はさわやか信州号にしましたが、乗り換えなしで新宿直行は便利です。
ただ、夕方は中央道の渋滞に巻き込まれるのは必至なので気にしない人向き。
上高地の売店で仕入れた酒を片手に、のんびりバスに揺られて帰路に就きました。
■後日談
週末に会う約束だった人は、コロナに罹患したとの事でドタキャンになりました。
もう少し早く知っていれば、山行予定を変えられたのに。。。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する