南岳〜大キレット・北穂〜涸沢岳・奥穂(適当にルート解説)


- GPS
- 56:00
- 距離
- 38.9km
- 登り
- 2,219m
- 下り
- 2,214m
コースタイム
- 山行
- 7:45
- 休憩
- 1:35
- 合計
- 9:20
- 山行
- 8:25
- 休憩
- 1:40
- 合計
- 10:05
過去天気図(気象庁) | 2016年09月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
氷河公園コース ガレ・ゴーロ キレット全般 北穂〜涸沢岳全般 クマ出没(本谷橋〜横尾) |
予約できる山小屋 |
横尾山荘
|
写真
感想
台風が来るまでは槍〜前穂のゴールデンルートを計画してましたが数日前より二日目午後から天気が不安定の予報ということで、悩みましたがルートを短縮して南岳〜奥穂ルートを選択。
事前に25000地図やらガイドブックやら個人サイトやらで色々図上演習。特に北アルプス登山ルートガイドは毎回本当にお世話になります。
1日目 晴れ
上高地〜天狗原分岐までは特段記述することがないので省略。
氷河公園コースは分岐から槍沢のカールをトラバースします。ガレ・ゴーロで道が分かりにくいですが◯印と竹竿が目印。
渡りきるとブルーベリーがなっている低木の道を進み天狗池へ。
天狗池は雪解け水が中心の貧栄養湖で青いのが特徴。逆さ槍が見えるとのことですが、あいにくのガスと風で湖面が波立ってよく見えず。
池から先は横尾尾根の稜線コルに向けて登ります。
このコースが氷河公園と呼ばれる理由は、氷河が押し出したモレーン堆積物=ゴーロが沢山あるためで、けっこう歩きにくいコースです。
槍沢カールと同様に◯印と竹竿を目印に稜線へ。
稜線からは中岳〜南岳の稜線に向けて尾根歩き、と言えば聞こえは良いですが岩を登ったりトラバースしたりの繰り返しです。テント装備で来るんじゃなかったとやや後悔。槍ヶ岳から下山で選ぶ人が多いようですが、ガレ・ゴーロ中心の道なので注意してください。
最後のはしごと鎖を登りきると中岳〜南岳の稜線に合流。全力使ったのであとは惰性で南岳小屋へ。
今回もお約束のmont-bellテント村の一員となり、炊事場で相席した人と山飯談義をしながら一日目終了。
南岳小屋はネットで最新の天気が確認できます。また炊事場は小屋の玄関にあり、トイレは小屋内使用とありがたい小屋でした。
夜半に雨がパラつくものの影響はなさそう。
2日目 晴れまたは曇り→午後に徐々に曇り→夜に雨(遠くで雷)
本命のキレット越えに挑みます。午後の天候を考え午前中に勝負。
5時スタートでまずは最低コルまで下ります。有名なこの先キレット看板は見つからず。
下りは天狗の大下りレベルでそこまで難しくありません。ただ荷物が多いのでバックセードでガンガン下る。
ガイドブックや個人の感想記録では「はしごを越えると最低コルまでは楽」という記述がありますが(比較的)の文字が抜けてることを実感しました。それなりの道なので気を抜かずに進みます。途中でブロッケンに遭遇し幸運を予感。
しばらく進むと意味ありげな広場に出ます。ここが最低コルですが、看板は無し。キレット看板とあわせて風で飛ばされたのでしょうか?
最低コルを越えるといよいよ長谷川ピークへ。
Hピークは始めに飛騨側に乗越してから岩をよじ登る感じで登頂。
勢いに任せて進み、「この先どっちに進むんだ?」と、思った辺りでHピークのペンキ文字。
ここからA沢コルまでが本番。ナイフエッジにつけられた鎖を使い進みます。
信州側に歩けるスペースがあり、少し進んでから飛騨側へ乗越し、どこに足を置くんだ?というような岩を降りていきます。
一度コルっぽいスペースがあり、そこから一岩越えると木のベンチのような板があるA沢コルに到着。
ここからは飛騨泣きを越えての北穂までの登りです。
始めに信州側に登りそこから飛騨側へトラバース。そして見える二つの尖塔状の岩が(多分)飛騨泣きです。
なんとなく八峰キレットの核心部を思い出す形状で、奥側の尖塔を鉄の取っ手やホールドを便りによじ登ります。
飛騨「泣き」とは多分cryではなくscreamなのでしょう。強風時は尖塔の間を風が泣くんだと思います。聞きたくない。
尖塔を登りきった先はナイフエッジで鎖と信州側に鉄のステップ。昔はステップがなかったそうですが、どうやって歩いたのでしょう?
飛騨泣きを越えて更に登ると、やがて滝谷展望台の文字があります。ここから先は難易度がだいぶ下がり、北穂直下を北東側にトラバースした後に最後の直登。200mのペンキがあるはずですが見つけられず。ガンガン登ると北穂小屋に到着し一服。
二日目の後半戦は北穂〜涸沢岳ルート。これもよく言われますが大キレットよりも難易度高いです。
始めに松波コルから分岐を南峰(のはず)へ登ります。そこそこの岩を登ると南峰と思われる場所につきゴーロ状の岩の飛び石になります。金峰山の山頂周辺のイメージ。
ここからドームに向けて下りますが、ルートファインドがキレットルートよりも難しくなります。(最近行ってませんが)ボルダリングやっといて良かったなぁと思いつつホールドを探しながら下る。
ドーム直下はやや平坦で休憩可能。ここから先がキレットより難易度が高いと言われる核心部です。
スラブ岩が組合わさったチムニーを鎖を使ったり鎖がなかったりの下降をします。ホールドは少なくクラックの利用がキモです。
片手でホールドや鎖を持ち、もう片手はボルダリングのカンテ、ハンドジャムで姿勢保持。
片足はチムニーウォークで突っ張りをして、もう片足で次のホールドを探します。三点支持の鉄則を守りつつ下降。
チムニーが終わったと思ったらツルツル傾斜の一枚岩 の飛び石。スリップしたら当然滝谷に落ちて死にます。しかも飛騨側は日差しが当たらないので前夜の雨の濡れが乾いてない場所も。
この手の岩場が一番危険で厄介なので一歩ずつ慎重に進みます。ゆっくりゆっくりと100mほど下って信州側へトラバースすると最低コル周辺になり、やや緩めの道となります。岩の色が変わったあたりが最低コルの目印。
最低コルから先は登りとなります。
始めに亀岩を登り、信州側の道を少し下ると偽コル。ここから最長鎖場です。
二段のはしごがありますが、一段目はなぜか設置が緩く揺れるので注意。
最長鎖の登りは、鎖を使いながらだと難易度は低めでガンガン登れます。上を見て尖った二本の岩があるな、と思ったらそこが涸沢槍。二又の槍の間を抜けるとD沢コル。D沢コルからの涸沢槍が綺麗に槍ってます。
ここから涸沢岳の直下までは再び鎖を登ります。
文字通り最後の壁が、ぱっと見垂直の壁のチムニー。鎖と鉄杭を使ってなんとか登りきると涸沢岳の直下へ到着。涸沢岳は白出コル(奥穂小屋)からの登りと一度合流してから登ります。
涸沢岳を満喫した後に奥穂小屋へ下り、ザックをデポして、奥穂をさっくりとピストン。今回の山行は奥穂がおまけのようになってしまいましたが、初の奥穂登頂。山頂で「来年はジャンだぞ」と心に刻みつつ奥穂小屋へ戻り、ザイテングラード経由で涸沢小屋で到着。
天気も不安定な曇りで疲れきってたので小屋泊に決定。普段は山行中にビールは飲みませんが今回ばかりは一人祝勝会。
小屋で2人パーティーと奥多摩や立山の山談義をしたりで二日目終了。
3日目 曇りやや晴れ→バス待ち間に雨
帰りのバスの時間を考慮しつつも、涸沢からなのでゆっくり目のスタート。
特に問題なく横尾、と思いきや本谷橋から少し歩いた場所で熊に遭遇。山登り始めて初熊。一瞬声が出ませんでした。
50m程度離れており相手もこちらに向かうそぶりがなかったのでやり過ごし(危険を承知で写真を撮る)、足を早めます。横尾まですれ違う登山客に熊の注意しつつ横尾山荘に報告。
徳沢で名物のソフトクリームを食べつつ、上高地ビジターセンターで再度熊の報告をし今回の山行終了。
天気で多少短縮ルートになりましたが、昨年から狙っていた難関ルートを越えてようやくいっぱしの山屋になった気がします。このレベルになると力任せだけでなく技術や知識も必要になることを実感しました。
今回も無事下山できてお疲れちゃんでした。
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