白峰三山縦走 広河原〜奈良田 テント泊・下山時膝痛


- GPS
- 21:07
- 距離
- 27.3km
- 登り
- 2,470m
- 下り
- 3,169m
コースタイム
- 山行
- 5:37
- 休憩
- 2:15
- 合計
- 7:52
天候 | 曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
5:30 奈良田駐車場発バスで広河原に移動 バス停は駐車場を出て左に200mくらい行った所 バス停前で順番待ちし、乗車前に料金を支払う |
コース状況/ 危険箇所等 |
意外と岩場が多かった。 下山ルートが長くてキツい。 手作りの木の橋のうち3つほどはかなり危険。油断すると落ちる。実際、トレイルランナーの人が落ちてずぶ濡れになってた。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
ザック
ザックカバー
昼ご飯
行動食
飲料
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
食器
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
携帯トイレ
|
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備考 | スマホのバッテリーが無くなったので2日目の大門沢下降点以降はマニュアルデールートと時間を追加した。こうすると日別の距離や登り下りやペースが表示されないようだ。 |
感想
北岳には行かないとね〜と何年も考えていたが、ようやく実現。一応、日本3000m峰の登頂を目指しているので、北岳行くなら間ノ岳と西農鳥岳も行かねばと、テント担いで縦走することにした。
車で前日入りすることを考えると、奈良田に停めて広河原までバスで行き、縦走して戻ってくるルートが一般的のようだ。その方が登りの標高差が抑えられる。
中にはこのコースを日帰りでこなす猛者もいるようだが、自分の場合、せいぜい一泊二日が良いところ。
懸念されるのは、7月の登山で今までは感じなかった左膝の痛みを感じるようになったこと。最近は落ち着いてきているが、それが再発したら下山には相当時間がかかることになる。予定では16時までには駐車場に戻ってこれることになっているので、ヘッドライト2個持っていけば、多少遅れても大丈夫ということで、決行することにした。
行程的に北岳山荘でテント泊をすることになるが、ここのテント場は事前予約が必要だ。そのため2か月前に南アルプス山岳観光予約システムで予約をしたのだが、天気がどうなるかは全くの運。数日前から天気予報を見てドキドキしていた。いろいろ見ているうちに「お天気ナビゲータ」が便利そうだったので、そのProコースに登録し、今まで使ってた「登山天気」の有料版はキャンセルすることにした。
結局、1日目は曇りで昼から夕方にかけて雨、2日目は晴れの予報だったが、その通りにはならなかった。
広河原から北岳までは少し早めの設定通りに進んだ。キツイのはキツかったと思うが、草すべりとか意識もせず無心で登ってたら着いたという感じ。暑くてバテた上に標高が高くて食欲がわかない。北岳肩ノ小屋でカレーを食べたが、おいしいとは感じず、ご飯を少し残してしまった。
肩ノ小屋から北岳はすぐであっけなく着いてしまった。が、山頂は雲の中で真っ白。くつろぐこともできず、せいぜい写真を撮って先に進むしかない。山頂から北岳山荘へは300mほど標高を下げるが、この区間で左膝に違和感が出始めた。左膝の内側や膝周辺などが、特定の動作をする際にわずかに痛むようになってしまった。鵞足炎の兆候かも知れない。
こうなると下山の行程で時間がかかる。前を行くゆっくりペースの3人組に合わせて、痛みがあまり出ないようにスローペースを保ち北岳山荘に到着した。テントを張ってのんびりしようと思ったが、周辺は真っ白で眺望も無いので、昼寝して、軽く食べて、準備をして、トイレ行って、そのまま寝てしまった。奈良田の車中泊で3時間ほどしか眠れなかったが、これで睡眠不足は解消した。
一つ失敗したのが、軽い方の10000mAhのモバイルバッテリーを持ってきたことだ。古くて消耗が進んでいたようで、一晩充電していてもスマホが45%程度までした回復していなかった。大門沢下降点で電源をオフにしたのだが、その後2回ほどつけたり消したりしているうちに起動しなくなってしまった。リスク回避のためには、たとえ重くとも、新しくて大容量のモバイルバッテリーを持って行った方が良い。
翌朝、テント場からの眺めは快晴に近いもので、これは期待できるぞとテンションが上がったのだが、毎回そんなにいい天気に巡り合えるほど強運の持ち主ではなかった。
北岳山荘から中白根山を経由して間ノ岳に至る天空の縦走路では、まあまあ天気が良かったのだが、かなりの強風で、その風にあおられた西側のガスがどんどん上がってきた。今なら間ノ岳の山頂はクリアな状態だと思って急いだのだが、登頂時にはあっという間に雲の中でため息をつく。雲の合間に富士山を眺めることは出来たが、一瞬で状況が変わるのでスマホを取り出してシャッターを切ろうとしたらもう真っ白ということが何度もあった。西農鳥岳でも真っ白だった。
それでも農鳥岳で眺めの休憩をとっていた時には、雲が切れた瞬間に、西農鳥岳、間ノ岳、北岳や富士山を眺めることができたので、まあ良かったって感じかな。
農鳥岳から大門沢下降点まではとても気持ち良い縦走路だった。こういう所は天気がいい時にのんびり歩くのが良いと思う。
で、ある意味、今回のルートの白眉は大門沢下降点以降にある。なにしろ、大門沢下降点〜大門沢小屋は、とあるYouTubeチャンネルによると、「日本のヤバい急登10選」の中でも、標高差1,117メートル、距離2.5キロメートル、平均斜度26.54で第1位となっている。登るのはもちろん大変だが、下るのもかなり大変だ。
大門沢下降点から奈良田駐車場までだと単純に2,014m、北岳山荘から奈良田駐車場までだと計画書上2,825mも一日で下ることにになる。それに加えて膝痛問題の勃発だ。トレッキングポールは2本あるので、そこに荷重をかけながら出来るだけ痛みを回避するように下山することは出来る。時間がかかることになるが、脚が持てばヘッドライト2個あるので暗くなっても駐車場に辿り着ける。さらに遅くなりそうなら大門沢小屋でもう一泊することも可能だ。
ということで、ペースをかなり落として下山を開始した。痛みは出るのだが、何度かストレッチをして足を動かしていると歩けはするもので、時間はかかったが最後まで歩ききることができた。林道や車道に出てもとぼとぼと惰性で歩いていたが、明るいうちに戻ることができた。
それにしても、この下山ルート、今までの経験の中では、最も過酷な下山だった気がする。雲ノ平から新穂高まで一気に下山した時もそれなりにキツかったが、それをも大分上回るキツさがあった。
まず、登山道が小池新道のようには整備されていない。斜度が大きい上にところどころザレていたり湿っていたりして滑りやすい。大きな岩が多くて、大きな段差の登り下りで脚へのダメージも嵩んだ。標高差以外にもそれなりに距離があり、なかなか次のポイントに辿り着かない。
大門沢小屋以降は丸太の木の橋がいくつも出てくるが、かなりラフに作られていて危ない状態の橋が2、3あった。最初の橋ではトレイルランナーがずぶ濡れになって川から這い上がっていたところを目撃した。それ以前の状況は見ていないので本当のところは不明だが、おそらくスピードを落とさず渡ろうとしてバランスを崩して川に落ちたんじゃなかな。
その次も、思わず、これ渡れるの?と呟いてしまったが、小学生が手作りしたような橋もあり、ポールを使いながら慎重に渡った。
雲ノ平の時には60kmで4000mの登り下りでも筋肉痛は出なかったが、今回はかなりの筋肉痛が出た。
ということで、大門沢のルートはかなりの健脚者以外には、登りも下りもあまりお薦めできない。下山している人を見ていても、かなりのペースで下っていて上級者が多いなという感じだった。
大古森沢のあたりだったか、鬱蒼とした森の中の比較的平坦なところを歩いいていた時、右奥の方から「グルルルルゥ〜」といった唸り声が聞こえた(ような気がする)。あまり気にせずにそのまま通り過ぎたが、あれはクマだったのだろうか?
白峰三山の縦走路は天気が良ければ気持ちよく歩ける。快晴ならまた来たいと思う。快晴であれば。農鳥岳まで来てしまうと大門沢ルートを使わざるを得ないので、大門沢小屋で一泊するのが無難だと思う。
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