富士山 ナイトハイク


- GPS
- 32:00
- 距離
- 14.2km
- 登り
- 1,620m
- 下り
- 2,473m
コースタイム
外輪で小休止。
山頂でご来光。
御殿場口に砂走りで下山。
天候 | スカッパ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
予約できる山小屋 |
御殿場口七合四勺・わらじ館
頂上富士館
胸突江戸屋
日の出館
本七合目鳥居荘
白雲荘
|
写真
感想
日本人なら一度は登りたいという富士山。ただ、初めて登る山としてはオススメできない。その理由として幾つか挙げておく。
・高度があり高山病と低体温症のリスクが高いこと。
・登山道が整っていて人や小屋が多く、自然の中を歩く感覚と、自己責任の登山者意識を持てないこと。
・登頂の目的にこだわりを持ちやすく、冷静な判断をできないこと。
などの理由が挙げられる。これらの問題をカバーできる唯一の方法は、ツアー会社に申し込み、目的を登山から観光にすることだけだろう。
もちろん、富士山をきっかけに登山にはまる人もいるだろうが、どちらかというと少数派のように感じる。むしろ、二度と山には登らないと考える人の方が多いかもしれない。なので、初めて登る山は登山者が少なく静かで登山道がそれなりに整備されていて標高1000〜1500程度の低山をオススメしたい。探せばたくさんあります。
本題に戻ると、富士山の記録です。入山前に警察署からナイトハイクを自粛するようにと、婉曲的に伝える電話が入ったが、小屋で宿泊できるような経済的余裕のない学生にはそんなことはできない。テント泊OKなら持っていくが、そんなことはもちろんできない。恥ずかしいけれど、一応、世界の文化遺産だからね。
夜の10時に登山開始。1000円払う。3000を超える高度は先日の北岳で体感してはいたが、5合目からの入山で体はなれない。しかも、初めてのナイトハイク。緊張のスタート。この日のために好日でストックを買った。うまく使いながら登頂を目指そう。
ルート上は、小屋がたくさん。中で休憩したら、出てけと言われた。ツアーによる予約制らしい。そして、蟻の行列とも呼ばえるヘッドライトの列が永遠と続く。道端では休んでいる人もいた。おそらくリタイアしたのだろう。予定の倍くらいのスピードで外輪についてしまった。外輪上に出ると風が強いので小屋の脇で風をしのぎつつ休むことにした。しかし、夜の富士山は寒かった。わずか1時間の休憩で、身体中の筋肉が緊張し硬くなっていた。
やばい、低体温症の初期症状だ。とりあえず、できる限り体を動かして熱を作る。でも寒い。小屋の中に避難しようにも、開店までまだ30分ほどある。富士山の経済は低体温症になりかける登山者で賄われている。暖かいドリンクの自販機は300円だ。意地でも買わない。そして、小屋の中に入る。入ったら最後、何か買わないと追い出される。何もいらないが、暖をとらせてもらう料金だと思ってうどんを注文。これが半生で出汁が濃いだけでくそまずい。900円。買わなきゃよかった。とりあえず、身体を温める。
身体が温まったので山頂、剣ヶ峰に向かう。外輪を走るように山頂へ。ここを自転車で走ったら気持ちよさそうだなと思ったら、すでに実行している記録があったから驚いた。
そして、日本の最高点へ到達。登頂の感動はなかったが、絶景は素晴らしかった。日出づる国、日本の夜明け。この国に生まれた幸運に感謝した。きっと、一度でいいから富士山に登りたいと思う人は、この感動を味わうために登るのだろう。冒頭でひどいことを書いたが、彼らの気持ちも少しは理解できたような気がした。そして、山頂の記念撮影は長蛇の列だった。
下山。御殿場口に降りる。途中寄った宝永山に向かうトラバース路は、この山行で一番の感動だった。風の音が気持ち良く、視界は全て青い空、下山途中の軽くなった足はこび、まるで空を歩いているような錯覚を覚えた。
最後のデザートは砂走り。(別にデザートと砂漠をかけているわけではない)
どこまでも下っていける。スキーと同じで、腰さばきが重要だ。右、左、右。左、右、左。の3ステップで腰の重心をずらしながらブレーキをかけて滑るように下る。これは良い練習になった。なまら疲れたけど。下山は9時。11時間の長時間行動だった。
富士山は楽しかったが、登山したというよりは遊園地にでも行ったような感覚だ。多分、二度と行かないだろう。
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