北穂高・奥穂高岳(雪) 穂高全山縦走・断念


- GPS
- 21:27
- 距離
- 40.3km
- 登り
- 2,862m
- 下り
- 2,859m
コースタイム
- 山行
- 4:51
- 休憩
- 0:29
- 合計
- 5:20
- 山行
- 3:44
- 休憩
- 1:00
- 合計
- 4:44
- 山行
- 2:12
- 休憩
- 0:27
- 合計
- 2:39
- 山行
- 7:04
- 休憩
- 1:36
- 合計
- 8:40
天候 | 1日目・5日目 晴れのち曇り 2~4日目 およそ2700m以上では雪 その下では雨 涸沢ヒュッテ 5~15℃ 北穂高岳 5℃(12時) 穂高岳山荘 -3℃~3℃(テント内) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
特になし |
その他周辺情報 | 涸沢は電波微弱、自販機あり、山岳警察駐屯地に天気や遭難事故の情報を掲示してある 北穂高小屋は電波良好、日本一高所にある喫茶店とのこと ピンバッジ無し 穂高岳山荘は電波概ね良好、ランチ10:30~14:30 消灯21時 北穂高岳以外の穂高のピンバッジがある |
予約できる山小屋 |
横尾山荘
|
写真
感想
あまりにのんびりした山行だったため、暇潰しにメモ帳に書いていたらとても長くなってしまった。
本来の計画である穂高岳全山縦走のつもりで書いている。
【計画】
剱岳が物足りなかった&今年を締めくくるにふさわしい場所にと思い、一般登山道最難関ルートに初挑戦する運びとなった。
槍はこの前行ってそこまでまた来たいと思わなかったので、大キレットとジャンダルム目当てで、西穂~南岳を縦走するコースを計画。
登るのが面倒だったので、元々新穂高ロープウェイを利用し初っ端からジャンダルムに挑む予定だったが、先月末から緊急メンテナンスで運休になっており計画変更を余儀なくされた。
その後上高地から西穂山荘まで直登するルートで考えたが、結局4、5日目が晴れの予報だったので大キレットは諦め、涸沢から北穂へ登り南下する方向で決定した。
(結果的に積雪のためピストンとなってしまった)
予備日は2日間。
【装備】
コース的に荷物の外付け厳禁だと思ったので、縦走においてはあまりに面倒だがインフレータブルのスリーピングマットを使用した。
いつものテン泊装備に、時期が時期で朝とか寒そうなので化繊綿の上着を上下追加した。(これなかったら稜線でテントの中寒くて寝れなかったかも)
また、簡易ハーネスを作れるようスリングを大小2本持参した。
軽量化のため一眼カメラは留守番させた。
【行程】
1日目
涸沢まで5時間の道のり。
上高地の面白みのない道を、平日にも関わらず30人くらいいるツアーだか組合だかの団体を何組もすれ違ったり追い越したり。そうだこの時期この山、年寄りに人気なの忘れてた。
涸沢ヒュッテに着いたらすぐに今年から始まった涸あげ(唐揚げ)とコーラで一服。冷めてはいたが美味い。揚げたてのタイミングで食えたら最高だろうな。
つい先日まで水が枯れていたようなので復活していて助かった。
この日は晴れ。一番晴れなくていい日が晴れた形となる。
夜中11時ごろから風が次第に強くなり、雨が降ってきた。
2日目
本来は涸沢→北穂→奥穂山荘の予定であった。
しかしこの日は雨の予報で、稜線では雪やみぞれになる可能性があった。実際3000mを超えたあたりでみぞれ混じりの雨が降った。
そんな中で北穂奥穂間を通る勇気もなく、テントの撤収設営も面倒なので停滞と考えていた。
だが朝になると天気も回復傾向になり、穂高全山登るという当初の目的を諦めていなかったので、北穂高だけアタックすることに。
雨も降ったり止んだりで、上の方は風も強く思っていたより岩場だったので登りは少し苦戦したが、その甲斐あって山頂では槍まで見渡すことができた。
北穂高小屋ではボロネーゼを注文。スープが付いており粉チーズもボトルで置いてくれて大満足だった。(疲れた体には少し重かったけど)
涸沢まで降りて翌日以降どうするか考えながらもう一泊する。
3日目
涸沢に掲示されている天気予報では相変わらず大シケの予報。
10cmの積雪が予想され、登っても降りてこれないかもと書いてあったが、こちとらまだ休みが4日残っており、翌々日が晴れの予報なので、悩みながらもザイテンを登った。
行動中にあられが降ってくる感じになったが、テントを張って中で休んだあと、気づいたらしっかり積もっていた。
上がってきたはいいものの奥穂行けるのか?とか寒すぎとか色々問題はあったが、図らずも初めての雪中テン泊に雪だるまを作ったり楽しんでいた。
涸沢とは違い電波もそこそこ入ったのでそこまで退屈することはなかった。
4日目
防寒対策はそれなりに持ってきていたので、凍えることなく眠れたが、
テントの前室を開けるのに苦労するほど積もっており、持ってきたテントがあまりに雪に向いていないのも相まって鬱陶しいことこの上なかったのと、宿泊者限定で貰える穂高岳山荘100周年バッジに釣られこの日は小屋泊を決意。
隙があれば奥穂の行けるとこまで行ってみようと思っていたが、そんなタイミングもあらず、
乾燥室に全てを干させてもらい、暖かい図書室でぬくぬくと停滞日を過ごした。
本を読むのは苦手なので、図書室でスマホを出し映画を観るという現代人極まりない行為をしていた。
夕方ごろ一瞬だけ涸沢方面が晴れ間を見せ、久々の景色を楽しませてくれた。
夜は明日の好天を予感させるかのようにガスが抜け、少しの星空と長野平野に映えるパノラマ銀座が見えた。
晴れた後は凍結の心配があるのでこれ以上泊まるわけにもいかず、翌々日はまた雨か雪の予報なので、翌日に何がなんでも降りることに。
前日時点ではなおピークハントを諦めていなかったので、西穂だけは諦め前穂~岳沢を下ることも考えていたが、この日も雪が止まなかったため大人しく涸沢へ戻ることを決定する。
とはいえ、奥穂高岳ピンバッジを買ってしまったのでできれば登頂は果たしたい。
チェンスパ代わりの紐アイゼンを作り、乾燥室の荷物を消灯ギリギリまで乾かしながら翌朝を待つ。
5日目
朝から好天で日の出も見えた。
風が少々強かったが、奥穂アタックを決行。
山荘横の岩壁が上りも下りも怖かったが、アイゼンはない代わりにスリングがあったのでなるべく鎖に簡易ハーネスを取り付け通過。
これほどボルダリングや冬山を経験していてよかったと思ったことはない。
そのほかはこれといって危なっかしいところはなく、踏み跡もついてくれてたのでラッセルさせられることもなかった。雪が深いところだと膝下くらいまではあったので助かった。
薄っすら雪が乗っている岩の上などは滑ったが、蹴り払って靴のフリクションを効かせた。凍結がなかったのが幸いである。
厳冬期はもっとすごいのだろうが、上高地バスが動いているうちに雪の穂高を体験できたのはこの上なくいい経験だった。(とはいえ風で雪が飛ぶから厳冬期も意外とこんなもんかも?とも思った)
レベルとしては赤岳上部と同等くらいと感じた。
一足も二足も先に雪山を楽しめた。雪山は本当に楽しい。
穂高岳山荘で一息ついたのち、涸沢へ下る。
ザイテンも思っていたより危なくはなかった。涸沢より下は雪はなかった。
涸沢~横尾までは土曜日だけあって団体とのすれ違いやペースの遅い先行者による軽い渋滞が頻発した。
涸沢では牛丼と2回目の唐揚げを食べ、上高地の長い道を歩き、濃くも薄くもない山行が終了した。
【総括】
敗因は明白である。天気と時期が悪かった。
9月はまとまった休みを取っていなかったので、これが最後のチャンスと思ったが遅かった。
とはいえ初日までは好天だったので、単純にツイてなかった。あと2日早くから休みにしていれば…と思わずにはいられない。
加えて軽アイゼンを持ってきていなかったことも局所的に見れば失敗だっただろう。雪予報を知って来ている人たちは持ってきていたし、自分と同じタイミングで入山した人は涸沢で撤退していた。
まあ結果的に超のんびり涸沢を楽しむほぼ旅行みたいな感じになってしまったが、穂高岳山荘100年限定バッジが手に入ったし、10月になると雪が降り得るというのも知ってはいたが身に染みて感じたので、得たものもちゃんとある。
雪中テン泊にも興味はあったが自分には厳しいかも。寒がりだし寝れても朝に動き出せないんだよな。
一応奥穂北穂だけでもピークを踏めたので全く不満というわけでもない。むしろ雪山を楽しめて満足な部分もある。
時期的にもモチベーション的にももう当分テントはお休みだなあと考えると少し寂しい。
正直、今年中にジャンダルムに行きたいという焦りから決まった山行であったし、山がやめとけと止めてきたのだろう。諦めがついた。
この勝負は来年、後立山のキレット縦走を踏んだのちに持ち越すとしよう。
早く夏になれ。(先日まで早く冬になれと言っていた)
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する