皆子山《関西百名山》
滋賀県
京都府
山キチどん
その他5人 - GPS
- 09:17
- 距離
- 13.0km
- 登り
- 887m
- 下り
- 947m
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| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2008年05月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
下山口：大原生越町の二ノ谷管理舎 |
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感想
皆子山の一般ルートは皆子谷、寺谷、ツボクリ谷を詰めて山頂に到る3ルートが登山地図に描かれている。しかし今回は前坂峠から西尾根を登り、東尾根を平へ下るというバリエーションルートを選択した。おまけに芦火谷を越えて二ノ谷の新緑祭会場に達するという難路も伴っている。
地下鉄北山駅に最終集合し、小西車と山本車の2台で大原大見町へと向かった。尾越町との境、前坂峠に車を置き登山準備を整えK西Lを先頭にいざ出発! 勿論明瞭な道はない。そこで今日のミッション1：「松谷峠までのルートを地図に書き込む。」を早速始めた。斜面を這い上がり皆が前途に不安を感じ出した頃、尾根道に微かな踏み跡が現れ、安心すると同時に若干の失望を覚えてしまった。下草の殆どない尾根筋を辿り高度を増していった。今回の山行は読図が重要なウェイトを占め現在位置の把握とルートファインディングを課題としている。
P897の西端を掠めて松谷峠に向かうが位置確認のために一旦ピークに登った。南に進路を振り、松谷源頭の松谷峠であろう地点に達しミッション1は無事終了。この後は稜線を忠実に進み南に派生する顕著な尾根の結節点で休憩を取った。その尾根の先にP889やP819の標高点があり踏み跡もあるようだ。きっと百井川の修道院村に下りられるだろう。そしてその東側に、皆子谷の枝谷の源頭がなだらかになんとも優雅な明るい斜面を見せていた。
左に90°進路を振るとP926に達した。「P926」のプレートが設置されている筈で辺りを探すとありました。僅か5�僂曚匹両�さなプレートが枝に掛かっていた。皆子山まではあと0.9�劼肋�さなコブがいくつもある複雑な地形をしている。この間はルートファインディングの面白い部分だ。最後は皆子山の西に突き出した稜線の端に乗り上がり山頂に達した。
皆子山は京都府の最高峰で標高は972m。3等三角点「葛川」が置かれている。山深い京都府なのに近畿2府4県で1,000m峰が無いのは京都だけこれは一寸寂しい。誰もいない静かな山頂には私製の山頂標識が其処彼処にぶら下がり山屋の登頂の感動を伝えている。切り開かれた東面の展望が良く少し霞が掛った武奈ヶ岳から蓬莱山を望むことができた。
山頂から少し南下すると皆子谷ルートと寺谷ルートが分岐し、左の寺谷ルートに入った。更に5mほど先の左手に比較的明瞭な踏み跡が続いている。これが東尾根で稜線を忠実に進んだ。ミッション2：「P941を特定する」は近い、皆に注意を促し地形の変化を見つつ歩いた。北東に進んでいた道は南東へと振り小ピークでまた北東に進路が変わり、鞍部から登り返しは急登となり登り切るとP941はそのピークにあった。地図どおりに現れる地形をしっかり読みミッション2は達成できた。
P941からは平への下りとなりP837の登りがあるだけで他は一貫して下っている。尾根を忠実に辿っていたが、標高750m辺りから目星を付けていた主尾根ではなく1本北の尾根に踏み跡が続いている。国道を走る車の音が近づき、墓地が現れ平（だいら）集落へと下りてきた。お寺の境内でお昼にして何というお寺かと玄関や門を見るが何の表示も無く鐘楼の屋根の工事をしていた人に聞いてみたが「さあ〜」と言うばかりで、結局お寺の名前は分からず仕舞いだった。しかしこのお寺には立派な石楠花の木と大きな楓の木があった。楓は何故か紅葉しまるで秋のようだった。（このお寺、後日調べてみると曹洞宗のお寺で“正教院”と云うそうだ。）
国道367号線を500m程歩き左に分岐して旧道に入ると野の花が咲き競っていた。白い小さなスミレを見つけるが何スミレなのだろう帰って図鑑で調べてみたがよく分からなかった。スミレは種類が多く同定するのは至難の業だ。芦尾谷橋を渡り足尾谷林道に入った。中村発電所を過ぎると林道終点となり暫し休憩した後、沢沿いの登山道に入った。地形図には「足尾谷」と書かれているが、一般的に「芦火谷」で通っているが、どこかで谷の名前が変わるのかそれとも、どちらかが通称なのか、平のお寺から疑問が3つもできてしまいモヤモヤモヤ・・・・
右岸に丸太橋で渡り、「く」の字橋で左岸に戻り、再び丸太橋で右岸に戻ると登山道は南西方向に向かった。これがツボクリ谷で皆子山に登るメイン登山道だ。流れをほぼ二分する谷で、本流の芦火谷はここからが難コースで早速ツボクリ谷の渡渉に一苦労、右岸を高巻いて進んで行くと左から流れ入る枝沢は断崖で河原に下りなければならないが道が途切れている。進退窮まり念のために持ってきたロープを出し懸垂下降で3m余りを下る。その先は渡渉しかなく飛び石は危険なのでY本TCが先に渡りK西Lと2人でロープを確保し一人づつ渡渉した。左岸の進路はやはり高巻き、急斜面を攀じ登った。巻き道は斜面が崩れ非常に危険な部分がありK西Lのリードで通過。その後も高巻は続き、切れ込んだ枝沢の通過は最大の難所、辛うじて残置ロープで沢を越え乏しい手懸り足懸りを頼りにY本TCが進むが皆の通過はとても無理。三たびロープの出番となった。ボロボロ崩れる足場を慎重に、慎重にK西Lの指導により、全員無事に通過することができた。
高巻は更に続き歩を進めるが次に現れた枝沢は何処にも道は見出せず下の木に付けられたペンキを頼りに河原に下りた。比較的穏やかな川面でザブザブと沢の中を遡行した。そしてこの日設定したミッション3「京都府・滋賀県境を特定する」は丁度この辺りだ。遡行も目前に現れた滝は沢屋でない我々には通過不能。右岸は切り立った崖で左岸の急斜面を攀じ高巻いた。上に微かな踏み跡あり、乗り上がるが最後は急過ぎて滑落の危険があり、またもやロープを張りアシストして踏み跡に上がった。先に続く谷も深過ぎて巻き道はないようだ。仕方がないので尾根を登り大きく高巻くことにした。どうやら府県境尾根の1本西の尾根を登っているようだ。ここまで登ると芦火谷に下ることは諦め、山越えで二ノ谷のロッジに出ることにした。
予想通り府県境尾根に乗り標高860m位の小ピークまで来て大休止を取った。水に濡れた靴を脱ぎ、靴下をギュッと絞り一寸さっぱりした。一つコブを乗り越えて北西に進むと八丁平からの林道が見えてきた。そこから分岐した登山道に下り立つとみんな一安心、イワカガミの群落の写真を撮る余裕も生まれ二ノ谷に到った。ツボクリ谷の分岐から4時間余り掛かって漸く新緑祭会場の二ノ谷のKPC北山ロッジに到着した。
新緑祭に参加していたS方さんの車に乗せてもらい前坂峠に戻り車を回収した。日帰りのK西L、O野さんとその友人のM井さん、U田さんの4人はK西車で京都市内へと帰って行った。Y本車はS方車と共に二ノ谷へ戻り新緑祭に参加した。
後日譚：皆子山は平成26年4月1日標高変更で971mとなった。（-1m）
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