北ア・七倉から七倉岳─北葛岳─蓮華岳─針ノ木岳


- GPS
- 17:16
- 距離
- 18.1km
- 登り
- 2,677m
- 下り
- 2,319m
コースタイム
- 山行
- 9:22
- 休憩
- 2:55
- 合計
- 12:17
過去天気図(気象庁) | 2025年08月の天気図 |
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アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
駅前から裏銀座登山バスに乗車(運賃1,500円)。 帰りは扇沢から信濃大町駅前までバス(運賃1,650円)。 <ゆき> 信濃大町駅前515=550七倉 <かえり> 扇沢955=1030信濃大町駅前 |
予約できる山小屋 |
七倉山荘
|
写真
装備
個人装備 |
Tシャツ
半袖シャツ
アームウォーマー
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
雨具
靴
ザック
ザックカバー
行動食
非常食
飲料
ライター
地図(地形図)
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
時計
携帯
タオル
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
サングラス
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
携帯トイレ
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感想
七倉から七倉岳─北葛岳─蓮華岳─針ノ木岳を1泊2日の日程で縦走し、扇沢に下山して来た。3年前に七倉から烏帽子岳─南沢岳─不動岳─船窪岳を縦走して七倉に下りて来たことがあって(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4617129.html)、今回はその続きだ(笑)。七倉から入山しようとすると駐車場がすぐに満車になるのがネックだったけど、今は地元が「裏銀座登山バス」を1日4往復運行してる。最初は七倉までクルマで行って、扇沢下山後に大町温泉郷もしくは信濃大町駅前までバスに乗って「裏銀座登山バス」に乗り換えし、クルマを回収に行くつもりだったけど、バスの本数が少ないので時間がかかってしまう。それだったら、信濃大町駅前の市営駐車場にクルマを入れることにした。上限1,500円かかるけど、クルマを回収しに行く手間が省けるし、早く帰宅出来る(苦笑)。
8月23日土曜の朝2時に起床し、2時15分にクルマで『キャラメルハウス』(自宅)を出発。信濃大町駅前の市営駐車場には「裏銀座登山バス」の1便が出る30分前には到着。「バス」とはいうものの、実際のところジャンボタクシーの車両の流用で狭い。しかし、旧態然とした路線バスと違いタクシーの車両だから現金のほか、交通系もクレジットカードも使える。5:15発の第1便はほぼ満員。ダイヤどおり七倉には5:50に到着。殆どの乗客はさらに高瀬ダム行きのタクシーに乗り換えし、私と同じように七倉岳への登山道に向かったひとは皆無(苦笑)。
東電専用道のゲートをくぐり、洞門に入ってすぐの分岐から七倉岳登山道に入る。このコースは3年前に下りで歩いており、標高差140 mごとに標識があることは知ってたので、2区間ごとに休憩を入れて、5時間ほどで船窪小屋に着くと見積もった。最初の2区間(2/10まで)は「はじめの急登」の効果もあり、意外と早く6:41に到達。七倉から50分も経ってないけど、予定どおり休憩を取る。ずっと七倉沢の沢音を聴きながら登ってたけど、3/10で尾根に乗ると音は消え、静かな山歩き。標高差140 mごとの標識ということは、アップダウンがある区間ではなかなか次が現れない。7:55にようやく4/10に到達し休憩してると、後から来たソロの兄ちゃんが先行してった…。船窪小屋までの区間で他の登山者の姿をみたのは、他には下りのパーティー2組ほど。最初のうちは晴れてたけど、どんどんガスが上がって来て真っ白に…。それでも暑い! 500 mlペットボトル飲料2本+水2Lを持って上がってたけど、6/10で休憩の時点でペットボトルは2本ともカラ。水分の消費が半端無い。3年前には滑落してメガネがフッ飛んだ鼻突八丁も難無く越え、植生が亜高山帯になってきた8/10に10:11に到着し、休憩。天狗の庭はガスガスで展望は無く、そのまま通過。傾斜が緩んでくると小屋まではもうすぐ。11:21に船窪小屋に到着。着いた頃には富山でみるのと左右逆の立山がみえたけど、ガスが上がってきてすぐにかき消されてしまった…。
小屋前のベンチに座り、近所の『アルプラザ小杉』で買った見切り品の拳骨おにぎり2個セットを2パック喰う。鮭とコンブのおにぎりが1個ずつ入ったセットを2パックだからおにぎりを4個食べた。コンブのおにぎりは全国的にはおにぎりの具に佃煮みたいなコンブが入ったモノが一般的だろうけど、富山でコンブのおにぎりといえば外側にとろろ昆布をまぶしたモノ。おにぎりが入ってた容器の内側に付着したとろろコンブも塩分補給のために指ですくってキレイに消費(笑)。ここまでの登りで水分を消費したため、小屋でCCレモン2本と水1Lを購入、ペットボトル1本600円、水(天水)500 mlで300円。しめて1,800円のお買い上げだけど、100円玉が少ないというから2,300円出して500円玉のお釣りをもらった(苦笑)。オリジナルTシャツはモンベル製で1着4000円。これから下山するだけだったら買ったと思うけど、まだ先があるので自重。小屋前で1時間ほど休んでたけど、登山者の数は少ない。これから針ノ木まで縦走するけどクマは大丈夫?…と、小屋のひとに訊いてるソロ女性が居た。12:26に船窪小屋を出発。6分で七倉岳分岐に到着。ここで休んでるとテン場から給水のため小屋へ向かう若い登山者が通過してったけど、こんなところで休んでるオッサンの姿は彼の目にはさぞかし奇異に映ったことだろう(苦笑)。
分岐からひと登りで、七倉岳頂上に12:43に到着。ガスガスで何もみえない…。これまでの過疎ぶりから無人の頂上を予想してたけど、中高年パーティーが休憩中。どこまで行くのか訊かれたので、針ノ木峠までと答えた私。彼らはあとは船窪小屋に下りるだけらしく、「早くビール飲みたい!」と言ってた。クマが出るか気にしてた女性ソロも頂上に到着。彼女も私と同じく針ノ木を目指すのかと思ったけど、その後彼女の姿を見掛けることはなかった。
12:53に七倉岳頂上を出発。ガスで行く先が殆どみえないのは、たぶん、よかったんだろう。不動岳─船窪岳を思わせる酷い道だったから。一旦七倉乗越まで下りるけど細かいアップダウンがあるうえ、足元も不安定。もう少しで七倉乗越に着くという辺りのロープ場で、中高年パーティー4人組と遭遇。上り優先だから、この場の優先権は彼らにあるんだけど、彼らのリーダーが発した「あと3人来ます!」という口調からの「絶対道は譲らない!」という剣幕にすっかり気押されてしまい、彼らの通過をじっと待つ。無事すれ違いに成功した後にロープ場を下りてみたら、さらにハシゴ場まであった(苦笑)。確かに、ここではすれ違えんわな…。ハシゴ場から七倉乗越は目と鼻の先の距離。赤ペンキで「七倉のっこし」と殴り書きされた石が鎮座する場所に13:36に到着。一本で北葛岳まで行く気概を持ってたけど、あまりの悪路にその気も消沈してたのて、ここで休憩。ガスが一瞬晴れて対岸の山がみえたけど、みえないほうがよかったかも…(苦笑)。
七倉乗越から相変わらず足元の悪い道を往く。ハシゴもある上りを慎重に進み、14:30に北葛岳頂上に到着。ここもガスガスで展望無し。休憩してると針ノ木側からトレランふう軽装の兄ちゃん2人が颯爽と到着し、記念撮影したらさっさと七倉方面に向かってった…。この後針ノ木小屋に着くまで、他の登山者の姿をみることは無かった。北葛乗越まで1時間、蓮華岳まで2時間、針ノ木小屋まで1時間と見積もったら、合計4時間。単純計算では、針ノ木小屋は18時半着。「遅いッ!」と、小屋のオヤジに叱られないか心配になる。七倉乗越までの下りで時間を要したのが計算外。
北葛岳頂上から北葛乗越に下りていくと、東側のガスが切れ、麓の貯水池(後から、龍神湖の北半分と判明)や大町の市街地がみえるようになった。さらにガスは晴れ、この先の行く手がみえるようになってきた。北葛乗越まであんなに下って、蓮華岳まであんなに上り返さないとゴールに着けないのか! 御丁寧なことに、本日のゴールの針ノ木小屋までみえてしまった。あまりに遠い道のりに眩暈がしそうだ(苦笑)。これまでマトモに陽が当たる場面が無かったためここに来てようやくアームカヴァーを装着。北葛乗越には15:22に到着。ビバーク適地があり、テント3張程度張れそう。水を充分持っておりビバーク可能な状態だったので、日没までに宿泊予定地にたどり着けないことを理由にビバークを真剣に検討。しかし、しょーじき「晴れてんのにビバーク?」と思ったので、そのまま先に進む。さっきまでのガスガス状態だったら多分ビバークしてたことだろう。
北葛乗越から蓮華岳頂上まで標高差550 mほどの上り。南アルプスの縦走ではよくある標高差だけど、北アルプスの縦走でこれほどの標高差は珍しい。さらに言うと、本日の日程での最高点であり、巨大な体躯からもラスボス感がアリアリ…。最初からいきなり鎖のある岩場の上り。比較的に足場がしっかりしてるので慎重に登ってクリア。岩場から砂礫帯の稜線に変わるあたりで休憩。いつしかまたガスが上がって来て景色が望めなくなるなか、北アルプスらしい稜線をジグザグに上ってく。だいぶ萎れてるけどコマクサが咲いてるのがせめてもの慰め。17:21に蓮華岳頂上に到着。真っ白で景色は望めないけど、三角点を探りに行くと、ライチョウが居た。こちらの気配に気付いたのか、すぐに何処にか飛び立った。
蓮華岳から針ノ木小屋までのコースタイムは小1時間なので、18時までは無理としてもそんなに遅くならないうちに小屋に着けそう。蓮華岳頂上を出発し、最初のうちは広々とした稜線歩き。晴れてればさぞかし気持ちがよいことだろう。なだらかな稜線歩きから傾斜のついた下りとなるも、コースがよく整備されていることもありグングン下れる。18:11に針ノ木小屋に到着。テントの受付をしたらノートに記名させられたけど、自分の記入する前の行でしっかり線が引かれてる。おそらく「8月23日分はここまで」の意味だろう(苦笑)。テン場に移動し、まずテントを張る場所を確保。しかし、時間が時間だけにロクな場所が空いていない。北葛乗越のビバークサイトのほうがよっぽど広い!…と思える場所にテントを張り、さっさと夕食を喰ってから就寝。寝床の下の石のゴツゴツが気になって、何度も目が覚めた(苦笑)。
翌日8月24日は朝4時に起床。朝食は昨夜仕込んだアルファ米のチキンライスとコーンピラフ。チキンライス喰っただけで満腹になったので、コーンピラフは今日の行動食に廻す。コーヒー飲んで寛いでからテントを出て、キャンパー専用の屋外トイレ「槍見トイレ」で用を足して、小屋の前を4:55に出発。針ノ木岳頂上を往復しに空身で出発。ウエストバッグに行動食と水の入ったペットボトルを用意してたけど、使うことはなかった。最初のうちは快晴だったものの、次第にスバリ岳─赤沢岳のほうにガスが上がってくる。そしてそのガスは針ノ木岳のほうにも伸びてきてた。頂上に着いた5:37頃にはあたりは真っ白になりつつあって、ブロッケン現象も確認出来たけど、これは一時的なモノだったようで、すぐにガスはとれて素晴らしい展望を見渡せた。白馬から鹿島槍─爺ヶ岳へと続く後立の山なみ、槍から続く裏銀座の山々、そして普段富山でみるのと左右逆の立山連峰。満足度が高かった。
頂上からさっさと下山し、6:20にはテン場に戻る。朝露でビショ濡れのテントが少しでも乾いてれば…と思ったけど濡れたまま。仕方ないのでそのまま撤収。テント札と空缶を小屋に返してから、6:50より下山開始。
雪渓を下るので、アイゼン必携?…と思ってたけど、みなさんのレポート読んでアイゼン不要なのが分かってたので、今回はアイゼンの用意は無い。下ると次から次から上りの登山者とすれ違う。結果的には降らなかったようだけど、午後の天気予報雨だけど大丈夫?と訊きたくなるほど(苦笑)。最終水場では多くの登山者が採水中。小屋の揚水ポンプが故障で水不足になっているため、小屋では1人当たり3Lまでの販売制限(1Lあたり100円)をしてることもあり、協力を求める看板が設置されている。私も昨夜は制限上限の3L買ったしな。7時半くらいにノドに到着。本来なら雪渓歩きが始まるあたりだろうけど、元々今の時期は雪渓が縮小してるうえ、この酷暑の影響が顕著なんだろう、雪渓の歩行は禁止。その代わり、高巻き路に迂回したけど、細かいアップダウンが多い…。沢の右と左を何度か行き来し、8:41に大沢小屋に到着。小屋の前で朝食べなかったコーンピラフを消費。大沢小屋からは下り一辺倒かと思いきや、枝沢を横断するたびにアップダウンするため、下ってる感はあまりしない(苦笑)。ようやく下りになって来た…と思ったら、関電トンネルの(通常の観光客は通らない別の)入口の横にひょっこりと出た。あとは陽射しのなか車道を下るのか…と思ったら、登山車用のルートが別途用意されており、ほぼ車道を歩くことなく、扇沢駅の前に到達。扇沢駅着は、9:45。次の信濃大町駅ゆきのバスは9:55発で、慌ててきっぷ買って、トイレで上半身だけ着替えて、バスに乗り込む。乗客は3人で、全員山ヤ(苦笑)。信濃大町駅前までの運賃が1,650円で、「裏銀座登山バス」より高額。「裏銀座登山バス」は1,650円でもいいと思った(現金対応がメンドーだから1,500円なんだろう…苦笑)。途中、大町温泉郷で観光客が乗車し、それなりの人数になってから10時半に信濃大町駅前に到着。駅前の市営駐車場の最大料金は「15,000円」の見間違いではなく、確かに「1,500円」で、安心(苦笑)。国道148号を北上してたら大雨のため県境通行止めの案内が出てたので、安房トンネル経由に変更。2時半には富山に帰着。
今回の山旅をもって、北アルプスの「赤線つなぎ」が、大学時代の松本の下宿から親不知まで完成。つながったルートの殆どが在学時に済ませており、つながっていなかった区間を3年前と今回でつなげたことになる。その目的のため、通常ならやらないようなルート取りと無理な日程を強行したけど、無事に帰って来れてよかった〜! 時期的にあまり期待してなかったけど、展望にも恵まれた。あと、今の酷暑の夏山歩きは水分補給が重要と思った。船窪小屋と針ノ木小屋で合計2.5Lの水とCCレモン2本(1,000 ml)購入したけど、コレ無かったら干上がってたな…(汗)。
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