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Yamareco

記録ID: 8585219
全員に公開
ハイキング
白馬・鹿島槍・五竜

不帰嶮(天狗~唐松岳)縦走

2025年08月20日(水) 〜 2025年08月21日(木)
情報量の目安: S
都道府県 富山県 長野県
 - 拍手
オータニ その他1人
体力度
6
1〜2泊以上が適当
GPS
16:33
距離
19.5km
登り
2,302m
下り
1,829m
歩くペース
標準
1.11.2
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
7:22
休憩
0:44
合計
8:06
距離 8.9km 登り 1,694m 下り 208m
5:51
8
5:59
6:01
25
6:26
6:27
12
6:39
6:40
21
7:02
62
8:05
49
8:54
8:55
25
9:20
9:21
6
9:26
9:27
4
9:31
9:32
29
10:01
10:09
33
10:42
11:04
100
12:44
12:50
32
13:22
13:27
36
14:03
2日目
山行
6:14
休憩
1:56
合計
8:10
距離 10.6km 登り 608m 下り 1,621m
5:52
24
6:16
29
6:46
6:54
45
7:39
7:55
19
8:14
8:20
41
10:21
10:23
15
10:38
11:17
52
12:09
12:11
11
12:21
12:22
21
12:43
18
13:01
13:13
2
13:15
13:16
8
13:23
13:24
4
13:28
13:39
21
14:00
6
14:06
ゴール地点
天候 1日目、晴れ時々曇り
2日目、霧のち晴れ
過去天気図(気象庁) 2025年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
前泊に最適、5000円未満。
2025年08月20日 05:12撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 5:12
前泊に最適、5000円未満。
マウンテンドクターのロケに使われた、猿倉荘。
2025年08月20日 05:44撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 5:44
マウンテンドクターのロケに使われた、猿倉荘。
鑓温泉への登山道、樹林帯の切れ間から見る白馬方面。
2025年08月20日 07:17撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 7:17
鑓温泉への登山道、樹林帯の切れ間から見る白馬方面。
登山道から南方向に、鑓温泉小屋が小さく見える。昨日この辺りで熊が出たと、すれ違った登山者が皆さん言ってました。
2025年08月20日 08:13撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 8:13
登山道から南方向に、鑓温泉小屋が小さく見える。昨日この辺りで熊が出たと、すれ違った登山者が皆さん言ってました。
途中、木橋で川を渡る。
2025年08月20日 09:21撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 9:21
途中、木橋で川を渡る。
流れは冷たい。
2025年08月20日 09:23撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 9:23
流れは冷たい。
雪渓を渡る箇所。斜度が緩いので夏靴でも行けるかも?と半歩ためしてみたらアプローチシューズのせいか思ったより滑る。当たり前。
2025年08月20日 09:54撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 9:54
雪渓を渡る箇所。斜度が緩いので夏靴でも行けるかも?と半歩ためしてみたらアプローチシューズのせいか思ったより滑る。当たり前。
チェンスパ装着。十分なグリップ。せっかく持ってきたんだから、装着程度の手間を、横着してはいけません(苦笑)。
2025年08月20日 10:00撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 10:00
チェンスパ装着。十分なグリップ。せっかく持ってきたんだから、装着程度の手間を、横着してはいけません(苦笑)。
雪渓は何箇所もたくさん見ることができます。
2025年08月20日 10:16撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 10:16
雪渓は何箇所もたくさん見ることができます。
鑓温泉。流れてるのはお湯です。足湯があるので、時間の余裕があれば浸かっても良いかも。この日は暑かったのでパス。
2025年08月20日 10:34撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 10:34
鑓温泉。流れてるのはお湯です。足湯があるので、時間の余裕があれば浸かっても良いかも。この日は暑かったのでパス。
お花畑。写真は素人なので、ほとんど写ってませんが、肉眼ではとても綺麗。メルヘンな雰囲気。
2025年08月20日 11:50撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 11:50
お花畑。写真は素人なので、ほとんど写ってませんが、肉眼ではとても綺麗。メルヘンな雰囲気。
登山道から見上げる白馬鑓方面の稜線。
2025年08月20日 12:55撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 12:55
登山道から見上げる白馬鑓方面の稜線。
稜線に出たところ。すれ違った登山者に「上は強風で寒くて地獄」と言われたけど、納まっていて良かった。
2025年08月20日 13:27撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 13:27
稜線に出たところ。すれ違った登山者に「上は強風で寒くて地獄」と言われたけど、納まっていて良かった。
稜線上、白馬鑓方面を見たところ。
2025年08月20日 13:35撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 13:35
稜線上、白馬鑓方面を見たところ。
天狗山荘。スペースを詰めずに使わせてもらいますくれるので、良いです。6畳ほどの区画が私たち2名で貸切りでした。
2025年08月20日 14:01撮影 by  iPhone 11, Apple
8/20 14:01
天狗山荘。スペースを詰めずに使わせてもらいますくれるので、良いです。6畳ほどの区画が私たち2名で貸切りでした。
視界は真っ白。途中、雷鳥に会った。それが雷鳥と分かって少し気分が和んだけど、雷鳥の鳴き声はウシガエルのようで(初めて聞いた)、姿が見えないので熊かと思って本気でビビった。
2025年08月21日 06:15撮影 by  iPhone 11, Apple
8/21 6:15
視界は真っ白。途中、雷鳥に会った。それが雷鳥と分かって少し気分が和んだけど、雷鳥の鳴き声はウシガエルのようで(初めて聞いた)、姿が見えないので熊かと思って本気でビビった。
ほぼ真っ白でしたが、少し霧が薄くてなって僅かに見えたときにすかさず撮った写真。見通せていたら、どんだけ良かっただろう。
2025年08月21日 08:32撮影 by  iPhone 11, Apple
8/21 8:32
ほぼ真っ白でしたが、少し霧が薄くてなって僅かに見えたときにすかさず撮った写真。見通せていたら、どんだけ良かっただろう。
富山県側の切れ落ちた断崖。
2025年08月21日 09:20撮影 by  iPhone 11, Apple
8/21 9:20
富山県側の切れ落ちた断崖。
長野県側の断崖。稜線はそれほと痩せてはおらず、ほとんどの箇所は、むしろ広くて歩き易い。
2025年08月21日 10:35撮影 by  iPhone 11, Apple
8/21 10:35
長野県側の断崖。稜線はそれほと痩せてはおらず、ほとんどの箇所は、むしろ広くて歩き易い。
唐松岳からの下山途中。不帰三峰のゴジラの爪痕のような山容。その右はニ峰南峰と北峰へとつながる稜線。
2025年08月21日 11:48撮影 by  iPhone 15, Apple
8/21 11:48
唐松岳からの下山途中。不帰三峰のゴジラの爪痕のような山容。その右はニ峰南峰と北峰へとつながる稜線。
帰りの八方池から見上げた不帰の嶮。左が三峰、真ん中の双耳峰がニ峰、右が一峰。その→が不帰キレットで、天狗の大下りの上部と天狗の頭はガスが掛かっている。こっちから見えるということは、向こうからは八方池まで見えているはず。さっきのガスはどこ行った、ちょっと悔しい。
2025年08月21日 13:18撮影 by  iPhone 11, Apple
8/21 13:18
帰りの八方池から見上げた不帰の嶮。左が三峰、真ん中の双耳峰がニ峰、右が一峰。その→が不帰キレットで、天狗の大下りの上部と天狗の頭はガスが掛かっている。こっちから見えるということは、向こうからは八方池まで見えているはず。さっきのガスはどこ行った、ちょっと悔しい。
撮影機器:

感想

昨年唐松岳から見て憧れていた不帰嶮を、どうしても一度歩いてみたく、東京近郊からマイカーのアクセスで、2日間の休みで行けるコースとして計画しました。白馬村に駐車して猿倉登山口まで移動してからスタートし、帰りはリフトとゴンドラで白馬村に戻るコースです。

現地に朝着でも良かったのですが、そのためにはAM1:00くらいに家を出ることになるので、今回は前日入りして白馬村に前泊しました。55ベースというコンドミニアム形式の宿が、白馬村でほぼ唯一、一泊5千円以下で宿泊可能。ナンバーキー方式でレイトチェックイン可、最近できたばかりで綺麗で寝具も清潔、前泊に持ってこいです。

車は第三駐車場が無料で停められて、宿までは3分くらいです。そこからタクシーで猿倉荘まで20分くらい、バスもありますが始発が6時で料金2千円、タクシーは予約すれば早朝でも指定の場所に迎えに来てくれて、猿倉荘まで今回4100円だったので2人以上ならタクシーが便利です。

猿倉登山口からは白馬の大雪渓方面に行く人が大半で、鑓温泉方面に行く人は1割くらいの感じです。鑓温泉への登山道は、前半はごく普通の樹林帯の登山道ですが、自然そのままの雑木林は杉と檜が一本もないので、緑の色が鮮やかで雰囲気が良く、北アルプスに来たという序章が味わえます。

鑓温泉までの途中で、一箇所だけ雪渓を横切るようになっており、事前に鑓温泉小屋に聞いたところ「チェンスパは非推奨で軽アイゼン以上が推奨」と言われたのですが、昨日のコンディションではチェンスパで十分でした。私たちの直後の登山者は、夏靴でそのまま歩いて、結構な歩度でスタスタ渡りきっていました。その後ろの登山者は雪渓を上流側に50mくらい巻いて雪のない箇所を渡っていました。

鑓温泉から上は岩場鎖場が少しありますが、自分はストック依存性なので、ほぼストックを使って立って歩いて登りましたが、よくなかったかもしれません。いよいよストックでは無理と判断してストックを畳んでしまったら、それが最後の鎖で、すぐまたストックを出すことに。「ストックしまえ」の注意看板が何回か出てくるのは、中途半端な斜度の岩場なので、私のように無理にストックで頑張って転ぶ人が多いのかもしれないと思いました。

岩場鎖場が終わると雰囲気がガラッと変わってお花畑で、メルヘンな感じです。運良くそのタイミングで丁度晴れだので、とても気分良く登ることができました。稜線に上がる最後はガレ場のつづら折れで、すれ違った登山者から「上は気温10°、風速15mで地獄よ」と言われたのですが、私達が登ったときには5m以下くらいに納まっていたので助かりました。

猿倉登山口から稜線まで、累積1700くらい上げる必要があります。自分は一日で1700上げるのは初めてで、この山行はどちらかと言うと翌日がメインなので、意識して歩度を落とし、歩幅も刻み、小休止も多めにして脚と体力を温存するように登りました。比較的登り易い道だったこともあり、なんとか疲れ過ぎずに無事に登ることができました。

二日目は朝から霧と強風。5時出発の予定を6時に遅らせたのですが全く改善の気配なし。霧は視界が20~30メートルくらいはあったので、道が分からなくなるほどではなかったのですが、風は富山県側から常時10~15mくらい吹き上げっぱなしで、身体を右斜めに傾けっぱなしでやっとバランスが取れる状況。吹き付ける霧で眼鏡が曇って見えないのでやむなく眼鏡はしまい、裸眼で歩くしかない状況でした。

天狗の頭までは、今回は真っ白でしたが、晴天なら気持ち良いであろう広くて緩い縦走路。それが天狗の頭で一転して急峻な岩場になります。事前情報で把握していたもの、視界がないのであまりの突然の変化に気持ちが追いつかず、ちょっと怯みました。最初は急な岩の狭い立ち込みを左に巻くようにトラバース。岩が濡れていて既に怖いです。

そこから降り始める最初の鎖が、このコース全体の中で一番難しくて怖かったかもしれません。岩の層が逆スラブ気味で、岩質も濡れると滑り易くなるタイプなので、足の掛かりが良くなく、いつスッポ抜けるか分からない感じです。手のホールドも少なめで掴みも不十分。落ちたら洒落にならないので、安全第一で鎖に頼って降りました。初っぱなが最大難度で、そこからは徐々に容易になる方向だったので良かったです。一連の岩場のあとガレたつづら折れを降り、再度少しの鎖場があって、天狗の大下りの鎖はその2箇所だけでした。

天狗の大下りの最後の方では「道迷いに注意すべし」とされているので、いったいどこがその分岐点か気にしながら歩いていたのですが、逆に間違え易い箇所がどこなのかが良く分からなかったです。間違えがちだという自覚のある方や、登山経験の浅い方はともかく、ある程度の経験と注意力と20m以上の視界があれば、それほと過敏になる必要はない感じです。魔が差したとか、その瞬間気が散っていたとか、そういうことなのかなと思いました。

不帰キレットからの登りは、景色がないのが甚だ残念でしたが、登坂自体はとても楽しかったです。天狗から唐松に向かう方向だと、下りの岩場は大下りだけで、一~三峰の岩場鎖場は基本的に全て登りになります。一峰の岩場は丁度良いウォーミングアップ程度で、ニ峰北峰が一番の楽しみどころになります。ホールドも多くしっかりしており、足も掛かるので、岩好きの方は鎖を使わずに楽しく登れます。

有名な空中ハシゴを渡った直後の短い登りだけ、丁度掴みたくなる位置に抜けそうな岩がいくつかあり、不用意に掴んで力を掛けると危ないかもしれません。ニ峰南峰は北峰よりも岩場の傾斜は緩いのですが、鎖を使わない前提で言うと、ホールドの位置関係や足の掛かり具合などか難しく、むしろこちらの方が難易度は少し高いかもしれません。

三峰は遠くから見る勇ましい山容と裏腹に、登山道はピークをほぼ巻いているらしく、ガレた道が殆どです。ちょっとした岩場もありますが、それも含めて普通に立って歩けました。ニ峰南峰から三峰は、右に左に目まぐるしく巻きながら進むので、視界がないとどっちに向かっているのか分からず、白い中をただただ歩くだけで、気がつくと唐松岳のピークに達していました。なにも見えないことが、さすがにちょっと残念な感じでした。

ところが、唐松で小休止して八方方面に下山の途中、なんと不帰の嶮がピーカンで全部見えてるじやないですか‥‥唐松岳の登山道は北アルプスらしい景色が素晴らしいと人気ですが、その景色とは、まさに天狗から不帰を経て唐松に続く稜線と、その稜線から深い谷に落ちる断崖、そこにある雪渓やガレた沢の勇ましい姿です。とくに不帰三峰の、ゴジラの爪で引っ掻いたような稜線とそこから続く切り立った尾根筋と沢筋は、見惚れるほどです。

今朝の出発をあと2時間遅らせていればと思うと悔しいですが、自分の歩いた稜線を一望できただけでもラッキーと思うことにしました。また機会があれば、好天を狙って再訪したいです。好天で歩いたら、どれほど素晴らしいだろうと想像するだけでワクワクするような素晴らしいコースだと思います。


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