白馬岳(白馬三山~唐松)


- GPS
- 20:52
- 距離
- 25.4km
- 登り
- 3,155m
- 下り
- 2,477m
コースタイム
- 山行
- 6:54
- 休憩
- 2:48
- 合計
- 9:42
- 山行
- 9:55
- 休憩
- 1:24
- 合計
- 11:19
天候 | 12:晴れ 13:晴れ後曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
駐車場から徒歩で→バスターミナルからバスで→猿倉 兎平ゴンドラ乗り場から徒歩で→駐車場 |
コース状況/ 危険箇所等 |
大雪渓、小雪渓以外にも、人によってはアイゼン欲しい場所いくつかあり |
写真
感想
ここ1年くらい、機会を伺っていた白馬岳に登ってきた。
どのルートで登るか悩んだけれど、白馬といえば大雪渓ということで、往路は猿倉・大雪渓で入山。帰路は人を選ぶので機会が難しそうな、不帰キレット経由の唐松・八方尾根下山。
1日目
今年は猿倉までの林道崩落のため、自家用車で駐車場まで上がれず、猿倉直下の崩落地まではバスで上がれるとのこと。 八方第三駐車場に車を止めて、バスに乗って向かう。崩落は思ったより酷くなさそうなので、来年あたりに直ってることを期待したい。双六の左俣林道のほうが酷かった・・・
今年は大分、残雪が多いらしく山小屋情報を見ていると、大雪渓ルートは10本爪以上のアイゼンを推奨とのこと。 自分は10本爪以上のアイゼンは冬山用の12本しかなく、取り付けられる靴も冬靴のネパールEVOしかない・・・6本爪アイゼン+夏靴でいくか悩んだ末、冬靴+12本爪にしたが、後ほど雪渓以外の部分で苦労することになった。
猿倉の林道を歩き始めた時点では大分蒸し暑く、この時期は沢登りだな・・と思っていたのだけど、大雪渓に入ると、谷間を降りる冷気のせいで途端に涼しくなる。
懸念していたアイゼンについては、12本爪なので大雪渓・小雪渓ともに楽に感じた。特に気にしていなかった小雪渓後の山頂直下の雪渓が、ノーアイゼンで進んでしまったせいでここのほうが怖かった。
大雪渓上部では杓子岳方面から絶えず落石の音が聞こえて冷や冷やするが、谷間を覆う靄が幻想的で良い雰囲気だし、何よりも涼しくて快適。小雪渓を抜けた後のお花畑は見事だし、人気ルートの理由も納得だ。
昼前にはテン場に到着して、早々にテントを設営・・というところで問題発覚。テントポールを忘れてしまった。小屋番さんに事情を話して小屋泊に切替ようとしたところ、忘れ物のテントポールがあるから試しに使ってみたらとのこと・・・
取り付けてみると、テントのサイズよりも少し短かったが、なんとか自立できる。強度が不安なので、ペグと張り綱を普段より多めに使って固定。これで一晩過ごすことが出来たので、親切な小屋番さんには大感謝。
テント設営後は、荷物を減らして白馬岳まで散歩。稜線は、お花畑満開で見ていて楽しい。コマクサ、ウルップソウ、チングルマ、ハクサンコザクラ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマオダマキ・・百花繚乱って感じ?
山頂を踏んだあとは、気になっていた白馬山荘スカイラウンジで昼食を頂く。動画で見たことはあったけど、すごい展望。 いつかはここに泊まって、ラウンジで夕飯を食べてみたい。
夕飯までには時間が余っていたので旭岳もPH。人が入っていないのか踏み跡も薄く、ざれていて道が悪かった。その分、お花畑が道の間際まで広がっていた。
夕食後は再び、夕焼けを眺めに白馬岳のピークまで散歩した。さすがに日没間際は風が冷たく、ダウン無しだったので堪えたけれと、ビーナスベルトを背景にした小蓮華岳への景色がとても綺麗だった。
2日目
日没後から風が強まり、テントが大きくたわむので倒壊しないか気になって、あまり寝れず・・・2時半に外を確認するとガスが消えていたので、どうせ寝れないので出発する。周りのテントも明かりが割と明かりが着いていたので、同じような人が多かったのかもしれない。
稜線に上がると風が強まり、時折よろつく。風速10mくらいはあったかもしれない。手袋をもってこなかったので、指先がかじかんで後悔した。
杓子岳で日の出を迎える。モルゲンで白馬岳・旭岳の雪渓が赤く染まってなんとも美しい。白馬岳ピークまでのなだらか稜線が一望出来て最高の景色!
岩質が白いため稜線の色合いが明るく、鑓ヶ岳へ続く稜線も気持ちの良い眺め。相変わらず、高山植物は豊富で、目を楽しませてくれる。 杓子岳、鑓ヶ岳はおまけかと思っていたけど、とんでもない! 好きな稜線ランキングトップ10を更新するくらい、気持ちの良いトレイルだった。
天狗山荘で長めの休憩を取って、キレットへ突入。
最初の難所は、天狗の大下り。極端に高度感がある場所は無いものの、ザレていて、浮石が要所要所あり、滑ると谷底に滑落しそうな個所がある。 ここに来て、冬靴の歩き難さが顕著に感じて苦戦。シャンク・ソールが固いせいで、砂礫を踏むとスリップしそうで気を遣う。靴も重いせいで一歩一歩の疲労感が大きい。 休み休み足の疲労を取りながらコルまで下る。
二つ目の難所は二峰北の登り。目の前まで来ると、威圧感のある傾斜の岩場に鎖がかかっている。 鎖場を登り切った部分で、チムニー状の隙間に、はしごで橋が架かっている。覚悟を決めて登ってみると、岩場では固いソールはあまり気にならず割と安定して通過することが出来た。空中はしごで、一番の難所が終わったかと思ったのだけれど、その後にザレた足場をトラバースする個所が何回かあり、そちらのほうが緊張した。
2峰北を登り終わると、大分安心できる雰囲気になるが、転んだら谷底に滑落しそうな場所は数箇所あるので、唐松岳までは、気がゆるめないように注意して歩いた。
唐松岳のピークに着くと、これまでの静けさから一転、人で溢れかえっている。足の疲労がピークだったけれど、休む場所も見つけにくいので、そそくさと、八方尾根へと下る。
丁度良いことに、下山に差し掛かるとガスがわき始め、涼しさを感じながら下山することが出来た。
北ア3大キレットはこれでコンプリート。事前情報では大キレット・八つ峰キレットよりは簡単という総評もあったので多少は気楽に構えていたのだけれど・・・靴のせいか、寝不足か、年のせいか、他の二つを歩いた時よりも怖く感じた。
白馬岳は、これまで来なかったのがもったいないと思うくらい、素敵なルートだった。 涼しく変化のある大雪渓ルート、高山植物の豊富さ、白馬三山や小蓮華岳のなだらかで広大な山なみ。今回、歩かなかった栂池方面、鑓温泉も気になるので、次に来るのが楽しみだ。
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