白馬岳(二股→栂池)



- GPS
- 13:32
- 距離
- 20.1km
- 登り
- 2,314m
- 下り
- 1,330m
コースタイム
- 山行
- 6:28
- 休憩
- 1:28
- 合計
- 7:56
天候 | 1日目:登山口付近は曇り/小雪渓上は霰と霧・風あり ※白馬山荘到着時は装備が凍った。 2日目:晴れ/強風のち弱風 ※8時台まで風が強く耐風姿勢を取ったが、9時頃以降は風も弱まった。 |
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過去天気図(気象庁) | 2025年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
上信越自動車道 長野IC→オリンピック道路(長野県道31号・33号)→二股ゲート ※車2台利用し、1台は八方駐車場へ。 【帰り】 栂池高原→白馬八方BT:アルピコ交通特急バス 白馬八方BT→オリンピック道路(長野県道33号・31号)→上信越自動車道 長野IC |
コース状況/ 危険箇所等 |
二股→猿倉:約5.5kmの舗装路歩きです。全面除雪されていますが、横の斜面から道路の端に雪が落ちてくる瞬間がありました。 猿倉→白馬尻小屋:一貫して雪道です。緩んでアイゼンが効きにくく、やや滑りやすくなっていました。トラバースもありますが、踏み跡がしっかりしていたため危険は感じませんでした。 白馬尻小屋→葱平(岩室跡):大雪渓です。初めは左右に広いですが、徐々に傾斜がキツくなっていきます。この時期は音もなく忍び寄る落石が特に多いそうで、ヘルメット必携です。(しかも素直に進まず、急な進路変更も少なくないようです。) 葱平(岩室跡)→白馬山荘:霧と霰の中、おそらく30度くらいの急傾斜を上ります。アイスバーンが緩んだ状態の路面ですが、しっかり刺さります。(ただし滑ったらかなり危ない気がします。) 上部ではモナカ雪に加え、稜線が近づくにつれて風が強くなり装備が凍りました。傾斜が緩くなると地表が露出した道となり、間も無く山荘へ着きました。 (頂上宿舎は通りませんでした。) 白馬山荘→白馬岳:夏道と氷のミックスです。朝8時半頃の時点で耐風姿勢が必要な風の強さとアイスバーン気味の道でした。 転ばなければそこまで危険な道ではありません。 白馬岳→三国境:稜線の下りで、急な箇所・転んだらかなり下まで滑落しそうな区間を歩きます。傾斜も急な箇所が多かったです。 ステップを切った箇所はこれに従わないと危ないとの注意がありました。 路面の技術的な難易度は上州武尊山の剣ヶ峰くらいと感じましたが、標高や気象条件は異なるので参考程度に。 三国境→小蓮華山:夏道が露出した区間が多く、ぬかるんでいる箇所もありました。信州側は雪庇が張り出し、踏み抜くと危ないです。 小蓮華山→白馬大池(南):白馬大池に向けて徐々に標高を下げていきます。これまで同様に夏道を露出した区間が多く、雪のついた信州側は避けた方が良さそうです。一部トラバースあり。 船越ノ頭を過ぎて白馬大池が見えたら夏道から逸れ、急傾斜を池まで降りて白馬乗鞍岳ケルンを目指します。 白馬大池(南)→白馬乗鞍岳ケルン:雪を頼りにハイマツや岩の混ざった道を行きます。アイゼンを着けたままだとやや歩きにくいです。 白馬乗鞍岳ケルン→天狗原:急傾斜を降ります。幅広く進路を取ることができ、シリセードでもよさそうです。 天狗原→栂池自然園駅:急傾斜を進み、栂池ビジターセンター付近は通らずに自然園駅まで直接降ります。 ※大雪渓や小雪渓、白馬大池、天狗原などは雪崩地形であることに留意が必要です。 |
その他周辺情報 | 山岩木空:山小屋関係者だったご夫婦が営む古民家ゲストハウス。ご夫婦のお人柄、山菜の天ぷらや白馬紫米など料理、建物の雰囲気などとてもよかった。「やまいわきから」と読む。 白馬八方温泉みみずくの湯:アルカリ性のとろとろした温泉。PayPay使用可。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖インナー
ハードシェル上下
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
ダウンジャケット
ゲイター
バラクラバ
ヘッドバンド
ヤケーヌ
着替え
スリーシーズン用靴
ザック
アイゼン
ピッケル
昼ご飯
行動食
飲料
ヘッドランプ
予備電池
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ヘルメット
輪カンジキ
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備考 | この時期の大雪渓は特に落石が多くヘルメット推奨です。 |
感想
今回はグループ登山です。
白馬をよく知るリーダーのもと、大雪渓から白馬山荘を経由して栂池自然園を目指します。
【0日目】
日中の車移動で白馬村へ向かい、ゲストハウス「山岩木空」(やまいわきから)さんへ宿泊です。
ご夫婦、料理、建物の雰囲気とも大満足です。
自分一人のソロ登山ではできなかった体験です。
【1日目】
二股から歩き始め、大雪渓ルートを行きます。
天気予報は決してよくありません。特に稜線は霧に加えて風も強い予報です。
こちらは大半が信州側の谷を歩くので風の影響は比較的少なく、稜線に出てからは山荘までの距離も短いということで決行となりました。
登りにつれて傾斜もキツくなると同時に天候は明らかに悪く、この日の上りも2000m以上あるので決して楽な道ではありません。
人気の山で登山者もそれなりにいたし、何より自分達は心強いリーダーがいたから不安も少なく登れましたが、ソロなら相当心細いに違いありません。
白馬山荘に辿り着いた時の安堵感はひときわ大きく、テント泊での計画ではなく本当によかったと思いました。
<メモ>
・猿倉荘からしばらくは雪が緩んでアイゼンが効きにくかったが、滑落の危険はあまり感じなかった。
・大雪渓では静かな落石がこの時期は特に多いとのことで、早めにヘルメットを着用した。(幸い落石に遭遇することは無かった。)
・大雪渓の途中から雨粒、もう少し上がると霰を感じるようになったため、早めにハードシェルを着用した。上部では装備が凍った上に傾斜も急になったため、上り始めのなだらかなうちに着用できたのは正解だった。
・岩室跡付近から30度程度と思われる急傾斜になると同時に、アイスバーンが緩んだ状態の雪となった。アイゼンもしっかり効いたしストックだけで通したが、転倒リスクを考えるとピッケルを使った方が安全ではある。
・厳冬期ほどではないにしても風を受けるとしっかり寒く、凍傷の危険は肌感覚で分かった気がする。
【2日目】
前日夕方時点の天気予報は悪化し状況は良くありませんが、下山はしないといけません。
窓の外は晴れていても建物に吹き付ける風の音は凄まじく、このままなら稜線歩きへの影響は大きいです。
これを避けるなら来た道を戻って二股へ向かうわけですが、もしアイスバーン化しているなら通りたくありません。
多少時間はあるようなので5時の朝食後しばらくは停滞し、8時に判断することになりました。
最新の予報では9時には風も弱まるほか、他にも栂池へ降りる人もいるらしいとのことで、自分達も栂池へ降りることになりました。
9時前に出発して白馬岳山頂へ着くまでの間は風も強く耐風姿勢が必要でしたが、確かに徐々に風も弱まり青空も広がっていった気がします。
山頂以降の急傾斜で注意が必要な箇所も無事に通過し、気持ちも晴れていきます。
見える景色もとてもよく、稜線歩きはひたすら気持ちいいです。
白馬大池や天狗原への下りも急ではありますが、崖に落ちることが無ければ楽しいくらいです。
リーダーの判断は見事で、おかげさまで昨日の分まで楽しむことができました。
<メモ>
・山頂から三国境付近までの間の核心部はステップが切られており、これを逸れないように歩く。
続いて急な下りも現れるが、上州武尊山(川場スキー場上の剣ヶ峰あたり)を難なく通過できるなら十分歩けそうではある。
(標高や気象条件は異なる点に注意)
・稜線より信州側に雪庇が張り出している。稜線に近い部分でも大きな空洞が開いており、なるべく夏道の露出した部分を歩くのが安全である。
【その他】
・昨年の5月には冬靴に熱さと蒸れを感じたため、今回はスリーシーズン用の靴で臨むことにした。
⇒大部分では問題なく快適だったが、1日目の上部以降(だいたい標高2500m上くらい)では冷えを感じた。
・靴に合わせてバンド式アイゼンを新調した。一般にワンタッチ式と比べてフィット感に難があると聞いていたが、今回は不満は何も感じず、今後も安心して使えると思った。
※(靴)LA SPORTIVA - AEQUILIBRIUM ST GTX × (アイゼン)Climbing Technology - Nuptse Evo classic
・5月の連休なので当然ではあるが、行きも帰りも高速道路の渋滞は普段以上に長く遅くまで続いた。
【全体を通じて】
気象条件が難しかった今回の計画。
人の少ない山でのソロのテント泊なら相当厳しかったと思います。
信頼できるリーダーがいて、一緒に登れる仲間がいて、安全に過ごせる山小屋があって、ようやく楽しく歩くことができました。
どれか一つでも欠けていたなら、もし無事に帰って来られたとしても緊張感が大きく、ここまで充実感のある体験にはならなかったことでしょう。
前泊地もとても良かったのですが、自分一人のソロ計画では出会うことも無かったに違いありません。
ソロはソロで好きですが、グループの良さをひときわ感じられる回になりました。
奇遇にも、私も日帰りですが、5日に二股ゲートから栂池まで縦走していました!
栂池自然園駅に着いた時間もほぼ同じです!!
天狗原辺りで、7〜8人のパーティの方々を追い抜きましたが、その中にTAIRAさんがいらしたのですね。。。
確か、自分が山頂に着いた時にもパーティの方々がいらしたと記憶してます。
もし、気づいていたらお話したかったですよ。
なんと!
見た様子ではあの人数は自分達しかいなかったと思いますので、まさにその中におりました!
あの長い道のちを日帰りで踏破されたとは驚きです!
是非またの機会にお願いします!
自分が白馬山荘に到着した丁度その時に山荘前の展望スペースで皆さんと記念写真を撮られていましたね。
その時は、若い方々のグループでワイワイ楽しそうだなぁ、なんて思っていたら、まさかのまさかでした。
プロフィール写真の雰囲気から見るに、山頂でお見かけしたような気もします。
沢山ある山の中での偶然、驚きですね♪
まさかそこまで目撃なさっていたとは驚くやら恥ずかしいやらです!
あらかじめの約束ではなく偶然というところに感動を覚えます。
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