大門山・大笠山《日本三百名山》
富山県
石川県
山キチどん
- GPS
- 04:09
- 距離
- 18.4km
- 登り
- 1,900m
- 下り
- 1,900m
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| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2006年11月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| その他周辺情報 | 南砺市上平の”くろば温泉”\600 |
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赤摩木古山山頂より
大笠山山頂より
感想
睡眠10時間、昨日の疲れと、日頃の寝不足もほぼ解消されたようだ。夜明けと同時に歩き出そうと5:10道の駅を出発した。境川ダムからブナオ峠経由大門山に登り、大笠山に縦走し桂橋に下るつもりで、自転車をデポしに行くが、下山口には通行止めのバリケードが！理由が分からず少し入ってみると、大畠谷の深い渓谷を渡る吊橋の鉄製の支柱が折れ垂れ下がっている。迂回路はなく、大笠山へのルートは全く断たれている。これで今日の計画は崩れてしまった。どうしても大笠と大門の間を繋ぎたいのでブナオ峠まで車で行って大笠山までピストンをすることにした。
一旦R156に下り県道の峠道を10�卅�りブナオ峠に到着した時にはすっかり明るくなってしまっていた。県道も通行できるのはここまでで、この先峠の西側は土砂崩れで通行止めになっていた。車が3台停まり、隣の車から起き出した男性も登山準備。早速歩き出し大門山を目指した。今は南砺市となった旧上平村と平村の境界の尾根を登った。樹林帯で道はよく整備され歩き易い。男性一人を追い越し、越中と飛騨の国境稜線に達したピークは大門山への分岐点となっている。分岐から400m北西に進むと大門山(1,572m)山頂に達した。潅木帯で展望は今一、しかも雲が出て日差しを遮っている。余り感激もなく山頂の記録を取り出発したが、どうやらこの時にボールペンを失くしてしまったようだ。
国境尾根を南進すると大門山頂より展望の良い稜線となり東の方の山々が一望することができた。赤摩木古山（あかまっこやま1,501m）山頂は360°の展望があり、この先の縦走線上の見越山、奈良岳、大笠山がよく見渡せた。それにしても目的地の大笠山は遥か先だ。大笠山の先には笈ヶ岳、白山の雄姿も見える。朝は晴れていたが上空の雲が厚くなり、今日の天気はダメかと思ったが、優勢な高気圧が漸く目を覚まし、どんどん雲を追いやり空は一面の青空になった。やはり秋は青空が似合う。それにしても一気に暑くなった。
赤摩木古山までは大門山とセットで登る人が多いようだがこの先は静かな山域だ。見越山(1,621m)への縦走路は長く2.4�劼瞭残�、5つほど小さなピークを越えて歩くこと50分、直下の急登を登り詰めると見越山(1,620m’)に辿り着いた。双耳峰で北峰にほぼ同じ高さのもう一つのピーク(1,621m)があるが道はない。360°の展望の山頂には墓石のように磨かれた山頂標識がある。出発間際の茨城から来たご夫婦は、ブナオ峠を5:39に出発した一番手。大笠山へピストンするそうだ。
ご夫婦の後を追うように南に進み池のある鞍部に下りると湿地帯で、楓の紅葉が見事。木道が傾き歩き難い。先程のご夫婦を追い越し、登り返すと奈良岳（1,644m）で3等三角点「三方山」があり南側の展望が良い。西側にも尾根が延びて、踏み跡が続き尾根の先には口三方岳が続いている。そして折り返すように南に続く尾根の先には優美な姿の大笠山が少し近づいてきた。大休止を取りパンを食べているとご夫婦が追いつき、そして又先に行ってしまった。
奈良岳からは正念場の縦走路、コースタイムは2時間、再びご夫婦を追い抜いた。左手には砂礫の固まりのようなP1463が見え、その向うの谷間に桂湖が俯瞰できた。稜線の縁や二重山稜帯の見通しの利かない中央部を通り小ピークを数峰越えて行くといよいよ大笠山への最後の登り。山頂域に乗りあがると桂橋から来る道と合流し、200mで山頂に到着した。昨年5月に登頂した時は雪がどっさりとあり山頂標識も辛うじて見えるだけだったが、無積雪期は随分雰囲気が違う。しかしこの先、笈ヶ岳への稜線が深く切れ込んでいるのは変わらず先に続く踏み跡がすぐに途切れ、人を寄せ付けない。吊橋通行止めのハプニングを跳ね除け、美濃の石徹白から白山、三方岩岳を通りブナオ峠までの稜線を繋ぐことができ独り悦に入った。
大休止を終え出発準備をしていると、茨城夫婦が登頂して来たので、また腰を落ち着け話し込んでしまった。目の前の笈ヶ岳に随分興味を示し、来年の残雪期に行きそうな様子だった。もう会うことはないだろうと別れを告げ出発した。天気予報では午後大気が乱れると言っていたので、できるだけ早く下りたい。こんなに長い距離のピストンなんて久し振りだ。やはり気が重い。一頻り写真は撮って来たので、立ち止まるのは水を飲むときだけでどんどん進んだ。大笠直前の小ピークで、朝登山口付近で追い抜いた小父さんが登ってきた。かなりお疲れの様子で後どれ位と聞かれた。この質問はよく耳にするが答えるのは難しい。曖昧な答えは意味がないので「下りで18分でした。」と答えると「後30分位か」と呟かれたが、さて30分で行けるだろうか？後は知らない。
1時間5分で奈良岳を通過し、見越山に戻ると、奈良岳をピストンしたという若いご夫婦、大笠まで行って来たと言うと超人か化け物扱いで大変、普通の小父さんも行っているよと言っても現実のものとはしてくれないようだった。見越山を先発し誰にも会わず赤摩木古山を過ぎ大門分岐はスルーしブナオ峠へと下った。誰かに追いつかないかなと期待していたが、何と登ってくる人がいた。大門ピストンとのことで、明日は桂橋を当てにして大笠に登る予定だと言う。「吊橋が落ちているよ」と言うとひどく落胆していた。今から大笠までは行けないし、明日また同じ道を登るのは嫌だし、諦めるそうだ。晴れている間にブナオ峠に帰着し、大ピストンを終えた。
峠を下り五箇山西赤尾に出ると大きな合掌造りの民家岩瀬家がある。300円出して中に入ると囲炉裏端で小母さんに薬草茶を振舞われ、合掌造りの解説を聞かせてくれた。それによると300年前に建てられ、加賀藩に納める塩硝を取り仕切った家で間口14間半、奥行き7間の巨大な建物だ。殿様部屋と言われる書院には武者隠しまで備わりただの民家とは違う。現存最大の合掌造りで昭和33年に重要文化財に指定されたそうだ。そして案内してくれた小母さんこそ岩瀬さんで、この大きな家に当主の旦那と二人で住んでいるご婦人だった。
合掌造りの後は、この家で聞いた“くろば温泉”に向った。小原ダムの近くでダム湖に面して露天風呂もありのんびり出来た。結局天気の崩れもなく、夕食の後、明日の人形山の登山口中根平に向った。
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