もう春の陽気。ぶらぶら歩く高水三山。


- GPS
- 04:32
- 距離
- 9.5km
- 登り
- 772m
- 下り
- 776m
コースタイム
- 山行
- 3:53
- 休憩
- 0:39
- 合計
- 4:32
天候 | 晴々 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
写真
感想
奥多摩山域の東に位置し、高水山(759m)、岩茸石山(793m)、惣岳山(756m)の総称としてそう呼ばれる。岩茸石山から惣岳山の尾根は青梅市と奥多摩町の境界にあたる。
高水山には「常福院不動堂」開創は9世紀(801年~900年)の頃、西多摩・日原の大日如来窟で修行した智証大師が、高水山で降魔の修行をしている時、浪切不動尊を感得したことに始まると伝えられている。
扁額の「高水山」がまたなんとも言えないバランスの堂々とした書が味があって好きだ。
岩茸石山はこの三山のうちで一番眺望が良い。そして惣岳山の山頂は青渭神社奥院がある。
冬というと、なかなか高い山へ登ることもままならず、どうしても低山に留まりがちだけど、なんとか背伸びをしてみたい、また装備なども揃えていくと、ソレはいよいよモンモンとフツフツと湧き起こり抑えられなくなる。
先週の八ヶ岳は今冬の大一番で、ソレも一先ず鎮火し、心置きなくのんびり山歩きにも目が向けられる様になるというもの。
カラダ的には割とダメージが残っていて、足の裏や親指の痛みとか肩コリとか、その様なものもようやく治まってきた。
リハビリではないけど、3月1日の今日は4月並みの気温と、暖かそうでのんびりと歩けるのでないかと高水三山にする。振り返るとちょうど1年前も高水三山を歩いていた。
そういえば昨年は雪が残っていた。
朝の電車。中野から中央線でポカポカと揺られる。ウトウトしていて車内が騒ついたと思えば立川駅で、大勢の人が電車を降りて行った。立川か・・と再びウトウトと目を瞑ってしまった。終点の高尾駅に着く。乗り換えだ。
向かいのホームには、 水色のラインの車両が止まっている。ん?中央本線? あれ、どのホームに行くの? 次なにに乗るんだっけ?と、寝起きの頭は若干バグった様な感覚に陥る。
奥多摩へ向かっているのに、なぜ中央本線が?
本来なら中野を出て早々に立川駅で青梅線へ乗り換えないと行けなかったのだ。
しまった! というのもとっくの後の祭りで、陣場山から高尾山の縦走に切り替えるか、、など頭によぎったものの、高尾山はついこの前行ったところだし、あの混雑が頭に浮かんできて、いや、やめよう。ここは素直に引き返そうと、乗り換え案内アプリを見ると八王子から八高線で拝島まで北上出来そう、立川まで戻る必要はなさそうだ。
と、いうことで、拝島で奥多摩アドベンチャーラインに乗り換えて軍畑駅に到着。軍畑と書いて「いくさばた」と読む。まず、読めない駅名ランキングでは上位に来るであろう。
本来なら7:21に着いていたところが、8:32着と1時間遅れ。
気を取り直して、歩き始める。そんな無人駅の軍畑でも週末には、たくさんのハイカーさんが利用し、この日も沢山のハイカーさんたちが山々へ放たれていく。
今日は短めの山歩きでよかった。大一番で1時間遅れなんてしてしまうと致命傷である。
暖かい。ぶらぶらと、先週の反動か、時間も気にせずポカポカ陽気に中を、本当にぶらぶらと歩く。蝋梅の花も香り立つ。
しばらくアスファルトの道を歩いて高原寺を過ぎたところで登山口に。高水山山道二合目、三、四、そして九合目、高水山常福院龍學寺に到着。
お気に入りの「高水山」の扁額をしつこく撮影する。ここの境内は静か。人も少ない。お参りを済ませて、ベンチで少し休ませていただく。人懐こそうな狛犬がこちらを向いている。
鐘もつける様になっているのだが、おねがいの看板が備え付けてあり「静かな自然、静かな1日の為に鐘をつかないで下さい」「どうしてもつきたい方は、願いをこめて一度だけ」と、優しさのこもった最後の一文ににっこりしてしまう。
それでもゴーンと大きな音を立てて鐘をついている御仁もいらっしゃる。
そこから少し上がったところに高水山の山頂がある。特に眺望も良いわけでもない山である。ここはそういうものを楽しむ山ではなく、山に登って神域を静かに味わう、森と神社が一帯だった古代の信仰を感じるところ。なんて、偉そうに思っている。
とはいえ、次の岩茸石山は奥多摩の山々を眺望できる山頂がある。稜線を繋いで歩き、高水三山の最高峰・岩茸石山を目指す。最後にぐいーんと急峻で直登の坂を登り切ると山頂に到着。三等三角点もある。すでに沢山の登山者が休憩をしている。どこにこんな沢山の人たちがいたんだろう、となった。1時間遅れたからかな。
少しだけ休憩をして、そうそうに三山最後の惣岳山へ歩を向ける。馬ほとけ峠からは長閑な山道が続き、のほほんとした春のハイキング。本当に良いお天気。上着も脱いでとても身軽。でもやっぱり暑くて汗が少し滴る。
登りをのらりくらりと登り切ると社が見えてきて、惣岳山に着いたことに気づく。青渭神社の奥院。
青渭神社の創建は不明で社伝によると崇神天皇7年、紀元前91年という超老舗らしい。金網で覆われていて、中の様子はそう具には見ることはできないけど、その古めかしい佇まいと、大きく高いまっすぐと伸びる杉林が神々しさをより感じさせる。
さて下山。下山の途中にいくつか紙垂が吊るされていて、ここが神域であることを再認識させられる。紙垂が掛けられた「しめつりの御神木」という一際大きな木がある。ぼちぼちと神域を離れつつあるのと、そろそろ下山メシが頭によぎる。
と言っても、もう今日の下山メシは決めていて、御嶽駅に来るとほぼ必ず行く東峯園という駅前の中華屋さん。
そういえば「下山メシ」というテレビドラマがあったが、それにも出ていた。主人公が高水三山を歩き立ち寄った中華屋さんだ。
一応、あのドラマは観ていたのだが、観る限り、あれくらいしか歩いてないのに、そんなに美味そうにはならないだろう。どうも山歩きが足りない。
もっと、しんどくてしんどくて、喉乾いた~お腹減った~というのを、何十回か繰り返した暁に手にする冷たく冷えた生ビール。
山歩きを経験していると、脳内でそれを補完して観るのだが、その描写もなく、たいして歩くことなく、あっという間に生ビールを手にしているあたり、普通の人は、そこまでぐびぐび、旨そうにいかないだろう。
なんてことを思いながら観てしまっていた。
っと、そんなことはどうでもいい。暑かった今日の山歩きを締めくくる冷たい生ビールと熱々の餃子は、下山メシの王様である。都合2杯と焼飯を追加して、斯くして打ち上げは終わった。
最寄りの駅についてもまだ夕方だった。早い時間に帰って来られるのは悪いことではなく、また家で飲み直してゆっくりお布団に入る。ちゃんと運動もして、美味しくご飯も食べて、と、こういう休日もたまにはいい。そんなリハビリ山歩きの高水三山でした。
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