後立山連峰縦走 白馬岳~爺ヶ岳


- GPS
- 33:35
- 距離
- 39.8km
- 登り
- 4,136m
- 下り
- 4,610m
コースタイム
- 山行
- 6:22
- 休憩
- 0:23
- 合計
- 6:45
- 山行
- 3:37
- 休憩
- 1:42
- 合計
- 5:19
- 山行
- 5:48
- 休憩
- 2:03
- 合計
- 7:51
- 山行
- 7:53
- 休憩
- 0:54
- 合計
- 8:47
天候 | 1日目 晴れのち雨 2日目 暴風雨 3日目以降 晴れ 気温9℃~20℃ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
扇沢駅からバスで大町温泉郷、その後友人の車でゴンドラへ回収 |
その他周辺情報 | 扇沢にて切符購入時に薬師の湯100円引き券配布 |
写真
感想
【計画】
後立山連峰に行きたい山とキレットが集中していたので、まとめて行ってしまおうという算段。八峰キレットのために遠見尾根なんか登りたくない。
当初は白馬岳から爺ヶ岳まで、その後、日程に余裕があれば針ノ木岳と蓮華岳まで行く計画に伸ばした。
朝日や雪倉は反対側なのでとりあえずパス。
最低6日間に予備日2日で8日間の休みを取った。
【装備】
いつものテント泊装備に5日分の食料。
毎回1/3程度余るのと、足りなくなったら山小屋で買おうということで今回は少なめにした。
悩み抜いた末、カメラの望遠レンズも持っていった。
重量は水なしで16kgほど。
【1日目】
栂池ロープウェイから白馬頂上山荘まで。
ゴンドラ乗り場と入山口にて稜線では風速20mの風が、登っても降りれないかも、と注意されたが、まさか8連休を取っているとは思うまい。
実際、登ってみると乗鞍岳あたりから強烈な風、小蓮華山を過ぎたあたりからガスり始めた。
もうすぐ山頂に着こうかというところで小雨も降り始めた。
白馬岳は真っ白で何も見えず。
体力不足か荷物のせいか風のせいか脚の痛みも予想以上に酷くなり、これでは冷池~針ノ木など不可能だろうと感じ早々に爺ヶ岳で終わりにしようかと計画変更。
辿り着くには問題なかったが、テントを張ってられる風じゃないので急遽小屋泊にした。
【2日目】
天狗山荘まで行く予定だったが、この日も天候が悪いのと、せっかくなら白馬三山からの展望を見たい為停滞することにした。
前日より天候もマシになる予報だったためテントで連泊をとる。
強風の中でテントを張るのも経験のひとつかなと思った節もあるが、得られたのは強風下で1人で張るのは不可能という結論だった。
時々風の吹く向きが逆転するので大苦戦、もうちょっとのところで突風が吹いて台無しというのを繰り返した。
なんとか張ったが予報に反して雨が強まり、雨音がうるさかった。
【3日目】
午後から晴れの予報のため少し遅らせて出発。
相変わらず爆風で視界は悪かった。
杓子や鑓では晴れるのを小一時間待ったがイマイチ晴れず心残り。
天狗山荘に到着してしばらくすると晴れ、テント場からの噂通りの絶景が拝めた。
いつも白馬三山を見上げていた白馬大橋を見下ろすことができ、憧れた稜線を歩いたことに感慨深かった。
裏手には剱岳が見え、美しい夕陽と星空を眺めて眠りについた。
【4日目】
ここからが正念場。
不帰キレット鞍部へは最初だけ鎖場で残りはガレ。
久々の岩場と重い荷物で余計ビビって時間をかけてしまったが、キレット自体はそれほど。
不帰2峰の北面が岩壁で、緊張を強いられた。
ちょうどそこで落石による墜落があったようで、鞍部に骨折者?と谷下にヘリ待ちがいた。
そこを抜けると唐松までは普通の道だったが、唐松~五龍がメジャー縦走路のため無警戒で、牛首の岩場でまた緊張した。
苦手中の苦手なトラバースメインの鎖場のため恐怖だった。
五竜山荘へのキツい登り返しを突破し、夕陽を見るのもそこそこに就寝。
【5日目】
五龍岳へ1時間ほど登り。ここはほどよい岩場で楽しかった。
五龍~鹿島槍があまりに岩場の連続で、岩場歩きをしにきた分際だがさすがに飽きてきたなと感じたところで八峰キレット。
こちらは短いが底が見えず、不帰キレットとはまた別の怖さがあった。
これもどちらかというとキレットそのものより五竜側の岩場の方が怖い部分が多かった。
キレットを抜けてもまだ岩場岩場でもういい加減にしてくれ、と思いながらもなんとか登り、鹿島槍へ。
鹿島槍南峰から先は今までが嘘のような普通の山道。
ルートによってここまで難易度が変わるものなのかと思った。
冷池までがまた微妙に長く、最後が樹林帯で暑苦しくまだなのかまだなのかと思いながら歩いた。
【6日目】
時間に余裕があるため二度寝して朝日で暖かくなってからテント撤収&出発。
種池までのアップダウンは疲れの取りきれていない体には少しだけ堪えたが、前日までに比べれば散歩のようなものだった。
爺ヶ岳は最高峰の中峰より南峰のほうが展望がよく、燕大天井~剱まで北アルプスが見渡せた。
針ノ木に遮られて水晶岳あたりが見えなかったので、針ノ木に登ればもっと中心から全体を見渡せるだろうと改めて行きたく思った。
種池山荘では誰もが数量限定のピザを注文するなか麻婆丼を食べ、柏原新道入口まで暑い樹林帯を下り、扇沢までさらに暑いアスファルトを歩いて終了となった。
【総括】
まずは何より無事に憧れの難路を踏破できたことが嬉しい。
体力面、岩登りの技術面、ペースキープや縦走のノウハウなど今までの全ての経験が活きたと言えるだろう。
白馬三山からの展望を拝めなかったのが心残りだが、そのうち改めて単体でリベンジするとしたい。
逆に、強風雨の中での幕営や縦走装備での岩稜帯攻略など学ぶこともあった。
これもいつかジャンダルムや大キレットへ行く際に活かしたい。
初日の終盤に脚が筋肉痛になったり、冷池テント場に到着したとたん疲労でめまいがしたりと体力の限界も知れた。
早々に針ノ木を諦めたことは正解だった。おかげで予備日を消費しても気持ちに余裕ができたし、行っていればおそらくかなり無理をすることになっていただろう。持っていったチェーンスパイクは無駄な荷物になってしまったが。
去年の槍剱縦走に比べ重量は1、2kgしか変わらなかったが、その時とは違い荷物が重すぎると感じたことはなかったのでそこは成長したといえる。
2日目の強風雨の中での幕営でうまくいかないあまり雑にテントを扱ったせいで小さな穴がたくさん空いてしまったことが後悔。苛立つときこそ冷静にならねば。
同じようになかなか目的地に到着しないストレスで各日の行程の終盤で集中力を切らしがちだった。
冷池直前で集中力低下+かゆみに気を取られて道を踏み外したのが危なかった。
ここはいまだ課題である。
ともかく、麓での生活で見上げ続けた稜線と、ずっと行きたかった有名な岩稜を歩き抜いた満足感で溢れている。
岩場はさすがに飽きたのでしばらく遠慮したいが。
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