鳩待峠から至仏山と景鶴山(水芭蕉も咲き始めました)


- GPS
- 32:00
- 距離
- 32.8km
- 登り
- 1,615m
- 下り
- 1,622m
コースタイム
鳩待峠5:30-7:55至仏山8:25-9:35山ノ鼻9:55-牛首10:35-11:20竜宮小屋11:35-12:05見晴
(5月4日)
見晴5:45-東電尾瀬橋6:05-笹山北側の鞍部6:30-7:55与作岳8:00-8:45景鶴山10:00-与作岳10:35-笹山北側の鞍部11:10-東電尾瀬橋11:25-11:45見晴13:00-竜宮小屋13:30-牛首14:05-14:50山ノ鼻14:55-16:15鳩待峠
天候 | 5/3 晴れ、夕方一時雨 5/4 晴れ、午後から時々曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2014年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
戸倉から鳩待峠はバス、乗合タクシーどちらを利用しても片道930円。 乗合タクシーは人数が揃えば随時発車です。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
山ノ鼻〜見晴… 一部で木道が出ていますが、まだ大部分は雪原です。 木道沿いにトレースがありますが、雪解けが進んで踏み抜くこともあるので注意。 至仏山… 例年GW後は夏まで登山禁止になります。 今年の登山道閉鎖期間は5/7(水)〜6/30(月)です。 景鶴山… 残雪期限定の山。東電小屋の裏から尾根を辿るのが一般的のようだが前日の下見時にはトレースなし。この日登られた方のアドバイスでは尾根の西側から登ると笹山を経由しないので楽とのこと。 見晴からのルートは正面に見える笹山を目指して雪原を歩き、林を抜けると東電尾瀬橋がある。橋を渡ってから正面に見える斜面に沿って右方向へ。 5分ほどの所にある最初の沢状の箇所を登って行くと平坦な場所に出る。ここが笹山北側の鞍部で、ここから北に伸びる尾根を行く。与作岳までは急登と平坦地を繰り返しながらの尾根歩き。 与作岳からはやや下ってから景鶴山へ登り返す。途中に尾根の痩せた箇所と山頂直下に数メートルの雪壁があるのでアイゼン&ピッケルは必須。 なお笹山北側の鞍部から景鶴山までは要所要所にピンクテープがあり、トレースもはっきりしていましたが、広い尾根なので天候不良時には道迷いの危険があるかもしれません。 トイレ… 鳩待峠、山ノ鼻、竜宮小屋、見晴にあり。 水場… 鳩待峠、山ノ鼻、竜宮小屋、見晴にあり。 温泉… 老神温泉「東明館」600円。廃業した老舗旅館を「餃子の満州」が買い取って新規営業したそうです。それだけ聞くと期待薄な感じもしますが、とても良い温泉でした。源泉掛け流しで白濁した単純硫黄泉。 http://www.mansyu.co.jp/oigami/toumeikan.html 見晴のテン場… 1日800円。受付は燧小屋にて。 |
写真
感想
ここ2年、GWは北アに行っていた。今年もそのつもりでいたのだが今年は年初めから色々あり、まともに山にも行けなかった。そんな状態では体力的にも山を歩くという感覚的にもテン泊での縦走はリスクが高い。でもせっかくの4連休だし、ゆるいテン泊なら…と雪残る尾瀬に行くことにした。
(5月3日)
尾瀬へは鳩待峠の駐車場に車を止めれば入山も下山も時間の融通がきくのだが、毎年GW期間は早い時間に満車になるらしい。どのみち現地に着くのは夜中になるので鳩待峠に止めるのは端から諦め、戸倉に駐車した。
戸倉から始発の乗り合いタクシーで鳩待峠へ。今日はここから至仏山に登って山ノ鼻へ下り、そのまま見晴まで。尾瀬は7年前の秋に来て以来。当時の記憶も曖昧なので何もかも新鮮だ。
歩き始めてすぐ、右手には白い至仏山が見えた。このところ暖かい日が続いていたので雪解けが進んでいるかと思ったが、まだまだ充分に雪山ハイクが楽しめそうだ。
森林限界を越えると広い雪原に出た。この辺りがオヤマ沢田代でしょうか。ここからは遮るものが一切ない気持ち良過ぎるスノーハイク!
ずっと歩いていたいな〜と思わせる雪道歩きの末、至仏山に到着。展望抜群の山頂。越後や上州の山並みはもちろんだが、何といっても雪原と化した尾瀬を見てみたかったんです。雪原の中を蛇行する川は地上絵のようにも見えた。
至仏山から山ノ鼻へは一気に下って行く。いや〜ホント急ですね。鳩待峠からだとユルユルと山頂に登って行く感じでなのに。久々のテン泊装備で、ややへばり気味になって山ノ鼻に。でもここからは見晴までずっと平坦な歩きなので、だいぶ楽になるだろうとたかをくくっていたが大間違い。まあこれは私の体力低下が大きな一因だと思いますが(笑)
雪原の雪は早くも腐っていて、歩き難いこと歩き難いこと。加えて太陽の照り返しもキツく、重いザックも手伝って竜宮小屋までがやたらと長く感じられた。ただそんな中でも、まだ早いと思っていた水芭蕉が見られたのは嬉しい誤算でした。
その後、見晴に着いてテント設営。それが終わってもまだ昼過ぎと、このままだと随分時間を持て余してしまう。それではと、明日登る景鶴山の取り付きでも確認しておこうと東電小屋へと行ってみた。
一般的な景鶴山への取り付きは東電小屋裏の尾根からとなっているようですが、いざその場所に行ってみても誰も歩いた形跡がない。まあこの尾根を忠実に辿ればいいだけだろうと見晴へと戻って行ったが、途中で景鶴山から下山して来た方たちと会ったので取り付きのことを聞くと、東電小屋裏からだと笹山を登ることになるのでその北側の鞍部を目指して取り付くと良いとのこと。
ちなみにこの方たちは景鶴山手前で岩が露出していたので登頂できなかったともおっしゃっていた。これを聞いた時、一瞬どうしようかとも思ったが、とりあえず自分の目で確認してみようと行けるとこまで行ってみることに決めた。
この日は夕方にしばらく雨が降り、夜中からは強い風が明け方まで吹いていて少し寒かった。
(5月4日)
4時半に起床。今日は景鶴山へ、明日は燧ヶ岳の予定。今日の行程は6時間ほどなのでそんなに早出をするつもりもなかったが、周りの方たちが起き出して来るとどうしてもつられて起きてしまう(笑)
結局5時半過ぎに歩き出す。まずは笹山を正面に見ながらの雪原歩き。無雪期にはここは一面湿原でしょうが、これもこの時期の尾瀬の醍醐味。
東電尾瀬橋を渡って右方向へ向かい、笹山北側鞍部への取り付きとなる沢筋へ。ここからは山頂までしっかりとしたトレースがあった。
しばらく登ると広々とした平坦地に出た。左にピークが見えるので、ここが笹山北側鞍部のようだ。ここから北に伸びる尾根を登って行く。急斜面と平坦地を何度か繰り返す尾根を辿る。
GW前半からそれなりに人は入っているとは思っていたが、要所要所にピンクテープまであったのは意外でした。それでもしばらくは誰とも会わなかったのですが、与作岳の手前で下山してきた2人の方と会いました。そこで昨日撤退してきた方たちが言っていた露出している岩のことを尋ねると右から巻けるとのこと。巻いた先はちょっとした雪壁にはなっているが、アイゼンとピッケルがあれば問題ないとも教えてくれました。
与作岳から望む景鶴山はピラミダルな山容でカッコイイ!その景鶴山への登りは急な雪面の先がややリッジ状になっていた。その途中で雪が解け切っていて道が途切れてしまっていた。岩が露出していたので、ここが昨日の方たちの撤退ポイントのようだ。
ここは朝お会いした方たちのアドバイス通りに数歩戻って右から巻いた。巻いた先から尾根に戻る箇所は確かに小さいながらも雪壁になっていた。
尾根に戻ってから2つの大岩を右から巻き、山頂直下のこれもちょっとした雪壁を慎重に登ってようやく山頂に。ここまで12人の方たちとすれ違ったが、山頂には誰もいなくて独占!
そのうち誰かしら登って来るだろうから、そしたら下山しようとマッタリとしていたが、なかなかその気配がない。なんだかんだで50分くらい独り占めしてしまいました。
その後は1人2人とやってきましたが、その中でお話しした方(下山後に分かりましたがこのお方はmitukiさんでした。)からお聞きしたら明日の天気は雨とのこと。入山前は曇り予報だったのに変わったようだ。なんか急にテンションが下がってしまった。雨の中のテント撤収は嫌だし、雨の中の登山はもってのほか。
1日停滞も考えたが時間を持て余すのは必至。心は一気に下山モード。問題は鳩待峠からの最終バス16時30分に間に合うかどうか。コースタイムや撤収時間を逆算してギリギリ間に合うと判断。最悪でも鳩待峠でヒッチハイクかな、ということで足早に下山開始。
見晴に戻った時間も撤収完了も予定通り。その後の腐った雪道歩きには行きと同様に心身ともに疲れさせ何度も足が止まったが、大休止することもなくギリギリ鳩待峠に戻って来れた。
帰りの高速はそれほど混んではいなかったが、さすがに疲れていたので途中で仮眠。そのせいで帰宅は明け方になってしまったが、そのあと気になっていた尾瀬のライブカメラを見ると朝から燧ヶ岳の山頂にはガスがかかり、結果的には下山して正解だったようだ。(ちなみに翌日も朝10時頃まではガスがかかっていたので、1日停滞していても状況は変わらなかったようです)
今回、燧ヶ岳を残してしまったのが残念だったが雪の尾瀬はとても良かったし、またいつか行くでしょう。
その前に、完全に衰えてしまった足を早く元に戻さなくてはいけませんねぇ。
一面、雪景色の尾瀬はとても魅力的ですね。
北アルプスではなく尾瀬とのことですが
景鶴山はこの時期しか行けませんから
得られたものは大きかったのではと思います
景鶴山自体、見事な山容ですし、周辺の山々も
それぞれ見応えがありますね
足が完全に衰えてしまったとのことですが
なぜかそれを読んでホッとしている私がいます
はじめましてkenngamineさん。
同じ日に景鶴山に入られていたのでレコを拝読してみましたら・・・
山頂にて明日は悪天になりそうですよって言ったのは私だったかなって
山座同定苦手な私に優しく教えてくださったお兄さんですよね
あの後テントを回収しての鳩待峠へ16時下山されると聞いて
間に合うかな?タフだなぁ、すごいなぁって思っていたんです。
間に合ったようで良かったです
レコもおんなじ日の同じ時間帯だったので景色が一緒♪
そうそう!って見ながらニコニコしていました。
本当に素敵な景色のお山でしたよね
燧ケ岳リベンジは天気がいいといいですね
今年は遭難事故が多かったから、尾瀬くらいで正解だったんじゃないですか。
景鶴山から見る至仏と燧は、また新鮮ですね。
kenさん、お久しぶりです。
雪の尾瀬 開放感がありますね。
これから見頃の水芭蕉もバッチリ
みれてよかったですね。
衰えた足はシーズンまでに戻してくださいねっ
雪の尾瀬は以前から行ってみたかったのですが、どうしても最近はGWとなると北アや南アに目が向いてしまいがちだったので、なかなか機会がなかったんです
今回は幸いにして?
いやいや
またnaveさんのことを後ろから煽る日が来ることを夢見ています
はい!私に翌日の天気のことを教えて下さったのは、まさしくmitukiさんです!
結果的に大変助かりました。ありがとうございました
帰りのタクシーの運転手さんにも翌日の天気を聞いたんですが「それほど崩れないみたいですよ」と言われた時には、やや後悔もしましたが
そうそう、山座同定が苦手だって言ってましたね
私も全然得意ではないですが、一度登った山だと意外と位置関係や山容などがインプットされるものです。
今回山頂から見えた平ヶ岳や会津駒などはまだ行かれたことがないようですから、ぜひ行かれてみて下さい。どちらも山頂の池塘が素晴らしいですよ〜
山頂直下までノーアイゼンで来たと聞いて、私の方こそタフな方だな〜って思ってました
山頂直下の雪壁もしっかりダガーポジションで登られていたのも見て、ちゃんと山をやっている方だと一目で分かりました
私も群馬や越後の山は好きなので、またどこかでお会いできたら良いですね
ホントに今年は遭難が多かったね
山での遭難に高い低いなんてないから、お互い安全登山でいきましょう
御無沙汰してます
雪や岩、順調にステップアップしてますか?
tenkoさんもそろそろ夏に向けて始動のころじゃないかな
tenkoさんも健脚だから、すっかり足が衰えた身としては一緒に歩くのが怖いわ
メタさんと一緒に歩かれているレコも含めてkengamineさんのレコは以前からよく読ませていただいていたのですが
勝手に年配の方だと思っていました
お話したあとに「しっかりとした装備をされた方だからあれこれアドバイスなぞしない方がよかったかも」と二人で話していました
それにしても景鶴からの眺望は本当に最高でしたね
燧ヶ岳も平ヶ岳もすご〜くいいですよ
オススメします
いつかまたどこかのお山でお会いできるとうれしいです
やはりあの時のお二人はkamehibaさんたちだったんですね
おっしゃるように私はメガネをかけたソロ男でした
お互いにレコ上では以前から知っていながら、実際お会いすると気付かずに下山後コンタクトがあったことを知るっていうのもヤマレコの楽しみの一つですね
ワタクシ、パッと見は若く見られるんですが、いかんせんレコの方は淡々と無味乾燥的なものを作ってしまうのでオッサンに見られても仕方ありませんね
あの日は前日に敗退した方たちのお話を聞いていて、登頂できるか疑心暗鬼の状態で歩いていたので、kamehibaさんたちから的確なアドバイスと励ましの言葉を頂いたために山頂まで行けたと思います
本当にありがとうございました
山頂独占の幸せったら!ですね
そして、いつもながら
お天気の読みはバッチリですね。
ゆるいながらも、時間がギリギリとかになれば
足早になれることも判明したようですし、
復活の道も近いですね。
やっぱり山は静かなほうがイイよね!
長期休暇の時は行く山を選ばないとエライ目に遭う
天気は今回、他の方から教えてもらったから良かったけど、それじゃなかったらガスと雨の中の歩きになってたよ
復活へはまだまだだねぇ。
この土日でまたしても思い知らされたよ
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