記録ID: 231991
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無雪期ピークハント／縦走
磐梯・吾妻・安達太良
【秋晴れの吾妻連峰縦走〜天上の木道歩きを独り占め♪】 浄土平〜鎌沼〜一切経山〜烏帽子山〜弥兵衛平〜西吾妻山〜グランデコ
2012年10月08日(月) [日帰り]
山形県
福島県
りきまる
- GPS
- 11:45
- 距離
- 25.1km
- 登り
- 1,399m
- 下り
- 1,957m
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浄土平04:20→05:02鎌沼周回05:16→05:27酸ヶ平避難小屋05:32→05:58一切経山06:08→06:23五色沼06:30→06:50家形山(オニギリ休憩)07:03→07:35兵子分岐(兵子往復)07:52→ニセ烏帽子08:05→08:30烏帽子山(オニギリ休憩)08:52→昭元山09:24→東大巓分岐10:00→明月荘分岐10:21〜天上の木道歩きを独り占め♪〜人形石11:48→大凹の水場12:11→12:40梵天岩(昼食休憩)13:05→吾妻神社参拝13:14→西吾妻山13:32→西吾妻小屋13:43→14:20西大巓14:30→ゴンドラ山頂駅15:40→(ゴンドラ乗車)→16:03スキー場入口
| 天候 | 終日快晴 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2012年10月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
・ 前日の夕方、グランデコスキー場の第2駐車場にクルマを駐車し、バイクをおろして一人宴会の後、車中泊しました。駐車場料金は無料です。 ・ 駐車場にトイレはありません。スキー場ゴンドラ駅にトイレはありますが、営業時間中のみ利用可能です。冬期は、夜間でもトイレが使えるそうですが、無雪期はクローズとのこと。トイレを利用する場合は、車道を進み、ホテルグランデコを利用するか、ダートのデコ平登山口まで登って車中泊するしかなさそうです。 【午前2時半に浄土平へ出発】 ・ 車中泊ではダウン量450グラムのシュラフで熟睡。腕時計のアラームで午前2時に起床すると、車内の気温は摂氏6度。外気はもっと低く、2度程度。バイクで浄土平へ移動するのは寒すぎると考え、午前2時半にクルマで浄土平へ出発。途中、国道115号T字路のセブンイレブンで食料調達の後、浄土平には午前4時に到着。ここには24時間使用可能なきれいなトイレがあり、飲料水も確保できます。なお、吾妻スカイラインと浄土平駐車場は無料開放中です。 【下山後はクルマ回収にバイクで浄土平へ】 ・ グランデコのゴンドラ利用は片道のみで千円でした。往復では千五百円とのこと。営業終了は16:00ですのでご注意を。 ・ グランデコスキー場に下山後は、浄土平に駐車したクルマの回収のため、第2駐車場にデポしておいたバイクで、浄土平へと移動しました。昼間はシャツ1枚だけでも暑いくらいでしたが、夕方になると急速に冷え込み、薄手セーター＋フリースの重ね着でも、標高1,600�辰両�土平に到着する頃には凍えてしまいました。バイクは寒いですね。クルマのありがたさが身にしみました。なお、グランデコ出発は16:00、浄土平到着は17:30頃でした。 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
◆ 浄土平〜鎌沼〜一切経山〜五色沼〜家形山 ・ 浄土平駐車場には午前4時に到着。既に結構な台数が駐車していましたが，夜明けまで1時間半以上あるので，まだ歩いている登山者はいませんでした。皆さんクルマの中で車中泊？ ・ 私のほうは，夜明け前の鎌沼を見てみたかったので，午前4時20分，まだ真っ暗な中，ヘッドランプを頼りに駐車場を歩き出しました。 ・ ビジターセンターの裏手にある，未舗装の広い駐車場を過ぎると，登山ポストがあったので，計画書を投函。ロープで区切られた登山道を慎重に登っていきます。 ・ 最初は水浸しの道でしたが，しばらくすると良く整備されたルートとなり，やがて木道が出てくると，40分ほどで鎌沼の南端に到着。東の空が明るくなりはじめ，上空には金星が輝いています。 ・ 鎌沼の水面が，白み始めた東の空と漆黒に近い夜空の対比を忠実に反射していて，とても美しくかつ不思議な状景でした。刻々と変化する夜明け前の朝の光のドラマは荘厳です。誰もいない静かな鎌沼のほとりに立ちつくし，カメラのシャッターを切りながら，この状景を味わいました。 ・ さて，あまりノンビリしてもいられませんので，撮影を切り上げ，酸ヶ平避難小屋へと向かいます。小屋の中には灯りがともり，人の気配がしたので，中は覗いていません。小屋の隣にはバイオトイレが建っています。ここなら快適な夜が過ごせそうですね。 ・ 5分ほど外のベンチで休憩後，一切経山への登りに取り付きます。火山性ガスのため，浄土平から直登するルートは閉鎖中ですので，一切経山へ登るには，必ずこの避難小屋経由となります。 ・ 一切経山に登る途中で，夜明けが始まり，前大巓が赤く染まっています。振り返ると，東吾妻山や磐梯山も朝陽に照らされています。山頂手前のところでカメラを三脚にセットして撮影に専念するカメラマンに挨拶し，私も少々撮影タイム。たいした写真は撮れませんでしたけどね。 ・ 山頂には，05:58に到着。大展望が広がっていました。これから歩く西吾妻山へと続く主稜線が朝陽に照らされる一方，稜線の中腹から下は，一切経山から続く山並みの陰になっていて，すごいコントラストです。また，北には蔵王連峰がすぐ近くに望め，眼下には「魔女の瞳」とも称される五色沼が紅葉に彩られていて美しい。 ・ 五色沼は本日のハイライトの一つ。沼周囲の木々が紅葉し始め，特にナナカマドの赤とイタヤカエデの黄色がきれいでした。湖面は風もなく鏡のように周囲の景色を反射しています。何とも言えないすばらしさです。 ・ また，家形山から望む五色沼と一切経山との組合せも絵になりますね。何度も同じような写真を撮ってしまいました。 ◆ 家形山〜兵子〜烏帽子山〜東大巓 ・ 家形山で朝食のオニギリを食べて小休止。ここからは樹林帯の中の稜線歩きとなります。登山道は至るところで水溜まりとなっており，スパッツ必携です。また，ササが背丈を超えるほど繁茂しており，ヤブこぎに近い状況でした。こういう状況に慣れていない方は，単独行はやめておいた方が無難でしょう。 ・ 家形山から30分ほどで兵子分岐に到着。ここから5分で兵子です。兵子はとても展望がよいと聞いていたので，行ってみたところ，まさしく素晴らしい展望でした。これまで歩いてきたルートも，これから向かうルートも一望できます。オススメです。 ・ さて，分岐に戻り，40分ほど歩くと烏帽子山に到着です。こちらも素晴らしい展望です。特に東大巓から西吾妻山の山並みや谷地平と中吾妻山の眺めがナイスです。腰を掛けるのにちょうど良い具合の岩がゴロゴロしているので，休憩にもってこいです。ここでもオニギリ休憩20分。 ・ 烏帽子山から先は，一旦鞍部に下り，昭元山に登り返しますが，この下りがくせ者でした。大岩の堆積する歩きにくいルートです。足を踏み外して捻挫などしないように注意が必要です。 ・ 昭元山から先も，鞍部に下ってから東大巓分岐へと登り返しますが，こちらは傾斜も緩く，歩きにくいところはありません。ただし，泥濘や水たまりは出てきます。 ・ 東大巓分岐のところから先は，すごく整備された木道となり，歩きやすくなります。右手には避難小屋の明月荘も見え，開放的な景観が広がりますので，気分的にも楽になりますね。 ・ なお，東大巓山頂は，木道から左に折れてすぐの樹林に囲まれた地味なピークです。展望はありません。 ◆ 東大巓〜弥兵衛平〜人形石〜梵天岩 ・ 東大巓から先は，天上の楽園とでも呼びたくなるような高層湿原の中の木道歩きが延々と続きます。明月荘分岐を過ぎ，目指す西吾妻山がはっきりと見えてきますが，なかなか近づきません。誰もいない木道を一人占め状態で歩きました。穏やかな起伏が続く，草紅葉のこんな素敵な高層湿原を歩くことができるなんて，驚きです。しかも登山者は私ひとり。誰にも会いません。 ・ 大平温泉からのルートやヤケノママ分岐を過ぎると，徐々に高度を稼ぎながら，人形石へと至る登り坂となりますが，木道ですし傾斜も緩いので，きつくはありません。池塘が点在し,たおやかな眺めが楽しめる，気持ちよい木道歩きです。 ・ 人形岩は大岩が堆積し，周囲の展望が広がる，広い平坦地です。このあたりになると，さすがにスキー場のリフトなどを利用した登山者が沢山歩いていました。この快晴の天気ですから，皆さんニコニコ顔です。風もなく穏やかな陽気で，薄手シャツの袖をまくっても暑いくらいでした。 ・ 人形石では休憩をとらず，そのまま梵天岩を目指しました。岩の堆積地を過ぎると，また木道歩きとなり，中大巓の斜面をトラバースして10分ほどで天元台リフトからカモシカ展望台を経由するルートと合流。この先はいったん下りとなり，お花畑の中を大凹の水場へと向かいます。 ・ 大凹の水場には12:11に到着。冷たくておいしい水が流れていました。この時期に水が涸れていなければ，無雪期はまず涸れる心配は無いでしょうね。 ・ 水場の先は，また大岩の堆積する登りとなります。歩きづらいですし，上から降りてくる登山者とのすれ違いもありますので，注意が必要なところです。 ・ でも，この登りをやり過ごし，さらに続く木道の登りを終えれば，素晴らしい展望の梵天岩に到着です。 ◆ 梵天岩〜吾妻神社〜西吾妻山〜西吾妻小屋〜西大巓〜グランデコ ・ 梵天岩には，12:40に到着しました。ここからの眺めは，感動的でした。これまで歩いてきた，一切経山から続く主稜線の山並みがすべて見渡せます。眼下には，「いろは沼」と呼ばれる池塘群が点在し，彩りを添えています。20年以上前に歩いたときは，ガスで展望がなかったので，吾妻連峰にこんなに素晴らしいところがあるとは知りませんでした。もっと早く再訪しておくべきでした。 また，西吾妻山方面の眺めも素晴らしい。深い山脈の中の展望台といった感じで，晴れていれば訪れたすべての登山者に感動を与えることでしょう。 ・ さて，梵天岩で昼食休憩の後は，吾妻神社に参拝です。本日の無事の登山と快晴に展望に感謝をし，二礼二拍手一礼をしました。山を歩いていると，「歩かせていただいている」という感謝の念が湧いてきて，とても謙虚になれます。ありがたいことです。 ・ 吾妻連峰の最高峰は，標高2,035�辰寮掌禳併海任后８禳平声劼�ら20分弱歩けば，山頂に到着です。周囲は樹木に覆われ，展望のない地味なピークです。吾妻連峰らしい最高地点だと感じました。 ・ 西吾妻山から5分ほど下ると，木道の先に，避難小屋である西吾妻小屋が見えてきます。この小屋は二階建てのしっかりした造りで，内部にトイレもあり，登山者にとっては，とてもありがたい避難小屋ですね。荒天時の避難ばかりでなく，縦走登山の宿泊所としても貴重でしょう。 ・ 西吾妻小屋を確認したあとは，本日最後のピークである，西大巓に向かいます。途中までは，木道が整備されていますが，その先は一般的な登山道。でも，危険なところはありません。小屋から40分ほどで西大巓に到着。ここで最後の展望を楽しみます。南側には，磐梯山や桧原湖が望め，ここも展望の良いところです。 ・ ここからは，グランデコへの下りとなりますが，山頂からは少し南に戻りますので注意が必要。私は，間違って白布峠への下山路を進みそうになりました。磐梯山方面を目指して下さい。 ・ グランデコスキー場のトップには1時間ほどで到着。本日の長距離が効いて，最後の下りはヘロヘロでした。ここから12分ほどでゴンドラ山頂駅となり，片道千円のゴンドラを利用してスキー場入口に下山しました。なお，ゴンドラ山頂駅は標高1,390�叩ぅ好�ー場下部の乗り場は1,010�叩ど弦盧垢�380�辰如そ衢彁�間は約15分でした。 |
写真
05:07 鎌沼の南西岸から夜明け前の東の空を望む。上空には，明けの明星と呼ばれる金星が輝いていました。
谷地平分岐の少し北側から撮影。夜明け前の神々しい雰囲気に感動。
前大巓が朝日を浴びて赤く染まっています。一切経山への登りの途中にて。
06:23 五色沼に下ってきました。風もなく，湖面はまるで鏡のよう。
分岐の先は，泥濘の道が続きます。ここはまだましなほう。沼のようになったところを何度も通ります。スパッツ必携です。
道ははっきりしていますが，ササが背丈を超えるくらいに伸びて繁茂しています。東大巓分岐までは，何度もこういうヤブこぎまがいをさせられます。精神的にきついです。
10/8 7:22
道ははっきりしていますが，ササが背丈を超えるくらいに伸びて繁茂しています。東大巓分岐までは，何度もこういうヤブこぎまがいをさせられます。精神的にきついです。
北西方向には朝日連峰。残念ながら飯豊連峰はここからは見えません。
ダケカンバとオオシラビソの混成林。ナナカマドの赤とカエデの黄が良いアクセント。
08:30 烏帽子山の山頂に到着。こちらも素晴らしい展望スポットです。
烏帽子山は岩が堆積していて，休憩に良いところです。ここでオニギリ休憩。
烏帽子山からの下りは，大岩の堆積したところを歩きます。とても歩きにくいです。
分岐を過ぎると，右手に避難小屋である明月荘が見えました。いつか泊まってみたいです。
東大巓山頂手前の登り。ここからは整備された木道の上を歩きます。
遠くに西吾妻山が見えてきました。右に立っているのはスキーツアー用の標識です。
木道がどこまでも続きます。北側はガスが上がってきてしまい，展望がありませんでしたが，これから向かう西吾妻山方面は，ずっと見えていました。誰もいない天上の木道を独り占めです♪
10/8 10:31
木道がどこまでも続きます。北側はガスが上がってきてしまい，展望がありませんでしたが，これから向かう西吾妻山方面は，ずっと見えていました。誰もいない天上の木道を独り占めです♪
人形石手前の登りから来し方を振り返る。素敵な光景が広がっています。しかも誰もいません。
11:48 人形石に到着。天元台リフトから登ってきた登山者が休んでいました。この付近から先は，登山者が一気に増えました。
水場を過ぎると大岩の堆積した登り道となります。歩きづらいところです。
12:40 梵天岩に到着。歩いてきた一切経山からの山並みがすべて見渡せました。素晴らしい眺めです。眼下には，「いろは沼」と呼ばれる池塘群が点在しています。
10/8 12:43
12:40 梵天岩に到着。歩いてきた一切経山からの山並みがすべて見渡せました。素晴らしい眺めです。眼下には，「いろは沼」と呼ばれる池塘群が点在しています。
木道とたおやかな稜線。20年以上前に歩いたときは，ガスで展望がなかったので，吾妻連峰にこんなに素晴らしいところがあるとは知りませんでした。もっと早く再訪しておくべきでした。
2
10/8 12:45
木道とたおやかな稜線。20年以上前に歩いたときは，ガスで展望がなかったので，吾妻連峰にこんなに素晴らしいところがあるとは知りませんでした。もっと早く再訪しておくべきでした。
13:32 西吾妻山山頂に到着。樹林に囲まれていて，展望はありません。
小屋内部。2階建てなので収容力はありそうです。玄関脇にはトイレもあります。
感想
動画はフルHDで記録していますので，視聴環境が許せば，HD画質でご覧下さい。
一切経山からの眺め
兵子からの眺め
烏帽子山からの眺め
弥兵衛平の木道歩き
梵天岩からの眺め
・ 3連休はテント縦走でもしたいなあと思っていたのですが，中日の7日の天気予報が思わしくなく，テン泊山行は断念。
・ 日帰りでも2日分歩いたような充実したコース取りはできないものかと，登山地図を眺めていて，今回の吾妻連峰縦走を思いつきました。
・ 吾妻連峰は，20年以上前に何度か訪れ，一切経山や鎌沼のハイキング，天元台リフトを利用した西吾妻山周遊などを経験していましたが，東西縦走は初めてでした。
・ このコース，公共交通機関が使いにくいため，一般的にはマイカーを利用した浄土平からの往復が多いと思いますが，今回は得意のバイク作戦で日帰り縦走できました。
・ 今回歩いてみて，吾妻連峰の素晴らしさを再認識しました。鎌沼で迎えた荘厳な夜明け前の眺め，紅葉のナナカマドに彩られた五色沼，兵子や烏帽子山からの大展望，天上の楽園のような弥兵衛平の木道歩き，梵天岩から望むたおやかな吾妻連峰の山並みや眼前の「いろは沼」池塘群など，そこかしこに見所が満載。しかも歩く人が少ない！一切経山から東大巓までの間に出会ったのは一人のみ。木道歩きでも，人形石直前で4〜5人でした。静かな山歩きが好きな方にはオススメです。クルマ2台を利用しても，同じ日帰り縦走ができますので，是非どうぞ。
・ なお，紅葉は例年よりも遅れ気味です。吾妻連峰の中腹が錦秋に染まるのは，まだ先のようですので，紅葉情報に注意しながら，最盛期を狙ってみるのも宜しいのではないでしょうか。
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