秋田駒ヶ岳と岩手山〜最高峰をつなぐ旅〜


- GPS
- 30:50
- 距離
- 52.1km
- 登り
- 4,027m
- 下り
- 3,950m
コースタイム
07:45 JR田沢湖駅 羽後交通バス乗車
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
08:15 田沢湖スキー場前下車(水沢コースへ)
11:00 水沢分岐
11:50 男岳
休憩
12:20 男岳発
12:50 男女岳
13:15 横岳
13:20 焼森
14:00 湯森山
15:05 笊森山
16:50 白沼
17:35 滝ノ上温泉 滝峡荘〈泊〉
9/2(sun)
05:35 滝ノ上温泉 滝峡荘出発
07:40 三ッ石避難小屋
08:05 大松倉山
10:15 切通し(鬼ケ城へ)
12:00 不動平避難小屋
12:30 岩手山
13:10 鬼ケ城分岐(御神坂コースへ)
15:00 御神坂バス停
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
15:24 岩手県交通バス乗車
16:20 JR盛岡駅
17:24 こまち乗車
18:05 JR田沢湖駅
天候 | 9/1(sat)晴れ時々曇り 9/2(sun)曇りのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
乳頭温泉行きと駒ヶ岳八合目行きがある。 http://www.ugokotsu.co.jp/ug/rosen/rosenzu.html 御神坂バス停から岩手県交通バスを利用。 夕方の盛岡市内で渋滞に巻き込まれるので、盛岡駅到着は少し遅れる。 http://www.iwatekenkotsu.co.jp/rosen-jikoku/morioka/110314pdf/20110404/morioka/morioka-mokuji.htm 盛岡駅から田沢湖駅まで新幹線こまちを利用。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【水沢コース】 2011年7月に水沢コースから秋田駒ヶ岳を歩いたことがあった。このときは登山道の刈り払いがされておらず、もう二度と歩くかと思ったのだが、今回はきれいに刈り払いされていた。今の状態であれば、下りにも使えると思う。しかしせっかくの良い道も利用者はなく、寂しい。 【水沢分岐〜男岳】 奇岩が並ぶ五百羅漢の辺りは両側が切れ落ちているので、滑落注意。とにかく風が強い。 【男岳〜男女岳〜横岳】 男岳から先は木道がきちんと整備されていて、歩きやすい。特に男女岳の登りは登山というより、公園を散歩するような感覚で歩ける。阿弥陀池から横岳、焼森までは歩く人が多く安心して歩けると思う。 【横岳〜乳頭山】 横岳を過ぎると、ほぼ人を見かけなくなる。登山道はきれいに刈り払いされていて、気持ちよい。笊森山からの展望が素晴らしい。 【乳頭山〜滝ノ上温泉】 P1428の横をトラバースすると、ひたすら下りになる。特に白沼直前の標高差100mの急斜面は要注意。 【滝ノ上温泉】 前日の夕方に思いつきで予約を入れたが、宿のご主人、長谷川さんに伝わってなかった。電話がないらしい。もちろん携帯も通じない。だからでんわの予約は下にいる(何処にいるか知らないが)人が来たときに長谷川さん伝えると言う仕組みになっているのだそうだ。部屋がたまたま空いていたので、すんなり宿泊できた。というか、僕はそもそもちゃんと予約をいれてあったのだ。部屋は六畳一間。何もない。食事は持ち込む。台所があり、料理をしようと思えばできる。水はわき水で美味しい。温泉は言うことなし。素泊まり2,500yen. 静寂の時間を楽しみたい人におすすめ。 http://滝ノ上温泉.com 【滝ノ上温泉〜三ツ石山荘】 鬱蒼とした森の中を歩く。傾斜は緩急リズムがある。 【三ツ石山荘〜黒倉山】 三ツ石山荘近くの水場は枯れていたが、賑やかな声が聞こえたので、宿泊者は多そうだった。大松倉山の山頂付近は南側から風が吹いて気持ちよかった。以降、網張のリフト利用客とすれ違った。リフトから三ツ石山方面の方に向かう人の方が多いのかもしれない。 【鬼ケ城】 初め(西側半分)は滑落の危険もなく、しっかりした登山道。後半(東側)になると大きな岩場を避けるように登山道が蛇行する。転倒や滑落に注意。また風が強く今時期は寒いほど。(2011年は10/1に降雪に遭っている!)下界とかなり気温差があるので、中間着やレインウエアは必ず装備した方が良い。 【不動平避難小屋〜岩手山】 登るに連れて砂礫のザレ場になり、歩きづらい。外輪上は暴風吹き荒れて寒い。天気が良くなければ、あんまり長居したくないかも。雲の流れが早く、下山し始めたら晴れたりすることもある。 【御神坂コース】 とにかく急坂をひたすら下る。初めは大きな岩がゴロゴロしているが、砂礫のざれ場も通過する。後半はゆるい森の中を歩く。雫石町の町並みが見渡せて素晴らしい。一度下ると、登りには使いたくないなと思うかも。健脚向け。 |
写真
感想
彼方に白い峰々の連なりが見える。秋田県の最高峰、秋田駒ケ岳。岩手県の最高峰は岩手山。この山と山をつないでみようと思う人はそんなにいないのではないか。そういう僕も考えたことがなかった。ある山域の稜線からこの二つの名峰を見るまでは。
4月の雲ひとつない青い空の下、kiyoshiさんと僕は和賀山塊の稜線を歩いていた。和賀山塊の沢尻岳から大荒沢岳をつなぐ稜線から目にしたその景色は僕を虜にした。顔が二つある生き物が東西に向かって寝ころがっているように見えた。お互いが引っ張り合い、何かを主張し合っていた。とても抽象的な語りかけ。あの時のイメージは強かった。それからこの点と点をいつの日かつないでみたい、と考えるようになった。
当初は秋田駒ヶ岳から乳頭山を経て、大白森、曲崎山、関東森、小畚山、三ツ石山、大松倉山、岩手山と裏岩手縦走路で繋げようと考えていたが、僕の足ではどうしても二泊三日の行程になってしまう。そこで乳頭山から滝ノ上温泉に下りて三ツ石山荘へ登り返すことにした。
岩手側に入った翌日はまだ暗いうちに目が覚めた。土砂降りの雨の音が聴こえる。いや雨じゃない。窓を開けると洗濯したシャツが乾いた風にパタパタとなびいている。雨のように聴こえたのは、近くを流れる沢の音だったことに気づく。この温泉に電気は通ってあるが、テレビはない。豪勢な食事もない。ほのかに香る極上の温泉と美味しい水、静かな環境があるだけだ。この六畳一間を独居房と思うか、癒しの空間と捉えるか、意見の別れるところだと思う。でも少なくとも僕にとってはお気に入りの温泉がまたひとつ増えた。
実はこの温泉のあまりの居ごこちの良さに、岩手山まで歩くのをやめようとさえ思ったほどだった。このまま再び眠りに落ちて、朝風呂を楽しんで帰ってもいいじゃないかと。ヤマレコと言うより旅レコになってしまうが。
なんとかふたつの最高峰をつなぐことが出来たが、鬼ケ城以降が体力的に厳しく、正念場だった。そして岩手山の山頂は暴風吹き荒れ、まったく周囲を望めなかったが、秋田から遠い遠い岩手山のピークにようやく達した瞬間は長かったような短かったような不思議な気分だった。
それにしてもこの週末のヤマレコの記録を拝見すると、秋田駒ヶ岳と岩手山の記録が多いような気がする。知らないうちにヤマレコユーザーの方々とすれ違っていた、またはニアミスだったかもと考えると、なんだかおもしろい。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
秋田駒から岩手山の稜線をとうとう繋いだんですね
沢尻岳から見たあの稜線を歩いたなんて大拍手です
和賀山塊からのあの眺めを見た者はきっといつか歩きたいルートだなって思っていましたが
それを見事に果たしたtooleさん、尊敬のまなざしです
超ロングコースと温泉
toole worldは一体どこまで行くのか〜
山行をするとはどういうことなのか、を考えさせられてしまう記録。単にメイジャーな山域をつなぐというより、何かもっと大きな絵を描こうとしているかのような印象を受ける。ストーリーを感じる。とても男っぽいロマンチックなストーリーだなあ…ヤマレコと旅レコ、これtooleさんの旅レコだと思うよ。
KOされましたよ、全く
これは全国のユーザーさんに見ていただきたいですね
滝の上温泉には私も昔、正月に泊まったことがあります。山は登らず
次は真昼・和賀山塊のロング行きますか〜
こういう歩き方もあるんですねぇ…。
私が秋駒に行ったときにはすっかりガスの中だったので、馬の背が危険な感じも薄かったです。
もちろんそれが危険なのですが…。
写真にあるような景色を眺めたいものです!
お早うございます。
meikenさんもあの景色を見られていますもんね
本当であれば、裏岩手縦走路でつないでやるのがいいのですが、長いですからね
またの機会にとっておきたいと思います
滝ノ上温泉は良かったですよ
meikenさんもぜひ立ち寄ってみてください
お早うございます。
やっぱり通しで歩くとわかる世界がありましたよ
秋田駒ヶ岳と岩手山は別の顔を持っていて、性格も全然違いますが、根っこは繋がっているんです
今回は時間にあまり余裕がありませんでしたが、もう1日足して歩けばゆるりとした理想の旅レコになったかもしれません
途中に温泉が入るとやっぱりいいですね
お早うございます。
そうです、水沢コースですよ
ここで宣伝しておきましょう
昨年は稜線直下の深い笹薮でうんざりしてしまいましたが、刈り払いされて良いコースに生まれ変わっていましたよ
ここから8合目と合わせて周回や乳頭方面へもありだと思います。
真昼•和賀山塊はじっくりゆっくりですかね
お早うございます。
秋田駒ヶ岳はお天気、晴れたり曇ったりがめまぐるしくて難しいですよね
晴れていれば素晴らしい眺めが期待できますから、Springさんも是非再訪されてみてください
というかSpringさんの秋田駒ヶ岳の素敵な写真に期待します
壮大なスケールの山行でしたね。
最高峰同士を繋ぐ旅に大感動し、PCコメントではなく直筆でコメントしたくなった程でした。でも、PCからのコメントになります。
tooleさんはまさに誇り高き勇者です。2泊3日の山旅についつい感情移入してしまいましたよ。
怪我をされて大変でしたね。同時に怖い思いもされたと思います。でも、今こうやって元気に山に戻って来られたので、ホッとしておりますよ。
コメントありがとうございます。
yamaya7さん直筆のコメント、どんなものか想像してしまいました
筆で書かれていて、達筆そうな気がしますね
気持ちだけでも有り難く頂戴しておきます。
この山行はそんなに大したことないんですよ
途中で滝ノ上温泉まで一度下山していますからね
だからズルして無理矢理つないだんだと自分では思っています。
ストーリーが思い浮かんだのは羽後朝日のときですが、思いたったのは前日の夕方なんです
僕の山行は気まぐれです。
裏岩手縦走路でつないだときが、本当の意味で"最高峰をつなぐ"になるような気がします
tooleさんの記録を全部見たことがなかったので、またまた驚かされました。
なんとも素晴らしいです。
うまく言葉にできません。
地図上での位置関係など、よくわかっていないので
秋田駒と岩手山がつながる発想が出来ていませんでした。
まねできるとは思えませんが、またまたお気に入り登録させていただきます。
うあぁー、みられてしまった!
世界中に公開していますからね
いきなり繋ぐのは大変なので、それぞれを歩いてみてからですかね。
まずは煙と溶岩流が出ている女岳から歩いてみてくださいね。
そう言う僕は蔵王や朝日連峰、月山にお邪魔致します
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する