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Yamareco

記録ID: 1632722
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
塩見・赤石・聖

秋深し 父子で詣で 七面山(敬慎院から希望峰まで)

2018年10月28日(日) 〜 2018年10月29日(月)
 - 拍手
子連れ登山 セキヒロ koh-TA
体力度
5
1泊以上が適当
GPS
09:15
距離
17.8km
登り
1,760m
下り
1,978m
歩くペース
速い
0.70.8
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
3:12
休憩
0:14
合計
3:26
距離 5.6km 登り 1,282m 下り 89m
13:25
32
肝心坊
13:57
14:04
61
1067m地点
15:05
15:12
48
晴雲坊
16:00
2日目
山行
4:29
休憩
1:11
合計
5:40
距離 12.1km 登り 478m 下り 1,889m
7:10
44
8:22
8:37
28
9:05
9:08
3
9:47
10:03
7
10:10
10:11
5
10:16
10:18
8
10:26
10:27
15
雨畑分岐
10:42
10:52
43
明浄坊
11:35
11:43
39
安住坊
12:22
12:28
22
七丁目休憩所
天候 晴れ、朝の気温はマイナス2度、日中5度ほど。霜はつけど、道の凍結はありませんでした。
敬慎院の宿坊はファンヒーターもあり温かいですが、本堂での御勤めは冷えるので防寒具を忘れずに。
過去天気図(気象庁) 2018年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス タクシー
【行き】
6:36横浜 → 7:59熱海8:02 → 8:45富士9:12 →10:31身延
11:25身延駅 → 12:12七面山登山口 →タクシーで羽衣まで10分(1400円)
【帰り】
14:33七面山登山口 → 15:20身延駅
身延駅15:29 →(ワイドビューふじかわ) → 16:24富士16:40 → 17:27熱海17:37 → 18:46横浜
コース状況/
危険箇所等
◆2018.10.25現在(敬慎院からの登山道情報)
羽衣からの表参道41丁目〜42丁目間、台風で参道崩落のため迂回路あり
◆ナナイタガレ縁上はロープが張られているが、崩壊地のため近づかないほうがよい
◆七面山山頂標識〜希望峰間は倒木多し、地図上は等高線間隔が広いが、実際の地形は複雑なので、赤テープを見失わぬよう。
その他周辺情報 ◆七面山登詣案内
https://www.kuonji.jp/shichimenzan/shichi-tokei.htm
◆登詣のしおり(PDF)
https://www.kuonji.jp/shichimenzan/img/tokei/shiori1804.pdf
◆入浴:七面山温泉・ひのや旅館 日帰り入浴(入浴料500円)
http://www.hinoya-ryokan.com/
◆食事:森の駅南アルプスプラザ「早川舎」(登山口バス停から徒歩2分)
http://hayakawa-zaidan.com/?pid=34634585
おはようございます。
今回は身延線に乗って、法華経の聖地・七面山へ向かいます。
富士駅でうどん、頂きました。
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おはようございます。
今回は身延線に乗って、法華経の聖地・七面山へ向かいます。
富士駅でうどん、頂きました。
富士宮駅を過ぎてすぐ、富士山ミュージアムの鳥居と、冠雪した富士山。
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富士宮駅を過ぎてすぐ、富士山ミュージアムの鳥居と、冠雪した富士山。
身延駅で下車。
バスの待ち時間があるので、少し駅周辺を散策しました。
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身延駅で下車。
バスの待ち時間があるので、少し駅周辺を散策しました。
奈良田ゆきのバスに乗車します。
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奈良田ゆきのバスに乗車します。
途中、下部温泉駅を経由して七面山登山口で下車。
ここ角瀬(すみせ)からはタクシーに乗り、羽衣まで。
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途中、下部温泉駅を経由して七面山登山口で下車。
ここ角瀬(すみせ)からはタクシーに乗り、羽衣まで。
羽衣の表参道入り口にて。
ちょうど団体の方々が下山されているところで、大勢の方とすれ違いました。
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羽衣の表参道入り口にて。
ちょうど団体の方々が下山されているところで、大勢の方とすれ違いました。
山中にお経が響き渡っています。
表参道は広いのですが、下山される方々は列を崩さず、我々に道を譲ってくださいました。
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山中にお経が響き渡っています。
表参道は広いのですが、下山される方々は列を崩さず、我々に道を譲ってくださいました。
修験のみちらしい風景が続きます。
午後なので、登山スタイルで下山してくる方々とも15、6名はすれ違いました。
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修験のみちらしい風景が続きます。
午後なので、登山スタイルで下山してくる方々とも15、6名はすれ違いました。
13丁目にあたる肝心坊。
参道には所々に休憩所やトイレがあるので、安心です。
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13丁目にあたる肝心坊。
参道には所々に休憩所やトイレがあるので、安心です。
23丁目・中適坊。
もうすぐ参道も半分のところ、徐々に疲れも出てくるころです。
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23丁目・中適坊。
もうすぐ参道も半分のところ、徐々に疲れも出てくるころです。
さすがにここまでの危険はありませんが、やはり9月の台風の影響で参道は荒れている箇所もありました。
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さすがにここまでの危険はありませんが、やはり9月の台風の影響で参道は荒れている箇所もありました。
このように信仰の俳句をいくつも目にします。
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このように信仰の俳句をいくつも目にします。
36丁目・晴雲坊を過ぎたあたりで紅葉が目立ち始めます。
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36丁目・晴雲坊を過ぎたあたりで紅葉が目立ち始めます。
41丁目〜42丁目間は台風で登山道が崩落。
う回路をまわります。
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41丁目〜42丁目間は台風で登山道が崩落。
う回路をまわります。
台風で葉も散ってしまったとは思うのですが、やはり秋の紅葉は美しいです。
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台風で葉も散ってしまったとは思うのですが、やはり秋の紅葉は美しいです。
電柱が傾いて電話線も垂れ下がっています…
一日も早い復旧が望まれます。
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電柱が傾いて電話線も垂れ下がっています…
一日も早い復旧が望まれます。
46丁目・和光門です。
いよいよ!といった趣です。
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46丁目・和光門です。
いよいよ!といった趣です。
50丁目・敬慎院に着きました。
本堂や宿坊が立ち並ぶ様は、自分たちが山の上にいるとは思えませんでした。
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50丁目・敬慎院に着きました。
本堂や宿坊が立ち並ぶ様は、自分たちが山の上にいるとは思えませんでした。
受付を済ませると、さっそく「汗を流されてはいかがですか」と入浴をすすめられました。
通された部屋は10畳ほどの広さ。この日は私たちと男性1名の3名での利用でした。
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受付を済ませると、さっそく「汗を流されてはいかがですか」と入浴をすすめられました。
通された部屋は10畳ほどの広さ。この日は私たちと男性1名の3名での利用でした。
夕食はもちろん精進料理です。
おかずがシンプルなので、白ご飯とみそ汁の美味しさが沁みた〜
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夕食はもちろん精進料理です。
おかずがシンプルなので、白ご飯とみそ汁の美味しさが沁みた〜
話に聞いていたウワサの長布団!
すごい、これで7、8名は寝られます。
この日は夜のお勤めを終え、21時には消灯。
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話に聞いていたウワサの長布団!
すごい、これで7、8名は寝られます。
この日は夜のお勤めを終え、21時には消灯。
【第二日目】
5:30起床の鐘が鳴ります。
団体さんはすでにご来光を迎える遥拝所へ上がって行かれました。
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【第二日目】
5:30起床の鐘が鳴ります。
団体さんはすでにご来光を迎える遥拝所へ上がって行かれました。
我々も遥拝所へ。
朝のお勤めも日の出に合わせて行われますが、ご来光を優先して大丈夫とのこと。
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我々も遥拝所へ。
朝のお勤めも日の出に合わせて行われますが、ご来光を優先して大丈夫とのこと。
随身門です。
夜明け前の神々しさを感じます。
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随身門です。
夜明け前の神々しさを感じます。
遥拝所に上がると、300名近くは白装束の方々がいたと思うのですが、親切に最前列は開けておいて下さいました。
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遥拝所に上がると、300名近くは白装束の方々がいたと思うのですが、親切に最前列は開けておいて下さいました。
山の上で迎える夜明け前のこの時間が、私は好きなのです。
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山の上で迎える夜明け前のこの時間が、私は好きなのです。
6時ちょうど、遠く箱根の山々のあたりからご来光。
南無妙法蓮華経を聴きながら、貴重な夜明けの時でした!
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6時ちょうど、遠く箱根の山々のあたりからご来光。
南無妙法蓮華経を聴きながら、貴重な夜明けの時でした!
春秋彼岸の中日には、富士山頂から放たれたご来光(旭光)は後ろの随身門を通り、本堂のご本尊まで届くそうです。
そしてその一直線上には遠く出雲大社があるそうな…昔の方はすごいですね。
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春秋彼岸の中日には、富士山頂から放たれたご来光(旭光)は後ろの随身門を通り、本堂のご本尊まで届くそうです。
そしてその一直線上には遠く出雲大社があるそうな…昔の方はすごいですね。
遥拝所の雰囲気を伝えたくて、上から失礼します。
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遥拝所の雰囲気を伝えたくて、上から失礼します。
朝食も精進料理です。
頂いた後は大きい荷物を預かっていただき、山頂へ足を運びます。
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朝食も精進料理です。
頂いた後は大きい荷物を預かっていただき、山頂へ足を運びます。
おお!随身門へ上がるとシカがお出迎え。
人に慣れているようで、ここで普通に暮らしているんだね。
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おお!随身門へ上がるとシカがお出迎え。
人に慣れているようで、ここで普通に暮らしているんだね。
距離2メートル!
あまりに近すぎて息子もシカもキョトンとしてました(笑)
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距離2メートル!
あまりに近すぎて息子もシカもキョトンとしてました(笑)
静けさを取り戻した遥拝所。
右奥から登山道へ入ります。
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静けさを取り戻した遥拝所。
右奥から登山道へ入ります。
カラマツの紅葉がちらほらと。
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カラマツの紅葉がちらほらと。
おお! これが身延山からも見えた、大崩壊地ナナイタガレ。
間近で見る迫力に圧倒されました。
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おお! これが身延山からも見えた、大崩壊地ナナイタガレ。
間近で見る迫力に圧倒されました。
天気は上々、登山日和です♪
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天気は上々、登山日和です♪
ナナイタガレの上を進み、少し上がると七面山山頂に着きました。ここは山頂標識のある1982m地点。
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ナナイタガレの上を進み、少し上がると七面山山頂に着きました。ここは山頂標識のある1982m地点。
七面山(1982m)
日本200名山の一つ。私は山梨百名山としては53座目となりました。折角なのでここからは、展望が良いとされる希望峰まで行きましょう。
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七面山(1982m)
日本200名山の一つ。私は山梨百名山としては53座目となりました。折角なのでここからは、展望が良いとされる希望峰まで行きましょう。
深山の雰囲気たっぷり♪
サルオガセも大きめサイズ!
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深山の雰囲気たっぷり♪
サルオガセも大きめサイズ!
山頂から希望峰までの道も先の台風の爪痕が激しく、倒木が多数ありました。
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山頂から希望峰までの道も先の台風の爪痕が激しく、倒木が多数ありました。
登山道が倒木でふさがれている箇所も多く、テープとGPSを頼りに道をたどりました。
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登山道が倒木でふさがれている箇所も多く、テープとGPSを頼りに道をたどりました。
希望峰か、良い響きですね。
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希望峰か、良い響きですね。
倒木が多かったですが、なんとか抜けられました。
あの先で視界が開けそうです。
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倒木が多かったですが、なんとか抜けられました。
あの先で視界が開けそうです。
希望峰に到着。
縦走路はこの先進むと3時間くらいで安部奥の八紘嶺まで行けるようです。
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希望峰に到着。
縦走路はこの先進むと3時間くらいで安部奥の八紘嶺まで行けるようです。
希望峰からは北岳から光岳まで、南アルプスの大展望!
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希望峰からは北岳から光岳まで、南アルプスの大展望!
山肌も紅葉して、気分も高揚してきます!
手前が青薙山〜笊ヶ岳、その奥に聖岳や悪沢岳など第一級の高峰も見えています。
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山肌も紅葉して、気分も高揚してきます!
手前が青薙山〜笊ヶ岳、その奥に聖岳や悪沢岳など第一級の高峰も見えています。
笊ヶ岳をバックに。
北岳方面は雲に隠れてしまったようです。
いや〜山深くて良いところですね〜。
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笊ヶ岳をバックに。
北岳方面は雲に隠れてしまったようです。
いや〜山深くて良いところですね〜。
さて、名残惜しいですが希望峰からは引き返します。
陽が登ってきてカラマツの黄葉が眩しいです。
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さて、名残惜しいですが希望峰からは引き返します。
陽が登ってきてカラマツの黄葉が眩しいです。
登山道をちょこっと外れたところに最高点がありそうなので、テープとGPSを頼りにひと登り…
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登山道をちょこっと外れたところに最高点がありそうなので、テープとGPSを頼りにひと登り…
何もないところだけど、七面山最高点(1989m)
地図にも記載あったけど、このあたりは地形複雑でした。
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何もないところだけど、七面山最高点(1989m)
地図にも記載あったけど、このあたりは地形複雑でした。
山頂標識のある所まで戻ってきました。
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山頂標識のある所まで戻ってきました。
銅板は、この地点の標高と同じ1982年製みたいです。
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銅板は、この地点の標高と同じ1982年製みたいです。
下山中もナナイタガレ越しに富士山が見えました。
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下山中もナナイタガレ越しに富士山が見えました。
ナナイタガレは年々崩壊が進んでおり、その度に登山道も付け替えられるそうです。
この道もいつかは崩れてしまうのでしょうか。
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ナナイタガレは年々崩壊が進んでおり、その度に登山道も付け替えられるそうです。
この道もいつかは崩れてしまうのでしょうか。
敬慎院に戻ってきました。
荷物を引き取り、お世話になった宿坊を後にします。
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敬慎院に戻ってきました。
荷物を引き取り、お世話になった宿坊を後にします。
裏手にある一ノ池。
龍神様を祀っているそうです。
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裏手にある一ノ池。
龍神様を祀っているそうです。
敬慎院、またいつか訪ねて来たいですね。
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敬慎院、またいつか訪ねて来たいですね。
敷地内、シカの家族は普通に散歩中です(笑)
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敷地内、シカの家族は普通に散歩中です(笑)
往路とは違う、北側の裏参道を使って下山します。
稜線を下るため、表参道に比べこちらのほうが日当たりがよさそうです。
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往路とは違う、北側の裏参道を使って下山します。
稜線を下るため、表参道に比べこちらのほうが日当たりがよさそうです。
日当たり良好♪
紅葉も良い頃合いです。
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日当たり良好♪
紅葉も良い頃合いです。
いやぁ、いいねぇ。
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いやぁ、いいねぇ。
奥ノ院です。
左奥に見えるのは「ようごう石」、七面大明神が降り立ったといわれています。
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奥ノ院です。
左奥に見えるのは「ようごう石」、七面大明神が降り立ったといわれています。
富士山もバッチリ!
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富士山もバッチリ!
こちらが奥ノ院。
この脇を抜け、参道が続きます。
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こちらが奥ノ院。
この脇を抜け、参道が続きます。
前半はまだゆるやかで、紅葉を楽しむ余裕もありました。
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前半はまだゆるやかで、紅葉を楽しむ余裕もありました。
しばし紅葉狩り。
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しばし紅葉狩り。
やっぱり秋はいいなぁ!
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やっぱり秋はいいなぁ!
裏参道30丁目・明浄坊に着きました。
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裏参道30丁目・明浄坊に着きました。
休憩舎からは、これまた抜群の富士景観♪
3
休憩舎からは、これまた抜群の富士景観♪
眩しい黄葉。
赤、橙、黄、緑と鮮やかです。
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赤、橙、黄、緑と鮮やかです。
参道といっても、徐々に斜度を増してきて、後半はなかなかの荒れっぷりでした(笑)
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参道といっても、徐々に斜度を増してきて、後半はなかなかの荒れっぷりでした(笑)
ようやく20丁目近くの安住坊!
大トチノキの存在感がすごいです。
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ようやく20丁目近くの安住坊!
大トチノキの存在感がすごいです。
さらに下って7丁目。
1000メートル以上を一気に下ってお疲れ気味です…
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さらに下って7丁目。
1000メートル以上を一気に下ってお疲れ気味です…
ようやく麓の角瀬に到着、お疲れ様!
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ようやく麓の角瀬に到着、お疲れ様!
まだ団体さんが到着していないとのことで、ひのや旅館さんでゆっくりと風呂で汗を流しました。
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まだ団体さんが到着していないとのことで、ひのや旅館さんでゆっくりと風呂で汗を流しました。
バスの到着まで1時間ほどあったので、近くの観光施設で飲食することに。
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バスの到着まで1時間ほどあったので、近くの観光施設で飲食することに。
はい、このあと一瞬でビールが無くなります(笑)
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はい、このあと一瞬でビールが無くなります(笑)
息子はチキンをむさぼるように食べていました(笑)
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息子はチキンをむさぼるように食べていました(笑)
私は甲州地鶏の親子丼を頂きました♪
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私は甲州地鶏の親子丼を頂きました♪
さて、バスで身延駅に帰還します。
団体さんもちょうど大型バスで各方面に帰られるようでした。
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さて、バスで身延駅に帰還します。
団体さんもちょうど大型バスで各方面に帰られるようでした。
折角なので七面山の手ぬぐいをゲット!
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折角なので七面山の手ぬぐいをゲット!
帰りはワイドビューふじかわ号で富士駅まで。
そこから東海道線で帰宅の途につきました。
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帰りはワイドビューふじかわ号で富士駅まで。
そこから東海道線で帰宅の途につきました。

感想

昨年の師走、晴れた日曜日に身延山へ行った。
もともと自分は信心深いタイプではないけれど、登山という目的で訪れた時は、少しばかり感じるものも違うみたいだ。
身延山・久遠寺の五重ノ塔を見上げた先に、大規模な崩壊地を仰ぎ見た!
それがこそが、ナナイタガレを有する聖地・七面山だったのだ。

七面山は久遠寺の領地でもあり、山梨県早川町に囲まれた「身延町の飛地」でもある。日蓮上人の弟子・日郎上人が開山したとされ、720年の歴史を持つ日蓮宗の山である。自分は特定の宗派には属さない身ではあるが、七面山は宗教上の意味だけでなく、山全体が放つ霊山としての趣に惹かれたのだと思う。
今回七面山について、調べるなかで「登詣(とうけい)」という言葉を知った。
山に詣でる、という言葉の意味は何となく分かったけど、その「登詣する」という実際の行動形態は、今回七面山を訪れて知ることとなった。

さて、今回は息子の学校の振替休日があったので、敬慎院の宿坊利用で登ることに。
身延駅から早川町乗合バスに乗り七面山登山口へ。下車した角瀬(すみせ)からは、たまたま居合わせたご婦人方とタクシー乗り合いで表参道入り口のある、羽衣へ。
スタートは午後となり、丁度登詣団体さんの下山タイミングに遭遇した。
「南無妙法蓮華経〜」団体さんはお経を唱えながらの下山、私も息子も圧倒されながらも、集団下山する団体さんは登山客を優先してくれ、道を開けて待っていてくれた。

丁目石を数えながら、息子と他愛もない会話を交わしながら…霊山の趣濃い、杉の木立の道をいく。
表参道は流石によく整備されており歩きやすい。途中の坊にはトイレも水場も整っており、申し分ない。

四十丁目も過ぎると、紅葉が山を色づき始める。するとガスが立ち込め、一気に深山の雰囲気を感じさせた。
和光門をくぐると敬慎院の敷地に入る。山の上とは思えない広い土地に本堂や宿坊がいくつも並んでいる。参拝者にとって、険しい坂道を登ったあとの安心感は大きいものだろう。

敬慎院での一夜は特別な体験の連続だった!
精進料理はもちろん、夜にお経を唱えるなんて、下界では滅多にできない体験だ。
御開帳に立ち会い、お焼香もさせていただいた。
僧の方々からは、七面山の成り立ちを聞いたり、なんとお釈迦様の分骨(!)が収められているとされる場所にも招いていただいた。

翌朝は夜明け前に遥拝所へ上がり、白装束の皆さんに混じって富士山の向こうから登るご来光を迎えた。信心深くはないけれど、やっぱり身が引き締まる思いで、いつもとは違う、特別な夜明けの時を迎えた。
朝食を済ませた後は、七面山の山頂を経て希望峰まで足を運んだ。
ナナイタガレの見事な崩壊っぷりに感動したり、台風でバンバンなぎ倒された倒木をえっちらおっちらと越えながら、目的地へ進んだ。

そして希望峰から望んだ南アルプスの景色は特別だった。
というのも、この地点から南部の山々を見るということが初めてだったので、それだけでも満足だった。
北岳方面は若干雲に隠れてしまっていたが、いつもは甲斐駒や鳳凰など北部ばかりを見ていたので、南部の山深さを感じる絶好の機会だった。
戻る途中に最高点を経由し、敬慎院に預けた荷物を引き取り、下山を始める。

北の裏参道は、表参道に比べ距離が長いものの、日当たりも良く紅葉がきれいだった。後半は多少ガレ場が多かったが、休憩もとりながら、概ね標準CTの8割ほどで下山完了。団体さんの到着前にゴールできたので、間一髪ひのや旅館さんでお風呂を借りることが出来た!
兎にも角にも貴重な二日間の登詣体験。息子も「楽しかった」ということなので、今回の登山は成功だったと思いたい。

〔おやこ山行192〕

とうちゃんと七めん山にいってきました。
けいしん寺で夜おつとめで「なむみょうほうれんげきょう」とずっといったり、しょうじんりょうりをたべたり、朝おつとめで朝日を見ました。
あとシカがとても近くにいてびっくりしました。
あとはおてらのへやにとまれてうれしかったです。
おてらのおつとめの時は、「かんのう」ということばが書いてあって、いみはかんしゃにおうじるといういみをしって心にのこりました。
あとは、七めん山はいい山なんだと心から思いました。
くだりのときもおしゃかさまたちにかんしゃしながらくだりました。

ぶん:koh-TA
にゅうりょく:sekihiro

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コメント

信仰と修験者。
sekihiroさん、こんにちは!

七面山、そして身延山には一度行ってみたいと思ってます。
我が家は臨済宗ですが、宗派関係なくいろんなところに顔を出しては拝謁させてもらってます。

ナナイタガレ、恥ずかしながら全くしりませんでした。そこが聖地だと言うことも知らずです。日本には昔から山岳信仰が盛んですが、霊山ともなれば格別なのでしょうね。

コータ君の言ってた「かんのう」と言う言葉が私の中にも残りましたよ!

素晴らしい経験が出来て本当によかったですね!

お疲れさまでした!!

しかし、遠いっすね〜!!!
2018/10/31 16:56
Re: 信仰と修験者。
zenpさん

こんにちは。
昨年、身延山に行ったときも何だか崇高な気持ちになりましたが、今回の七面山では白装束姿の方々を多く目にし、改めて山と信仰の関係について考えました。
僧のお話では、日蓮宗は他の宗派や考えも大きく受け入れる特徴があるようで、ある意味「神社的」なところがあると仰ってました。

色々と世知辛い世の中ですが、そういう大きな気持ちを忘れずに、日々の暮らしを大切にしたいなぁと思いました!

そうそう、息子が言っていた「かんのう」は、「感応」と書きます。
私もちゃんと感謝に応じられる大人になりたいと思いました(^-^;
2018/11/1 10:49
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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