藪漕ぎ地獄 撤退東山


- GPS
- 13:27
- 距離
- 14.8km
- 登り
- 1,223m
- 下り
- 1,221m
コースタイム
- 山行
- 12:46
- 休憩
- 1:07
- 合計
- 13:53
過去天気図(気象庁) | 2025年10月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
今回は撤退記です。
信州百名山で最難関と言われる東山。
この山は残雪期に登る山として知られています。
何故か。
それはこの山が日本有数の薮山として有名だからです。
そこで今回は無雪期に登るとどうなのか?
行ってみました。
この山の存在は知っていました。
家から近いので、そのうち登ろう、くらいの感覚であまり気にも留めていなかった山でした。
先日白馬岳でご一緒だった方と話していたら、その方が信州百名山をやっていて、東山と言うのが雪が無いと登れない山なんですよ、と言う情報をもらいました。
え?そんな特殊な山だったの?
と言う興味が湧き、色々調べてみました。
先ずは鬼無里支所に連絡取って、東山なんですが、雪が無いと登れないんですか?と聞くと、登れないことはないですが、道は整備されていないので、十分注意してください。
とのこと。
そんなのはいつものことなので、行くのが禁止されている訳では無いことを確認。
ただし現在(2025年9月時点)はアプローチが通行止めになっているので、10月にならないと行けないとのことでした。
と言う訳で10月になったので行ってきた訳ですが、、、
実質的にスタートとなるのは中西山と言うところ。
ここまでは奥裾花自然園からハイキングで登れる簡単な山です。
もちろんここは以前に行っているので特に問題ありません。
天気は一瞬晴れましたが、ここから曇り一時雨の予報。
朝露で草も濡れているので、全身雨装備で中西山をスタートします。
まあまあな薮を掻き分けて進みます。
薮のヤバいところは、薮を掻き分けて進む面倒臭さ、掻き分ける体力、足元が見えないストレス、ハネによる怪我、蔦が絡まって進めないなどの弊害がありますが、今回ネックだったのが、道が見えないことでのコースミスと太い根曲がり竹による進路妨害でした。
結果から言うと、コースタイムは2:30程度なんですが、このタイムじゃ絶対無理です。
自分の場合、おそらく(撤退したので不明ですが)4~5時間かかります。
3、40分歩いたところでコースミスしてしまいました。
やたらと薮が濃くなって、なんかおかしいと気づいてアラート前に引き返せたのですが、たった数十mですが、30分くらい格闘してコース復帰という有様。
天候は雨になっていて、笹の大群は掻き分けるのも相当力を使いますし、倒した笹を踏みつけるのも滑るし、ものすごいストレスです。
せっかくのコース復帰でしたが、ここで痛恨のミスをしてしまいます。
なんとコースを逆行してしまうというミスです。
道が見えた安心感で、特にマップも確認せず進むと、ヤマレコが「まもなく中西山山頂です」とアナウンス。
??と思うとなんとスタート地点に戻っていました。
天候が雨で太陽が見えない、薮で同じような景色が続き風景的に判断がしづらい、かつほとんど下を見て道を確認しながら進むので状況判断が難しいという言い訳です。
挫けそうな心を保ち、再度出発します。
スタートから1:35のロス。
コースミス地点まで30分程度なので合計2時間のロスとなってしまいました。
因みに今回の撤退判断は13時を予定していました。
この時点では先の困難を予想できていなかったので、コースタイムの2:30を信じて、3時間あれば着くだろうと計算していました。
しかし、結果は度重なるコースミス、だんだんと激しくなる薮で、たった2kmの道なのに全然進むことができません。
中間地点辺りにロープが渡してある場所があるのですが、薮はここからが本番となります。
笹はだんだんと太くなり、掻き分けるのに相当な力を必要とします。
雨と汗で雨具の中もびっしょり。
倒した笹を踏みつけるも、チェーンスパイクでも滑って安定が取れません。
こう言う藪漕ぎをする場合、革手、チェーンスパイク、ゴーグル、丈夫な雨具は必携です。
今回ゴーグルを持ってこなかったので、跳ね返る笹が顔に当たって痛いし、目に入る危険があります。
それでも前進し、時刻は撤退判断の13時が近づいてきます。
帰りが暗くなることを決心し、撤退判断を14時に変更します。
燕岳の急登が子供騙しに思える急登を笹を手がかりに登り、滑る足元にスパイクを効かせ、もう少しもう少しと歩を進めます。
しかしゴールまであと200mの地点で難関が現れてしまいました。
トラバースに横から笹が生えている地点です。
笹を倒してそこを進もうとすると滑って滑落の危険があります。
かと言って巻こうとしても膨大な体力を必要とする笹の量が心を折ります。
時刻はこの時点で13:45。
あとたった200mですが、おそらく1時間近くかかるでしょう。
往復で2時間以上。
ロープ地点の危険箇所はなんとしても明るいうちにクリアしなければならないため、ここで撤退を決めました。
帰りはチェーンスパイクを片方無くし、暗い下りをヘッテン頼りでビビりながらの敗退です。
ここ戸隠連山は西岳と言う危険な山があるのですが、それとは違う恐怖を味わった1日でした。
往復8時間以上の藪漕ぎでした。
疲れた。
残雪期なら今日の撤退ポイントもおそらく笹の上を歩いて通過できると思いますし、そもそもこんなに薮を掻き分ける必要もない訳です。
信州百名山最難関と言うのもうなづけます。
因みにブッシュナイフなどは全く役に立たないと思います。
チェーンスパイクよりアイゼンの方が良いかもしれません。
ポールは邪魔になるので持って行かないほうがいいです。
ゴーグルは欲しいですが、行動量が多いので曇って使えない可能性もあります。
ダニもいます。今回首の後ろを3箇所やられました(暑くてフード被っていませんでした)。
まあこの山を無雪期にやろうと言う人はほとんどいないと思いますので、バカなやつもいるなあ。
くらいに思っていただければと思います。
今度は残雪期に行きます。
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