憧れの槍ヶ岳〜大キレットを越えて北穂、そして錦秋の涸沢へ
長野県
岐阜県
Kumainkobe
体力度について
- GPS
- 29:52
- 距離
- 50.1km
- 登り
- 2,658m
- 下り
- 2,646m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 7:32
- 休憩
- 1:50
- 合計
- 9:22
- 山行
- 5:52
- 休憩
- 3:42
- 合計
- 9:34
- 山行
- 6:19
- 休憩
- 2:33
- 合計
- 8:52
| 天候 | 1日目：雨 2日目：晴れ時々曇り 3日目：晴れのち曇り |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2025年10月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
タクシー 自家用車
|
| その他周辺情報 | ひらの湯 日帰り入浴：700円、10時〜21時(受付20時半) 露天風呂が多く、サウナもあり。 https://www.hirayunomori.co.jp/ |
| 予約できる山小屋 |
横尾山荘
|
写真
朝食後、外に出ると下で騒ぎ声が。中国の方々が初心者（オレンジの女性）を指導しているようで、同じ場所を登ったり下ったりして1時間ほど騒いだ後、飛騨泣きを下った。本物の泣きを見なければ良いが。
6
感想
登山を始めてから一度は登ってみたいと思っていた槍ヶ岳。2週間前に登った立山・龍王岳からその姿を望んだとき、憧れはいっそう強まりました。幸いにも山仲間と同行する機会に恵まれ、思いのほか早くその夢を実現することができました。しかも、難関の大キレットを越えて、紅葉真っ盛りの涸沢へ抜けるという、盛りだくさんの2泊3日の山行です。
【1日目】雨の上高地から槍ヶ岳へ
初日はあいにくの雨。いつもは観光客でにぎわう河童橋周辺も、早朝かつ雨のためほぼ無人。静寂の中、水墨画のような風景を楽しむことができました。
横尾山荘前で身支度を整え、槍沢ルートを進みます。雨が次第に強まる中、慎重に進みながら槍沢ロッジに到着しました。ずぶ濡れの体を休めつつ、シェルパカレーをいただきました。鶏肉たっぷりでスパイシー、冷えた体に染みわたる味でした。
槍見の大岩に立つと、晴れていれば槍ヶ岳が見えるとのことでしたが、この日はまだモヤの中。降り続く雨は山道を川のように変え、膝まで水に浸かる箇所も。全身ずぶ濡れで、ようやく槍ヶ岳山荘に辿り着いたものの、肝心の槍の姿は最後まで見えませんでした。
【2日目】念願の槍ヶ岳登頂、そして大キレットへ
夜が明け、雨は上がりました。空身で槍ヶ岳を目指します。濡れた岩や鎖、梯子は滑りやすく緊張の連続でしたが、慎重に登り続け、ついに槍ヶ岳登頂。憧れの頂に立った瞬間、全身に達成感がこみ上げました。
朝食後、荷物をまとめて大キレット方面へ。振り返ると、ようやく槍ヶ岳の姿が現れ、大喰岳から眺める槍のシルエットは圧巻。離れるほどにその美しさが際立ちました。
行く手のモヤも晴れ、獅子鼻岩の展望所からは、南岳から北穂高岳まで続く大キレットの険しい稜線が一望できました。しかし、実際に歩いてみると、見た目ほどの恐怖感はなく、岩場を一つひとつクリアしていく感覚。結果的に思ったよりもあっけなく北穂高小屋に到着できました。
北穂高岳からは、槍ヶ岳へと続く稜線がくっきりと見通せました。中々の難コースに見えます。南には奥穂高岳からジャンダルムへと続く壮大な稜線。いつかあの道を縦走したいという思いが胸に灯ります。山々を染める夕日は息をのむほど美しく、滝雲が流れる幻想的な光景にしばし見入りました。北穂高小屋は日本で最も高い場所にある山小屋とのこと。小ぢんまりとしながらも、スタッフの温かい対応や美味しい食事に癒やされました。
夕食後、日没を迎えた山々が雲に飲み込まれていく光景は印象的でした。折しも、この日は中秋の名月でした。
【3日目】紅葉の涸沢を抜けて
ご来光と富士山を含む山々の光景を楽しんだ後、北穂高岳の北峰と南峰を巡り、涸沢へと下りました。涸沢カールは広大で圧巻、しかも紅葉はまさに見頃で、斜面一面が赤や黄金に染まり、まるで錦絵のよう。涸沢ヒュッテで休憩しながら、ビールのCMのような一枚を撮影できました。紅葉の最盛期に訪れられた幸運に感謝です。
下山を再開すると、多くの登山者で道は賑わい、見事な紅葉に思わず足を止めながらの下りとなりました。名残惜しい上高地では、砂利道をスーツケースで引きずる外国人の姿もあり、山から下りたばかりとは思えない不思議な光景でした。
こうして今回の山行も無事に終了。雨、靄、晴れ、そして紅葉──移ろう自然の表情に包まれながら、心に残る素晴らしい山旅となりました。感謝です。
以下、備忘録です。
---------------------------------------------
【上高地バスターミナル(1,504m)】
• マイカー規制のため、各駐車場*よりシャトルバス運行
*さわんど駐車場：長野道松本ICより約50分、2000台、800円/日。
上高地公式ウェブサイト_さわんど駐車場 https://www.kamikochi.or.jp/access/sawando
アルピコ交通_さわんど〜上高地シャトルバス https://www.alpico.co.jp/traffic/local/kamikochi/sawando/
*あかんだな駐車場：中部縦貫道高山ICより約45分、850台、600円/日。
上高地公式ウェブサイト_平湯・あかんだな駐車場 https://www.kamikochi.or.jp/access/akandana/
濃飛バス_上高地線 https://www.nouhibus.co.jp/route_bus/kamikochi-line/
アルピコ交通_平湯〜上高地シャトルバス https://www.alpico.co.jp/traffic/local/kamikochi/hirayu/
【上高地(約1,500m)】
• 飛騨山脈（北アルプス）南部の長野県側、梓川上流にある景勝地。
• 中部山岳国立公園の一部。
• 広大な平野〜大正池から横尾までの前後約10km、幅最大約1kmの堆積平野。この高度でこれほどの広さの平坦地は、日本では他に例が少ない。
【徳澤園(1,562m)】
• 長野県松本市
• むかし牧場が開かれていたため、周辺は開けた草原となっている。
• 徳沢ロッヂおよびテント場、徳澤園が存在する。
【槍ヶ岳山荘(3,080m)】
https://www.yarigatake.co.jp/yarigatake/
• 長野県松本市
【槍ヶ岳(3,180m)】
• 日本百名山、花の百名山、日本百高山、信州百名山、ぎふ百山、新日本百名山、甲信越百名山、日本3000m峰、中央線から見える山、東海の百山、日本の山岳標高1003山、長野県の山(分県登山ガイド)、日本2500m峰、岐阜県の山(分県登山ガイド)、日本の山1000、長野県の名峰百選 、日本百霊峰、魅力別で選ぶ日本新百名山、岐阜百秀山、日本名山図会、日本百霊山、温泉百名山、ふるさと百名山、信州山カード、特選日本名山50、山渓花の百名山地図帳、山登りを趣味にする、白籏史朗の百一名山、北陸新幹線百名山、西丸震哉日本百山、山登り365日、展望の山旅、飛騨百山、自然素晴しい50選、富士の見える山223、2000メートル以上の642山、名景撮り方50名山、東海周辺の山110
• 長野県松本市と大町市、岐阜県高山市の境界。
• 日本で5位の高峰
• 山標あり。
• 三角点なし〜かつて、2等三角点（基準点名：鎗ケ岳）が設置されたが、現在は標石が地面に埋設・固定されておらず、国土地理院で「亡失」扱い。
• 好展望〜北アルプスのほぼ全ての山を望むことができ、松本や安曇野はもちろん、高山や富山の街明かりを見ることも出来ます。空気が澄んでいると日本海が見える。
• 槍ヶ岳夏山診療所
• 四方に尾根と沢を伸ばす。尾根は東西南北に、東鎌・西鎌・槍穂高・北鎌の四稜、沢は東南に槍沢、南西に飛騨沢（槍平）、北西に千丈沢、北東に天上沢の四沢である。
【大喰岳(おおばみだけ、3,101m)】
• 日本百高山、日本3000m峰、日本の山岳標高1003山、日本2500m峰、富士の見える山223、2000メートル以上の642山
• 長野県松本市と岐阜県高山市にまたがる。
• 日本で10位の高峰
• 山標あり。
• 三角点なし。
• 好展望
【中岳(3,084m)】
• 日本百高山、日本3000m峰、日本の山岳標高1003山、日本2500m峰、富士の見える山223、2000メートル以上の642山
• 長野県松本市と岐阜県高山市にまたがる。
• 山標あり。
• 三角点なし。
• 好展望
【南岳(3,032.68m)】
• 日本百高山、日本3000m峰、日本の山岳標高1003山、日本2500m峰、岐阜県の山(分県登山ガイド) 続ぎふ百山、日本の山1000、岐阜百秀山、2000メートル以上の642山
• 長野県松本市と岐阜県高山市にまたがる。
• 山標あり。
• 三等三角点「北穂高」
• 好展望
【大キレット（だいキレット、大切戸）】
• 長野県・岐阜県境（飛騨山脈）の南岳と北穂高岳の間にあるV字状に切れ込んだ岩稜帯。
• 八峰キレット、不帰キレットとともに三大キレットの一つ
• 長谷川ピーク(2,841m)、飛騨泣きといった難所が点在し、国内屈指の難易度を誇るルート。
• 一般道に指定されているルート中では日本最難関。
• エスケープルートはない。
【北穂高岳(3,106m)】
• 日本百高山、ぎふ百山、日本3000m峰、日本の山岳標高1003山、日本2500m峰、日本の山1000、長野県の名峰百選、岐阜百秀山、信州山カード、白籏史朗の百一名山、山登り365日、飛騨百山、2000メートル以上の642山
• 北アルプス穂高連峰の北端に位置する山。
• 南北に2つのピークを持つ双耳峰で、最高地点は標高3,106mの南峰。
• 山標あり。
• 三角点なし。
• 好展望〜槍ヶ岳、ぎざぎざとした北尾根を持つ前穂高岳や、奥穂高岳、常念岳や笠ヶ岳などの雄峰を眺め渡します。遠くは白山や八ヶ岳、富士山を望むこともあり。
• 北穂高岳西面の「滝谷」は切り立った崖で、その峻険さは、かつて山案内人として名を馳せた上條嘉門次（かみじょうかもんじ：1847-1917年）が「鳥も通わぬ」と評したほど。
• 東側に抱く涸沢カールは、氷河の浸食で生まれたU字谷（カール）で、涸沢ヒュッテ、涸沢小屋が建ち、北穂高岳、前穂高岳、奥穂高岳を目指す際の登山基地を担う。
【涸沢(からさわ、2,309m)】
• 信州山歩き（中信・南信編）、東京周辺の山350(2010年）
• 穂高登山の中心地であり、夏には色とりどりのテントが数え切れない程ならぶ。
• 南側を吊り尾根、東側を北尾根と、標高の高い稜線に遮られた北向きの沢であるため、夏場でも残雪が多く残る。
• 紅葉の名所としても有名で、三段紅葉とも呼ばれる岩場と木々のコントラストが見られ、見頃の季節には全国からおびただしい人数の登山者が訪れる。
• 涸沢カール：直径は約2kmで、カール底の標高は2,300m。カール壁の最高点は、槍・穂高連峰の中でも最も高い奥穂高岳（標高3,190m）で、カール壁上端からの比高は約900mあり、日本最大規模のカール。
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今年の夏はアルプス三昧をされましたね👏
槍ヶ岳〜キレット〜北穂高周回とは素晴らしいです。雨の中の槍ヶ岳山荘への登り、大キレットの岩場通過、日頃六甲山で鍛えられている事が役に立っていますね♪
岩場はほぼ無いので難易度は低くなりますが、槍ヶ岳↔︎双六岳の西鎌尾根も最高でしたよ。
北穂高山荘からの雲海と夕陽凄く綺麗ですね、あそこのテラスでゆっくりコーヒータイムしたいと思ってますが、北穂高は奥穂高より難易度高いと聞いたので行けてません😅
涸沢の紅葉もとても綺麗に映ってます。
行かれた時は紅葉のいちばん良いタイミングだった様ですね。
お疲れ様でした。
ありがとうございます😊
今年は機会に恵まれました！
念願の槍ヶ岳に加え、大キレットまで踏み込めたのは良い経験になりました。
大キレットの岩場は意外とすんなりいけました。
確かに六甲でのトレーニングがかなり役に立った気がします。
それ以上に、前日の雨の中の槍沢の方がハードでした💦
西鎌尾根も素晴らしいルートと聞いていて、ぜひ歩いてみたいと思っています。
槍の西側からの眺めもまた格別なんでしょうね。
北穂高小屋、本当に最高でした！
夕陽と雲海を眺めながらテラスで飲むコーヒーは格別でした。
比較するほどの経験はないのですが、北穂高岳もゆっくり慎重に進めば問題ないかと思います。
涸沢の紅葉はまさにジャストタイミングで感動しました🍁
前日までの雨のせいか、混雑を気にすることもなく、ゆっくり楽しめました。
コメントありがとうございました。
Kumainkobe ฅʕ·ᴥ·ʔฅ
西鎌尾根、私は歩いたんですけど、午前中だったので槍ヶ岳は逆光でした。とても景色が良いのは間違い無いんですけど。東鎌の尾根の方が午前中は槍が綺麗でしょうね。私的には槍〜南岳の間の尾根線も素晴らしかったな〜と思います。
ところで、格好が寒そうです。朝晩はかなり冷え込みましたか？
初日の雨には泣かされましたが、残りの2日は天気に恵まれました。
夜間こそ0〜5℃ほどまで冷え込みましたが、日中は日が差すと暑いくらい。紅葉の見頃とも重なり、絶好の登山日和でした。
立山からも見えていた槍ヶ岳ですが、残念ながら最も近くにいた槍ヶ岳山荘からは、その姿を拝むことができませんでした。それでも、大喰岳以降はずっとその雄姿を望むことができて、本当に印象的でした。あらためて存在感のある山ですね。
各ルートの情報もありがとうございます。次の機会にはぜひ挑戦してみたいと思います。その際は参考にさせていただきます！
Kumainkobe ฅʕ·ᴥ·ʔฅ
わ、わ、わ、こりゃすごい。雨に打たれ、霧で先が見通せない中、ビショビショになりながらも目的地をめざすのは、心が折れそうになったんじゃないでしょうか。結構たいへんだったでしょう。
でも翌日から天候が回復して良かったですね。それまでの苦労が報われたかと思います。お山の神様がきっとKumainkobeさんにご褒美をくれたのでしょう。
山肌が錦に染まる涸沢の紅葉はまた格別ですね。良いものを見せて頂き、ありがとうございました。私もいつかこの目で見てようと思います。お疲れ様でした。
雨の中での槍ヶ岳デビューとなりました。
2日間降り続いた雨で山道はすっかり川と化し、本来あるはずのない渡渉ポイントまでできていました。全身びしょ濡れで、まさに濡れ鼠ならぬ「濡れクマ」状態。
そんな中、2日目以降に天気が回復したのは、まるで神様がくれたご褒美のようでした。大キレットはかなり身構えていましたが、予想以上に整備されていて、最難関とはいえやはり一般ルートで、VRとは違うなと実感。
そして悪天候のおかげで、ちょうど見頃を迎えた涸沢の紅葉を、混雑知らずで堪能できました。のんびりしすぎた結果、帰宅が深夜2時になってしまったのはちょっと反省ですが、それもまたいい思い出です。
コメントありがとうございました。
Kumainkobe ฅʕ·ᴥ·ʔฅ
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