裏銀座縦走(立山〜扇沢)〜初・6日間の大冒険〜

- GPS
- 48:30
- 距離
- 77.8km
- 登り
- 6,879m
- 下り
- 7,761m
コースタイム
- 山行
- 4:57
- 休憩
- 0:14
- 合計
- 5:11
- 山行
- 5:31
- 休憩
- 1:35
- 合計
- 7:06
- 山行
- 11:53
- 休憩
- 2:09
- 合計
- 14:02
- 山行
- 3:08
- 休憩
- 1:34
- 合計
- 4:42
- 山行
- 8:49
- 休憩
- 3:13
- 合計
- 12:02
- 山行
- 6:27
- 休憩
- 0:46
- 合計
- 7:13
| 天候 | 1日目 曇りときどき雨 2日目 雨 3日目 晴れのち曇り 4日目 曇りのち雨 5日目 曇りのち晴れ 6日目 晴れのち曇り |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2025年09月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
| 予約できる山小屋 |
立山室堂山荘
|
写真
ランチ時間前だったので、カップラーメンを注文。
興味で👩がランチメニューを聞くと、ネパールカレーとのこと。そしたら、「今日も雨で人少ないと思うので、お出ししましょうか?」と小屋の方が言ってくださったので、注文することに!
あったかご飯とカレーが体に染みました。ご馳走様でした!!!
稜線上であり危ないので、小屋に戻る。
状況が変わらなそうなので、急遽泊まらせていただくことに。。(結果、私たち1組のみでした)
一泊増えることになりそうなので、一度持っているご飯を広げて、今後のご飯計画を作戦会議。
👩は職場に戻る。
2週間前に来た際に、縦走後半のご飯を置かせていただいたため、ピッキング。
ここで、この先の食料が足りないことを危惧する。
・カレーと食べる白ご飯が1つ足りない。。
・三俣山荘にたどり着くまでに1泊増えたことで、行動食も8割は食べつくしていたため、お菓子などが足りない。。
1時間強、ご飯とパッキングでゆっくりさせていただき、出発。
この間に、同じく通過のひげさんにお会いできた!
この日通過することは聞いていたので、時間合えば会えるかもな〜と思っていたので、ジャストタイミングでお会いできてラッキーでした!
ワリモ北分岐から小屋までが、防風すぎる。。予報では14mほど。かなり踏ん張らないと直立できない。。
一度気が緩んだ際に、転倒した。。
水晶小屋〜その先の野口五郎小屋の辺りは、北アルプスでも最も風が強い場所らしい。
水晶小屋も過去に2回、風で破壊されているとのこと。。
この言葉が沁みる。
小屋では、小屋の方・同じ登山者さん達とお話したり、本読んだり。普段はテント泊が多いので、小屋泊の良さを感じれた一日でした!
風は強いけど、とても山が、青空が美しい。風が気持ちいい。
無性に、生の喜びが、心身の底から沸いてくる。
こんなにも気持ちがいいから、山歩きが好きなんだなぁと感じた瞬間。
トレラン選手のように速そうなお兄さんとすれ違う際に、「虹見えてますね〜」と話すと、お兄さんも振り返って、嬉しそうにスマホで写真を撮っていた。
速いお兄さんも、虹は楽しむんだなぁ〜とほっこりした。
水晶小屋では、「山の自然学」というテーマの本を興味深く読ませてもらいました。
かなり長い時間(数百〜数千年くらいだっけ?)を経て、植物が定着することを学んだので、深く感心してしまった。
1ヶ月前に烏帽子小屋でサングラスを無くしたため、ダメ元で聞いてみると、丁寧に保管していただいてました!
新しいのを買う前だったので、非常にありがたい。。ありがとうございます!
夕食が贅沢で有名みたい(web上の情報や、今回の山行で出会った人より)。
ご飯&ビーフシチューがおかわり自由、かつ、天ぷらが出るなど、すごい。。
外来でも4000円で食べれるそう。他の小屋と比較しても安価なのではないか。
今回は少し悩んだが、まだ手持ちの食料もあるので、パス。いつか食べに来たいな。。
1泊2食付も12000円は安い方だよなぁと。
その割に、ビールとかは高めな印象。。笑
かなり軽く感じてはいたが、8.5キロなのね〜。
まあまあ削ってはきたが、ULのような世界観で、これ以上軽くしたらもっと身軽なんやねぇ。
とはいえ、自分比ではかなり軽く感じていたため、我慢してまで削ろうとは、現状思ってないところ。
感想
5泊6日の裏銀座縦走が、無事に終了!
記憶が新鮮なうちに、記録をアップします。
(編集後記)書いているうちに乗ってきてしまったのか、後半は文章量多めになった。汗
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▼今回5泊以上の縦走をしたきっかけ
一番大きなきっかけは、会社の休暇制度変更に伴い、5日連続休暇が付与されたため。
(こうもならなければ、なかなか自分から休みを取ろうとはならなかったな…休暇は一定、意志をもって業務を調整して取得するものだと思うものの、5日間はね…)
2年前ごろから興味のあったアルプス長期縦走。
年末年始も1週間強の休暇はあるものの、積雪のためアルプス登山は難しい。
そこで今年初めて、夏季に連続で休暇取得できるようになったため、迷うことなくアルプス縦走をすることに決定。
▼9月3週目を選んだ理由
結論は、ここ以外によきタイミングが無かったから。
(別のレコとして投稿しますが)半年以上前から立山でのフォトウェディングの撮影を予約していたのが9月3週目だったため、この期間に縦走をくっつけた。
また、山小屋で働く奥さんの長期休暇(5日間)も同様にこの期間で取得できるとのことだったため、この期間に合わせて行くことに決定。
▼このルートにした理由
今回のルート「立山〜三俣山荘〜扇沢」にした理由は、2つの予定を踏まえて、ルートを練り練りとした結果。
・前述の通り、フォトウェディング撮影が立山であるため、起点が立山、それに伴い駐車場は扇沢となること。
・山小屋(三俣山荘)で働く奥さんが、長期休暇期間(5日間)で山小屋に戻ることができること。
既存の予定があったため、その予定の中でどんなルートがわくわくするかを、奥さんと楽しく考えた。
立山〜三俣山荘間は、薬師岳経由にした。
理由は、お互いに薬師岳にはまだ登ったことがなかった(2022年に暴風雨のため薬師岳山荘で撤退した)のと、五色ヶ原を通ってみたかった/テント泊してみたかったことに加えて、長期休暇の日数を加味しても、三俣山荘にちょうど無理ないスケジュールで戻ることができそうだったため。
三俣山荘〜扇沢間は、船窪岳経由に。
ここは様々なパターンが考えられた。
例えば、
・赤牛岳経由で黒部ダムへ下り、アルペンルートで扇沢に戻ることや、
・竹村新道経由で湯俣に行き、温泉&キャンプを堪能して、七倉下山、バスで扇沢に戻ること
・はたまた、別の登山口に下山することも(槍ヶ岳経由で上高地などなど)。
そんな中、ひときわ興味を持っていたのが船窪岳の登山道だった。これは昨年の夏にYouTube上の登山動画を見て知った。
稜線がかなり瘦せ細っている登山道である。しかし、砂質でザレた登山道であるため、将来無くなってしまうのでは?という憶測が芽生え(動画配信者がそう話していたからかも)、機会が合えば行きたいと思っていた。
ヤマレコ上でルートを作ると、名前は聞いたことがあった「針ノ木サーキット」に接続することや、初めて名前を聞く「七倉岳」を通ることが分かり、より一層、未知な場所に対する興味が湧いた。
そのため、船窪岳経由にすることにした。
▼山行記録
・1日目
室堂出発。ガスガスの中スタート。
龍王岳まで登ると稜線に出たが、すると強風にされされる。
記念碑のある場所で風を凌ぎつつ、行動食を食べる。
その後は弱めな雨が降ったり止んだりを繰り返しながら、五色ヶ原に到着。
その途中で、雷鳥の群れ(なんと8羽も!親2羽と子供っぽかった)に出会い、悪天候ならではの楽しみがあった。
この日の五色ヶ原キャンプ場は、貸し切り。
平日、かつ悪天候の中なので、人は少ないよね。。その上、小屋泊に切り替える人もいるよね。。
しかし、一時はガスが抜けていき、赤牛岳・烏帽子岳方面の稜線も見えてきた。
一時的ではあるものの、夕焼けの時間に綺麗な五色ヶ原を見ることができてよかった。
・2日目
この日は薬師岳山荘まで向かう予定。
計画作成段階では黒部五郎小舎まで行く計画にするも(太郎平小屋がクマ被害発生により今シーズンは閉鎖のため)、距離が長くとてもじゃなさそうなので、薬師岳山荘を目指すことに。
暗い時間から歩き始めるも、朝からガスガスで、日が登っても見通しが悪い。
その上、今日も西からの風が強く、所々で踏ん張りながら歩く。
雨にも打たれながら、なんとかスゴ乗越小屋に到着。
意外と長かった。
お昼ご飯を食べようとしていると、止んでいた雨がまた降りはじめたため、中で食べさせていただいた。
手持ちの食料だと足りなくなりそうだったので(圧倒的に普段と比べてパンの所持量が少なかったことに反省)、ランチタイムに期待していくも、まだ営業開始前。やむ得ずカップラーメン(カレー味)を注文。
興味で👩がランチメニューを聞くと、ネパールカレーとのこと。おお、時間が合えば食べたかった・・と思っていると、「今日も雨で人少ないと思うので、よかったら食べますか?」と小屋の方が聞いてくださった。
「はい、お願いします!」と2つ返事で注文させていただく。
待っていると、大盛りのカレーライスが出てきた。
それに、ドリンクメニューのチャイまで。
ご厚意に大感謝。
あったかくふっくらとしたご飯とカレーが、体に沁みる。ネパールカレーだからか豆が入っており、本格的なカレーで美味しい。
※山小屋で働く👩は、なかなか山では食べれないミニトマトやキムチ鍋の素を携帯していたため、小屋の方にもお裾分けして、非常に喜んでいただいていた。
1時間半ほど休憩するも、雨はなかなか止まない。
しかしずっと休んでいるわけにもいかないので、小屋の方々にお礼をして出発。
1時間半の停滞の間に雨は強さを増しており、登山道は川状態。
歩きはじめて10分ほどで靴は水没。靴下までびしょびしょになりながら、歩き続ける。
すると15分ほどしたところで、雷が鳴る音が聞こえ出す。
5分ほど歩き続けるも、何度か鳴り続け、止む気配がない。
この先はエスケープルートがなく、少なくとも太郎平まではずっと稜線上を歩き続けることになる。危険なため、一度小屋に戻ることに。
とはいえ、この日はこの後もずっと雨予報なので、再度歩ける兆しもない。
小屋について、急遽1泊させていただくことにした。もちろんテントではなく、小屋泊で。
この日は予約もキャンセルがあったとのことで、私たちのみであった。
2日連続の貸切・・そりゃ平日の雨の日に歩く人はそうそういないよなあ。
👩が職場である三俣山荘に帰らなければならないため、歩いており、そうでなければ行き先自体も変更していた可能性もある。
小屋で濡れた衣類を干して、その後はストーブの前で、時折昼寝もしながら、ぬくぬくと過ごした。
・3日目
この日は念願の晴れ予報。
今日は黒部五郎小舎まで向かう予定として、日が上がる前から歩き始める。
雨が止んでいる、ガスが抜けている、星が見える。もう、それだけで嬉しい。
標高を上げていき、後ろを振り返ると、これまで歩いてきた稜線と雲海が広がっていた。とても美しい。。
少しずつ明るくなってきて、日の方面を見ると、赤牛岳から、水晶・、奥には槍ヶ岳など、山々が見える。
ゆっくりと写真を撮りながら歩く。
ガレ場を歩き進め、北薬師岳・薬師岳に登頂。
薬師岳は、3年ほど前に暴風雨で撤退していたため(薬師峠キャンプ場から登り、薬師岳山荘で撤退)、今回は登頂できた。
太郎平〜折立の方面まで緑が広がり、とても雄大である。裏銀座といえば、これまでの山行経験から、三俣を中心に、黒部源流や、野口五郎、赤牛のエリアを見て、とても広大だなぁと思っていた。
しかし、今回太郎平方面を初めて上から眺めたが、折立方面・薬師沢方面まで、東西に緑が広がっていた。
「裏銀座、深すぎるなあ。」
薬師岳を降り、太郎平小屋に到着。
今日もここでランチをする予定だが、ランチ営業開始の1時間前だったので、今日もカップラーメンをすする。
さあここからも、はじめて足を踏み入れる黒部五郎岳方面だ。
左には常に赤牛岳と薬師沢方面が見え続ける。所々池塘が広がり、綺麗である。
午後になると徐々にガスが立ち込め、展望がなくなってきた。西からの風が強まる。
途中で、見覚えのある人が向こうから歩いてきた。2週間前に三俣山荘に道直しに参加していた方だった。👩は小屋番なのでわかっていたが、👨も少しだけ参加させていただいたため、なんとなくお互いに覚えていた。
上高地から槍ヶ岳を経て縦走しているそうだ。楽しそうな山行を聞いてほっこりした。
そのまま歩き進め、遂に黒部五郎岳に登頂。
上空は一時青空が広がるも、景色は見えず。。
その後は、黒部五郎のカールの中を歩く。少しガスが抜けた時に、カール地形がうっすら見える。また、黄や赤に色づく草木が見え、紅葉がはじまっている様子が伺える。
この日は15キロほど歩いており、時間も16時をまわる。小屋までがとても長く感じる。。まだか、まだかを3回ほど繰り返し、ようやく小屋に到着した。
この日のテントは、私たちともう一組のみ。
1泊増えたことで、食料は残り尾西のご飯が2つと、多少のお菓子。(後ほど触れるが、三俣山荘には👨の縦走後半戦の食料を、2週間前に置かせてもらっているため、後半分の食料は別途あり)
明日は三俣山荘まで2時間ほどのみだが、今夜は尾西ご飯1つと、小屋でお菓子と翌朝のパン、おまけにビールまで購入し、夕食とした。
・4日目
今日も雨予報である。おまけに午後からは、暴風雨で風速15メートル予報(ヤマテンでいう、傘の骨が逆さまに持っていかれている、ピャーという状態)。
まずは三俣山荘に向かう。三俣蓮華岳には登らず、巻道で。
三俣山荘に到着。今シーズン5度目の山荘である。
顔馴染みとなった小屋の方々に挨拶をする。また来たのー?と驚かれる。
👩に置かせていただいていた縦走後半戦の食料(2泊3日分)をピックさせてもらう。
ここ1日は十分に食べることができていなかったため、まずは置かせてもらっていた参鶏湯とご飯を食べる。あまり山で食べることのない味に、贅沢さを覚える。ぺろっと平らげてしまう。
その間に、今日三俣を通過予定と聞いていた、知り合いのひげさんに出会う。
お互い通過者なので、時間があったのはラッキー!少し談笑して、ひげさんは出発した。(チョコクランチ、ご馳走様でした!)
👨は今日、どこまで行こうかと考えていた。
三俣山荘に泊まるのもありだが(悪天候につき、シルバーウィークであるものの空きが出ているとのこと)、小屋にも今シーズン2度泊まらせていただいていたのと、👩ともこの夏最長の5日間一緒に過ごせていたので、別の小屋に宿泊するのもありだと考えていた。
候補は、参考計画の方面的には、水晶小屋か野口五郎小屋あたりだが、明日以降天気が良くならない場合は、早期下山も考えていた(その際は、竹村新道で湯俣に宿泊するか、ブナ立て尾根で降りてしまうか...)。
そんなことお👩に相談して見ると、「水晶小屋のカレーが美味しいみたいだから、食べてみるのは?」とのことだった。
確かに水晶小屋はまだ宿泊したことがなかったので、興味があったのと、おすすめがあるのなら、ぜひ泊まってみたいと思った。
水晶小屋は三俣山荘との系列店なので、そのまま👩が水晶小屋に連絡お入れてくれ、予約してくれた。
パッキングを終えて、いざ水晶小屋へ出発。
今シーズン5度目の三俣山荘、今回もありがとうございました。
風が強いので、鷲羽岳経由ではなく、黒部源流経由で向かうことにした。
北分岐までは軽快に進むも、小屋まであと15分というところで、かなりの強風にさらされる。
踏ん張りながら歩かないと、とても立っていられない。。風がなければ10分で歩けそうな道も、おそらく2倍くらいの時間をかけて歩いている。
様子を撮影しようとした瞬間に、注意が散漫となり転倒した。大事には至らず、そのまま歩き進め、なんとか水晶小屋に到着した。
小屋に入った瞬間、とてもほっとした。
👩経由で予約したことを伝えて、色々とお話をさせていただき、チェックインをした。
水晶小屋の名物・力汁を食べている人が多く、温かい出汁がとても美味しそう。。しかし、食料をピックしたばかりであり、初めのうちは減らした方が軽くなり楽になるので、持ってきていたパスタを食べる。
今回の山行初のパスタ、これはこれでとても美味しい。
その後は、本を読んだり、同じく小屋泊の方々と山のお話をしたりと、楽しく過ごした。普段は専らテント泊派なので、小屋泊の楽しさを実感した。
夜は南インドカレーが出てきた。
カレーは2種類、どちらも下界のインドカレー屋に劣らない味で、とても本格的である。副菜は3種、さらにはタパティもついている!
三俣山荘もそうだが、三俣山荘グループのご飯はクオリティが高く、ここにこだわりを感じる。
白ご飯はおかわり自由で、お腹いっぱいにいただいた。
夜喫茶では、黒糖ミルク ウイスキー入り(1,000円)をいただいた。これが甘くて、とても美味しい。。不足している糖分をしっかりと補給できた。
そして翌日以降の天気を見ると、明日の昼過ぎごろから概ね晴れ予報だった。
そのため、予定通り船窪経由で扇沢に下山できそうだと思った。
・5日目
5時過ぎに出発。
天気が良ければ、長い行程となるため早い時間に出たかったが、朝のうちはまだ雨が続きそう、かつ強風予報だったので、5時ごろまで引っ張った。
まだ暗かったが、30分ほどすると日は上がってきた。
意外とガスが抜けていて、風もそこまで強くはなかった。
見事に野口五郎岳が見えた。歩き進めて振り返ると、あしば岳や水晶岳も見事に見えた。
ここも黒部五郎のカール同様に、紅葉が始まっていた。
ガスのかかっていた槍ヶ岳も見えてきた。
野口五郎岳の山頂直下の登りは、西からの風が強く、冷たかった。足腰に力を入れて、踏ん張りながら歩く。そこで不意に振り返ると、これまで歩いてきた稜線と青空が広がっていた。
とても美しい。強くて冷たい風も、なぜかとても気持ちがいい。無性に生を実感した。
その感覚が好きだから、山登りが好きなんだなぁと感じた一時だった。
その場で風を受けながら、ぼーっと立ち止まっていた。
裏銀座の広大さを感じるとともに、今回こうやって長い間縦走させていただいているあらゆることに、感謝を感じた。
この自然や、悪天候ながらも下山するほどは悪くならない天気、時折美しい景色を見せてくれる天気、そして一緒に歩いてくれた奥さんや、あたたかくサービスを提供してくれる山小屋、そして長期休暇を提供してくれる会社など、あらゆることに感謝を感じた。
もうすぐ裏銀座から離れてしまうことに寂しさを感じながらも、前を向いて再び歩きはじめた。
野口五郎岳に登頂した。
静かな山ながらも、裏銀座を一望することができ、そして野口五郎岳に続く稜線自体も美しい、いい山だと思った。
野口五郎小屋で行動食を食べる。
「今日は天気が良くなってよかったですね〜」と小屋の方に話しかけてもらい、ほっこりとした。
今日はこの山行で一番多くの人とすれ違う。
野口五郎小屋、烏帽子小屋に泊まっていた人、七倉から歩きはじめて早くも稜線に辿り着いている人など、みんな楽しそうでほっこりとする。
そのままサクサクと歩き、烏帽子小屋に到着。
ちょっと手前から、再度ガスが立ち込めてきてしまい、展望はなくなった。
朝早いうちに出て、しかも晴れてくれて、ラッキーだと思った。
烏帽子小屋には、👩が知り合った小屋の方がいらっしゃると聞いていた。尋ねてみるといらっしゃり、とても気さくに色々とお話をさせていただいた。
コーヒーをサービスしてくださり、中でゆっくり飲ませていただく。
また、烏帽子小屋は昨年100周年を迎えたようで、その記念ステッカーまでいただいた。
また、前半戦でほぼ尽きていたスナック菓子だが、烏帽子小屋の売店お見ていると、煎餅の大量パック(30枚入り)が500円で売られていた。
「本当に500円なんですか?」と怪しげに聞くと、本当に500円と。ちなみに、量が多くなかなか買われないとのこと。。
私はまだ2日間はあるのと、スナック菓子に限らず、行動食も足りなくなりそうだったので、これはまさに自分向きな商品だと感じ、購入。
久しぶりの米菓子、旨い。。米なので腹持ちもいい。購入できたことに満足。
また、今回は1つにわかに期待していたことがあった。
それは、1ヶ月前に烏帽子小屋で落としたサングラスがないか、ということだった。
1ヶ月前に七倉から三俣山荘へ行った際に、烏帽子小屋でサングラスお落としてしまっていた。電話で聞けばよかったものの、もうないだろうと期待はしていなかった。それなら来月通る予定だから、その際に聞いてみようと思っていた。
一応聞いて見ると、見事に拾得日まで記載して保管いただいているではないか!
とても丁寧な対応だなぁと感心した。(他の小屋がどのように対応されているかは不明だが、忘れ物の保管は大変だと思うので、小屋によっては破棄されることもあるのではないかと思っていたため。。)
そうこう休んでいるうちに、雨まで降ってきた。
1時間ほど滞在させていただいたものの、なかなか止む様子がない。この先も船窪小屋まで長いので、出発することにした。
雨の中、烏帽子岳に登頂。
大きな岩塊が空に突き出した山頂で、五色ヶ原や薬師岳から見ていた山頂は、この烏帽子だけだったのかなと振り返る。
ここから船窪小屋までは、人がほとんどいないエリアであった。
序盤は池塘が多々あり、綺麗なエリア。
そこから少しいくと、事前に見聞していた、ザレた痩せ尾根があるエリアに入った。
核心部なる箇所は、個人的には2箇所だった。
どちらも痩せ細っており、左右は崖。砂質で、ぼろぼろと崩れやすい道だった。
一応ロープはかかっているため、万が一踏み外した際の保険として握りながら歩いた。慎重に歩けば、特段問題はないように感じた。
その他にも、ロープを使う箇所はあるため、慎重に通過する。
すでに10キロ以上歩き、水晶小屋から6つほどのピークでアップダウンを繰り返しているため(野口五郎岳、ミツ岳、烏帽子岳、南さあ岳、不動岳、船窪岳)、足もある程度疲れは感じていた。
疲れの中で慎重に歩く必要があるので、神経は使う。
小屋への登り返しを登りきり、船窪小屋に到着。
空腹の体に、天ぷら+シチュー(なんとおかあり自由!)という贅沢夕食が何度も頭およぎった。なんでもテント泊でも夕食をつけることもできるらしい。しかし食料は持っているため、なんとか踏みとどまり自炊とした。
とはいえ、いつか夕食目的で登りに来てもいいなあ...と思った。
ビールを購入したのだが、普段は350ml缶お買うところで、500ml缶を購入した。
500ml缶の方がお得であるのはもちろんだが、船窪を通過した達成感に加えて、空腹と疲れによって、判断がだいぶおかしくなっており、500ml缶を選んでしまった。
夕食を食べた後もまだ残っており、眠いながらもテントの中で、スナック菓子とビールを嗜んだ。苦笑
テント場から見える槍ヶ岳が美しかった。
・6日目
縦走最終日。
針ノ木サーキットを周回する選択肢もあったが、翌日の天気がガス予報なのと、それ以上に早く温かく大盛りなご飯を食べたく、下山しようと思った。
食料の大事さを感じた縦走だった。
朝4時ごろに起きようとするも、寒くてシュラフから出られない。
予報では確かに冷え込みそうだったが、こんなにも寒いとは。。おそらく3〜5度くらいだったと思う(その後に下界の気温を見ると、その朝は冷え込みが大きかった)。
結局5時ごろ、日の上がる少し前に起きた。
今日は朝から天気がいい。立山から、五色ヶ原、スゴ乗越、薬師岳、そして昨日歩いた野口五郎岳、烏帽子岳、船窪岳と、これまで歩いてきた稜線が見える。
最終日にふさわしい1日だと思った。
七倉岳、北葛岳、登り返しを経て最後のピーク、蓮華岳に登頂した。
七倉岳の先では、雷鳥がいた。ここにも雷鳥がいるのかと驚いた。船窪小屋では目撃情報を収集しているようだったので、レアなのか。
蓮華岳は標高2700M超え。
これまで見えなかった、👩が働く三俣山荘の最寄りの山・鷲羽岳も、ここからは見える。
これまで通ってきた山々を、改めてここで眺める。とても良くて、貴重な山行だったなあとしみじみとする。
山頂で居合わせた方と、私の立山からの縦走の話で和気あいあいとする。
「この辺はすごい人が多いですよね〜」という言葉に、確かにいい意味で変な人は多いだろうなと思った。
山頂で行動食を食べながら、30分ほど経過していた。
「そろそろ行かないと」と思い、裏銀座に最後のさよならを伝えて、歩き始める。
下山し始めてから少し経ち、気づいたら一面がガスってしまっていた。
しかしどうしたことか、靴はまだ湿っている。
昨日の雨と、朝露を帯びた草の中を抜けてきた際に、かなり濡れたが、普段と比べてなかなか乾きが悪い気がする。
北葛岳、蓮華岳の山頂では、靴を乾かしたいので、行動食を食べることにして靴を脱ぐ。
徐々に乾いてきたが、歩いているとなぜかまた湿ってくる。。これまで一度乾けばそのあとは問題ないことが多かったが、今回はなぜかまた湿ってくる。
思ったのは、自身の足が相当な汗をかいていること。この7日間(撮影1日+縦走6日)、一度も足を洗えていない。たぶん足に菌のようなものが繁殖していて、変に汗をかきやすくなっているのではないかと思った。。
しかしそんなことを考えても、足が濡れていることには変わりないため、ひたすらに歩き続ける。
針ノ木小屋に到着した。
針ノ木サーキットへの分岐だが、もう思い残すことはない。
蓮華岳の山頂で写真を撮っていただいた方に、お気をつけて〜と声をかけていただき、降る。
ここから一気に標高を下げ、ぐんぐんと進む。
遂に扇沢に到着。
無事に縦走を終えることができた。
風呂にも入りたいが、ランチの営業時間が合ってしまうため、先にご飯をお腹いっぱい食べ、その後風呂に入った。
意外と風呂欲は小さかった。9月3-4週目となると、だいぶ冷えてきており、汗をそこまでかかなかったからだろう。
翌日が連休最終日なので、無理に眠い中運転しながら帰らなくてもいいだろうと思った。
道の駅で車中泊をし、翌日は安曇野を堪能して、帰路についた。
--------------------
長くなったけど・・・
以上、初の1週間縦走の思い出、完。
かね




















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