播隆上人を偲んで:蝶ヶ岳・大滝山・鍋冠山


- GPS
- 27:18
- 距離
- 67.5km
- 登り
- 2,932m
- 下り
- 2,941m
コースタイム
- 山行
- 0:26
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 0:26
- 山行
- 18:21
- 休憩
- 2:51
- 合計
- 21:12
天候 | 雨時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
踏跡明瞭、危険個所なし。 |
予約できる山小屋 |
蝶ヶ岳ヒュッテ
|
写真
この時点で登りの脚力を相当使っているのですが、それ以前に終電でアプローチしたことにより、眠気が酷かったため、20分ほど仮眠。
そして、この時点でソフトボトルに入れて担いだ2リットルの水が漏水によって枯渇するという、大失態を犯したことに気づきます。
なんと、ここがテン場だそうです。
「いい眺めのテン場だなぁ…」と、この時は思ったものですが、後にアレを見せられた日には、印象がガラリと変わってしまいます。
感想
上高地までのクラシックルートといえば「徳本峠ルート」が挙げられますが、個人的には、槍ヶ岳を開山した播隆上人も通ったとされる「飛騨新道」こそ真のクラシックルートではないかと考え、初めて北アルプスの山に登る際には、是非このルートを通ってみたいと思っていました。
今でこそ廃道になっているものの、かつて街道として整備されたルートだけあって、傾斜も緩やかであり、長距離・長時間・9か月ぶりの登山であっても問題なさそうだと判断し、18きっぷの代わりに、「北海道&東日本パス」を握りしめ、いざアプローチしたのですが…
【コース状況】
■一日市場駅〜登山口
・終電でアクセスしたのは一日市場駅。まずはここから4時間以上かけて登山口にアプローチします。改札外にトイレ(洋式・水洗・給水可)があります。
・天気はいまいちで、降ったり止んだり土砂降りになったりと、先が思いやられます。まだ山に登る前から、電子機器に防水処理をします。
・途中、セブンイレブンに立ち寄って、おにぎりを調達。
・淡々とロード歩きで標高を上げていき、登山口近くの駐車場まで登ります。駐車場には、木の香りがする建物のトイレ(洋式・水洗・給水不可)があります。
・少し先に展望台があり、屋根が付いていたため、ここで朝食。まだ日の出には早かったため、ゆっくりしていたら、雨脚と風が強まったため、たまらず先ほどのトイレに撤退。
・トイレの建物内で30分ほど様子見し、最悪、鍋冠山だけで撤退も視野に入れ、検討を重ねた結果、雨脚が弱まり、霧雨となったため、いざ突入。
・駐車場からは、林道をしばらく歩くと、登山口があります。
■登山口〜鍋冠山
・登山口からは、緩やかな傾斜を上り詰めていきます。ほとんど尾根を上るため、迷う要素はありません。
・しかし、ここでアクシデント発生。なんと、2リットルのソフトボトルに詰めていた水が何らかの原因で漏水し、この時点で水がほとんど無くなっていました。
・おそらく、22リットルのザックに荷物を限界まで詰めたせいで、キャップがねじれてしまい、漏水したのでしょう。
・この日は小雨が降っており、気温も低かったため、幸い熱中症にはなりませんでしたが、のどを潤すために、雨水で耐えしのぐこととなりました。
・テンションダダ下がりの中、鍋冠山に登頂。
・登山道は緩やかなのですが、すでに駅からそこそこ脚力を使ったこと、水を失ったショック、そして眠気のため、スピードはまったく出ませんでした。
・そこで、せめて眠気だけでも解消しようと、誰も登ってこないことをいいことに、山頂で20分ほど仮眠を取りました。
■鍋冠山〜大滝山
・鍋冠山からは、緩やかな降りを経て、登り返すこととなります。
・地形図から、距離はあっても傾斜がかなり緩やかであることから、さほど苦にならないだろうと推測をしていたのですが、その通りでした。
・ただ、最後の150mほどの登り返しは、そこそこ傾斜がきつく、すでに2,000m以上登った脚にはかなり堪えました。
・そして、大滝山に登頂。
・北アルプスの山の中では地味な存在ですが、決して景観が悪いわけではありません。ただ、直近の蝶ヶ岳の景観が良過ぎて、どうしても比較されがちなのでしょう。
・大滝山荘にて、最後の登りに備えて少し休憩しました。
■大滝山〜蝶ヶ岳
・大滝山から蝶ヶ岳のルートは、森林限界を越えた稜線歩きと、鞍部への降り、そして蝶ヶ岳への登り返しとなります。
・岩が敷き詰められた登山道が若干歩きづらいですが、危険個所はありません。
・ここまで脚を酷使してきたため、スピードはまったく出ませんが、これで最後と思えばこそ、何とか足が前に出ます。
・そしてどうにか稜線に登り詰めた瞬間、圧巻の槍穂高連峰が出迎えてくれます。
・しばし見とれた後で、「ここは日帰りで来るところではないなぁ…」と後悔しました。ましてや、駅からアプローチするものではありません。
・そして、すぐ傍の蝶ヶ岳山頂に登頂し、本日の登りパートは終了。
■蝶ヶ岳〜三股登山口
・蝶ヶ岳ヒュッテで、待望のコーラを買い求め、スタッフの方に登山道の状況を確認。整備は万全なようで、危険個所もなさそうでした。
・ただ、降りの脚力は温存されているものの、体力は使い果たし、9か月振りの登山とあっては、いくら降りとはいえ、標準コースタイム(3時間)程度で降りることになるだろう、と当たりをつけたのですが…
・蝶ヶ岳からの降りは、確かに万全に整備されており、鎖場やロープ場どころか、手を使う岩場もありません。代わりに、少しでも傾斜が急な個所は、木製の階段でガチガチに整備されています。おかげで、技術がなくても、体力さえあれば誰でも登れる難易度となっています。
・ただ、この階段、幅が狭く、足が大きい私にとっては、なかなか難儀でした。おまけに雨で濡れていたため、スピードはまったく出ません。
・ようやく傾斜が緩んだ頃に日の入りを迎え、本日2回目のヘッデンの登場です。
・途中水場で給水し、あとは駐車場まで降りるだけなのですが、どうも沢の周りは度々増水するらしく、ほとんど整備もされていないため、ナイトハイクには厳しいルートでした。
・そんなこんなで、3時間30分もかけてどうにか下山できました。
■三股登山口〜松本駅
・登山口からは、本来は最寄りの柏矢町駅まで2時間30分程度かけて歩く予定だったのですが、想定以上に下山に時間がかかってしまし、終電に間に合うか微妙な状況でした。
・電波が入るところまでそこそこ頑張って歩いてたのですが、何しろ脚と足裏がズタボロだったために、まったくスピードがでません。
・そして、電波が入った途端、GoogleMapからおそらく終電に間に合わないだろうとの無慈悲な宣告。
・それでも諦めずに柏矢町駅を狙うか、間に合わない前提でお宿ががある松本駅まで直接歩くか、迷ったのですが、結局7時間以上かけて松本駅まで歩きました。
【まとめ】
・改めて編集してみると、「何をバカなことしてんだ…」と呆れる次第です。
・時間も距離もさることながら、途中で水まで尽きて、よく無事に下山できたものです。
・24時間以上歩いたもの久しぶり(15年以上前?)であり、その時は平坦地を100Km歩くイベントだったのですが、あっちのほうがキツかったかも。
・数字だけで計算すると、終電で長坂駅から黒戸尾根経由で甲斐駒ヶ岳も狙えそうですが、あちらはこのルートの比ではない急峻なルートですので、安直な計画は控えたほうがよさそうです。
・ルートこそお勧めできませんが、蝶ヶ岳の景観は最高でした。
・ただし、三股ルートは整備が行き届いているものの、ひたすら階段状の登山道を登ることとなります。体力はそこそこ必要ですので、関東だと、大倉尾根で塔ノ岳に余裕で登り降りできる程度の実力は欲しいところです。
・逆に言えば、体力さえあれば子どもでも登れるルートであり、実際に子連れで登山していたご家族もいらっしゃいました。
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