裏那須 加藤谷川 三倉沢右俣


- GPS
- 10:55
- 距離
- 18.6km
- 登り
- 1,497m
- 下り
- 1,496m
コースタイム
天候 | 曇り後晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
スペースは2〜3台程。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
阿賀野川水系 加藤谷川 三倉沢右俣 ■体感3級 水量多い ラバー向き 雪渓ブリッジあり ■アプローチ 駐車地点から加藤谷川目指して下って行くが、途中までジムニークラスなら走れるような立派な道が伸びている。 道はその後踏み跡程度になるが、ピンテが沢へ導いてくれる。 沢が見えてくると堰堤が見えてきて、これの上から入渓しようとそのまま高巻きに入るが、かなりの急斜面トラバースで余計な時間と体力を使ってしまう。 この堰堤は沢に一旦降りてから、右岸から釣り師の踏み跡とロープで小さく巻く事が出来る。 歩き出しから入渓まで40分程。 ■加藤谷川三倉沢右俣遡行 入渓してからしばらくは穏やかな渓相のゴーロで釣り師が好みそうな感じ。 長いゴーロ歩きから、ようやく小滝やナメなど出てきて沢登りらしくなる。 沢が激変するのは1300m二俣を右に入ってから。 大岩の滝を皮切りに悪い滝場が続き、巻きもスリリング。 危ういブリッジを処理しながら上部二俣を目指すが、1440mの左岸から激ヤバルンゼの支流が入る。この辺りに巨大なブリッジが連続。 ブリッジ下の滝を登攀しながら激ヤバルンゼを見送ると、すぐに1450m二俣は滝で出合う。 左には10m、これは雪渓で取り付けない。右はヤバそうな3段40m。これをザイルを出して直登。脆すぎてクソ悪い。 滝上に出たが、進むべき上部二俣は雪渓に阻まれた10m滝の上。 藪を乗っ越すと、上部二俣が上から見えた。 これがヒロタ氏の言う右俣3段55m。左俣3段滝の二俣だ。 灌木を繋いで右俣3段55m滝の上に降り立つ。 ここからはV字の中に怒涛の滝ラッシュ。悪い滝が多いがフリーでガンガン直登して行く。 登れない滝は草付きを小さく巻けるが、慣れてないと怖い。 ようやく連瀑帯が終わると、拍子抜けする40mナメ滝。これも直登し、ようやく源頭の雰囲気。 最後は濃密な急斜面の藪を10分程漕いで登山道合流。 ■下山 大倉山、流石山を経由し、大峠から観音沼方面の登山口へ。さらに林道を歩き下山完了。 |
その他周辺情報 | 中華屋滋味菜館 |
写真
余裕なかったら右俣より易しいらしい左俣に行こうと思ってたが、この場所にいる事により必然的に右俣遡行の覚悟を決める。
装備
個人装備 |
30mザイル ガチャ類 ビバーク装備
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感想
「三倉沢右俣は滝の直登はおろか、高巻きが渋いので全員が沢慣れしていないと難しいです」
加藤谷川三倉沢右俣を、奮闘して遡行したヒロタ氏の記録の最後はこの一文で締め括られていた。
ヒロタ氏が遡行したのが2008年。そこから17年間、この加藤谷川三倉沢の遡行記録はネット上では見ない。
もちろん、その間に遡行しているパーティーがいるとは思うが、少ない事は確かだろう。
その理由は、先述したヒロタ氏の一文が大きく影響しているのは間違いない気がする。
そしてこの山域を一度でも歩いた事がある方ならご存知だとは思うが、そのたおやかな裏那須の稜線に一際目を引く急峻な三倉山。その東面に深く刻み込まれているVの谷筋。
あの切れ込みを見ただけで、一筋縄では行かない沢である事は一目瞭然である。
そんな加藤谷川三倉沢を、那須に来るたび眺めてはいつか遡行したいとずっと思っていた。
「こうゆう沢があって行きたいんだよね〜、記録はヒロタさんのだけ。ムズいらしい」
と仲間内で昔から喋ってはいたが、返ってくる返事はみんな「へ〜」くらいで、あまり興味なさそう。
ヒロシーに至っては何回も喋っているはずなのに、今回も初耳みたいなリアクションで、
「どこそれ!?」
である。
唯一この沢の存在を知ってたポムチムだけは興味有りげだったが、この日は東北一の大ゴルジュ突破に心燃やしていた。
ヒロシーに久々に会えるからと、良くわからないまま誘われて着いてきた雪華姉さんが加わり、いよいよ加藤谷川三倉沢に足を踏み入れる。
ダルいゴーロ歩きからようやく始まった悪渓。
際どい雪渓をクリアし、悪い登攀をしながら頭の中にあったのは、神室の沢と似ていると思った。
それもあの悪渓で名高い大横川に。
終盤まで続く悪くて黒い滝がまさに似ている。
唯一違ったのは、最後まで悪い滝で締めくくった大横川に対し、三倉沢右俣の最後は拍子抜けするようなノッペリとした長いナメ滝だった。
無我夢中で悪い滝を攀じ登り、アドレナリン全開で辿り着いた先にこの滝が出てきた時は本当に笑えた。
ヒロタ氏の記録にも、「これまでの極悪の様相を考えるとこれは笑えた」
と書いてあるのをその瞬間に思い出し、再び笑えた。
足尾の脆さ、神室の悪さを足して2で割ったような沢と言えば少し言い過ぎかもしれないが、序盤のゴーロ歩きも帳消しにするような素晴らしい渓であった。
今回一緒に行ってくれた雪華さんとヒロシーには心から感謝したい。
そして、この沢の存在を教えてくれた弘田氏には心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。
今回は急遽お二人とご一緒できることになり、しかもひろたさんが記録を残した裏那須界隈。
先人の思いに触れながら歩くのが好きな私にとって、この上ないお話でした。
三倉山にはまだ巨大な雪溪が残っており、急斜面で不安定な岩肌に挑戦するお二人の姿にも感動しながら溯行しました。
那須は初めてのエリアでしたが、沢を抜けてからの稜線歩きも最高!!
達成感と爽快感を同時に感じることができる沢でした。
お二人に感謝です!ありがとうございました(^^)
コメント
この記録に関連する登山ルート
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てっきり土日泊まり沢だと思ってたら、日曜日帰りだったのね。
私も興味ありですが、まだまだ雪渓は崩れなさそうですね。何かの機会まで大事に取っておきます。
そうなんです、貴重なヒロシーの出動日だったので日帰りになりました。
来週は泊まりの予定です。
ここはオススメですね。苦土川大沢より難易度充実度はかなり上です✨
お疲れ様でした!!!!
茗渓というより悪渓だわな。でもオススメ!
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