塩山駅から源次郎岳を経由して勝沼ぶどう郷駅へ


- GPS
- 09:24
- 距離
- 23.6km
- 登り
- 1,664m
- 下り
- 1,575m
コースタイム
- 山行
- 7:52
- 休憩
- 1:32
- 合計
- 9:24
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
↓ 2032 に JR 中央本線勝沼ぶどう郷駅から帰宅開始 |
コース状況/ 危険箇所等 |
全体を通して、概ね快適に通行可能〜通行に支障はない、レベルで整備されています。 まれに倒木がありますが、迂回もしくはまたぐことで問題なく通行可能でした。 ただし県営林道嵯峨塩深沢線の、牛奥峠側の一部区間は車両完全通行止めになっており、現在進行形で道路や法面の補修作業が進められています。 言い換えますと、この区間は道が荒れ気味で、路上に落石多数となり、道路にもピットホールがあるなど歩行には注意を要します。 詳細は以下の公式サイトを参照してください。 https://www.pref.yamanashi.jp/rindoujyouhou/kisei.php?id=70 あと、序盤の林道入口か少し入った先にある、不明瞭マークがあるあたりは、らくルートの線が実際の地形と合っていません。 おそらく、らくルートは崩落して通行不能になっている古いルートのままになっているようです。 実際には、もう少しカーブがふくらむような形で新しいルート/踏み跡ができていますので、みんなの踏み跡側を信じて歩いてください。 |
その他周辺情報 | 勝沼ぶどう郷駅から 1.3km ほどの位置にある、ぶどうの丘という施設の一部として天空の湯という日帰りも可能な温泉があります。 夜の 22 時と遅い時間まで開いてくれています。 |
写真
装備
個人装備 |
【ここから衣服】ハイカット登山靴
登山用靴下
登山用半ズボン
速乾インナー
長袖シャツ
ハット
雨具上下
【ここから食料】水3L(コンツアー3L)
レトルトカレー
アルファー米
コーヒー豆20g
ゼリー飲料2パック
【ここから調理器具】ジェットボイルミニモ
ODガス缶
平皿
マグ
コーヒーミル
コーヒーバネット
スプーン
【ここから家具】折り畳み椅子
折り畳みテーブル
テーブル防火マット
ガスバーナー用防風衝立
【ここから登山ギア】ザック(60L)
ストック2本
ヘッデン
ガベッジバッグ4L
手ぬぐい
下山後用着替え一式
下山後用お風呂セット
【ここから消耗品】皮膚用日焼け止め
唇用日焼け止め
ティッシュ
ペーパータオル
ビニール袋
【ここから電子機器】携帯電話2機
モバイルバッテリー
充電ケーブル
カメラ(OM-3)
Garminウォッチ
VTIGERライト
【ここから緊急用品】エマージェンシーシート
エスケープヴィヴィ
ツェルト
ロープ2本
ドルマイシン軟膏
三角巾
包帯
折りたたみハサミ
サムスプリント指
サムスプリント
浄水器
チョコバー
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感想
【前説】
この日はソロで源次郎岳まで登りに行ってきました!
いや、本当はその前日に、会社のハイク同好会で奥多摩の日の出山ハイクをする予定だったのですが。
前日に送別会で終電→大寝坊発動により不参加をやらかしてしまい。
結果、山分が不足し、急遽ほどよくいけそうなところを探して出かけてきたわけです。
【塩山駅〜恩若ノ峰】
今回は駅からバスを利用せず、駅直スタートのコースです。
この駅から降りる人はほぼ全員がそのままバス停に向かった(たぶん大菩薩嶺方面?)ので、私は一人孤独な出発です。
まずは 2km ほど、市街地からの斜面裾野に広がるぶどう畑の合間を縫って歩きます。
地味にこの区間、日光を遮るものが帽子くらいしかないので、まだ日が登り切っていない、つまり気温が低い時間帯のはずですが、結果的に一番汗だくにもなった区間でした。
それにしてもぶどう畑、基本的には中央線もしくはフルーツラインを走る車窓からぼんやり眺めた経験くらいしかなかったのですが、徒歩の速さで見てみると、これが思いのほか興味深い。
ぱっと見は全部似たように見える畑も、一つ一つの農家さんで細かい違いが見て取れます。
成っている品種から粒のサイズに生育密度、水の散布機や監視/盗難の工夫、実際に現場にいる方々の作業内容まで、まさに十人十色。
こういった、一戸一戸の農家の努力が切磋琢磨を生み、素晴らしい品質の果物が我々の食卓に届けられるという寸法なわけですな。
今回はただの通過だったけど、いずれはちゃんとフルーツ主目的でまた遊びに行きたいところです。
そんな楽しい畑エリアが終わりを告げると、道は農道から林道、そして登山道へと変遷していきます。
ここからはきつくない程度の斜度でひたすら登っていきます。
そして、周囲は完全に木々に包まれた鬱蒼とした森になっており、陽の光はほとんど地表まで届きません。
おかげで、登山道にさしかかった途端に、斜度がきつくなって運動量が増えているはずなのに汗の量が目に見えて減りました。
この強力な森林バリアーのおかげで、都心の最高気温が35度近くまで達した日とは思えないほどに快適な山行となりました。ビバ自然の力!
そしてこの濃密な木々のおかげで、眺望はほぼゼロでした。ファッキン自然の力!
そうして到着した本日第一の峰、恩若ノ峰。
眺望は先述の通り全くありません。
そして、行政設置の公式な看板はないものの、地元の有志?の方が作られたらしき小さな看板は木に引っ掛けられていました。
この手作り看板、てるてる坊主もセットになっているというキュートっぷり。
当日は全く雨に降られることがなかったのは、きっとこの子たちのおかげだろう…ありがとう名もなき看板職人!
【恩若ノ峰〜源次郎平】
ここからは斜度がさらに緩くなり、なかなか気持ちの良い尾根道歩きが始まります。
にしても、この前後の区画、具体的には登山道に入ってから源次郎岳まで全部難路扱いになっているんですが、少なくとも恩若ノ峰までは僅かに荒れているかも?程度でしかなく、恩若ノ峰からはむしろ斜度が緩まって、全線にわたって(恩若ノ峰を出て少しを除いて)幅広の道が整備されていることからも、とても難路とは思えません。
これのおかげで設定コースタイムがとても長時間になっており、その結果ゆっくり歩いているはずなのに、コース全体の速度が「とても速い 0.6 - 0.7」になってしまったりしています。
それにしてもこのルート、眺望はなくとも道の歩きやすさ、そして人気のなさも相まって、歩く分にはとてもいいコースだと思います。
恐らく本ルートが難路に設定されていること、エスケープルートたるいくつかの分岐も全部難路、そして公共交通機関アクセスの悪さと色々そろっているせいで敬遠されちゃってそうな気がします。
実際、この日は9時間山中に滞在していましたが、遭遇したのは3名の1グループに一度追い抜かれたきりで、それ以外は完全貸し切りでした。
登山口も公共交通交通機関的に優しいので、もっと利用されてもいいのになー、と思ったり。
そして道中はオッタテという名前のある小ピークを通過したのですが。
なぜか道中でここだけ、自治体公式看板も、有志の設置看板も一切なく、ピンクテープに「オッタテ」と黒マジックで書かれたものがあるだけでした。
いや確かに、本当にちょっとした小ピークでしかないし、眺望も休むスペースもない単なる通過地点だけど、なんでこの子だけこんなに扱いが悪いのだろう…
【源次郎平〜源次郎岳】
平、と名付けられている割にほとんど平地の無い源次郎平を抜けてしばらくすると、そこからは比較的にきつめの登攀区間が始まります。
この部分だけは足場がちょっと悪いことも相まって、今回の全ルートの中でもたぶん一番歩くのが大変でした。
下りでここは使いなくないかも、と思う程度に。
確かにここだけ切り出したら、難路指定も理解はできなくはない…
が、それでもこないだの梁川駅〜倉岳山直通の道に比べると全然きつくはなかったですな。
そうしてお昼頃には源次郎岳山頂に到着。
この山頂付近だけ、ちょっとした広場、かつ木々の生えてない空間が広がっています。
なので、ここだけちょっと眺望があったりします。ほんとうに文字通りちょっとだけですが。
AI さんに事前に聞いたところ、ベンチもテーブルもなさそうだよ、と言っていたのでキャンプチェアとテーブルを担ぎ上げてきたのですが…
実際には大量の切り株と、横向きに配置された丸太の数々が、十分にベンチとテーブルの役を果たしてくれました。
せっかく持ってきたギアが、デッドウェイト扱いとなることが確定した瞬間でもありました。
まあ、これは AI に対して自分の聞き方が悪かった…確かにベンチとテーブルはなかった、あるのはベンチとテーブル代わりになる設備だからのう。
気を取り直して、本日のランチはアルファー米の白米とモンベルさんとこのスパイスマジックサグチキンカレーに、いつもの挽きたてコーヒー。
このカレー、モンベルストアに寄った際に何の気なしに手に取ったんですが、想像以上にあたりでした。
その商品名に違わず、封を切っただけで濃密なスパイスの香り、そして口に含むと複雑なスパイスの味わいが広がってきます。
特にカルダモン、クミンあたりがいい仕事してそう。
具材のチキンもそれなりの数が入っており、サグ風味と会わせて、あたかもネパールカレー屋源次郎岳支店な気分が味わえました。
レトルトカレーは、このお手軽さが良き。
【源次郎岳〜大滝不動】
ここからは、ほぼゆるやかーーーな斜度の道オンリーになります。
源次郎岳から出発すると、背の低い隈笹とフキが一面に広がる緑のじゅうたんの中を歩くことになります。
ここがまた、1500m近い高度による気温低下も相まって、とても猛暑日に歩いているとは思えないほど快適オブ快適な区画でした。
そして地味に高度を上げつつ、本日最高地点の源次郎岳分岐に。
特に何かある場所というわけではないですが、最高峰がなんとか山とか岳でなくて分岐地点というのも、ちと物悲しい…
そこから牛奥峠に出て、そこからはしばしアスファルト舗装路歩き。
この手の山奥林道は、現代土木技術が炸裂する景観を楽しめるので、足裏は疲れるものの個人的にはそんなに悪くないんですよね。
というかむしろ、林道上から見えた景色が、今日の全行程のなかで一番見晴らしが良かったまであったかも。
そして道中、やたらカナヘビを見かけました。
胴体がメタリックブラックからシルバー、尻尾がメタリックブルーといった具合で、動くたびに陽光が煌めいて非常に美しい!
これは撮影せねば!とおもったんですが、いかんせん彼らは警戒心が高くて逃げ足が速く、終ぞ彼らを写真に収められずじまいでした。
以前、栗鼠にも撮影前に逃げられたし、やはり植物や景色と違って動物は難易度が高い…
他の方の日記だと、動物どころか空を飛んでいる鳥を撮影されたりしているのを見かけるけど、一体どんな魔法を使っているんだ…
ただ良いことばかりではもちろんなく、やはり林道は砂利にしろアスファルトにしろコンクリートにしろ、足裏にダメージがあるのがきっついですな…
あとは落石リスク。
今日とかは、歩いていると頭上からガサガサ音が聞こえてきたので、おっ鹿か何かか?
と思ってカメラを取り出そうとしたら…うわっ落石やんけ!
幸い早めに気づけたのでとっさに崖側に逃げた結果、石が地面に落下するタイミングでは落下地点から 3-4 m 程度離れることができました。
サイズ的には、レンガ 2 つぶんくらい?
こんなのが直撃でもしようものなら…おお、くわばらくわばら。
そんな具合で文字通り山あり谷ありで舗装路を下ることしばし、深沢峠から再度登山道に戻り、大滝山と棚横手山に寄り道。
これまたらくマップ上では難路扱いになっていますが、(大滝山への最初のとりつきが分かりにくい点を除いて)難路感はゼロでした。
むしろ、難路扱いされていない次の区画(棚横手山〜富士見台)のが、傾斜がきつくて岩がごろごろ道だからきつかったような。
ちなみに眺望はないです。
今回のルートはマジで森林浴に全振りしている…!
ともかく富士見台まで出れば、斜度は再びゆるみだします。
そして途中にある展望台にもちょっと寄り道することで、甲府盆地の東側を望むことができます。
ここから見えるあたりはガッツリ市街化されている場所がそう多くなく、山あいの長閑な風景を楽しめるのがグッド。
あとは山道としては最後になる、展望台から大滝不動までを下っていくのみです。
ちなみにこの区間では、大滝不動の本殿?以外にも、社のような建物が 2 つほど建っています。
ということは、この辺り一帯が全部大滝不動に関連する土地になっているのかな?
【大滝不動〜天空の湯】
大滝不動には、名前の通りかなり大きめの滝があります。
巨岩から滑るように落下する水がもたらす静謐な空間に、しばし癒されていくことに。
…というより正確に言うと、足の裏の痛みがかなりきっついことになっているので休憩をとる、とも言います。
ともかく一休みで少しだけ回復した足を半分引きずりながら、無心でラストの区画を歩きぬけていきます。
そして道中で出てきた獣除けゲート、こいつを通過する際に草むらを少し通ったのですが…
そのわずかな距離で、小型のオナモミみたいなものが機能性タイツに文字通りびっしりとくっついてきやがりました。
こんなのつけたまま下山するわけにはいかないので、草の道端まで移動してから一粒一粒取り外す羽目に。
粘着性もそこそこあるせいで、地味に苦労した…
そして取り外している短時間の間に、気づいたらかなりの数の蚊にくわれてしまったようです。
温泉で調べたら、タイツの薄手の部分の範囲で左足4か所、右足5か所にも及んでいました。
むむう…都会と違ってあまり血を吸う機会がないだろうから、山の蚊は貪欲さが違うな…敵ながら天晴な奴ら。
そんなアホなことを思いつつ、5時半前には無事ゴールの天空の湯へ到着!
今回は特に足裏の痛みに悩まされるハイクだったので、しっかりと長時間の半身浴で身体を休めました。
ここの露天風呂が、湯温がそう高くなく、のぼせても湯からあがれば強めの風が火照った体をクールダウンしてくれる立地であるので、長湯にはもってこいの環境!
眼下に広く甲府盆地を見渡しながら、ゆったり温泉を楽しむ贅沢なひととき。
そしてお風呂上りにはラウンジで、おビール様とおつまみなんぞをちょろっと頂くなど。
ちなみに、ここの天空の湯のラウンジでは、その日の勝沼の最高気温が35度を超えるともれなくビールが100円引きになるとかで、今日はもちろん割引対象でした。
しかし大きな盆地である山梨という立地、夏の間はほぼ毎日35度なんで軽く突破するんじゃなかろうか…?
あとはラウンジの看板時刻に合わせて、勝沼ぶどう郷駅まで酔い覚まし散歩をしつつ、帰宅の途についたのでした。
【後記】
今回の山も、今までと違う表情、今までと違う体験があり、とても良き山行でございました。
個人的には、山梨市街地の最高気温が35度だろうと、1000m を超える標高まで登ってしまえば気温的に何の問題もない…
というといい過ぎですが、暑熱順化がないと生命の危険が!みたいなレベルでは全くなかった、というのがわかったことが収穫でした。
ただもちろん汗はそれなりにかきますので、(特に今回のように道中水場がないルートであれば)水の量は意識して多めに持って行かないといけませんな。
ぶっちゃけ、富士見台あたりでもう水が枯渇して、大滝不動超えたあたりからは疲労分も込みで、体力よりは気力でもって足を進めていた状況でしたからな…
ただ幸いなことに、大滝川を渡る経由地のところでうっかり道を間違えて、そのまま林道を歩いていたところ、地図に無い水場に出くわすという幸運。
そこで九死に一生を得て、ゴールまでの元気を取り戻せた、というイベントがあったりなど。
いずれにせよ、この距離だと料理も込みで 3L で足りないことはわかったので、次は 3L に小さめナルゲンボトルとかも持っていくようにしよう。
あと、今回はちょいちょい他の方の日記で見かけて気になっていた、ORENO というブランドの靴下を履いてみました。
結果、足底の滑り止めがめっちゃいい仕事をしてくれることがわかりました!
どのくらい滑らないかというと、この靴下を履くと山靴を履くのがちょっと大変になるほど。
これの何がよいかって、足の底と靴が摩擦でがっちり位置固定されるので、登ってるときに踵に体重がかかって擦れる、下ってるときにつま先が靴の先端にあたり続けて痛みが、みたいな問題が起こらなくなるのです。
また体重を足底全体で支えやすくなるので、歩きの安定にもつながることがわかりました。
あとは、この強力なグリップ力がどのくらい長続きしてくれるか、かな?
もちろん良いことばかりではなく、気になった点も。
一つ目は、これは主に私の装備が悪かったんですが、長く歩いている間にくるぶしソックスタイプとタイツの間がちょっとずつ開いてしまい、素肌をさらす個所が足元にできてしまいました。
この結果、靴の隙間に入り込んだ砂や石や枯れ葉や小枝、たまに芋虫なんかも入り込んだりした結果、アキレス腱付近の皮膚がだいぶ傷んでしまいました。
これはなんというか、ハイカット登山靴の時はちゃんとひざ下まであるロングタイプの方を履け、という話ですね、はい。
二つ目は、普段使っているメリノウール靴下に比べて厚みが薄く、すなわちクッション性が弱く。
これにより、序盤はイケイケだったのが、長時間歩くことで徐々に足裏ダメージの蓄積につながってしまった、ということもわかりました。
これは、山友にもおすすめされた良いインソールを使うことで、ある程度解決が見込めるかな?
いずれにせよ、この調子で7月の日光連山縦走、そして8月の中央アルプス縦走に備えて、どんどん山足と体力をつくっていかねば!
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