南ア・尾白川渓谷から黒戸尾根経由で甲斐駒ケ岳往復


- GPS
- 15:26
- 距離
- 20.4km
- 登り
- 2,538m
- 下り
- 2,550m
コースタイム
- 山行
- 8:33
- 休憩
- 2:14
- 合計
- 10:47
天候 | (1日目)曇りのち晴れ (2日目)晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
よく整備されているけど、ハシゴや鎖場など危ない箇所あり。 |
その他周辺情報 | 塩尻北I.C.で降りて、鹿児島ラーメン桜島広丘吉田店に行って味噌チャーシューメン(1,500円)喰った。 |
予約できる山小屋 |
七丈小屋
|
写真
装備
個人装備 |
Tシャツ
アームウォーマー
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
雨具
靴
ザック
ザックカバー
行動食
非常食
飲料
ライター
地図(地形図)
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
時計
携帯
タオル
着替え
サブザック
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
サングラス
ポール
テント
テントマット
シェラフ
携帯トイレ
|
---|
感想
南アルプスにある百名山のうち、一番御無沙汰してるのは、2002年に北岳から聖岳まで歩き通した時(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2565483.html)に登った山のうち、悪沢岳以降の山になる。前年の6月には塩見(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6903790.html)、前々年の6月には間ノ岳に行って(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-5649627.html)長年のブランクを解消した。順番から言うと次は悪沢岳の番だけど諸事情により後廻しにして(苦笑)、2003年(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2819393.html)以来22年ぶり黒戸尾根に挑むことにした。私が黒戸尾根に挑むのは3回目で、これまで黒戸尾根を2.5往復してる(余計な0.5往復は、北沢峠を経ての下り)。過去の2往復はいずれも尾白川渓谷から登って七丈小屋でテント泊した翌朝に頂上ピストン後に下山してる。今回は尾白川渓谷から登って七丈小屋でテント泊するまでは同じだけど、初日のうちに頂上ピストンを済ませる計画。
朝3時に起床し、3:10には『キャラメルハウス』(自宅)をクルマで出発。晴れの予報が出てたハズなのに、曇りで冴えない空模様。現地付近でテキトーに走らせてたら、横手駒ヶ岳神社のほうに向かっており慌てて修正。このロスが無かったら、7時前には登山開始出来てた(苦笑)。22年ぶりに訪れた尾白川渓谷駐車場には、7時前に到着。22年前に比べると大幅(倍以上!)に増床されてるけど、それでもクルマがすでにいっぱい。整理員により一番手前の未舗装スペースを案内された。その後も次々とクルマが来たから、あっという間に満車になったことだろう。登山者の半分は日向山に向かったようだけど、それでも22年前のことを考えると有り得ないくらいの登山者が黒戸尾根に向かってる。すっかりトレイルランが市民権を得て、多くの登山者が日帰りで黒戸尾根を往復する。時代は変わった…。
7:05にクルマを出発。トイレに立ち寄ってから入山。竹宇駒ヶ岳神社は、動画撮影・SNS投稿禁止だそうです。写真だけならOK? 吊橋を渡り、尾白川渓谷への遊歩道を何本か分ける。最初の目立った目印や遺構も無い道を黙々と登ってく。多くの日帰り登山者やトレイルランナーに追い抜かれ(苦笑)、約1時間半で一合目山ノ神に到着。神さまのお顔を描いたのは誰だ!?(笑)
過去の2.5往復はいずれも今は閉鎖された粥餅石経由。したがって、笹ノ平やその手前の細尾根を歩くのは今回が初めて。一合目から1時間の歩きでようやく二合目の馬止観音、次の50分で三合目だと思って休んだ富士山が見渡せるベンチ。先が思いやられる…。まだ6月なのに、ゼミの鳴き声がにぎやかな林のなかを登ってく。1時間あたり標高差250 mペースでOKと思ってたので、焦らず歩みを進めるのみ。
三合目だと思ったベンチから8分で、三合目口ノ摩利支天。展望が無い場所なので、休むなら手前のベンチのほうがイイ(苦笑)。刃渡りは晴れていれば景色の良い絶景スポットだけど、雲が多くて麓の一部がみえるのみ。その後、刀利天狗手前のハシゴ群を通過。いよいよ黒戸尾根が本領発揮し始める。黒戸山の北側斜面を巻いた後は、五合目までの下り。五合目屏風岩には12:22に到着。これまでの経験上、五合目から1時間以内に七丈小屋に着いてるので、13時台には小屋に着くだろう。五合目からは名物?のハシゴ群。22年前に来た時には、浩宮さま登頂時に整備された新しいハシゴと旧世代のハシゴが2本並んでたけど、どっちも無くなって新しいモノに更新されてた(苦笑)。ハシゴを次々と登ってあっという間に七丈小屋に着いた記憶があったけど、実際にはそんなに甘くない! 一旦ハシゴがかかるキレットまで降りて登り返した六合目不動岩からはハシゴの連続。昔と違って登山者が多いので、ハシゴ部ではすれ違いに苦労する。ちょうどパーティー2組が下りてくるところで、通過待ちを余儀なくされた。七丈小屋には13:23に到着。予定より若干早い。
小屋でキャンプの受付をしてから、テン場へ向かう。テン場は上下の二段になってるけど、下の段はすでに満杯。上の段にテントを張ったけど、それでも約半分はすでに埋まってた。今回は荷物の軽量化を優先し、2シーズン振りに『MOBI GARDEN』の『LIGHT KNIGHT UL1』を使用。テントのなかにチリがたまってたけど、2年前に笊ヶ岳に行った時(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-5761957.html)のゴミ(苦笑)。テント設営後、身軽になって甲斐駒頂上を目指す。テント張った場所のすぐ裏に、七合目七丈嶽があってビックリ! 七丈小屋のテン場には過去2回お世話になったけど、初めて気付いた!
すでに午後2時を廻ってるので、これから頂上を目指すかたも、頂上から降りて来るひともまばら。八合目御来迎場の手前で、中国人らしき女性3人組を追い抜いた。前年の塩見岳の時もそうだったけど、重い荷物で長時間歩いた後は、荷物を降ろしても速いペースでは歩けない…。八合目御来迎場は22年前と同じく鳥居が倒壊したまま放置され、再建の気配すら無い…。ずっと雲が多かったけどここらに来て晴れるようになり、御来迎場からも甲斐駒の頂上部がみえた。西陽がマトモに当たるなか、一旦鞍部に降りて登り返した先が二本剣。しかし、標識では「九合目烏帽子岩」と案内されている。鳳凰山の奥に富士山が鎮座する絵になる図を撮りながら、「やっぱ(烏帽子岩ではなくて)二本剣だよなぁ」と思った(笑)。
九合目で休憩の後、最後の登りにかかる。途中、下山中の登山者が熱心に写真を撮ってたのでみてみると、ライチョウが居た! ライチョウが移動する先を待ち伏せするつもりて斜面を上がって撮影したはいいけど、登山ルートを外れてた…(汗)。慎重に斜面を下ってルートに復帰。駒嶽神社本社を通り過ぎて、北沢峠からの道を合わせると、甲斐駒ヶ岳頂上。到着は16:09。
すでに午後4時を廻ってるためか、誰も居ない。甲斐駒に来るのは5回目だけど、頂上をひとりじめにしたのは初めて。仙丈、間ノ岳、北岳、アサヨ峰、鳳凰山、富士山、奥秩父、八ヶ岳、そして中央アルプス。360°の絶景だ。
頂上に20分居て下山開始。先ほど追い抜いた中国人らしき女性パーティーとすれ違ったけど、3人から2人に減ってた…。1人は登頂断念し引き返したということか…。八合目御来迎場で休憩して、さらに道を下る。この時間に頂上を目指すペアとすれ違ってビックリ! もう少しでテン場に着くというところで、シカさんと遭遇。しかし、私がスマホのシャッターを押す前に、シカさんは姿を消した(苦笑)。6時になる前の17:52にテン場に到着。トイレしに七丈小屋に戻り、ついでにコカコーラを2本購入(苦笑)。今回の山行から、イワタニのストーヴを使用したけど、イイ感じで御飯が炊けた。夕食後、真っ暗になる前にさっさと就寝。真夜中にトイレのために起きて小屋まで往復したけど、暗くて足元がよくみえないこともあり、片道9分かかった(苦笑)。
翌朝は周囲のテントが騒がしくなった朝3時半に起床。朝御飯の準備してる間に周囲は明るくなり、テントを撤収し、4:57に下山開始。小屋に立ち寄り、水の補給やトイレを済ませて5:16に小屋出発。この日は下山するのみだけど、前日に頂上ピストンを済ませてしまった影響かすでに両脚の筋肉痛が始まっており、足取りがぎこちない(苦笑)。日曜日だというのに日帰り登山のチャレンジャーも多く、たくさんの登山者とすれ違う。この日は朝から晴れで暑さが気になったけど、陽が上りきる前に樹林帯に入ってたので暑くない。刃渡りは前日と違って雲がかかっておらず、絶景を恣に出来た。休憩ポイントは登りと同じ場所の五合目、三合目、二合目、一合目を想定してたけど、二合目馬止観音到着時に三合目から31分しかかかっていなかったので、一合目山ノ神までノンストップ。尾白川渓谷駐車場のクルマには、9:36に到着。意外に時間がかかった印象だけど、筋肉痛だから仕方無いか…(苦笑)。
靴と靴下を履き替え、上半身のTシャツを着替えてから、クルマに乗って駐車場を出ると、駐車場の空き待ちが10台弱くらい並んでる…(汗)。ここは、上高地行く時に使うあかんだな駐車場かよ? 私が初めて黒戸尾根往復に挑んだ1999年(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6391199.html)の時には尾白川渓谷の駐車場は今の舗装された部分しかなく、それでもガラガラだった。南アルプス林道崩壊につき山梨県側からの甲斐駒へのアクセスは黒戸尾根か早川尾根経由に限られている影響もあるんだろうけど、黒戸尾根の復権ぶりが凄い(苦笑)。
黒戸尾根経由で甲斐駒に登れなくなった時は、山ヤの引退時…というのは冗談だけど、自分の体力確認の意味も兼ねて今回22年ぶりに黒戸尾根に挑んだ。結果、前回の2003年よりは遅いけど、初回の1999年よりは速い…というビミョーな結果になった。決して悪くないけど、黒戸尾根を歩いてる他のみなさんが速過ぎるので、凄〜〜〜く自分が遅く感じた(苦笑)。とはいえ、午後4時台に登頂したことにより、日本アルプスでも屈指の名峰と呼ばれる甲斐駒の頂上を独り占めに出来たのは、贅沢な経験だった。これに味を占めて60代になっても、また黒戸に挑むかも…(苦笑)。
いいねした人