古の修験道 大峯奥駈道 逆峯で八経ヶ岳まで


- GPS
- 25:48
- 距離
- 50.3km
- 登り
- 3,728m
- 下り
- 3,308m
コースタイム
- 山行
- 7:01
- 休憩
- 1:13
- 合計
- 8:14
- 山行
- 5:47
- 休憩
- 0:59
- 合計
- 6:46
- 山行
- 5:32
- 休憩
- 1:26
- 合計
- 6:58
天候 | 26日:曇り、27日:霧雨、28日:晴れのち曇り、29日:曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2025年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 自家用車
下山:天川河合で下山、奈良交通バスで下市口駅へ出て近鉄に乗換 ※下山後のバス便は本数が少ないので事前に時刻表チェック必須です |
コース状況/ 危険箇所等 |
大峯奥駈道としてポイントになる分岐などには標識などが整備されていますが、所々でピンクテープがなかなか見つからない箇所などもあるので、注意が必要です。 登山道というよりも修験道なので、心を削られるようなアップダウンの連続やクサリやロープ、段差が大きくて一歩一歩慎重に進まざるを得ない階段などで時間を要する箇所もあります(特に普賢岳〜行者還避難小屋間など)。 弥山や八経ヶ岳の周辺は一般登山客が日帰りピストンで歩く人気コースのため、修験道ではなく一般登山道な感じ、登山客も多く歩いています。 奥駈道を離れて天川川合に降りるルートは歩きやすく整備されていますが、そのルートから派生する他の下山ルート等は分岐点などに標識などが無く、踏み跡も薄いためルートファインディングや現在地把握などの技量が必要でしょう(歩いたことないルートのソロ行動は危険に思える)。 今回はテント持参で歩きましたが、2泊目と3泊目は立派でキレイなログハウス風の避難小屋を利用できたので、人の少ない平日で計画するなら、いざのためのツェルト持参で避難小屋泊で行程を組んで軽量化する手もあるなと感じました。 |
写真
(左は水場への道らしい)
(時間に余裕があったので小笹ノ宿避難小屋まで行くこともできたが初日なので無理せずにと判断)
夜通しずっと茶屋内の木札が風でカンカン鳴り響くのが修験者の行列音みたいで不気味でした
到着した途端に本日の山行はここまでにして泊まることに即決でした(まだ昼前なのに)
とてもキレイで広い避難小屋、水以外は◎の素晴らしい宿でした(小笹で水を汲んでて良かった)
携帯電波もバリバリで翌日以降の計画再編の情報収集もはかどりました
当初はここを稜線伝いに栃尾山に進んで天の川温泉へ下りることも考えましたが、天川川合への道以外は標識が何もなく、歩いたことないところで地形判断だけのソロ行動は無謀だと判断してメインルート(天川川合への道)で下りることに
感想
古の修験道の大峯奥駈道を初めて歩いてきました。
奈良県の吉野から和歌山県の熊野本宮大社まで、距離にして約100キロ、ルート上の最高峰の八経ヶ岳は1915mで2000mにも満たないながらも、修験の道というだけあって、ルート上には厳しいクサリ・ハシゴ場があったり、細かいアップダウンが幾重にも折り重なり、気力体力を削いでくる、累積標高差が8000mにもなるというなかなかハードな縦走ルート、なるべく軽量化を図って山中4泊(洞辻茶屋・揚子ヶ宿・行仙宿・玉置辻)で計画立ててみましたが、毎日朝5時前に行動開始で12時間行動を必要とするハード行程、さてどうなる事やら…
初日は曇天、スタート時は暑かったものの山中に入ると風は冷たく、初日の高揚感もあって順調にアップダウンを繰り返しながら高度を上げて、予定よりも早く洞辻茶屋に到着、この調子なら山上ヶ岳を越えて小笹ノ宿避難小屋まで行けそうではあったけど、まだ初日なのでこの先に向け体力温存した方が良いかと計画通りにここで幕営。
(この洞辻茶屋、夜は風が抜けると室内にぶら下がってるたくさんの木札が順にカラカラと鳴って、夜中に誰かが走り抜けているような不気味な雰囲気になって、ちょっとビビりました)
2日目、ここからが修験の厳しい行程になります。しかし朝から霧雨とガスガスで視界が利かず、次々に出てくる難所をひたすらクリアして進むという日になりました。
まず山上ヶ岳(大峯山寺)へのクサリ・ハシゴ等の修験な急登をこなし、一旦下って小笹ノ宿の水場で水2ℓ補給し、そこからコブコブな稜線で大普賢岳を越え、スパッと切れ落ちた崖地やクサリ・ハシゴ(段差が大きく濡れている)、嫌になるくらいのアップダウン連続で心も削られて大幅にペースダウンしながら七曜岳を越え、行者還避難小屋に着いた時には、もう当初の計画通りに弥山や八経ヶ岳を越えて揚子ヶ宿避難小屋まで行く気はもちろん、この先へ進もうとの気も無くなってて、濡れた雨具やザックカバーを干して、大休息をしようと避難小屋の中へ。
ログハウス風のキレイな小屋は中もキレイそのもの、吹き抜けで解放感もあり、大きな窓があって明るい室内、小屋の真ん中の4人ほどが寝れそうな部屋に上がって、真ん中に荷物を展開、まだ昼前でしたが、もう本日はここで行動終了として、ノンビリとお昼を食べ、電波が入るので、明日以降の天候チェックとプラン変更検討で午後を過ごしました(小笹ノ宿で水をしっかり補給しておいて良かった)。
で、当初予定日数では熊野本宮大社へは到達するのが無理になったことと、2日後から天候が悪化することを踏まえて、雨に降られる前にルート途中で下山することとし、下山後のバス便も考慮した結果、奥駈道は八経ヶ岳を越えたところまでとし、そこから天川川合または天の川温泉へ下山することにしました。変更プランでは3日目も4日目も行動時間は6時間にも満たない余裕な行程になるので、修験な行動はここまでで終了、快適な避難小屋の真ん中の部屋を独占利用でのんびりぐっすり就寝。
3日目、行程に余裕もあるので朝もゆっくり行動開始、前日のモヤモヤな雨から一転、青空と日の出で気持ちの良い朝です(修験な行程じゃなくなった途端にバカンスな山行、気持ちも楽になります)。
歩きやすい稜線道は視界も良好、道の脇にはお花の群落やシロヤシオ、進む先には樹間から弥山や八経ヶ岳も確認でき、歩きも快調そのもの。奥駈出合からは日帰りルートの登山客も増えて、もう修験な世界ではない登山の世界、順調に弥山に登り、弥山小屋でゆっくり昼食休憩して(避難小屋泊まり用にビールも購入)、近畿の最高峰・八経ヶ岳山頂で山上ヶ岳から大普賢岳、行者還岳と歩いてきた修験な稜線を眺め、反対側の孔雀岳、釈迦ヶ岳といった南奥駈道に続く稜線を見て(いつかここを歩いて最後まで繋ぐぞとの想いも込めて)、奥駈道から途中下山で3日目の宿泊地・狼平避難小屋へと下りました。
狼平避難小屋は、水量豊富な清流のほとりに建つログハウス風のキレイな小屋、行者還避難小屋よりひと回り小さいが、ロフトもあって、かなり人数が入れる小屋でした(結局誰も来ず、ひとりで寂しくビール飲んで寝ましたけど)
4日目、曇天だけど雨になりそうな感じはなく、天川川合のバス便11:39なので、ゆっくり余裕で下山開始、歩きやすい登山道を調子よく歩き10時前には行動終了、集落にある食堂で時間潰しするつもりが、なんと定休日! 売店も何も無いので、しかたなくバス停の向かいにある観光案内所のベンチでのんびり時間潰し、定刻通りに来たバスに乗って帰りました。
結局、初日と2日目はハードに修験な道を歩いて、大峯奥駈道の大変さを味わい、途中下山とした3日目と4日目は気持ちも天気もまあまあのユルユル登山と、前後半対照的な行動パターンの山行になりましたが、大峯奥駈道がどういうもので、どう計画を考えて、どう歩くのかを、実地で知ることが出来て、残した八経ヶ岳から先、南奥駈道で熊野本宮大社へのリベンジマッチに改めてチャレンジしたいと思います。
待ってろよぉ、熊野本宮大社!
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