三峰山(みうねやま)周回


- GPS
- 03:47
- 距離
- 6.1km
- 登り
- 593m
- 下り
- 591m
コースタイム
天候 | 曇 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
よく踏まれた道 |
その他周辺情報 | 姫石の湯 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
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感想
今週末、天気予報は土日共に雨が降るということだった。実際土曜日は降ったりやんだりで一日が終わった。幸い、日曜日は場所を選べば少しは晴れ間もあるらしい。それでも梅雨前線は日本の南海上に停滞しているし、日本海の低気圧からは寒冷前線が列島に向かって下がってくるので、予断を許さない。なので、軽めの山行にしたほうがよさそうだ。かねてから行く機会をうかがっていた山の中に、奈良・三重県境の三峰山がある。この山など、こんな時には丁度良さそうだ。しかも前日の天気予報で雲の動きの予想を見ると、どんぴしゃでその地域だけ、午前中に雲の切れ間があるのである。もうこれは「決まり!」だろう。
湾岸、阪神高速大和川線、西名阪とつないで名阪国道の針ICから下道に入る。ここのところ立て続けに御杖、曽爾、松坂、津にまたがる山々を訪れているので、すこしずつだが地理がわかってきたような気がする。途中、霧雨の降っているところもあり、不安はぬぐえないが、それは覚悟の上だ。三峰山の登山者用駐車場まで順調にやってきたが、さらに上、不動滝登山口にもわずかながら駐車可能らしいので、雨になることも考えて歩程を最短にすべく、不動滝入口まで車で上がってみる。道幅は狭くなるが舗装された林道で、問題なく不動滝登山口に達した。トイレの前のスペースに駐車する。
不動滝ルートにはトイレのすぐ前の沢の右岸から入る。入り口の横から小滝連続で、本命の不動滝への期待が高まる。すぐにコンクリート造りの不動堂が現れる。その脇を抜けると、眼前にりっぱな滝が掛かっている。不動滝である。思わずワッと声が出た。落差は10mくらいの滝ではあるが、昨日の雨で増水しているのか、勢いを感じさせる迫力に満ちている。中段辺りと落ち口近くに小さな祠があり、お参りをしてから登山道へと取って返す。最初は沢沿いで、周囲は植林帯ながら水線の周りだけは自然林が残されてちょっとホッとする。やがて道は尾根に取りつき、スギ植林の下をいくが、比較的手入れのよい林で、暗くないのが
救いだ。道はよく踏まれていてキーポイントには道標が設置されている。やや大きな尾根に登り着くあたりで正面に避難小屋が見えてくる。この地点はみつえ青少年旅行村方面へのルートの分岐点となっている。下山にはその道を使う予定だ。稜線は落葉広葉樹林に包まれて雰囲気が良くなる。さらにしばしの登りで主稜線に達する。主稜線上の道は山頂から新道峠に延びるもので、我々はこのT字を左にたどり、山頂へと向かう。
主稜線は傾斜がほとんどない。フラットである。周囲は灌木帯で、樹種はほとんどツツジだ。だが、ちょうど端境期に当たっているようで、花がついてきる木はまばら。赤紫のちょっと古い花をつけているのは晩生のコバノミツバツツジのようだが、仲間の大半はもはや葉だけになっている。真紅の花をぎっしりつけているのはヤマツツジ。こちらは満開なのだが、本数が少ないのが残念。そしてこの山の評判を上げている役者の一人のシロヤシオはというと、やっと開いたばかりの黄色みを帯びた花がわずかに見られる程度だ。
八丁平への道を右にわけでまっすぐ山頂へと向かう。登るでもなくわずかな起伏を進むと、広場状の開けたところに三角点と山頂標識が見えてきた。南側は背が低くがっしりとした木々が平坦な地形を覆って、児童小説に出てくる「森」のイメージだ。北面は開けていて、眺められる周辺の山々の概念図を示した案内板が立っているのだが、今日は雲なのか霞なのか、全体に白い覆いに隠されて肝腎の山々は判然としない。眺めは諦め、一等三角点を確認してから昼食を取る。
帰路は、山頂から八丁平への道を辿る。縦横に張り巡らされた道の一つを拾ってツツジの林を少し降ると、目の前がパッと開けた。そこには広く平らな山上公園にような草地が開けていたのだ。高台にたって眺望を楽しむために自然が用意してくれた展望台だ。パラグライダーで飛びたてばきっと爽快な飛翔となるだろう(我々は生憎やったことがない!)。この平原の窪んだところは、鈴鹿のカルストでよくみるような地衣類のクッションになっているのだが、尾根寄りの斜面はすっかりバイケイソウによって覆い尽くされてしまっている。どうも、地衣類はバイケイソウによって徐々に生活圏を奪われつつあるような雰囲気だ。そういえば、平原は鹿のフンだらけであり、ここが鹿牧場状態であることは容易に推察できる。有毒のバイケイソウは食われずに残り、どんどん陣地を広げているに違いない。困ったことである。この平原、もっと昔は池塘などもあったのだろうか。乾燥の進行が懸念される。
平原の中にもツツジが散在していて、こちらは日当たりが良いせいか、シロヤシオも満開だ。そしてまっかなヤマツツジが艶やかなアクセントとなっている。
ここから往路にたどった稜線に戻り、避難小屋のところから青少年旅行村方向へ尾根を下る。こちらのルートは傾斜も緩く、膝に優しい道で下りにはもってこいだ。途中で陽も差し始め、気分は上々。やがて展望所の建物を過ぎると舗装道路に出、そのわずか先にはトイレがあった。ここから舗装道路を駐車地へと向かう。最初のわずかな区間が上りとなるほかは下り基調で、楽々駐車地へと戻ってきたのだった。
天気に不安を抱きつつ開始した山行だったが、登りの間は曇りがちで暑さは控えめ、下では好転して初夏の空気を楽しむことができたのはラッキーだったねと、なんでもOK、いい調子で終わりにする我々なのであった。
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