湯元温泉〜温泉ヶ岳〜金精山


- GPS
- 11:44
- 距離
- 9.4km
- 登り
- 1,205m
- 下り
- 1,201m
コースタイム
- 山行
- 9:47
- 休憩
- 1:58
- 合計
- 11:45
天候 | 快晴,後晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
奥日光湯元温泉:何件か確認連絡を入れたが,やっていないか,営業終了していた。事前にもっと確認しておけばよかった。 |
写真
感想
天候が良さそうなので,以前から計画していた湯元から温泉(ゆせん)ヶ岳へのルートを辿ることにした。一応,前白根山から外山までを回る周回ルートとし,状況次第で途中から降ることにする。深夜,1時40分に自宅を出発し,3時間で湯元に到着する。来る途中の中禅寺湖や湯ノ湖では,路肩に多くの車が駐車していたが,ここでも大きな駐車場が一杯。何人かの人が出て車を誘導しており,一番隅の方に停めることができた。殆どが釣りに来ているようで,竿などの準備に忙しそうだった。
自宅では14℃だったのが,ここでは2℃になっていたけれど,無風状態なのでそれ程寒くはない。早々に準備して,歩き始める。温泉の源泉地を通り抜け,金精道路への登り口に着く。前白根山や五色山が朝陽に照らされている。道路脇にある登山口駐車場から蓼ノ湖(うみ)へ向かう山路と分かれて,金精道路に並行した踏み跡を降る。最下点の平坦になった所から正面の尾根を登って行くのだが,取りつきがよく分からない。少しだけ残っていた雪から藪状の所を登った。10分ほどで尾根の上に出ると,しっかりした踏み跡が延びていた。どうやら蓼ノ湖まで延びている尾根末端まで踏み跡が続いている様子だった。しばらくは傾斜のある土の出た斜面を登り,傾斜の緩くなったところで一休み。朝食代わりのおにぎりを頬張ったり,カメラのバッテリを交換したり,上着を脱いだりする。多くの小鳥の声が聴こえ,鹿の鳴き声もする。時々,車の走行音も。風も雲もない,最高の天気だ。
更に,40分程登ると連続して雪が出始めるので,1920m地点でスパッツを着ける。未だ不要とは思ったが,先日買ったばかりのチェーンスパイクをお試しで着けてみる。前方の藪の方で大きな獣が動く音がするので,念のために笛を吹きながら進んでいると,駆け上がって行く鹿のお尻が見えた。高度が上がるにつれて周囲の山並みも良く見えるようになる。樹木の間から温泉ヶ岳も顔を出した。稜線に登り着くと,なだらかな地形なのでルートが判然とせず,古い踏み跡もあちらこちらにある。方角を見定めて進んで行くと山頂に至る斜面が見え,20分足らずで山頂に着いた。眺めは最高で,日光の山並みは勿論のこと,燧ヶ岳,駒ヶ岳や中ノ岳,平ヶ岳なども遠望できた。2週間前に雪道を登った山王帽子山は黒々として,殆ど融けてしまったように見えた。ここまでは,まずまず順調に歩けたので,予定通り前白根山まで行こうと出発する。
金精峠まで降る途中で,一度,尾根を間違えて40m位を登り返したりする。それ以外にもルート確認で度々,時間を取ったりしたので,金精峠までに予想外に時間を食い,この先が少し心配になる。金精山に登ってから,前白根山まで行くかを決めることにし,出発する。金精山は近づくにつれ,急峻な斜面に雪が付いているのが分かり不安になるが,先ずは行ってみようと先に進む。北東に延びている主稜線を少し登ったところで,少しだけ夏路が顔を出しており,矢印の道標に従って進むが,数十メートルで雪斜面のトラバースに出くわす。樹木が無く,気温が高い。しかも40〜50°の嫌らしい傾斜になっているので,横切る気にならない。傾斜はより急だが,灌木があり,雪が少なそうに見えたので,そのまま直上することにした。最初の内は,木から木へと太い幹を頼りに登って行ったが,直ぐに岩にシャクナゲや低木が密生した崖になる。頼りない枝を掴み,滑りやすい足場を確かめながら,肘や膝も使い,雪にストックを押し付けながら少しずつ登る。手袋をしていなかったので,手がかじかんでしまう。ふと下を見ると,高度感が半端ないので,上だけを見て登ることに専念する。枝が密生している処では,ザックが引っ掛かるので上体を岩に密着させ,頭で枝を押し上げて進む。兎に角,焦らずに確実に登ることだけを考え,全身を使って登った。ようやく傾斜が緩くなった時には本当にホッとして,初めて周囲の景色を眺めることができた。ここ何年かの内では,3本の指に入るほどの緊張感だった。この100m程を登るのに,1時間半ほどを費やしていた。
金精山の山頂からは,改めて周囲の山並みが良く見えたが,少し霞み始めており,雲も出てきたようだ。風も少しだけ出始めている。時間的にも予定を1時間以上オーバーしているので,国境平から降ることにした。下りは特段の難所はなく,スムーズに歩けた。南面だからか,残雪量も少なかった。地形図で見る国境平の辺りは,少し降り口が判り難そうで,周囲に気を付けて歩いたが,上手い具合に雪から顔を出している標識を見つけられたので大いに助かった。見つからなければ,GPSで確認する必要があったかもしれない。国境平からの尾根の雪は,時々膝まで潜ったり,たまに腰まで落ち込んだりはしたが,概ね歩き易く,傾斜の緩いところでは,グリセードのようにして降ったりした。名残惜しくて,時々,立ち止まって周囲の景色を眺めたりしながら,ゆっくりと下った。
1850m付近で方向転換するポイントも地形図では分かり難そうだったが,ここでも標識を見つけることができて安心できた。最後の休憩を取った後,少し急な斜面を降ったが,所々で氷状になった所がありチェーンスパイクを着けようかと思った。しかし,土の部分も出て来るし,装着の手間もあるので,そのまま気を付けながら下り続けた。平坦部までの250mほどを40分もかかったのは,注意していた他にも,膝の疲れが出ていたこともあるだろう。やはり,雪面でのキックステップは,普通の登降に比べて筋力を使うようだ。何とか安全な場所まで降り立って一安心し,駐車場までの1km余りは周囲を眺めながらのんびりと歩いた。
朝には満員だった駐車場には殆ど車が居らず,閑散としていた。ゆっくりと温泉に浸かろうと思って,数件の施設に確認の電話を入れるが,何れも日帰りはやっていないか,既に終了してしまっていた。事前にもっと調べておけば良かったと思うが,いろは坂を下りた後に,立ち寄るのも面倒なので,そのまま直帰することにした。案に相違して,渋滞にはほとんど会わずに,3時間余りの運転で21時前には帰宅できた。
今回は天候に恵まれて,最高の春山歩きだった。金精山は事前の調べ不足でかなり怖い思いをしたが,終わると良い思い出になってしまう。雪山での自分の体力の限界も分かってきたし,次は何処にしようかな。
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