蔵王 猿倉パーク〜中丸山〜熊野岳〜北面滑走(八方沢源頭)


- GPS
- 09:40
- 距離
- 20.7km
- 登り
- 1,796m
- 下り
- 1,798m
コースタイム
天候 | 曇りのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
駐車可能台数は3台程度で狭い。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
●猿倉パーク〜中丸山〜熊野岳 県道53号から尾根に取り付く。 尾根末端は密藪の急斜面なので正面から取り付こうとするとかなり苦労させられる。 ここは一旦巻いて北側へ回ると林道のような道が通っているので、その道を辿る事で容易に尾根に上れる。 尾根に上った後も林道は続いているが、標高1000m付近から林道は尾根を外れて別方向に向かうので適当な所で林道を外れて尾根に従って進む。 幅広の尾根で目印は無し。下山時は仙人沢側へ誘導されやすいので注意。 中丸山を過ぎてコルを越えた先で尾根は狭まり、両側が切れ落ちたヤセ尾根になる。 尾根幅はそれなりにあるので注意して進めば滑落する事はないが、強風時は危険。 また、ヤセ尾根上には深い穴が点在しており踏み抜きには注意を要する。 熊野岳周辺はオープンバーンが広がっており、地形的な掴みどころが何もない。 視界の良い日であれば問題ないが、視界不良時は道迷いの恐れあり。 シェカブラが多く、現時点ではあまり良い斜面状態とは言えないが、残雪期に入りシェカブラが無くなったら楽しい斜面になりそう。 山形側の樹氷はまだ見頃。 この週は暖かい日が続いたせいか少し溶け出しておりピークを過ぎた感はあったが、標高の高いエリアの樹氷はまだ立派。 今でも十分、見栄えすると思う。 週間予報によると今週まとまった降雪がありそうなので、週末には全盛期の姿を取り戻すかも? ●熊野岳北面(熊野岳〜八方沢) 熊野岳周辺はシェカブラだらけで、北面の斜面状態は悪い。 しかし、その先に続く八方沢の源頭沢が良い滑走ルートになる。 八方沢の源頭沢は地形図上では9本くらい記載されているが、どれでも良いという訳ではなく当たりハズレがある。 今回滑った沢は当たりで、斜面はフラットで雪質良好。 しかし、その東側に並行する6本の沢は全てハズレ。雪で埋まりすぎて沢型は成しておらず、シェカブラ多くて状態が悪い。 残雪期に入りシェカブラが無くなれば話は別だが、現時点で滑走するなら今回の沢がオススメ。 今回は熊野岳から中丸山方面へ下山なので沢を滑った後は登り返しだが、蔵王ダム下りの場合、この沢は下山滑走に利用できそう。 (コーボルトヒュッテ側の沢もたぶん状態良いと思うので利用できるかと。) 尚、滑りやすい沢型が続くので何処までも滑って行きたくなってしまうが、滑りすぎに注意。 あまり滑りすぎると八方沢本流に入り込んでしまい、脱渓が困難になる。 どこで脱渓するかは状況次第だが、今回ルートの位置辺り(蔵王ダムの登山道横断地点)で沢を出るのが良いと思う。 |
写真
感想
今年は樹氷の当たり年。
という事で、最盛期を迎えた今、樹氷鑑賞に蔵王へ向かう。
ただ樹氷を見るだけでは面白くないので中丸山の尾根ルートで熊野岳に登り、そして同尾根を滑走して下山する、という計画。
中央蔵王の冬山ルートは各スキー場のロープウェイやリフト利用で登るのが殆どだが、このルートは最初から最後まで全て自力移動。
更に、スキー場のずっと下から登り始める事になるので、なかなか手応えのあるロングルートだ。
出発地は、坊平高原の下にある猿倉パーク。
日の出時刻の少し前に出発するも、朝のうちは曇りで視界が悪く、風も強い。
森林限界上は厳しい状況が続き、先の行程が危ぶまれた。
しかし、熊野岳の西面下まで登ると薄っすら青空が覗くようになり、晴れの兆しが見えてくる。
そして、熊野岳に登頂する頃にはすっかり晴れて、強風も治まる。
朝とは打って変わって絶好の登山日和となり、快晴の空の下、隆々と成長した樹氷を眺めることが出来た。
滑走についても申し分なく、余興で熊野岳の北面を滑ってみたが、気温が高い日だったにも拘わらず雪は良く、北面から続く八方沢源頭の滑走は極めて爽快であった。
その一方、下山滑走の中丸山尾根の方は、上部はシェカブラで面は荒れており、下部は重い雪とストップスノーで苦行モード。
今一つの滑走となってしまったが、これは時期が悪かったか。
この尾根は全体が西側を向いているので、厳冬期は季節風の影響を強く受ける。
故に残雪期向きの滑走ルートとされており、シェカブラやクラストが無くなったザラメシーズンに滑走するのが一般的らしい。
そう考えると、まだ厳冬の気配を残す今回は時期尚早だったのかもしれない。
しかし、これまで何度か試みたが天候・雪質等が噛み合わず滑走出来なかったルートなので、完全滑走できたのは嬉しいもの。
今回滑ってみて、条件に恵まれれば良い滑走ルートになることが判ったので、次回はザラメシーズンに再滑走してみたい。
◆熊野岳北面滑走(熊野岳〜八方沢源頭)
2025年3月1日11時9分撮影
熊野岳周辺はシェカブラだらけ。
北面の斜面状態は悪く、熊野岳からスタートしてしばらくはラフな滑走が続いた。
しかし、北面の先に続く樹氷原、そして八方沢の源頭部は面フラットで雪質も良好。
とにかく滑りの良い雪で、滑走前に丹念にワックスを塗ったせいもあってか、やたらスピードが出るのでとても爽快だった。
今回は中丸山方面へ下山する計画なので、八方沢は下山ルートとは逆方向。
なので、滑れば滑るほど下山ルートからは遠ざかり、登り返しが大変になるのだが、あまりの爽快感に中々滑走を止められず。
結果、400mも高度を落としてしまった。
爽快感もさることながら、滑走ルートを取り巻く樹氷原の風景も趣深くて良い。
最初は白くて肉付きの良かった樹氷達が高度を下げるにつれて痩せ細ってゆき、最後は黒い骨(木)だけの姿に変わる。
その衰え逝く様は「諸行無常」、「盛者必衰」、「猛き者も遂には滅びぬ」とでも言うべきか。
ふと、平家物語の冒頭が思い浮かんでしまうような、いとおかしき風景であった。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する