記録ID: 7858297
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雪山ハイキング
槍・穂高・乗鞍
【VR】西穂高岳北西尾根
2025年03月01日(土) [日帰り]



体力度
5
1泊以上が適当
- GPS
- 12:58
- 距離
- 11.5km
- 登り
- 1,940m
- 下り
- 880m
コースタイム
天候 | ど快晴☀️ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
◻︎新穂高~北西尾根取り付き 1:48 新穂高より北西尾根の取り付きに向かい出発。駐車場での気温は-3℃だった。今日はかなり暖かくなる予報。雪崩と雪庇の崩壊には気をつけようと気を引き締めて出発した。林道はトレースがバッチリ出来上がっておりラッセル不要。1時間少しで、北西尾根の取り付きに達した。北西尾根の取り付きは、柳谷にかかる橋を越えたカーブミラーがあるあたりになる(標高1,450m)。北西尾根の記録を調べると取り付くのには何パターンかあるようだが、地形図と現場判断でここからが1番取り付きやすいと思う。 . ◻︎北西尾根取り付き~第1岩峰 試しにツボ足で一歩踏み出してみるが、一気に腰下くらいまで埋まった。たまらずスノーシューを装着。今日はスノーシューとワカン両方を持ってきた(急傾斜尾根での使いやすやを試すため)。まず取り付きが割と急登である。その後尾根は急になったり緩くなったりで、クマザサはすっかり雪に埋まり歩きやすい。過去のレポを見ると、ブッシュが露出している部分があり歩きにくいとあったが、今年は積雪が多く全て雪の下なのであろう。 5:01、標高1,850m地点。スノーシューからワカン+アイゼンに変更。2時間ほどで400mも標高を稼いだことになる。ここまでは単純な急傾斜ラッセルだった。スノーシューで膝下くらいのラッセルだったのでかなり良いペースであろう。気がついたら去年の撤退箇所を超えていた。 6:10、標高2,010m地点。夜明け。ここは幕営地としても良さそうな場所。まだまだ樹林帯の中ではあるが、木々の隙間から背後にはモルゲンに染まる笠ヶ岳が、左手(北側)には南岳の獅子鼻岩が見え元気が出る。相変わらずラッセルは続く。踏み抜き地獄が始まった。 2,400mを越えると樹林帯なのに雪庇やキノコが出現し、体力を削られた。踏み抜きも相変わらず多い。雪庇やキノコはトラバースや巻いて回避できる。しかし踏み抜きはどうにも予測できず、気がついたら踏み抜き、胸くらいまで一気に雪の中。イライラが募った。 9:00、2,520m森林限界に到達。ワカンを外しアイゼンのみに履き替える。西尾根には人が見え、手を振っているように見える。こちらに気がついているのだろうか。森林限界を出てすぐ急な第1岩峰にぶち当たる。ここが核心部と言っても良い。2,500mを越えると尾根は急に狭くなる。第1岩峰の手前には、雪壁が出現する。雪壁の左は立った雪庇。右はほぼ垂直な壁。先週の降雪だろうか垂直な壁に付いていた。夢中に上がってきたため周りの様子をしっかり観察できていなかったことを反省する。試しに直登を試みるが、60~70度はあろうかという傾斜、足を滑らせれば左は西穂沢、右は柳沢へ数百メートル以上の滑落は間違い無しだ。そのため一度数十mクライムダウンし、立木の横にステップをつけ柳沢側からなんとか登った。この核心部を2人で超えるのに30分ほど要した。 . ◻︎第1岩峰~西尾根合流点(ジャンクションピーク) 第1岩峰から先も東側に発達した雪庇とナイフリッジ)が延々と伸びていて気が抜けない。が、こういう過酷でスリリングで険しい道のりに興奮してしまう僕は一層元気がでた。高度を上げるに従い、隣の西尾根が接近してきて、ジャンクションピーク(以下、JP)が近いことがわかる。 第1岩峰からJPまでは、東側に発達した雪庇を避けるように、柳沢側はトラバースするのが良い。西斜面とのこともありクラスト化を期待したが、ハイマツの上に薄いクラスト面がのっている感じであり、踏み抜き多数。危うく何度も滑り落ちそうになる。西尾根と合流するJPの手前は北西尾根の中で最も細い部分。西尾根のトレースが見え安心しすぎないように。視界が悪いとかなり難しくなりそうだ。 10:50、JP到着。 . ◻︎JP~西穂高岳山頂 ここからはもう一般道も同然。トレース通りに進んでいけば間違いない。なぜか温度計が10℃を指していた。直射日光によるものだと思うがとにかく暑かった。左手には西穂高から奥穂高に続く圧巻稜線が見える。厳冬期にその稜線を挑戦するのはいつになるだろうか。西穂高へは何度か岩場を渡る。そして最後は山頂に向けてダイレクトに突き上げて終了!本日ど快晴。風無し。気温高。360度の絶景。我々の北西尾根登頂を祝ってくれているようだ。 . ◻︎西穂高岳山頂~ロープウェイ駅 ここから爆速下山。西尾根を下ろうかと思ったが、なんだかめんどくさくなりロープウェイで😇。独標直下の大渋滞にハマってしまったが、西穂ラーメンは無事摂取。塩分が体に染み渡った。たまらず完飲。 14:46、無事ロープウェイ駅に到着しこの冒険は幕を閉じた。 |
その他周辺情報 | ◆風呂 中崎山荘 奥飛騨の湯 (〒506-1421 岐阜県高山市奥飛騨温泉郷神坂710) 料金:800円(JAF割) https://www.okuhida.or.jp/archives/3311 |
写真
この辺りから雪の下からクマザサが出現
厳冬期の山々に住むカモシカはこのようなササを食べ冬を越す、僕の研究成果より西側斜面は比較的冬季雪が少ないって出てる。カモシカは縄張りを持つ。冬季に積雪が多い地域、力の強いオスがしっかり縄張りとして西側斜面を獲得してるんだろうか?気になる🤔
厳冬期の山々に住むカモシカはこのようなササを食べ冬を越す、僕の研究成果より西側斜面は比較的冬季雪が少ないって出てる。カモシカは縄張りを持つ。冬季に積雪が多い地域、力の強いオスがしっかり縄張りとして西側斜面を獲得してるんだろうか?気になる🤔
撮影機器:
感想
当初は、北西尾根で西穂へ上がり西尾根で下山を予定していた。西尾根は前日人が入っておりトレースは確実。西尾根にトレースがある安心感は半端なく精神的にも楽であった。最悪ロープウェイに間に合わなくてもこの尾根を下れば良いからだ。西尾根のトレース工作とアドバイスをくれたあやさんありがとう。
という当初の予定があったのだが、実際には少し変わった。まずソロではなくなった。そして下山はロープウェイを使った。相方はいつもの相棒”つき”。北西尾根は、つきにとってはかなりギリギリのラインだなと感じていたが、なんとか必死に食らいついてきてくれて助かった。つきのYAMAPのレポには、「ラッセルとルーファイのほとんどを任せてしまって申し訳ない。」とあったが、元々ソロで行く予定+こんなとこに連れてきてしまった、からしょうがない。
個人的な北西尾根の感想。樹林帯の下部は、急傾斜の単純なラッセル(スノーシューで膝下くらい)。中部から上部は、下部のようなラッセルに加えて傾斜はさらに急に(たまらずアイゼン+ワカンに履き替え)、そして尾根も細くなり雪庇も出現、踏み抜き地獄と言った感じだ。
森林限界を越えると、西穂沢側に大きく発達した雪庇が出現。ヤセ尾根で雪庇回避のトラバースに難儀した。
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