石鎚山《日本百名山》
愛媛県
高知県
山キチどん
- GPS
- 14:59
- 距離
- 41.9km
- 登り
- 2,484m
- 下り
- 2,484m
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- 山行
- 8:26
- 休憩
- 1:27
- 合計
- 9:53
- 山行
- 4:30
- 休憩
- 0:36
- 合計
- 5:06
| 天候 | 1日目(5/4)： 晴れのち曇り 2日目(5/5)： 雨のち曇り |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2008年05月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
写真
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天狗岳山頂より
P1577付近より
感想
1日目(5/4)： 晴れのち曇り
今日も快晴、5時丁度に歩き出し面河渓谷沿いに進んだ。下熊渕、上熊渕の絶景を眺めると、いよいよ登山口に達した。石鎚神社の鳥居をくぐり古い石段の道を行く。面河渓は切り立った断崖でここからの登山道も必然的に急登となる。面河渓支流の水源の水場がある霧ヶ迫を過ぎるとまた急登で稜線に駆け上がった。また巻き道になるかと思ったガレ場に意味深な赤テープ、標高から判断するとそろそろ面河山への取り付きだ。物好きが付けたものだろう。ガレ場の上は藪、掻き分けて行くとやはり面河山(1,525m)山頂に達することができた。山頂標識もなく呆気ないが、アケボノツツジの咲く山頂は木の間越しに周りの山々を望むことができた。
面河山を後にして稜線を進むと右手から登山道が合流した。高度が増してきたため樹林に所々隙間が現れ、石鎚山がチラチラと望めるようになってきた。雲一つ無い快晴、やはり石鎚は厳しい山容をしている。アルミ製の愛媛大学小屋を過ぎると格段に展望が良くなり石鎚は面河川（仁淀川）越しに聳えている。登山道は笹原となり西冠岳の麓を巻くように付いている。西ノ冠岳からの谷には雪渓が残り、やせ細って崩壊の危険を感じながら2つ越えた。石鎚方面から2人下りて来た、山頂の小屋で泊まったそうだ。
石鎚が近づき谷の向うには円錐形をした岩黒山が美しい。その隣の筒上山は石鎚に次ぐ存在感を示していた。主稜線に乗り上がる直前で西ノ冠岳方面からの主稜線縦走路と合流した。2年前に歩いた懐かしい道だ。三ノ鎖の下に達し見上げると凄い斜面だ。しかしこの鎖が最も石鎚らしいところで登らない手は無い。自信の無い向きには階段で上る迂回路もある。一つ一つが寄進された鎖でその太さといったら只者ではない。誰も鎖には取り付いていなかったが弥山(1,974m)山頂に達すると居るは、居るは人が一杯。流石は日本百名山! いつもの関西百名山登山とはちょっと違う。山頂には石鎚神社があり登山者に混じって白装束の信仰登山の人達も居て、生きた信仰の山であることを示していた。感謝をこめて参拝し山頂からの素晴らしい展望を満喫した。東の方は2年前に歩いた東赤石から瓶ヶ森に到る稜線が一望、西の方は西ノ冠岳、ニノ森、堂ヶ森の稜線が近い。
実は2年前この山頂に立ったときガスで何も見えなかった。しかも土小屋から石鎚に到る東稜の登り口を見過ごし二ノ鎖まで行ってしまったので石鎚山主峰の天狗岳(1,982m)を通っていない。弥山から行くこともできたが東稜を歩きたく敢えて石鎚山“登頂”をお預けにしておいた。今日は快晴、リベンジの時が来た。天狗岳までは指呼の間で岩場のヤセ尾根を行く。弥山からも何人かが流れてきている。最頂部は人一人が立つのが精一杯の狭さ、山頂標識もあり写真撮影で渋滞している。殆どの人はここから引き返すが、この先の南尖峰(1,982m)を通り、北麓を巻いている登山道に合流する東稜ルートが嘗てあった。南尖峰から下りようとすると2人の登山者が登ってきた。「ここを下りるの! 」と驚いていたが「貴方たちこそ登ってきたではないか」と言いたいところだったが・・・
確かに凄い岩場だ。ここしかないという僅かな隙間に登山道を作ったという感じで穂高の大キレットのように梯子も鎖もないので危険度はそれ以上になっているだろう。こんな稜線でも女性を含む4組の登山者とすれ違いその一人が「以前は要所要所にロープや鎖があったが、危険なので通行禁止にしてそれらをすべて撤去した。」そうだ。矢筈岩(1,846m)を過ぎ、危険地帯から脱する頃登って来た夫婦の足取りは覚束なく、この先の危険を話すと諦めて引き返して行った。南尖峰から1時間、東稜基部で一般登山道に合流。そこには確かに「通行禁止」の看板が立っていた。
ここからは展望の良いハイウェイのような稜線歩き。P1677を巻いて進むと鶴ノ子ノ頭(1,637m)の直下に達した。標高は約1,555m、標高差は80m程だが道はない。しかし登らない手はない! 笹薮に突入し進むと、やがて断崖に稜線が落ち込み行く手を阻められた。仕方がないので東側を迂回し谷間を越えるが、切り立った岩場が連続し稜線に戻れない。直下をトラバースしていると所々に赤テープがある。こんな所にも同好の士はいるものだ。テープに導かれて稜線に戻る事ができた。笹原で景色が広がった。一番高そうな所に立つがなにも無い。更に進むと次のピークにそれはあった。3等三角点「土小屋」、地面から10�僂曚百蕕鮟个傾咾気譴襪海箸發覆�処女の如き姿で佇んでいた。山頂からは石鎚山、岩黒山、筒上山の姿が素晴らしい。ここまで来ると快晴の空に霞がかかり、遠景がスッキリしなくなってきた。
土小屋方面への下り道は稜線上の藪を問題なく歩け北東側を巻いてきた登山道に合流した。左手に国民宿舎への分岐を見送り、車道に出ると土小屋に到った。名前のように泥くさい小屋ではなく。石鎚スカイラインが通る一大観光基地で大方の石鎚登山者は表参道の他、ここを登山口とする。国民宿舎を初めとして宿泊施設も整い観光客も多い。石鎚神社の土小屋遥拝殿が石鎚山を背負って鎮座していた。
岩黒山(1,746m)への登り返しはきつい。1,492mの土小屋からの標高差は250mある。ショウジョウバカマやスミレが咲き、コメツツジやアケボノツツジの蕾は膨らんでいた。花の多い登山道で疲労を紛らすことが出来た。山頂には3等三角点「岩黒山」が置かれ360°の眺め。3組7人が休憩中だった。鶴ノ子ノ頭辺りから霞みだした空は、曇り空となってきた。稜線を南下し丸滝小屋に達した。これは大峰宗覚心寺の道場で一般の利用は出来ない。平成18年縦走の際は、この小屋の前にテントを張った。行政の手によって岩黒山と筒上山への指導標を立てる工事の最中だった。
さらに南下して切り立ったP1596の東を巻いて進んだ。まともに登山道が付けられるような斜面ではなく。鉄製の簡単な橋が避難階段のように連続して筒上山との鞍部に達した。筒上山への稜線の道と巻道が分岐しているが明日反対側から登るので今日は手箱越へと巻き道を行く。登山地図によるとこの巻き道はキレンゲショウマの群生地とあったが、夏の花でまだ花期には早い。
手箱越に到るとお城のような石垣が築かれ目を見張る。それは大峰宗覚心寺の根本道場で丸滝の道場より格段に大きい。そして今夜泊まる避難小屋はと探すが何処にもない! 登山地図には明確に記されていたのに・・・仕方がないので今夜は非常用に持っていたツエルトで寝ることにした。それはさておき今日中に手箱山(1,806m)をピストンしてしまいたい。ザックをデポし1.5�劼瞭残�で険しい所があるかと見込んでいたが、快適な稜線歩きで、25分程で達することができた。3等三角点「手箱山」が置かれその先には手箱山権現の社が鎮座していた。此所まで来ると天気の悪化は決定的で雲が稜線まで降りてきてガスが山頂を包んでしまった。証拠写真だけ撮ってすぐに引き返した。
手箱越では困ったことがもう一つ水場のマークがあり当てにしていたが水もない! 筒上山の巻道に細い水が出ている所があったがそこまで戻るのは大儀だ。手持ちの1.2ℓほどの水で何とか凌ぐことにした。問題は何処にチェルトを張るかだ。乗越し部分と言うのは風の通り道で厄介だ。根本道場は前庭も含めて有刺鉄線で立ち入り出来なくしてある。雨の可能性もあり誰もいなくこれ幸いと有刺鉄線の囲いの破れから侵入し建物に遮られた角に設営、重石には積み上げてあったブロックを借用し、荷物は道場の庇の下に置き、風が冷たくなってきたので16時前には潜り込んだ。連日の疲れから忽ち眠りに落ちてしまった。
風が強くなりバタバタとツエルがはためき、未明には雨が降りだした。何時もザックに入れているがチェルトで寝るのは初めて、余り寝心地のいいものではなかった。特に雨の日は・・・
3日目(5/5)： 雨のち曇り
夜が明けても雨は止まずガスは濃い。今日のルートは殆ど人の歩かない筒上山から南西に続く尾根を行く。先ずは筒上山(つつじょうさん1,859m)に登る。鳥居を潜り急坂を登った。雨で滑りやすくなった岩には石鎚の鎖と同じ形の鎖が40mほど垂れ下がり、これを攀じ山頂に到った。裏側からのルートは険しいが標高差は余りなく15分余りで山頂に達した。山頂には3等三角点「筒城山」が置かれていた。その傍には避雷針の如き神鉾が立っている。少し離れた所には大山祗神社があり、厚い信仰の山であることが覗えた。
さてこれからが問題で南西に続く尾根から笹蔵湿原を通って石鎚スカイラインに下る予定だが濃いガスと強い風そして雨の中、赤テープと薄い踏み跡を見い出したが、獣道も交差しどうも谷を下っているようでルートの確信が持てずあっさり断念し土小屋へと引き返えすことにした。笹蔵湿原はウマスギゴケが一面を覆う景観が見事らしく期待していたのだが・・・・
北に続く稜線ルートは笹が被り歩き辛い。巻き道との鞍部まで1.4�辧�長い尾根で標高差300mを下った。丸滝小屋からは昨日登ったので岩黒山には登らず南西側の巻き道を行き土小屋に7:20に到着した。この季節の石鎚スカイラインは18:00〜翌日7:00まで閉鎖され、しかも雨なのでまだ至って静かだ。雨は未だ降り止まず、風の通り道とあって恐ろしい強風が吹き付ける。バスで面河渓に下りようしたが11:30までなく、雨宿りする所もない。石鎚スカイラインを歩いてもバスより早く下りられるだろう。スカイラインの入口までは17.8キロだ。歩こう!
歩き出すと山陰で風は遮られ下り坂でどんどん捗った。100mごとに距離ポストがあり、9分足らずで10本通過、時速7��/hというところだ。丸滝尾根の先端を乗越すところには石鎚展望の景勝地で広い駐車場と東屋があった。昨日山頂から車が沢山見えたが、流石に今日は1台もない。500mほど標高が下がると金山橋、金山谷を渡る。当初予定していた筒上山南西尾根、笹蔵ルートが林道となってスカイラインと合流する地点だ。車が2台止まっていて、この林道の入口に男性が一人、偵察するように歩いていたが、もう1台は登っているのだろうか? ここまで順調に下ってきたが、道は登りに転じダラダラと3.5�卍�続いた。100m近く登り返して冠山(1,381m)の北を巻いて進んだ。雨が止んで、スカイラインは再び下りとなり面河川に近づくと関門橋に到着した。漸く石鎚スカイラインは終わった。2時間33分、平均時速は6.8��/hだった。途中何台も車が追い抜いて行ったが停まってくれた車が1台あった。乗せて貰う気はなかったが気持ちが有り難かった。
面河渓の駐車場へは、まだ2�匱紊△襦�石鎚山博物館からは遊歩道があり“関門”の素晴らしい風景が眺められる。面河渓は四国カルストの険しい地形の中に静と動を織り交ぜ素晴らしい景観だった。面河渓の景色を楽しみ駐車地点に反対側から戻ってきた。帰りはとにかく温泉へ行きたい。今治市の燧灘に面した湯ノ浦温泉のクアハウス今治に立ち寄った。ここは通常の温泉と違い、水着ゾーンが充実していろいろな設備があるようだが、裸で入る温泉は湯舟一つ露天風呂が一つ申し訳程度のものだった。（入浴料900円）
ゴールデンウィークUターンの渋滞を少しでも避けようと夜まで時間をつぶそうかと思ったが、昨夜12時間も寝たので、そうそう寝る事もできず温泉で3時間近く過ごして16:15出発した。しまなみ街道を走り尾道へと渡海した。瀬戸内の島を縫うように走るこの道は片側1車線で比較的ゆっくり走るので瀬戸内海を満喫できた。山陽道も神戸までは順調に走れたが、中国道との合流ですごい渋滞に嵌り自宅に帰ったのは日付が変る寸前だった。
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