日向山
山梨県
山キチどん
- GPS
- 06:38
- 距離
- 14.3km
- 登り
- 1,739m
- 下り
- 1,739m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 6:01
- 休憩
- 1:11
- 合計
- 7:12
| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2008年11月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| その他周辺情報 | 甲斐駒ヶ岳温泉尾白の湯\700 |
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日向山山頂より
日向山山頂より
感想
朝6時、広くもない矢立岩駐車場にはすでに10台近い車が集まってきた。室内灯を点けた1台以外にまだ動きは無くトップを切って歩き出した。矢立岩登山口の標高は既に1,120mある。日向山の東尾根を一本調子に登ること50分、早くも山頂域に達した。「三角点→」の表示を辿り10mほど入ると3等三角点「日向山」(1,660m)があった。しかし“山頂”はもう少し先になり、樹林帯を抜け北側に飛び出すと風化した花崗岩の砂場が広がる。その中に崩れずに残っている岩が屹立し独特の景観をなしていた。
展望は抜群で歩き回れば粗360度の展望が得られる。北には八ヶ岳、真っ青な空に秋の雲がたなびき素晴らしい。左回りにレンズを向けると昨日登った雨乞岳、白岩岳・釜無山の尾根、今日行く大岩山・鞍掛山越に鋸岳、甲斐駒ヶ岳、黒戸尾根の向うには鳳凰三山、そしてその左後方には富士山の雄姿、御坂山地や奥秩父の山々も見えた。
山頂独占で秋の山々を堪能した後は山頂の支峰にある「大明神」の石碑を見て雁ヶ原へと下った。砂地が続き富士山の砂走りを思わせられる。帰りに使う錦滝への道を左に分岐すると本格的登山道となった。ここまでの登山道はよく整備され、指導標にも「日向山ハイキングコース」とあり錦滝を周回するお手軽ハイキングコースなのだ。この先、鞍掛山、大岩山まで行く人は稀で静かな登山が楽しめそうだ。
出だしのP1622前後は痩尾根で一寸した難所が続き、次の鞍部からは一本調子に登った。大岩山に達するこの尾根は日向八丁尾根と呼ばれ、最初は急登で半ば位からなだらかになり駒岩(2,029m)に到った。小さな山頂標識があるが展望はない。日向八丁尾根の南に飛び出した所に鞍掛山が屹立している。寄らない手はなく赤テープの踏跡を辿り急斜面を100m程下った。鞍部に達すると両側が鋭く切れ落ち深い谷となっている。東側が開けその先には小川山、金峰山、国師岳の奥秩父主稜線の山々が見え意外なことに甲武信岳の隣にある三宝山が小川山と金峰山の間に顔を覗かせていた。
鞍部からの登り返しは恐ろしく急で岩交じりの道を登り詰めた。鞍掛山(2,037m)山頂は登路とは打って変わって穏やかな樹林帯。展望はないが200mほど南東方向に行くと薙ぎの展望地があり、昨日の水晶ナギのような風化花崗岩の地形で素晴らしい展望が得られた。甲斐駒と鋸岳の1峰である烏帽子岳から流れる八丁尾根や鋸岳はますます近く南ア北端部の荒々しさが感じられた。
駒岩への帰りも結構きつかった。山頂に戻ると中年夫婦の登山者が休憩中、鞍掛山へ行くそうだ。「大岩山は? 」と問うと「今回は無理、次回は大岩山だけに行く」という。「気をつけて! 」と言い合って分れた。日向八丁尾根の千段刈と呼ばれる比較的穏やかな尾根なので比較的楽に歩ける。標高が2,100m位になるといつ降ったものだろうか雪が現れだした。前日東京で木枯し1号が吹き、稜線の風は冷たく冬はもうすぐそこまで来ている。しかし樹林帯の中は風が防げて助かる。
歩くこと45分で駒薙ノ頭(約2,230m)に到った。南西方向に僅かに展望が開け、そこから大岩山と烏帽子岳に繋がる八丁尾根への結節点の大きな括れが見えた。これが噂の30m懸垂下降の壁で、大岩山から先、八丁尾根を通り烏帽子岳、三ツ頭を通り甲斐駒ヶ岳に到る岩屋さんのマニアック縦走路の最大の難所がある。
大休止を取っていると寒くなってきた。腹拵えを済まして早々に歩き出した。2,180mの鞍部まで下り140mの登り返しは少々急登で、積雪の密度が濃くなり登山道の日陰の部分は真っ白になっていた。雪を踏みしめて歩くとやがて大岩山(2,319m)山頂に達した。3等三角点「前後大岩」が置かれているが、残念ながら樹林に囲まれ展望はなく、今山行の最高峰だったのに残念だった。この先の八丁尾根へのルートは踏み跡も定かでなく大変な道のようだ。
山頂標識だけを撮影して元来た道を引き返した。駒薙ノ頭、駒岩を越え急斜面の下りに掛かると下りて行く二人連れを発見鞍掛山に行った二人のようだ。大岩山の様子を伝えると「次は絶対に行く」と言っていた。1,622mピークの痩せ尾根を登り返し日向山との鞍部、雁ヶ原に達した。日向山は朝の静けさと様変わりし大勢の人の姿が見え、皆本当にハイキングしかしないのか! 大岩山に行ったのは私一人、鞍掛山まではあの夫婦だけ。後の全ての人は日向山だけのハイキングのようだ。錦滝に向かって下りだすと傾斜はかなりの急勾配で、ロープや梯子もある。もたもたと行く運動靴の人達をどんどん追い抜き下りて行くと、水音が聞こえ始め錦滝に達した。
落差は20m位だろうか滝壺から少し離れた所に東屋があり数人が憩っていたが誰も挨拶しようとしない。もうどうでも良い。ここからは林道となり、この先もまだ続いているが土砂崩壊のため橋を渡った所にゲートがあり通行止めとなっていた。日向山の南麓を巻くように付けられた林道からは対岸の黒戸尾根の紅葉が時々姿を見せる。2.4�劼領啼司發�で矢立岩登山口に帰り着いた。林道にはゲートがあり錦滝まで車は入れないので、登山口の駐車場には車が溢れていた。止めきれなかった車は林道の遥か下に僅かな駐車スペースを求めて止められていた。一体何人登っているのだろう? 殆どの人が日向山周回ハイキングとは情けないことだ。朝一番に出発して良かった。
駐車場で午後のコーヒーを飲み寛いだ後、温泉を目指して出発した。林道を下り国道20号線に出るまでに駒ヶ岳温泉尾白の湯なる大きな施設を見つけた。これが昨日雨乞岳の山頂で地元の人が言っていた所のようだ。尾白名水の森公園（べるが）内に平成18年にできた施設で露天風呂が2種類あり、施設全体が広くゆったりとしていた。（入浴料\700）
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