乗鞍岳《日本百名山》


- GPS
- 07:52
- 距離
- 20.9km
- 登り
- 2,283m
- 下り
- 860m
コースタイム
- 山行
- 7:21
- 休憩
- 0:31
- 合計
- 7:52
天候 | 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
黒川林道の鍵受け渡しの都合から予定していた鉢盛山は明日にして、今日は乗鞍岳に変更した。それも当初の計画では乗鞍高原を4:07のバスに乗る行程だったので別ルートの平湯温泉から登ることにした。
乗鞍スカイラインは平成15年からマイカー乗り入れ規制が実施され静かになった。その代わり平湯温泉あるいは朴の木平からシャトルバスが運行されている。登山客や観光客は相変わらず沢山訪れる。こんな人達を尻目に平湯温泉(標高1,260m)から平湯乗鞍登山道を歩いた。剣ヶ峰との単純標高差は1,800mある。まず途中で会う人はいないだろう。
登り出しは平湯温泉スキー場のゲレンデ歩きで標高差は550mある。今年買ったばかりの昭文社登山地図にはスキー場“跡”と記されていたが、HPを見るとまだ営業しているようでもある。初心者向けコースは比較的なだらかだが中級者向け「湯の平コース」に入ると傾斜が増し、砕石が撒かれていたりして歩き難い。しかしゲレンデは見通しが良く標高が増してくると向かい側の輝山(2,063m)や、乗鞍の四ッ岳(2,745m)を見ることができた。ゲレンデの最上部からは登山道となり、すぐに3等三角点「中根山」に達した。会う人はいないだろうと思っていたのになんと人がいた。金山岩(2,532m)まで行くと云う地元のご夫婦だった。
平湯尾根は笹が覆い被り、朝露に濡れてズボンはびちょびちょ、雨具を着ればと後悔するがもう手遅れ。開き直って濡れ続けた。ほぼ一貫して登り続け金山岩の直前で巻道に入り権現社に達した。平坦な広場がありテント一張り分のお誂えスペースがあった。東に分岐して岐阜長野県境尾根の金山岩、十石山に続く登山道が分岐して行った。此の道はそのまま白骨温泉へと続くが登山地図には書かれていない。当初は乗鞍高原から日の出バスに乗り此のルートを白骨温泉に下山しようと計画していた。
硫黄岳との鞍部へ下るガレ場で前方に硫黄岳が姿を現した。登り返し標高2,400m辺りで森林限界を越え這松帯となった。硫黄岳(2,554m)に登路はなく西側の20mほど下を巻いている。自然保護の観点からはハイマツを踏みつけて山頂を目指すのは気が引けるが、繊細な高山植物でないので強行して山頂に立ったが標識の類はなかった。ガスが上がり始めたが、向かい側の四ッ岳や先の大黒山にはガスが纏わり付いてはっきりしなくなった。
少し下るとまたガスが取れ姫ヶ原・猿飛八丁原の谷間越に四ッ岳が鮮やかに迫ってくる。鞍部に達すると姫ヶ原分岐で平湯大滝を経由して平湯温泉へ至る登山道が分岐するが、今ではこの先の猿飛八丁原までしか行くことができなくなっていた。姫ヶ原分岐の先に笠を広げたような可愛い山が稜線の瘤のようにぽつんとある。これは背の高い這松で覆われた丸山(2,515m)で、登頂は無理かと思われたが回り込んで見ると反対側はガレ場で難なく登頂することができた。足元を見るとコマクサの葉っぱがあちこちにあり2株だけ名残の花を咲かせていた。
丸山からは急斜面をジグザグに登り乗鞍スカイラインに達した。バスとタクシーが時折通る道に「平湯・十石山登山口」と標識があり、振り返ると硫黄岳、金山岩、十石山が横たわっていた。それにしても四ッ岳の存在感は抜群で、縦走路を外れており、しかも登路が無いのが残念だった。
“登山口”のすぐ西に大丹生岳(おおにゅうだけ2,698m)があるがこれも登路がなくハイマツに覆われている。標高差が50m以上あるので諦めてスカイラインを南へと進んだ。尾根の南端で振り返ると尾根が割れ、草付きの谷間に所々ハイマツがある程度、此れなら行ける! と藪漕ぎ突入すると、何となく歩き易いところがあり、「来た人がいる」と感じだ。這松の山頂に標識の類はないが、勿論360°の展望があり、硫黄岳からこじんまりと見えていた烏帽子岳(2,692m)が迫力のある姿で見ることができた。
ここまで登って来てスカイラインの車道歩きとは興を削がれるが、左側には桔梗ヶ原のハイマツ帯が広がり大黒岳へとへと繋がる雄大な眺めは素晴らしい。大黒岳北稜線の登山道は植生保護のため閉鎖されていた。以前に南から登っているので今回はパスし、そのままスカイラインを歩き畳平バスターミナルに達した。マイカーが来なくなって落ち着いてはいるが、そこは一大観光地、レストハウスが賑わっている。そう云えば昨年ここで熊が大暴れし射殺される事件があり友人が緊急閉鎖により登山道で足止めを食ったとか言ってたなあ。今日の畳平に熊はいないようだ。
バスターミナル西の火口湖(亀ヶ池)を取り囲むように恵比須岳(2,831m)、魔王岳、前山(魔王苑地)が連なるが、お鉢巡りが閉鎖され前山、魔王岳のみ登山が可能だ。圧倒的に多い観光客に混じって此の2山に登頂した。残念ながらガスが纏わり付いて火口を見ることはできなかった。畳平に戻り剣ヶ峰登山道へと踏み出した。先ずは国立天文台乗鞍コロナ観測所のドームのある摩利支天岳(2,872m)に登った。この観測所は昭和24年(1949)に設置された施設だが、平成21年度末で使用停止となったようだ。観測所の辺りが最高所だが、山頂標識などはなく、一つ発見したのは第20回国民体育大会炬火採火の地の記念銘盤で昭和40年のことだそうだ。
この辺りまで来るとガスが濃くなり、不消ヶ池(きえずがいけ)が辛うじて見える程度で剣ヶ峰方向は何も見えなくなってしまった。肩ノ小屋までは車道歩きで、此処から漸く登山道となった。しかし観光客もここまで来れば勢いで、サンダル履きのまま登頂を目指している。広い登山道はすれ違いも問題なく蚕玉岳(こだまだけ2,979m)を通過、殆どピーク性のない愛らしい山だ。核心部は一方通行で時計回りに剣ヶ峰(3,026m)山頂に到る。乗鞍岳主峰で日本百名山、乗鞍本宮奥宮がありなんと神職が隅に座っていた。この社の裏に乗っかるように朝日権現社の祠もあるが、信仰登山の人の姿は皆無だった。
下り道では朝日岳に立寄った。ロープが張られ通行止めになっているようだが、人の少なそうな時を見計らって盗人登山、立ち込めたガスが雲隠れに丁度良い。山頂には朝日大権現の祠があり登山禁止の措置は納得がいかない。早足で下山し畳平14:50発の平湯温泉行バスに乗った。途中朴の木平経由の遠回りだが所要時間が1時間も掛り、今日歩いてきた道のりの長さに感慨深かった。今日は縦走路であった1組の登山者と会話しただけで、畳平からは会話はおろか挨拶もろくにしなかった。こんな山域は掠るだけに留めたいものだ。
下山後の楽しみは温泉、有名な平湯温泉も車で混雑しているので、奥の秘湯「神ノ湯」露天風呂に行くことにした。あかんだなPからは一番近く500円で入浴、風呂上がりに500円で岩魚の串焼きを賞味し松本市役所波田支所に向かった。予め申請しておいた黒川林道の鍵を受け取り今日の宿泊地、島々の林道入口に向かった。登山口まで行ってしまうと標高が高く寒いのではと思い標高800mの此の地点にした。(この日はシュラフを持って来るのを忘れた)
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