南ア・神宮川クラカケ沢〜大岩山〜鬼ノ窓、口ノ鬼ノ窓〜黒沢〜雨乞岳
山梨県
まっちゃン
フジ公
- GPS
- 56:00
- 距離
- 19.3km
- 登り
- 2,507m
- 下り
- 2,600m
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7/27；起床(430)発(715)尾根上(900-30)大岩山(1045-1125)鬼ノ窓(1200)口ノ鬼ノ窓(1425-30)標高1420m泊地(1520)
7/28；起床(445)発(650)右俣出合(710)登山道上(930/1100-45)雨乞岳(1010-40)石尊神社(1430)テンホウ発(1615)帰宅(2045)
| 天候 | 概ね晴 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2024年07月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
写真
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装備
| 備考 | ロープ類は不携行だったが、一般の方は持って行かないと半泣きの場面アリ、だろう。 |
|---|
感想
長大な南アの地形図を眺め、特に興味関心を持った場所が3点あり、内二つが鳳凰山石空（いしうとろ）川の略奪点と甲斐駒北に位置する「鬼ノ窓」だった。石空川の略奪点は2005年に成るっさんと大武川から既に踏査している。ただその際「離山」に立ち寄ることなく難渓ミツクチ沢を降ってしまい、石空川側からの再踏査の機会を伺ってはいた。yoneyamaさんの希望もあって当初は夏メイン準備山行�△棒亢�川北沢遡行を計画したが、当のyoneさんがあろうことか痛風に罹って不参加となり、熱望したご当人不在で北沢計画に行くのも気の毒とあって別計画を、と考えて浮上したのが二つ並んだ「鬼ノ窓」だった。計画は作っておくものである（残り一つはここには書かない）。更に「消えた等高線」唐音沢とクラカケ沢のトッピングで繋ごうと考えたが流石に盛り過ぎなので、神宮川クラカケ沢〜大岩山〜鬼ノ窓〜口ノ鬼ノ窓〜雨乞山で二泊三日計画とした。神宮川といえば海外溯行同人のメンバーだった木下君が滑落死した沢であり、2年前の盆に遭難の報を聞いた際にご一緒していたのが偶然にも今回同行のFujiwaraさんであるのも何かの縁かもしれない。関係無いかもしれない。
【7/26】2時起床で7時前に合流後、雨乞岳登山口に車を一台置いて神宮川へ入渓する。大きな堰堤を三つ越し(堰堤間に左から日向沢流入)、現れた滝4,2,7mもひらり越していく。6m滝は左を捲き、ロープの垂れた20m滝の左手を捲き登ると大岩を噛んだ本谷との二俣に着いて一服した。行く先には高く灰白色の壁に遮られた体で涼しげな滝を落とす、左のクラカケ沢を採る。爽やかな連段滝を軽快に登ると展開するのは中アの萩原沢で見覚えある荒々しい景観である。傾斜のあるゴーロを喘登すると中空に水飛沫を散らす100mと記録のある華やかな飛瀑（ヤマレコには「霧ノ滝」とある）が近づいてくる。実際の比高は45m程の滝と見た。暑さも手伝いパンツ一丁になってその滝に打たれる。水行も、頭髪が無いと痛みを伴う行為となり、しばらく続けると毛ではない何かが抜けていく気がする。雑念？邪念？欲得？ 水行中、飛沫の中に鮮やかな虹が浮かんだ。小淵沢の集落が見下ろせる場所だが実際、この場所は中央本線から「濁りの大岩」として蝶型に遠望できるという。クールダウンもできた、服を着て壁に沿って登行し、蟻地獄白ザレ(花崗岩のマサ)を越えてその壁を右へと廻り込んだ尾根からは当の沢音が聞こえた。下降して荷を置き、大滝の落ち口へ。何と！林業用ワイヤー(四分；12��)はあるは、下降したと思しき古びたシュリンゲまでが残置されていた。ロープ不携行のため最接近こそ叶わなかったものの、あの大滝の落口に立てたことに満足した。あんなにも急峻な岩場にポツンと一株咲くクルマユリのオレンジ色が鮮やかだった。戻った泊地では、イタヤカエデの元に付着したコケに一輪の蘭を発見して大いに喜んだ。距はまま長く、花色は違うが葉や萼片、唇弁の形状からウチョウランの変種と見たがどうだろう。クラカケランと命名して良いかもしれない。「macchan90、持って帰らないの？」「も、も、も、持って帰るわけな、な、ないぢゃないですか！」たった一輪だけ咲いていた蘭が目に入った幸運は、仙丈ヶ岳・三峰川遡行時のホテイラン発見以来である。火を焚いて、fujiwaraさんから一昨日の関川夏央氏との対談話を伺いつ呑んだ。蘭の傍に張ったテントに入ったが、この標高にして暑くて寝付けず外でゴロ寝した。
【7/27】ノンビリとした朝を迎えた。泊地からゆっくりとした足取りで登行し、夏道に当てて大岩山まで。ここでトレランマンと会って話した。山に何を求めるのかは人それぞれデスネ。さて、慎重な地図読みをした上で薄藪の尾根を下降し「鬼ノ窓」へ。雑然とした雰囲気の場所だったが、看板なんぞは無くて好ましかった。黒川黒津沢の下降だが断層由来であろう、やたらと左岸壁が立っており灌木下降時にキワドイシーンあり。何せロープも何も持ってこないものだから。同行がfujiwaraセンパイだから鼻摘まんでクリアしたものの、我々のように悪運強さを持ち合わせない人が同行だったらデコピン喰らってたかも。「口ノ鬼ノ窓」の乗越は見た目通りと言えば伝わろうか。こちらは風化した標柱らしきも立ち、風の通る爽やかな鞍部だった。この一帯、けものみちが錯綜しており池内淳子も歩ったかも。行動が8時間を超え、オヂサン達には厳しい時間帯になったが折良くキャンプ場のような広々とした緑の泊地を見つけて荷を放った。タープを張り、焚火の傍らで今宵も大らかに呑んだ。未明には丁度半月の月光が谷間に刺し、幻想的な雰囲気に浸る横でfujiwaraさんの寝言が「そうぢゃないっ」と響いた。
【7/28】金も払わず泊地を発ち、けものみち続く左岸を暫くで今度はキソエビネ、ではなく花期を過ぎた金星蘭らしき群落を発見した。南アだけに、探せば山中にホテイアツモリソウも発見できるのかも知れない。さて、雨乞岳への登路とした黒沢（登山大系には黒津沢とあるも隣沢と重複するし、山と高原図には黒沢ノ頭とあるのでこちらを採用）だが、名に反して白い沢で、これが意外に悪い沢だった。少なくとも迂闊に下降路には採らない方がヨロシイかと。昨日と違ってアッサリと登山道に出て、空身で雨乞岳に立った。その山頂からは芙蓉峰を目にすることができた。下山路に採った鳥原からのこの登山道、素晴らしく歩き易く、名の通りに歴史の染みた路なのだろう。とはいえ、駆け下ることなくカラマツと笹の小径を辿ってゆっくりと下界へと降り立った。
行ってみたい場所に実際に赴く。一見簡単に思えるそんな事が、今の自分には意外に難しい。それも気の合う仲間、センパイと一緒に、となると尚難しい。何事も無く山行を終えて、その有難みを知れた山行だった。今回もいい山だった。
【追】登ってみたい山に、登りたいラインから登り続けてきた平出＝中島ペアのK2での遭難の報を下山して知った。知己でもないが平出氏（出身地が通ったばかりの富士見町！）とは頭髪で勝手に親近感を持ってきただけにお二人の無事を祈りたい。
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そう、今回は天場で呑んで寛いだ時間も含めて好ましい山行でした。大滝も鞍部も、浴びられて越えられて良かったです。
週末 今 私 山小屋仕事いただいてて .....
また 宜しくお願いします。
沢のまっちゃんの記録みると
日本らしい魅力的なルートがいっぱい
御嶽でも感じた事ですが、不思議の一杯詰まった山に出掛けてはその謎の解を求める山登りが身近に叶う日本は本当に素晴らしい国だと思います。濃ケ池川、いつか如何でしょうか。
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