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Yamareco

記録ID: 705387
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
十和田湖・八甲田

【東北遠征5日目】八甲田山(酸ヶ湯⇒仙人岱⇒毛無岱)と八幡平周遊】

2015年08月16日(日) [日帰り]
 - 拍手
ちろる その他1人
体力度
2
日帰りが可能
GPS
04:29
距離
9.6km
登り
706m
下り
709m
歩くペース
とても速い
0.70.8
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
3:59
休憩
0:28
合計
4:27
距離 9.6km 登り 706m 下り 723m
4:09
42
5:03
5:05
2
5:07
5:12
4
5:16
12
5:52
5:53
9
6:10
5
6:15
43
6:58
7:04
2
7:06
7:10
20
7:30
7:31
10
7:41
7:43
7
7:50
5
7:55
7:56
23
8:19
13
天候 八甲田山:早朝濃霧→晴れ
八幡平:晴れ
過去天気図(気象庁) 2015年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
酸ヶ湯駐車場:100台程駐車可能 無料 トイレあり
八幡平見返峠駐車場:登山道近くに有料駐車場 500円
          峠から少し下った所に無料駐車場もありました。
コース状況/
危険箇所等
<八甲田山>
【コース状況】
・雨後は泥濘み、草をかき分けるところもあり雨露で濡れやすい。
・地獄湯ノ沢付近は火山性ガスに注意!
【水場】
・仙人岱の水場は水量豊富で美味しいです。
 しかし水が出ている所と地面が近いので、ペットボトル等に汲むのは苦労しそう。
 カップがあったほうが良いかもしれません。
【トイレ】
・酸ヶ湯公共駐車場
・仙人岱ヒュッテ(無人小屋/防災ヘルメット・救急箱・毛布等あり)
・大岳ヒュッテ (無人小屋/防災ヘルメットあり)
・酸ヶ湯温泉公衆トイレ

<八幡平>
【コース状況】
・危険箇所はありません
 登山というよりは観光地の遊歩道歩きです。
【トイレ】
・八幡平見返峠駐車場(レストハウス内)
・見返峠ガマ沼・八幡平分岐
・陵雲荘
その他周辺情報 <八幡平付近>
【食事】
・八幡平駐車場レストハウス内(源太カレーが名物のようです)
【温泉】
・八幡平御在所温泉はとうの昔に廃業になり、今は何もありませんでした。・
AM4:10 まだ真っ暗闇のなか登山口を出発!
AM4:10 まだ真っ暗闇のなか登山口を出発!
1時間ほど登って、南八甲田が見えるという展望台に到着。しかしガスで何も見えず
1時間ほど登って、南八甲田が見えるという展望台に到着。しかしガスで何も見えず
橋を渡って地獄湯ノ沢を登ります。
橋を渡って地獄湯ノ沢を登ります。
八甲田山は活火山。火山噴火予知連で八甲田も常時監視対象になったこともあり、今のうちに登ってしまおうとここまでやってきた。
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八甲田山は活火山。火山噴火予知連で八甲田も常時監視対象になったこともあり、今のうちに登ってしまおうとここまでやってきた。
湯ノ沢付近は硫黄臭が充満。
湯ノ沢付近は硫黄臭が充満。
すぐ近くには白黄色の付着物が見られた。
すぐ近くには白黄色の付着物が見られた。
登山道脇には沢の流れ
登山道脇には沢の流れ
鬱蒼とした茂みをかき分けていくとようやく広い所に出た。
鬱蒼とした茂みをかき分けていくとようやく広い所に出た。
霧深く幻想的な仙人岱の木道。ここから右手の道に入って仙人岱ヒュッテに寄り道。
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霧深く幻想的な仙人岱の木道。ここから右手の道に入って仙人岱ヒュッテに寄り道。
無人の仙人岱ヒュッテ
無人の仙人岱ヒュッテ
中は3段の寝床と毛布有り
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中は3段の寝床と毛布有り
色々なものが揃っています
色々なものが揃っています
室内の伝言板。灯油は持参なのですね
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室内の伝言板。灯油は持参なのですね
防災ヘルメットに救急箱までありました。噴火対策ですかね。
防災ヘルメットに救急箱までありました。噴火対策ですかね。
ヒュッテを出るとちょうど朝日が顔を出しました。
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ヒュッテを出るとちょうど朝日が顔を出しました。
仙人岱から見る小岳。日の出とともにガスも少し晴れたようです。
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仙人岱から見る小岳。日の出とともにガスも少し晴れたようです。
仙人岱の看板
木道の脇には八甲田清水(辰五郎清水)
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木道の脇には八甲田清水(辰五郎清水)
水量豊富でとても美味しい水でした。
水量豊富でとても美味しい水でした。
小岳・高田大岳分岐通過。目の前には薄っすら大岳の裾野。
小岳・高田大岳分岐通過。目の前には薄っすら大岳の裾野。
ここからしばらくお花畑の中を登ります。
ここからしばらくお花畑の中を登ります。
ガスの中に見え隠れする大岳を目指します
ガスの中に見え隠れする大岳を目指します
池塘のような池もありました
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池塘のような池もありました
開放感のあるお花畑の中、とても気持ちのよい道です。
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開放感のあるお花畑の中、とても気持ちのよい道です。
しばらく進むと背丈ほどの笹を漕いでいく場所もあり。朝露&蜘蛛の巣と最後の格闘!
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しばらく進むと背丈ほどの笹を漕いでいく場所もあり。朝露&蜘蛛の巣と最後の格闘!
ここでようやく森林限界を突破。看板通りに後ろを振り返ってみると…
ここでようやく森林限界を突破。看板通りに後ろを振り返ってみると…
これがアオモリトドマツですかね
これがアオモリトドマツですかね
さてここからは荒涼とした道が続きます
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さてここからは荒涼とした道が続きます
鏡沼を通過
再び濃くなったガスであまり良く見えません
再び濃くなったガスであまり良く見えません
ようやく山頂が見えてきた。あともう少し!
ようやく山頂が見えてきた。あともう少し!
6:20 八甲田大岳に到着!広場のように広い山頂には誰もいません。
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6:20 八甲田大岳に到着!広場のように広い山頂には誰もいません。
複式火山なんですね
複式火山なんですね
三角点と山頂標識。ようやく少し明るくなってきました。
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三角点と山頂標識。ようやく少し明るくなってきました。
目の前に見えるのは小岳でしょうか。なんだかこちらよりも高い気がしますw
目の前に見えるのは小岳でしょうか。なんだかこちらよりも高い気がしますw
ほんのちょっとだけ、南東の景色が見えた。
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ほんのちょっとだけ、南東の景色が見えた。
30分近くあそんで山頂を出発
30分近くあそんで山頂を出発
6:50 下り始めた途端辺りが明るくなった
6:50 下り始めた途端辺りが明るくなった
眼下には井戸岳と大岳ヒュッテが見えてきた
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眼下には井戸岳と大岳ヒュッテが見えてきた
7:00 大岳ヒュッテ到着
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7:00 大岳ヒュッテ到着
大岳方面を振り返ってみると青空!/(^o^)\ナンテコッタイ
大岳方面を振り返ってみると青空!/(^o^)\ナンテコッタイ
ヒュッテの中に入ると、広い土間にベンチと、2階建ての部屋
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ヒュッテの中に入ると、広い土間にベンチと、2階建ての部屋
1階の部屋を覗いてみると、ここにもヘルメットと何故か食料。それにしても素敵な小屋だ。
1階の部屋を覗いてみると、ここにもヘルメットと何故か食料。それにしても素敵な小屋だ。
10分程室内を探検した後は、毛無岱方面へ歩き出します。
10分程室内を探検した後は、毛無岱方面へ歩き出します。
今回の山行ではウメバチソウをよく見かけました。
今回の山行ではウメバチソウをよく見かけました。
30分程下ると上毛無岱の木道が見えてきた。
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30分程下ると上毛無岱の木道が見えてきた。
展望デッキから北八甲田を眺めますが、すっぽりとガスの中です。
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展望デッキから北八甲田を眺めますが、すっぽりとガスの中です。
デッキの近くには丸沼
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デッキの近くには丸沼
丸沼アップ
もう一度北八甲田を振り返りますが、やはりガスは取れ無いので諦めて出発。
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もう一度北八甲田を振り返りますが、やはりガスは取れ無いので諦めて出発。
そして上毛無岱から10分程で下毛無岱が見えてきた。
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そして上毛無岱から10分程で下毛無岱が見えてきた。
下毛無岱に向かって、長い長い階段を下っていきます。
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下毛無岱に向かって、長い長い階段を下っていきます。
そして8:00下毛無岱に到着。ここから見えるのはロープウエイ駅と田茂萢の稜線のみ。
そして8:00下毛無岱に到着。ここから見えるのはロープウエイ駅と田茂萢の稜線のみ。
あとはひたすら酸ヶ湯温泉まで下っていきます。道中、城ヶ倉への分岐に差し掛かる。
あとはひたすら酸ヶ湯温泉まで下っていきます。道中、城ヶ倉への分岐に差し掛かる。
城ヶ倉方面はあまり歩かれていない様子で道が狭かった。
城ヶ倉方面はあまり歩かれていない様子で道が狭かった。
分岐から10分も歩くと、ようやく酸ヶ湯温泉が見えてきた。その先には公共駐車場に右端にはキャンプ場も見えていた。
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分岐から10分も歩くと、ようやく酸ヶ湯温泉が見えてきた。その先には公共駐車場に右端にはキャンプ場も見えていた。
最後に山道をガッツリ下って…
最後に山道をガッツリ下って…
酸ヶ湯温泉登山口に到着!
酸ヶ湯温泉登山口に到着!
8:40だが朝から賑わう酸ヶ湯温泉。
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8:40だが朝から賑わう酸ヶ湯温泉。
建物の奥には大岳が見えるはずなのだが、まだガスの中…
建物の奥には大岳が見えるはずなのだが、まだガスの中…
公共駐車場から見た北八甲田。やはり大岳だけ雲の中
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公共駐車場から見た北八甲田。やはり大岳だけ雲の中
駐車場で車に乗って
駐車場で車に乗って
キャンプ場に戻りテントを撤収。
キャンプ場に戻りテントを撤収。
その足で睡蓮沼に寄り道。
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その足で睡蓮沼に寄り道。
やっと見ることが出来た北八甲田山!ようやく満足する景色が見られた♪
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やっと見ることが出来た北八甲田山!ようやく満足する景色が見られた♪
城ヶ倉大橋を渡り、黒石ICを目指します
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城ヶ倉大橋を渡り、黒石ICを目指します
どこまでも続く山深さ
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どこまでも続く山深さ
高速に乗り、本州最北のSAである津軽SAで休憩
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高速に乗り、本州最北のSAである津軽SAで休憩
SAからの岩木山。結局この旅で岩木山の山頂を見ることは一度もなかった。
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SAからの岩木山。結局この旅で岩木山の山頂を見ることは一度もなかった。
12:00 八幡平駐車場に到着。というか、そう高くない稜線上に見返峠のトイレが見えているw
12:00 八幡平駐車場に到着。というか、そう高くない稜線上に見返峠のトイレが見えているw
12:05 登山口出発
12:05 登山口出発
歩きやすい石畳。登山道というよりは観光地の散策路です。
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歩きやすい石畳。登山道というよりは観光地の散策路です。
10分程でトイレのある見返峠展望台を通過。まだ時間もあるので八幡沼を周回して山頂を目指すことにした。
10分程でトイレのある見返峠展望台を通過。まだ時間もあるので八幡沼を周回して山頂を目指すことにした。
展望台からの眺め。眼下に見える建物は藤七温泉。左端の雲がかかっている辺りに岩手山が見えるはず。
展望台からの眺め。眼下に見える建物は藤七温泉。左端の雲がかかっている辺りに岩手山が見えるはず。
そして歩くこと10分で八幡沼が見えてきた。
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そして歩くこと10分で八幡沼が見えてきた。
辺りには池塘が点在
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辺りには池塘が点在
八幡沼越しに陵雲荘を眺める
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八幡沼越しに陵雲荘を眺める
八幡沼をぐるりとまわって源太分かれから陵雲荘を目指す。目の前に見える小高い丘の最高点が八幡平の山頂。
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八幡沼をぐるりとまわって源太分かれから陵雲荘を目指す。目の前に見える小高い丘の最高点が八幡平の山頂。
12:38 陵雲荘
ガマ沼へ行く途中のベンチから見た八幡沼
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ガマ沼へ行く途中のベンチから見た八幡沼
ガマ沼天望デッキからの八幡沼と陵雲荘
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ガマ沼天望デッキからの八幡沼と陵雲荘
そしてこちらがガマ沼
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そしてこちらがガマ沼
少し離れたところからのガマ沼
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少し離れたところからのガマ沼
さて、そろそろ山頂へ。
さて、そろそろ山頂へ。
ガマ沼から5分程で山頂に到着。展望のない山頂にやぐら…まるで恵那山みたい。
ガマ沼から5分程で山頂に到着。展望のない山頂にやぐら…まるで恵那山みたい。
山頂は人多すぎで、人の流れが切れるのを待っていたらいつまでも写真が取れません。
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山頂は人多すぎで、人の流れが切れるのを待っていたらいつまでも写真が取れません。
展望やぐらからの景色。
展望やぐらからの景色。
シラビソの中の道。帰りはこちらからメガネ沼経由で下ります。
シラビソの中の道。帰りはこちらからメガネ沼経由で下ります。
最初に現れたのがメガネ沼。登山道から見るとよく分かりませんが…
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最初に現れたのがメガネ沼。登山道から見るとよく分かりませんが…
展望台から見ると、奥に沼がもう1つあって、まるでメガネのようになっています。
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展望台から見ると、奥に沼がもう1つあって、まるでメガネのようになっています。
そして次は鏡沼
青い空が映りこんできれいです。
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青い空が映りこんできれいです。
そして最後に不思議な凹地。覗きこんでみたけどよく見えませんでした。
そして最後に不思議な凹地。覗きこんでみたけどよく見えませんでした。
そして約1時間の散策は終了!登山というよりは観光地散策でした。殆ど登った記憶がないw
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そして約1時間の散策は終了!登山というよりは観光地散策でした。殆ど登った記憶がないw
さて、駐車場へ戻ります。
さて、駐車場へ戻ります。
因みに駐車場前の峠は、秋田と岩手の県境です。
因みに駐車場前の峠は、秋田と岩手の県境です。
駐車場の展望台から八幡平を見るが、ここから山頂は見えない
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駐車場の展望台から八幡平を見るが、ここから山頂は見えない
岩手山方面はやはりガスの中。
岩手山方面はやはりガスの中。
盛岡へ戻る途中、岩手山SAからの岩手山。この旅2日目に登ったのだが、既にもう懐かしい。
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盛岡へ戻る途中、岩手山SAからの岩手山。この旅2日目に登ったのだが、既にもう懐かしい。
盛岡に戻り、レンタカーを返却する前に食事。初日から気になっていたローカルファミレス『南部家敷』で食事。天候に恵まれない日もあったが、楽しかった5日間が終わった。
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盛岡に戻り、レンタカーを返却する前に食事。初日から気になっていたローカルファミレス『南部家敷』で食事。天候に恵まれない日もあったが、楽しかった5日間が終わった。

感想

前日の記録はこちら↓ 東北遠征4日目 弘前〜十和田湖〜奥入瀬渓流〜酸ヶ湯温泉
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-701463.html


【東北遠征5日目 八甲田山と八幡平】

お盆休暇を利用した東北遠征もいよいよ最終日。
2日目に岩手山と一緒に登る予定だった八幡平でしたが突然の夕立で登り損ね、その後もずっと雨が続いたので、最終日で晴れ予報のこの日に八甲田山と八幡平の2座を登ってしまおう!という計画のもと、慌ただしい1日が始まった。

そんな訳で気合を入れてAM3:00起床。
キャンプ場はAM11:00チェックアウトなので、テントを張りっぱなしにしてとりあえず出発…周りの迷惑にならないよう酸ヶ湯登山口の駐車場へ移動してから登山準備を始めた。
そして4:10登山口を出発。
歩き始めはまだ真っ暗闇…辺りは湿度の高い重い空気が充満し、どんよりとした黒い雲が空を覆い尽くしていた。昨夜は雲の隙間からときどき星も見えていたし、これから晴れる予報なのに…この調子じゃ展望は望めないかな…と少々重い足取りになる。
しかし酸ヶ湯駐車場から仙人岱までの登山道はよく整備されて歩きやすかった。
鬱蒼とした樹林帯でほとんど展望はなかったが、雨で抉られ溝になった部分にはふわふわのマットが敷かれていて、それがまた足に優しくて心地よかった。
そして何の変化もない樹林帯を1時間ほど登ると、ようやく視界が開けて地獄湯の沢に出た。ここからは南八甲田山の山並みが見えるそうだが、辺りは真っ白!ガスガスで何も見えなかった。
さてこの頃にはもう明るくなっていたので、ヘッドランプを外し、朝露対策で着ていたレインウエアを脱いで身軽になった。が、これがまた失敗!沢に出たのでもう草地はないものと思っていたが、それは一時的なもので、その後も水分を多く含んだ草むらをかき分けながら進まなければならず、思いの外濡れまくった。
また、この日このルートを歩く初めての第一登山者だったのか、登山道には蜘蛛の巣がいっぱい!ぼ〜っと歩いていると顔に張り付いてくるので、何度も手で振り払いながら歩くほかなかった。
さて、地獄湯ノ沢に沿って岩がゴロゴロした荒涼とした道を登っていきます。相変わらず視界が悪くて何も見えないけど硫黄の匂いが物凄い!辺りに漂うガスは濃霧か?それとも火山性ガスか?八甲田では自衛隊など火山性ガスで何人か命を落としているので、黙々と足早に通過した。
そして湯ノ沢のガレ場を過ぎて、再び朝露まみれの草をかき分けながら登って行くと仙人岱に到着!登り始めてちょうど1時間20分。ほぼコースタイム通りだった。
さてここで時間もないのに仙人岱ヒュッテに寄り道。通る人が殆どいないのかヒュッテまでの道は一層草深く、蜘蛛の巣もたっぷりでしとどに濡れるハメになった。
そして仙人岱ヒュッテを探索。ここは無人の小屋ながらしっかり管理されている様子で、ストーブや鍋、それに毛布・防災ヘルメットに救急箱も常備されていた。
さてヒュッテを出ると、小岳の肩からちょうど朝日が顔を出してきた。と同時に辺りを覆っていたガスも晴れて少し晴れ間も見えてきた。少し嬉しくなりつつ、近くにある水場『八甲田清水(辰五郎清水)』で喉を潤して歩き出す。ここの水は麓の酸ヶ湯温泉の蕎麦店でも昨日飲んだが、雑味無しというかクセのない水でとても美味しかった。
その後は木道を歩き、小岳・高田大岳の分岐を過ぎて大岳を目指す。
余談だが、当初は酸ヶ湯から毛無岱を登り、大岳→小岳→高田大岳→谷地温泉→バスで酸ヶ湯へ戻る、という計画だった。連日の雨のため最終日に八幡平と2座登る計画に変更し今回はこのような短縮ルートになったが、やはり高田大岳まで縦走してみたかったな~という思いもあった。
さて、小岳分岐を過ぎると大岳が目の前に見えてきた。しかもガスも薄くなって朧気にそのシルエットを浮かび上がらせていた。徐々に回復する天候に高まる期待!分岐からも半分藪こぎに近い笹道が続くが、辺りのお花畑や池が疲れを癒してくれた。
そしてアオモリトドマツの樹林帯を抜けると、いよいよ大岳山頂までのラストスパート!今まで散々悩ませていた濡れた草も無くなり、荒涼とした赤岩がゴロゴロとした登山道をひたすら登ります。と、ここで後ろを歩いていた相方が「先に行って山頂で待ってるわ」といって足早に追い抜いていった。まるで「今まで露払いご苦労」と言わんばかりのタイミングが可笑しかった。それにしても森林限界を越えて辺りに遮るものは何もないし、晴れていたらきっととてもよい景色なんだろうな~。
そうして6:20頃、八甲田山大岳に到着!
小岳分岐では晴れそうな勢いだったのに、未だ山頂はガスに包まれて真っ白…なにも見えない!とりあえずおにぎりを食べたり記念撮影をして時間をつぶすも、時折ガスが薄くなって空が明るくなるだけ…上空に青空が見えるタイミングもあったが、完全に晴れるまではまだまだ時間がかかる雰囲気だった。
そして誰もいない山頂で30分程遊んだあとは毛無岱方面へ下山。時間があればガスが晴れるまで粘っていたかもしれないが、これから八幡平に寄り道して東京まで帰らなければならないので、後ろ髪を引かれながら下り始めた。
とりあえず大岳ヒュッテまで下りると、標高が下がったからなのかガスも取れて辺りも明るくなってきた。目の前には井戸岳がはっきりと見え、そして後ろを振り返ってみると……な。なんと大岳方面も晴れているっ!ほんの10分!あと10分粘ってさえいたら、ガスが晴れて景色が見えたのにぃ〜!!
悔しい気持ちを抑えこみ、ひとまずは辿り着いた大岳ヒュッテの探索。
ここはログハウスのとてもきれいな小屋。トイレも綺麗!ここに住めと言われたら住める…というかここに住みたい!と思わせる小屋だった。そして仙人岱ヒュッテ同様に防災ヘルメットなども置かれていた。
さて、そろそろ時間も押してきたので、楽しみの一つだった毛無岱へと向かいます。
大岳ヒュッテから西へ向かい、長い長い階段を降りて毛無岱へ……花の時期は終わってしまったけど、キンコウカが晩夏の湿原を黄色く染めていました。そしてもうひとつ楽しみにしていた風景はというと、やはり八甲田付近はガスにすっぽりと覆われな裾野しか見えず。それでもロープウェイ駅と田茂萢岳方面だけは見ることが出来た。
そして上毛無岱・下毛無岱とそれぞれの展望台で景色を楽しみ、いくつかの長い階段を下って酸ヶ湯温泉へ下山。城ヶ倉温泉への分岐を過ぎると傾斜も緩くなって歩きやすい道になったので、少々小走りになりながら酸ヶ湯温泉を目指す。この頃になると登り始めた他の登山者と多くすれ違うようになった。「もう登ってきたの?早いね〜何時から登ったの?」「……4時から」「朝のうちはガスガスで何も見えなかったでしょ?」という会話を幾度か繰り返す。やはりみんな晴れるのを待って出発したのだろう…私も時間があればそうしたかったよぉ〜!
そんなこんなで8:40酸ヶ湯温泉に到着!相変わらず大岳の姿は見えないものの、下界は晴れてすっかり良いお天気になっていた。
ところで酸ヶ湯温泉の売店は7:00開店。ここで昨日予め決めておいたお土産をサクッと購入しそのままキャンプ場へ。そして焼けるような日差しの下そそくさとテントを撤収し八幡平へ移動…と、その前に、昨日2回も行ったにもかかわらずにガスで見ることの出来なかった景色を見ようと睡蓮沼に寄り道。そして3度めの正直でやっと…やっと念願の八甲田山を見ることが出来た!あんなにしつこく残っていた山頂のガスも全て消え去り、それはもう本当に絵のような眺め!最後に文句のつけようのない美しい姿を見ることが出来て心残りなく満足して八甲田を後にすることが出来た。

さて酸ヶ湯から城ヶ倉温泉方面へ車を走らせ城ヶ倉大橋を渡る。この辺りでは観光客が沢山いて写真を撮っていたのだが、何かの名所なのだろうか?
そして黒石ICから高速に乗り、途中本州最北のSAである津軽SAエリアでコーヒータイム。サービスエリアから岩木山が目の前に見えたが、これだけ天気が良くてもやはり山頂部分は雲に隠れたままだった。岩木山とはよほど縁がないらしいw
その後、2日前に一夜を明かした花輪SAを懐かしい目で見ながら通過し、鹿角八幡平ICから一般道へ。当初宿泊する予定だった大沼キャンプ場や、後生掛温泉・蒸の湯温泉を通り過ぎて行き、八幡平アスピーテラインに入ると、峠を攻めるライダー達やヒルクライムの自転車集団と一緒になりながら、八幡平を目指して九十九折の道をクネクネと登って行った。

そしてちょうど12:00頃、八幡平見返峠の駐車場に到着。
近くに無料駐車場があるとは知らずに、一番近いレストハウス前の有料駐車場(500円)に停めてしまった。
そして眩しい日差しのもと八幡平登山口を出発。というか、ここはもう登山というより観光地の遊歩道そのもの。オシャレなカップルが歩き、家族連れの子どもたちがはしゃぎ回り……どちらかというと八甲田山から登山装備のままやってきた私達のほうが浮いていた(笑)
さて、予定では最短コースをピストンするだけだったのだが、青森からの移動がスムーズだったのか少し時間に余裕ができた。なので八幡沼を経由して山頂を目指すという周回コースに変更。約1時間ほどのコースだったが、心地よい風に吹かれての散策路歩きは、旅の最後にふさわしい楽しい夏の思い出となった。
そして下山後はレストハウスで「名物源太カレー」を2人で分けあい食べて、急いで八幡平を出発。
時刻はもう13:00過ぎ。このあと温泉に入って盛岡まで移動し、出来れば17:00頃の新幹線に乗りたいということで先を急ぐ。はじめは藤七温泉に行くつもりだったのだが、少しでも時間を無駄にしたくないと、盛岡へ向かう途中にある御在所温泉へ向かった。しかし御在所温泉という看板はあるのだが、周りに温泉施設のようなものはなく、新しく温泉でも掘るのか掘削工事をしている最中だった。あとで調べてみると、御在所温泉として営業していた八幡平ロッジみどりの湯は、もう何年も前に廃業になっていたらしい。
その後温泉は諦め、松尾八幡平ICから盛岡へ。
そして東北遠征最後の締めくくりとして、初日からよく見かけて気になっていた盛岡市街のローカルファミレス「南部家敷」で食事。もっと郷土色豊かなメニューかと期待していたが、まぁ普通のファミレスといったところ。そんな失敗も旅の思い出(笑)

その後はレンタカーを返却し、盛岡始発17:06発のはやぶさに乗り込んで東京を目指した。お盆休みの最終日ということもあり指定席は満席。立ち乗り乗車券しか入手できず仙台から東京まではデッキに立って帰るはめになったが、その区間はノンストップで1時間程度の乗車時間だったので、想像していたよりは随分と楽だった。というか、盛岡から2時間20分で大宮に着くなんて新幹線速すぎっ!福島の実家に帰るよりも速いってどういうこと!?

そんなわけで東北遠征5日間の旅は終了。
今回は天気が不安定な日が多く、天気予報とにらめっこしながら計画を大幅に変更しての旅だったが、それでも何とか無事に行程を終えることが出来て本当に良かった。
色々観光もしたし、とても充実した楽しい夏休みだった。
今度は季節を変えてまた訪れてみたいと思います。

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