朝日連峰 大朝日岳周回(根子~古寺鉱泉~小朝日岳~大朝日岳~西朝日岳~竜門山~日暮沢小屋)


- GPS
- 33:56
- 距離
- 36.7km
- 登り
- 2,284m
- 下り
- 2,283m
コースタイム
- 山行
- 9:36
- 休憩
- 2:06
- 合計
- 11:42
天候 | 4日:晴れ 5日:雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2015年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
古寺鉱泉までは除雪されていないので車道と林道を歩いて登山口へ向かいます。 尚、日暮沢小屋方面も除雪されていないので、日暮沢コースから登る場合も、 同じ地点からのスタートとなります。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
登り:古寺コース、下り:日暮沢コースを利用し、大朝日岳を周回した。 両コース共に登山者は少なく、2日間、山中では誰とも会わなかった。 体力的な辛さではどちらのコースも同じ程度(どちらも辛し)だが、 危険度については、日暮沢コースの方が高い。 ユーフン山周辺での亀裂への落下や、根子川林道での雪崩には要注意。 ●根子集落〜古寺鉱泉 古寺鉱泉までは除雪されておらず、根子集落の除雪終了点からスタート。 除雪が行われるのは例年であれば4月下旬〜5月上旬。 それまでの期間、古寺鉱泉までは徒歩でのアプローチとなる。 車道と林道、合わせて8km以上のアプローチとなるが路上にはスキーや スノーモービルのトレースがあり、早朝の気温の低さもあってあまり足は沈まず。 それほど負荷は感じず、2時間半程度で古寺鉱泉に到着した。 古寺駐車場から古寺鉱泉に続く沢沿いの道は雪壁となっており通過できないので、 駐車場側から巻いて通過した。 ●古寺鉱泉〜古寺山 古寺鉱泉の裏手側から尾根に取り付く。 最初から急登となるが、尾根上に上がれば傾斜は緩み楽になる。 尾根上には夏道が出ており、合体の木から先は再び雪道になった。 この日は気温が高く雪質はシャーベット状。 ツボ足だと沈むので大部分はスノーシューで進み、傾斜が厳しくなる古寺山尾根 への登りでアイゼンに履き替えた。 古寺山の尾根上に上がるまでは雪原状の広尾根が続くので道迷いに注意。 ハナヌキ峰は夏道と同じくトラバースして通過するが、ハナヌキ峰上部には 雪庇が出来ているのでブロック崩落に注意。 また、新雪直後だと表層雪崩の恐れもあるので、雪崩にも要注意。 雪崩を警戒するのであればP1196mに登って尾根通しで通過するのが安全だが… ピーク付近には雪庇が発達しているので、尾根通しでの通過は現状では難しい。 古寺山へ続く尾根に登った後は雪庇帯を進む。 雪庇と亀裂が多い尾根なので、踏み抜き注意。 現状では、雪庇は多いが、亀裂はまだそれ程目立っていなかった。 尚、大朝日岳ピストンの際は、下山で道を間違えやすく、 古寺山尾根を降りる地点が判らなくなる場合があるので、 尾根に上がった地点に赤旗等の目印を立てておく事を勧める。 ●古寺山〜小朝日岳〜大朝日岳 古寺山から小朝日岳までは引き続き雪庇帯が続くので踏み抜き警戒継続。 小朝日岳の通過にはトラバースルートと直登ルートがあるが、 トラバースルートは雪崩の危険があるので、今回は直登ルートを選んだ。 小朝日岳山頂から大朝日岳方面への下降は途中までは夏道通しで進み、 中位からは夏道を逸れて、北側を巻いて下降した。 小朝日岳を下りきった後は、稜線上を進みたいところだが・・・ 小朝日岳を下った先の稜線上には「熊越」と呼ばれるコルがあり、 コルの先はヤセ尾根の雪庇帯が続くので稜線上を進むのは危険。 すぐに稜線上へは上がらず、しばらく北巻きトラバースを継続し、 雪庇帯を過ぎて広尾根になる箇所で稜線に上がった。 北巻きのトラバースでは入リソウカ沢への滑落と雪崩に注意。 出来るだけ早く通過し、稜線上へ上がるようにしたい。 稜線上に上がれば、後は大朝日岳まで危険な箇所は無い。 大朝日小屋は1階から出入可能。 トイレは冬期用が開放されており、利用可能。 水場(銀玉水、金玉水)は未確認だが、この時期はまだ利用できないだろう。 積雪期は無人小屋なので、利用料金1500円は料金箱へ納める。 ●大朝日岳〜西朝日岳〜竜門山 2週間前のレコと状況はほぼ一緒。 http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-603842.html 融雪が進んだ事で稜線上には亀裂が増え、 西朝日岳から竜門山方面は一部夏道が出ていた。 ●竜門山〜ユーフン山〜清太岩山〜日暮沢小屋 2週間前と比べてユーフン山の亀裂が増えている。 5mクラスの巨大な亀裂も出来ており、もし落ちたら自力脱出は困難。 助けを求めようにも、この時期の朝日連峰に登山者は少なく助力は期待できない。 ソロでの危険性が、より一層高まった。 ●日暮沢小屋〜根子集落(根子川林道) 2週間前と大きく状況が変わり、雪崩の危険性が増している。 林道通しで進むのは危険なので、場所によっては林道を迂回して通過。 迂回できない箇所は雪崩のリスクを覚悟の上で通過しなければならないので、 そのような箇所では出来るだけ迅速に通過を。 たかが林道、とは侮れず。 この林道歩きが今回の山行の中でも最も危険を感じる箇所だった。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
ゲイター
バラクラバ
着替え
靴
ザック
ザックカバー
サブザック
アイゼン
スノーシュー
ピッケル
行動食
非常食
調理用食材
飲料
水筒(保温性)
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
針金
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ナイフ
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
ロープ(30m)
ハーネス
スリング
カラビナ
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感想
2週間前に訪れた朝日連峰の盟主 大朝日岳。
その時は日暮沢コースからの登頂であったが、今度は別コースの古寺コースから
登ってみた。
古寺コースは、無雪期であれば大朝日岳へ最短で登れるコースであるが、
積雪期は登山口である古寺鉱泉までの道は雪で閉ざされ、徒歩でのアプローチ。
そのアプローチは8Km以上はあり、日暮沢コースよりも長くなる。
また、登山ルートの途中に竜門小屋のような中継基地が存在しないのも辛いところ。
日没まで大朝日小屋まで到達できない場合は幕営せざるを得なくなるので、
日暮沢コースよりもコースタイムがシビアになる。
私の場合、雪山での幕営にはあまり抵抗は無いのだが・・・
週末の天候は微妙なところで、土曜は快晴となるが、翌日の日曜は雨になる。
雨の中での幕営はしたくないので、初日の目的地を大朝日小屋とし、
日没前には到着出来る様、やや急ぎ足で古寺コースを進んでいった。
終盤はへばり気味であったが、頑張った甲斐あって午後4時には大朝日小屋に到着。
しばらく小屋で休憩してから本日のフィナーレ、大朝日岳へと向かった。
そして、夕方になり山々が紅に染まりだす頃、大朝日岳に登頂。
そこから見える白峰の大展望は、2週間前と変わらず雄大にして美麗。
山の景色が素晴らしいのはもちろんだが、その日は月も印象的だった。
蔵王上空に浮かぶ満月は仄かに赤く染まっており、少し不気味に輝いている。
まるで異変の前兆のようだ、と思ったものだが、その予感は当たっていた。
下山後に知ったのだが、その夜は21時頃から皆既月食だったらしい。
もし事前に知っていればその夜は天体観測に耽っていたはずだが・・・
そうとは知らず、早々と寝てしまった><
夕方時点ではきれいに満月が見えていたので、朝日連峰からも月食が見れたはず。
今となっては後の祭りであるが、惜しい事をしたものだと悔やまれる。
そんな状況とはつゆ知らず、平穏に夜は過ぎて行き、朝まで熟睡。
全く、平和なものである(-_-;*)
翌日の日曜日は、予報通り朝から雨だった。
大朝日小屋の周辺はガスで包まれ、昨日の様な眺望はもはや無し。
小雨降る中、淡々と主稜線を進み、竜門山から日暮沢コースを辿って下山した。
雪山での雨は嫌なものであるが、雪にならなかったのは安心した。
今の朝日連峰では、降雪が最も恐ろしい。
雪崩の危険もあるが、今の時期は山のあちこちで大きな亀裂が発生している。
その状況で雪が積もると、亀裂を塞いでしまうので目視する事が困難になる。
雪崩の場合は、発生箇所を知っていればある程度は対処出来るが、
見えない亀裂の場合は対処のしようが無い。
特に、これから通過するユーフン山の状況は凄惨だ。
深さ5mはありそうな亀裂があちこちに存在し、その亀裂は登山ルート近傍まで迫っている。
もし、この亀裂が見えない状態だったら・・・
そう思うとぞっとする光景であった。
ユーフン山を通過し、日暮沢小屋まで下山したが、そこから先の状況も凄まじい。
2週間前に通過した時は安定していた根子川林道であるが、その時と状況は大きく変わり、
あちこちで雪崩が発生している。
危険な雪はまだ落ち切っておらず、これから雪崩そうな箇所も多数ある。
特にダム周辺のデブリ帯では、更に雪が堆積した事で急なトラバースとなっており、
川側への滑落と上部からの雪崩の両方に気を使いながら突破せねばならず、
プレッシャーを感じさせられた。
「今年の朝日連峰は雪が多い。」
入山前、根子集落で会った地元の方がそう仰っていたが、確かにその通り。
3週連続で朝日連峰を訪れたが、つくづくそう感じさせられる。
稜線上はそれ程でもないが、麓側はとにかく雪が多い。
過去に残雪期の朝日連峰には何度か足を運んでいるが・・・
その中でも、今年は最も雪が多い年かもしれない。
これから先の融雪状況にもよるが、この分では5月になっても手強い山となりそうである。
堪能させてもらいました
日本海の輝く夕景色も見事
それにしても皆既月食は惜しい事をしましたね
帰ってから気付くあたりがLuskeさんらしいのかな
翌日の霧の中、淡々と歩かれてますが、あの状況でと、これもらしいですね
お疲れ様でした。
今回は、実に惜しい事をしました
普段、あまりニュースを見ないもので・・・
山の情報だけでなく、世間一般の情報もチェックしておかないといけませんね><
次の皆既月食は4年後、2018年1月31日だそうですね。
その時、もう一度トライしてみますか!
でも、1月の朝日連峰は・・・
ちょっと無理ですかね^^;
寒さも厳しいでしょうから、下界で鑑賞しようかと思います
おはようございます。
冬の朝日連峰の写真を見れありがとうございます。
土曜日は良い天気でしたが日曜日が・・・。
3/21と比べると雪解けも始まり少しずつ春が近づいていますね。
やっぱり今年も雪解け後に朝日に行ってみます。
週初めの予報では土曜の天気はあまり良くなかったので、
登山は見合わせるつもりでしたが、週末になり好天に転じましたので、
急遽、今回の山行を実行しました。
土曜は快晴で最高の登山日和でしたが、日曜はしんどかったです
荒れなかっただけでも幸いですが、雨の中の登山はどの季節も嫌なものです
朝日連峰は、どの季節でも良いですね。
雪はしばらく残りますので、まだ先の事になりますが、
夏山になったら、ぜひjuanさんも訪れて下さい!
Luskeさん、3週連続の山行お疲れ様です。
この時期の朝日は、やっぱり大変ですね。
小朝日〜銀玉水の尾根は、夏道でも腰が引けてしまいますが、
この時期の雪庇は予想以上でした
やはり、天気の安定したヒメサユリの季節かな?
さすがは豪雪の朝日連峰。
見事な雪庇があちらこちらで見られました。
やはり、これだけ雪があると色んな面で大変ですが、
それでも、何度も通ってしまう魅力がこの山域にはあります。
4月は何かと忙しくなりそうなので、しばし登山はお休みになるかもしれませんが、
落ち着いたらまた朝日連峰に訪れたいものです。
ヒメサユリの時期も良いですね〜
私もその時期に再訪したく思います
3週連続の朝日連峰、お疲れ様です!
週末に古寺から大朝日に行こうと計画してたんですが、古寺山〜小朝日の雪庇と熊越えの先の雪庇が予想以上で正直ビビってしまってます^^;
それと今日の低温で山では降雪があったのではないかと心配しているところです。
天候次第に
皆既月蝕見れなかったのは残念でしたね・・・
近い天体ショーといえば4月23日のこと座流星群極大ですかね
あ、でもこの日は平日か^^
日暮沢コースは今が危険度MAX状態、て感じでしたが、
それに比べると、古寺コースはまだ安全な感じでした。
現時点ではあまり亀裂は目立ってはおらず、斜面は割と安定しておりました。
しかし、今週末には状況が変わりそうですね。
悪化はすれど、良くなる事はないと思いますので、4月一杯は厳しいかと。
日曜の天気は良さそうですが、土曜はあまり良くなさそうですので、
行くのであればくれぐれもお気をつけて。
古寺山、小朝日岳の雪庇も要注意ですが、古寺鉱泉の入口でも注意して下さい。
沢ギリギリを通るトラバースなので、ラインを見誤るとドボンです
次の天体ショーは4月23日ですか・・・木曜日ですね><
山で眺めたいものですが、平日なのがきついですね^^;
残念ですが、下界で鑑賞してみますかぁ。。。
3週連続の朝日連峰。恐れ入ります。
稜線上は雪が少ないのかなと思ったのですが、麗は雪が多いんですね。
二日目のお写真、非常に参考になります。
やはり視界の利かない雪山は怖そうですね。
特に朝日のように巨大雪庇ができるところは。
稜線上の雪量は例年通りのようですが、麓は多いですね><
根子川林道の橋や小屋に積もった雪量をみると、それが顕著に判ります。
雪が多い方が雪山登山としては楽しめますが、あまり多いのも考えもの。
これまで雪崩なかったような場所でも雪崩が起きる可能性があるので、
例年以上に緊張する朝日連峰でした。
雪の朝日連峰、まだまだ行きたい場所がありますが・・・
3周連続となると、そろそろ別の山にも行きたくなってきます。
朝日連峰の次、となると・・・
やはり、あの連峰しか思い浮かびません
そろそろ検討しようかと思います^^b
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