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Yamareco

記録ID: 5418019
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
北陸

丈競山〜浄法寺山〜冠岳☆新緑と春の花々の咲く尾根へ

2023年04月28日(金) 〜 2023年04月29日(土)
 - 拍手
体力度
4
1泊以上が適当
GPS
07:29
距離
15.1km
登り
1,339m
下り
1,339m
歩くペース
速い
0.80.9
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
3:55
休憩
0:14
合計
4:09
距離 6.7km 登り 1,080m 下り 230m
12:07
38
12:45
12:46
110
14:36
14:40
26
15:06
15:10
35
15:45
15:50
26
16:16
2日目
山行
3:08
休憩
0:09
合計
3:17
距離 8.4km 登り 259m 下り 1,116m
5:37
26
6:03
31
6:42
6:45
11
6:56
7:00
9
ca830mピーク
7:09
7:10
8
8:54
ゴール地点
天候 両日共に晴れ
過去天気図(気象庁) 2023年04月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
じょんころ広場に
新緑の美しい龍ヶ鼻ダムへ
2023年04月28日 11:45撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
1
4/28 11:45
新緑の美しい龍ヶ鼻ダムへ
ダム湖を振り返る
2023年04月28日 11:46撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/28 11:46
ダム湖を振り返る
じょんころ広場へ
2023年04月28日 12:10撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
4/28 12:10
じょんころ広場へ
電話ボックのある登山口に
2023年04月28日 12:15撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
4/28 12:15
電話ボックのある登山口に
滝を進むと左手にじょんころ滝
先月よりはかなり水量が少ないようだ
2023年04月28日 12:21撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
2
4/28 12:21
滝を進むと左手にじょんころ滝
先月よりはかなり水量が少ないようだ
登りの急斜面からじょんころ広場を見下ろす
2023年04月28日 12:31撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/28 12:31
登りの急斜面からじょんころ広場を見下ろす
ツクバネウツギの花
2023年04月28日 12:35撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/28 12:35
ツクバネウツギの花
ホオノキの大樹の
2023年04月28日 12:46撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/28 12:46
ホオノキの大樹の
足元には多くの稚児百合の花
2023年04月28日 12:58撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/28 12:58
足元には多くの稚児百合の花
薄黄瓔珞躑躅
2023年04月28日 13:14撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/28 13:14
薄黄瓔珞躑躅
雪国三葉躑躅も数多く
2023年04月28日 13:27撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/28 13:27
雪国三葉躑躅も数多く
ca700mのピークからは北丈競山(左)と丈競山(右)
2023年04月28日 13:34撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
3
4/28 13:34
ca700mのピークからは北丈競山(左)と丈競山(右)
さらにその右手には浄法寺山(右)
2023年04月28日 13:34撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/28 13:34
さらにその右手には浄法寺山(右)
足元に筆竜胆の花
2023年04月28日 13:37撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/28 13:37
足元に筆竜胆の花
錨草も数多く
北陸のものは色が白いようだ
2023年04月28日 13:39撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/28 13:39
錨草も数多く
北陸のものは色が白いようだ
赤いショウジョウバカマ
2023年04月28日 13:48撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/28 13:48
赤いショウジョウバカマ
再び北丈競山(左)と丈競山(右)
まさにたけ比べ
2023年04月28日 13:50撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/28 13:50
再び北丈競山(左)と丈競山(右)
まさにたけ比べ
石楠花の花も現れる
2023年04月28日 13:51撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/28 13:51
石楠花の花も現れる
北丈競山への階段
2023年04月28日 14:05撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/28 14:05
北丈競山への階段
北丈競山の手前から眼下に辿ってきた尾根を振り返る
2023年04月28日 14:07撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/28 14:07
北丈競山の手前から眼下に辿ってきた尾根を振り返る
北丈競の山頂
2023年04月28日 14:19撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/28 14:19
北丈競の山頂
山頂からは一気に白山の展望
その左手前は大日山
2023年04月28日 14:20撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/28 14:20
山頂からは一気に白山の展望
その左手前は大日山
いよいよ丈競山へ
2023年04月28日 14:29撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/28 14:29
いよいよ丈競山へ
登山道には多くのイワウチワの花々
2023年04月28日 14:31撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/28 14:31
登山道には多くのイワウチワの花々
丈競山への登り返し
2023年04月28日 14:36撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/28 14:36
丈競山への登り返し
山頂には古い三尊像
2023年04月28日 14:59撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/28 14:59
山頂には古い三尊像
白山の手前には高水山(右)
2023年04月28日 14:59撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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白山の手前には高水山(右)
浄法寺山
2023年04月28日 15:14撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/28 15:14
浄法寺山
白いイワウチワの花も
2023年04月28日 15:18撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
4/28 15:18
白いイワウチワの花も
タムシバの花はまだ咲き出したばかりのようだ
2023年04月28日 15:19撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/28 15:19
タムシバの花はまだ咲き出したばかりのようだ
浄法寺山への登り返しにはカタクリの花が現れる
2023年04月28日 15:33撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/28 15:33
浄法寺山への登り返しにはカタクリの花が現れる
2023年04月28日 15:36撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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2023年04月28日 15:39撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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2023年04月28日 15:42撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/28 15:42
山頂が近づくと登山道には雪が現れる
2023年04月28日 15:44撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
4/28 15:44
山頂が近づくと登山道には雪が現れる
ショウジョウバカマ
2023年04月28日 15:47撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
4/28 15:47
ショウジョウバカマ
浄法寺山の展望台
2023年04月28日 15:50撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/28 15:50
浄法寺山の展望台
東には大葉山(手前)と高水山(奥)
2023年04月28日 15:51撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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東には大葉山(手前)と高水山(奥)
展望台と丈競山
2023年04月28日 15:52撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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展望台と丈競山
大野盆地と左に荒島岳
2023年04月28日 15:53撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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大野盆地と左に荒島岳
帰りがけにもう一度、カタクリの花を
2023年04月28日 16:05撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/28 16:05
帰りがけにもう一度、カタクリの花を
丈競山へ
2023年04月28日 16:07撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/28 16:07
丈競山へ
遠くに光り輝く日本海を眺めながら
2023年04月28日 16:09撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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遠くに光り輝く日本海を眺めながら
丈競山の避難小屋に
2023年04月28日 16:22撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/28 16:22
丈競山の避難小屋に
まずはビールで乾杯
2023年04月28日 16:31撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/28 16:31
まずはビールで乾杯
北に富士写ヶ岳と火燈山(手前)
2023年04月28日 16:45撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/28 16:45
北に富士写ヶ岳と火燈山(手前)
夕食に牛肉とキノコとトマトのソテー
2023年04月28日 17:07撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/28 17:07
夕食に牛肉とキノコとトマトのソテー
2023年04月28日 17:31撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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フライバンで永平寺揚げを温めて
2023年04月28日 17:44撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/28 17:44
フライバンで永平寺揚げを温めて
舞茸とハナビラタケのリゾット
2023年04月28日 17:57撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/28 17:57
舞茸とハナビラタケのリゾット
サンセット
2023年04月28日 18:41撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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サンセット
福井の夜景
2023年04月28日 20:22撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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福井の夜景
翌朝の朝焼け
2023年04月29日 05:01撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/29 5:01
翌朝の朝焼け
日の出
2023年04月29日 05:21撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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日の出
強風の中を再び浄法寺山へ
2023年04月29日 05:51撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/29 5:51
強風の中を再び浄法寺山へ
丈競山を振り返る
2023年04月29日 05:54撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/29 5:54
丈競山を振り返る
朝陽を浴びる新緑の浄法寺山
2023年04月29日 05:54撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/29 5:54
朝陽を浴びる新緑の浄法寺山
カタクリの花は悉くすっかり花を閉じている
2023年04月29日 05:57撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/29 5:57
カタクリの花は悉くすっかり花を閉じている
2023年04月29日 05:59撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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再び東に大葉山と高水山を眺めて
2023年04月29日 06:07撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/29 6:07
再び東に大葉山と高水山を眺めて
白山の上に昇る朝日
2023年04月29日 06:08撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/29 6:08
白山の上に昇る朝日
白いショウジョウバカマ
2023年04月29日 06:09撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/29 6:09
白いショウジョウバカマ
新緑のブナの樹林に朝陽が差し込む
2023年04月29日 06:20撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
4/29 6:20
新緑のブナの樹林に朝陽が差し込む
福井平野を眺めて
2023年04月29日 06:30撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
4/29 6:30
福井平野を眺めて
丈競山を背後に冠岳への尾根を行く
2023年04月29日 06:35撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/29 6:35
丈競山を背後に冠岳への尾根を行く
再び白い錨草
2023年04月29日 06:36撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/29 6:36
再び白い錨草
冠岳
積雪期は360度の展望であったが、展望は灌木に遮られている
2023年04月29日 06:47撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/29 6:47
冠岳
積雪期は360度の展望であったが、展望は灌木に遮られている
ca830mのピークは猛烈な低木の藪
2023年04月29日 07:02撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
4/29 7:02
ca830mのピークは猛烈な低木の藪
林道に降る尾根は多くの雪国三葉躑躅
2023年04月29日 07:39撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/29 7:39
林道に降る尾根は多くの雪国三葉躑躅
薄黄瓔珞躑躅
2023年04月29日 07:32撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/29 7:32
薄黄瓔珞躑躅
地味ではあるが幻想的な色合いが魅力的
2023年04月29日 07:41撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/29 7:41
地味ではあるが幻想的な色合いが魅力的
ハンノキ谷に下降
2023年04月29日 07:49撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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ハンノキ谷に下降
ハンノキ谷の谷
2023年04月29日 07:52撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/29 7:52
ハンノキ谷の谷
林道の分岐
杉の植林の林床は低木の藪が繁茂
2023年04月29日 08:14撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
4/29 8:14
林道の分岐
杉の植林の林床は低木の藪が繁茂
林道沿いのユキノシタ
2023年04月29日 08:53撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/29 8:53
林道沿いのユキノシタ
再びじょんころ広場に
駐車場はほぼ満車に近い
2023年04月29日 09:10撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/29 9:10
再びじょんころ広場に
駐車場はほぼ満車に近い
下山後
山中温泉のグランドホテルに
2023年04月29日 11:17撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/29 11:17
下山後
山中温泉のグランドホテルに
入浴後は柏野の大杉を訪れる
2023年04月29日 11:25撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
4/29 11:25
入浴後は柏野の大杉を訪れる
樹齢2300年という大杉は大迫力
2023年04月29日 11:25撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/29 11:25
樹齢2300年という大杉は大迫力
杉の樹を見上げて
2023年04月29日 11:28撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
4/29 11:28
杉の樹を見上げて
大杉茶屋に
2023年04月29日 11:32撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
4/29 11:32
大杉茶屋に
大杉茶屋のよもぎのジェラート
2023年04月29日 11:44撮影 by  E-PL8 , OLYMPUS CORPORATION
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4/29 11:44
大杉茶屋のよもぎのジェラート
再び丸岡に戻って名産の「丸そば」を賞味
2023年04月29日 12:02撮影 by  iPhone 6s, Apple
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4/29 12:02
再び丸岡に戻って名産の「丸そば」を賞味

感想

少し前までは週末の土曜日29日は雨の予報であったが、日が近づくにつれて予報では雨の降り出す時間が遅くなってゆく。28日に休みを取っていたので、久しぶりに家内と泊まりがけの山行を考える。金曜日は夕方までは天気が良さそうなので、夕陽が綺麗に見える好展望の山・・・と考えると、丈競山が候補の筆頭に挙がる。

丈競山は先月のはじめ、まだ雪深い時に泊まりがけで登ったばかりであるが、快適な避難小屋に家内が興味を示したことと、この時期は様々な春の花が期待できそうなこともあって、再訪することにした。

前回は林道の途中からca830mのピークを経て冠岳に登り、浄法寺山から高水山を往復してから丈競山に至ったのだが、今回は時計回りの周回コースを考える。というのも榿ノ木谷の長い林道歩きは下山時の方が望ましいからだ。

朝は足の怪我から回復してまだ日が浅い娘を学校の近くまで送ってから福井へ向かう。福井平野に入ると真正面に浄法寺山が視界に飛び込んでくる。まずは福井大学病院前のスーパーに立ち寄って、ここで永平寺揚げと称される分厚い厚揚げを入手する。花垣の純米にごり酒も入手することが出来た。

龍ヶ鼻ダムにたどり着くとダム湖の周囲の新緑がなんとも鮮やかだ。前回はダムから先は冬期通行止めであったが、登山口となるじょんころ広場まで難なく到達することが出来る。駐車場には数台の車が停められている。

広場を出発するとすぐに榿ノ木谷川水力発電所の小さな建物がある。前回は雪解けで水量が増し、囂々と水が流れて印象があるせいで、この日は発電所から流れ落ちる水がかなり穏やかに感じられる。

古い電話ボックスがある登山口から小さな谷に沿って登り始めると、谷奥に小さなじょんころ滝が現れる。この滝もかなり水量が少なくなっている。滝を過ぎると、鮮やかな新緑の中を左岸の斜面をジグザグと登ってゆく。

急登が落ち着くと、ホオノキの大樹が並ぶ樹林に入ってゆく。尾根に乗ると下から涼しい風が吹いてくる。足元には数多くの稚児百合の花が咲いている。尾根を進むと次々と色鮮やかな躑躅が現れる。雪国三葉躑躅の花だ。関西でよく見かける三葉躑躅よりも赤味がかった色合いをしている。

しばらくはなだらかな尾根が続くお陰で、距離を稼ぐことが出来る。時折、白い錨草の花が咲いている。関西で見かけるものは花弁の中心部が赤紫をしているが、この山で見かけるものは白いは花ばかりだ。

Ca700mの小ピークは樹林を抜け出し、尾根の先に北丈競山、丈競山、浄法寺山が視界に飛び込む。日当たりのより尾根道にはところどころに石楠花も現れる。
北丈競山への登りは足元にアルミ製の階段が設けられいるお陰で楽に登ることが出来る。登山道の周囲は身の丈を越える笹や低木が広がっているが、前回、雪の季節にこの斜面を下降した時にはこれらは全て雪に埋もれていたのだった。当然ながら広く切払いされたこの登山道など同定すべくない。当たり前といえばそうなのだが、わずか2ヶ月足らず前との景色の変わりように今更ながらに驚くのだった。

登山道の両側では数多くのイワウチワやショウジョウバカマの薄紫色の花が連綿と続いている。斜度が緩くなるとまもなく北丈競山の山頂にたどり着く。山頂からは一気に彼方に斑らに雪が残る白山とその手前に大日山の展望が視界に飛び込む。そしていよいよ目の前には可愛らしい避難小屋を山頂に戴く丈競山が目の前に聳える。丈競山の山頂の周辺では新緑はまだのようだ。

丈競山への登り返しに入ると登山道沿いは石楠花が続くが、残念ながらほとんどが蕾の状態だ。あともう一週間もすると花盛りになることだろう。

雪の季節は山頂部は一面の雪原で好展望が広がっていたのだが、今は身の丈を越える笹のせいで展望が遮られている。小屋の前には星霜を経た石仏の三尊像と方位版があることに気がつく。これらも三月の上旬はまだ雪の下だったのだ。

まだ時間が早いので浄法寺山を往復することにする。明日の朝も向かうところではあるが、目当てはピークを踏むこととは別にある。緩やかな吊尾根を下り始めるとタムシバの花が咲いている。丈競山への登りでも多くの花を見かけが、ほとんどは花期の終盤であったが、この樹の花は多くがまだ蕾であった。

ここでも尾根には延々とイワウチワとショウジョウバカマの花々が続く。鞍部のあたりは笹原の道となり、両側に展望が広がるパノラマ尾根となる。左手には秀麗な高水山の彼方で西陽が白山の残雪を輝かせている。

鞍部を越えて浄法寺山への登り返しになると道端にカタクリの花がちらほらと現れたかと思うとやがて一面にカタクリの群落が広がった。ほとんどの花は咲き始めたところなのだろう。勢いよく花弁を後ろに反り返らせている。花弁を横に広げた状態のもの既に花盛りを過ぎているようだ。しかし、100メートルも行かないうちにカタクリの群落は唐突に終わる。

やがて浄法寺山の山頂が近づくと堀割の登山道には雪が現れる。日当たりの悪い北斜面だからなのだろう。残雪には周囲の樹々の枝が埋もれており、途端に歩きにくい。残雪地帯を過ぎるとすぐにも展望台のある浄法寺山の山頂に到着する。前回は展望台の上に設けられた方位表がほとんど雪に埋もれていたので、2m以上の積雪があったのだろう。隣の大葉山に向かう東側斜面は一面の雪原だったのだが、今や足を踏み入れることを拒むかのような濃密な笹藪と低木の樹林が広がっていた。

尾根を引き返して避難小屋に戻る。まずは小屋の外のベンチで白山を眺めながらビールで乾杯する。西側では夕方の斜陽をうけて日本海が眩いばかりの黄金色の光を反射していた。小屋に入るとストーヴのための灯油を入れたポリタンクはずっしりと重い。丸岡山の会のどなたかが再び灯油を担ぎ上げて下さったようだが、この日は小屋の中はむしろ暑いくらいだ。窓を少し開けると涼しい空気が流れ込む。

少し時間は早いが夕食の調理を始める。この日はまずソーセージを炒める。次は牛肉と新玉ねぎ、ハナビラタケ、舞茸のソテーと共に赤ワインを味わう。後半は永平寺揚げをフライバンで温め生姜醤油をあわせる。このために今回は生姜とすりおろし器を持ってきたのだった。これにはにごり酒がよく合う。気が付くと日没の時間になっていた。残照を楽しむ前に急速に眠りに落ちていった。

夜中に風鳴りの音で目が覚める。夕方まではほとんど風もなかったが、外では強風が吹き始めたらしい。小屋の中に風が感じられると思えば、強風で小屋の扉が開いている。入口の近くにあった思い袋で扉を塞ぐ。

翌朝も相変わらず風が強い。曇りの予報ではあったが、空はおおむね晴れているようだ。白山の上に顔を出す朝陽を拝んでから、小屋を出発する。外に出るとやはり強風のせいで体感温度がかなり低い。しかし有難いことに浄法寺山への吊尾根を降りはじめると急に風が弱くなる。

浄法寺山への登りに差し掛かると、予想されたことではあったが、昨日は勢いよく花弁を反り返らせていたカタクリの花は見事なまでに花を閉じていた。花を閉じていないのは盛りを過ぎた花のみだ。

浄法寺山に到着すると太陽がすりガラスのような薄雲の向こうで朧げな光を放っている。白山は逆光のせいで黒いシルエットとして見えるばかりだ。白山に別れを告げて尾根を西に下る。台地状の浄光寺山の山頂も積雪期はブナがわずかに点在する雪原が広がっていたが、ブナの林床は低木が密生している。ここでも登山道に雪が現れると雪の下に枝を捉われた樹々が道を塞ぎ、途端に歩きにくくなる。雪が残っている区間がそう長くなったのが有難いが、さなくば通過に時間を要したことだろう。

浄法寺山の西側は積雪期はそれなりの急登だったのだが、登山道はうまくジグザグに付けられており、楽に降ることが出来る。山頂部よりも標高がわずかに下がったせいか、冠岳にかけてのなだらかな稜線になると、新緑の樹々が多くなり、色鮮やかだ。折しも新緑のブナの樹林に朝陽が差し込み、背後から若緑色の透過光を林の中に散らす。

冠岳も360度の展望のピークだった憶えがあるのだが、周囲は背丈ほどの笹や灌木が密生しており、展望が効かない。積雪期に辿ったca830mのピークの様子が気になるので、そこまで足を運んでみる。登山道はピークの南側をトラバースして行くので、登山道を離れて低木の藪の中を進んでみるが豪雪のせいで密生する樹々が横向きに生えている中を藪漕ぎで進むのは容易ではない。ca830mのピークからの下降は諦めて、冠岳の東側から林道終点に下降する尾根を降ることにする。

最初はかなりの急下降であるが、トラロープが張ってあるので危険なことはない。この登山道は下降するにつれ咲き出したばかりの鮮やかな雪国三葉躑躅が両側を華やかに彩るようになる。足を止めると地味な色ではあるが、薄黄瓔珞躑躅(ウスギヨウラクツツジ)の花も多く咲いている。

やがて谷筋に下降すると小さな木橋で沢を渡りながら下流に進み、舗装された林道に飛び出す。あとは長い林道歩きとなる。林道がじょんころ広場に近くづくと林道沿いには数多くのイタドリが生えている。これだけ多く生えているというのもこのあたりにはまだ鹿が多くないということだろうか。

じょんころ広場に戻ると二つの駐車場はほぼ満車に近い状態だった。多くの登山者は時計まわりのルートで丈競山に向かったのだろう。三人組のパーティーが出発してゆくところだった。空には晴れ空が広がっている。広場の藤棚の下で湯を沸かし、再びコーヒーを淹れる。藤棚から下垂する白藤は昨日に比べてかなり花が開花したように思われる。

車に乗り込むと、R364を北上して山中温泉を訪れる。山中温泉の日帰り温泉で有名な菊の湯は男湯と女湯が別の建物で、少し離れているのだった。ネットでは日帰り入浴が可能とされている多くの旅館がコロナ禍を理由に日帰り入浴をしていない。なんとか入浴可能な施設を見つけたのはグランドホテルだった。11時から12時は清掃時間とのことで、40分ほど入浴することにした。

温泉に浸かった後は再びR364を南下して、栢野(かやの)の大杉を訪れる。樹齢2300年とされている杉の巨樹は確かに大迫力だ。道路を隔てた杉の反対側には大杉茶屋があり、蓬で作られた草団子とジェラートを買う。ジェラートはどちらかというとシャーベットの食感だった。再び丸岡の竹田まで戻ると、地元の物産品の販売所を兼ねた「たけだや」このあたりの名物「丸そば」をいただく。ひやむぎのような丸い麺は柔らかい食感と喉ごしが特徴で、美味であった。

福井大学病院前のスーパーを再訪して永平寺揚げを入手すると最後は「さぎり屋」で若鮎の天ぷらと越前そばを頂いてから、ようやく京都への帰路に着くのだった。山行時間は短かったが、家内も十分に充足感を感じた山行になったようだ。

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