釣瓶岳☆イクワタ峠〜アラ谷右岸尾根・新雪と霧氷の稜線に


- GPS
- 05:21
- 距離
- 7.2km
- 登り
- 876m
- 下り
- 863m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
降雪の後の晴天が期待されるので、比良や北山ではどこでも雪景色が楽しめそうだ。京都の市内から見上げる比叡山や横高山も山頂部はかなり白くなっている。問題は登山口までのアプローチと新雪のラッセルの深さだ。
昨年の1月に送電線鉄塔で長池の手前で撤退した苦い経験がある。例によって家内が朝が弱く出発が大きく出遅れる。車の車外温度は-3℃を表示している。大原の周囲の山々にも珍しくかなりの着雪が見られる。
冬は毎度のことであるが、花折峠を越えると谷の周囲の山肌は一層白くなる。路面にも雪が現れるが、この程度であれば問題なく坂道を下ることが出来る。坊村が近づくとその手前の道路余地にも数台の車が停められている。市民センターの前の駐車場に停めることが出来なかった車なのだろう。武奈ヶ岳には相当な登山者が登っているのだろう。
栃生の水地蔵の前は広く除雪されているが、既に一台の車が停められていた。その後ろに車を停めさせていただく。
イクワタ峠への登山口に向かう林道に入ると一本の山スキーのトレースと坪足の足跡が続いている。林道を辿ると大きく迂回することになるので、尾根の末端にとりついてショートカットする。雪の中からはわずかに茨が顔を覗かせているが、ここはある程度の積雪がないと通過することが出来ない。
再び林道に合流すると大きなショベルカーがある。驚いtことに林道の先には延々とショベルカーのキャタピラの真新しい跡がついている。どうやら午前中のうちに山中で作業をしたということだろう。
左手の植林の中には先ほどのスキーのトレースが続いている。植林に入るとすぐにも九十九折りの夏道がある。夏道は大きくジグザグに蛇行するが、それほどの急斜面ではないので可能な限り直登でショートカットする。
植林を過ぎると整然とした赤松の樹林になる。比良の西側の尾根は大概はその上部まで植林が続くところが多いのだが、この尾根のいいところは植林が終わる区間が短いことだ。
赤松の樹林には2018年の台風による倒木の集中地帯がある。はyoutoushaさんが整備された迂回路がある。迂回路は残念ながら雪に埋もれて不明瞭だが、倒木地帯を北側から巻いて問題なく通過する。尾根の南側に展望が開けた地点があり、山頂部に白銀の霧氷を纏った釣瓶岳と武奈ヶ岳が姿を見せる。
この尾根は距離は長いもののほとんど急登がないの点も有難いところだ。それでも場所によっては膝下近くまで沈み込む。スキーのトレースは10cmも沈み込んでいないようだ。スキーのトレースを辿ってもかなり沈み込むのだが、沈み込みのわずかな10cmほどの違いは雪上の歩行への影響は意外と大きい。このあたりからはなるべくスキーのトレースを辿ることにする。
Ca840mからは尾根の北側が大きく開け、蛇谷ヶ峰に至る奥比良の稜線を見ながらイクワタ峠にかけて緩やかに稜線を登ってゆく。イクワタ峠のあたりでは霧氷を纏う樹々が陽光に照らされて明るく輝いているのが見える。標高が上がるにつれて蛇谷ヶ峰の彼方には野坂山地の山々が視界に入るようになる。赤坂山や三国岳の雪稜の彼方でもう一つ明るく輝いている山がある。野坂岳だろう。
イクワタ峠北峰に到着すると大きく雪庇が張り出した釣瓶岳の北稜が視界に飛び込む。尾根の北側の樹々には一様に霧氷が発達しており、否応なくテンションが上がる。背後の蛇谷ヶ峰にはほとんど霧氷は見られない。どうやら霧氷がついているのは標高923mのイクワタ峠北峰よりも高いところのようだ。
東側には釈迦岳から鳥越峰へと続く北比良の稜線とその向こうで鈍い鉛色の水を湛える琵琶湖を眺めながら釣瓶岳の北稜を辿る。
やがて一面の雪原に出る。ここは比良でも屈指の爽快感のある稜線だろう。霧氷の樹林の彼方には京都北山の山々、三国岳から百里ヶ岳へと至る県境の山々を俯瞰することができる。この数日の間に相当な風雪が吹き付けたのだろう、東側の雪庇の下では杉の樹々が雪を纏ってモンスターのようだ。
Ca1000mを越えると霧氷の樹林の中を進む。所々で大きなブナの樹がみられるが、霧氷を纏ったブナがいつにも増して美しい佇まいを見せてくれる。釣瓶岳の山頂に到着すると樹間からわずかに垣間見える武奈ヶ岳の山頂は雲がかかっている。
コーヒーを淹れて、クッキーとお菓子で一息つく。山頂からナガオと呼ばれる尾根の方向にわずかに降ったところに武奈ヶ岳を望む好展望地があるので、そこまで下る。辛うじて武奈ヶ岳の山頂が雲の中から姿を見せてくれるが、この日は武奈ヶ岳の山頂部はどうやらあまり天気が良くないようだ。
山頂から再び北尾根を引き返す。雪庇の張り出した尾根を歩いている、雪庇の端から2mほどのところを歩いていたが、ドドッと大きな音を立てて雪庇が崩落する。尾根側に倒れ込んで雪庇と共に落下することを免れたが、危機一髪であった。
下山は躊躇なくアラ谷右岸尾根に入る。先ほどのスキーのシュプールもこの尾根を降っているようだが、シュプールは尾根芯を外して大きく蛇行しながら降っているのと、下山においては沈み込みはさほど気にならないのでトレースのない尾根芯を降る。
尾根の上部は正面に白倉三山を眺めながら疎林の中をダイナミックに下降してゆくが、高度が下がるにつれ樹々の霧氷は急速に薄くなってゆく。ca900mで植林が始まるが、その少し下で尾根には突然数名のワカンの真新しいトレースが現れる。どうやらこのあたりで引き返されたのだろう。
植林の中は雪質が悪いことが多いが、新雪が十分に積もっており尾根の下部まで快適に下降することが出来る。尾根の下部の緩斜面で先を行く三人のワカンのパーティーに追いつく。駐車地に戻るとまもなく三人組のパーティーも帰還される。私たちの車の前に停めておられる車の主であった。
夕方になると周囲の樹々の雪が落下することが多いが、この日はほとんど雪が落ちていないようだ。坊村の駐車場の車は当然ながらほとんどが消えていた。京都市内に戻ると夕陽を浴びた比叡山が赤く輝いていた。
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