〜雪崩の巣に突入〜涸沢(奥穂高岳は無念の断念)雪崩動画付き


- GPS
- 95:00
- 距離
- 71.8km
- 登り
- 2,270m
- 下り
- 2,259m
コースタイム
16:00上高地〜17:05明神〜18:10徳澤(徳澤ロッジ泊)
2日目
9:00徳澤〜10:13横尾〜11:48本谷橋〜15:38涸沢(涸沢ヒュッテ泊)
3日目
8:30涸沢〜11:26横尾〜13:22徳澤〜14:12明神〜15:29上高地
天候 | 27日大雪&強風 28日快晴 29日曇りのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
沢渡にマイカー駐車場がある。 一日500円。そこからバスで上高地へ。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
上高地〜横尾 楽しい林道歩き?(長い)特に危険個所はありません。 横尾〜涸沢 今回は降雪直後だったから、雪崩には最大限注意しながら 登りました。特に、本谷橋付近と、Sガレを過ぎてからの 左右からの雪崩には注意が必要です。いくら注意しても Sガレを過ぎてから雪崩に襲われたら逃げる場所はありません。 |
予約できる山小屋 |
横尾山荘
|
ファイル |
パスワードあり
涸沢.gpx
joe
(更新時刻:2013/05/01 18:53) |
写真
感想
今年は4月に入っても天気が安定せず、暑い日と寒い日の繰り返し。
GW初日の27日も朝から北アルプスは大荒れの天気に。
天気予報を見て知ってはいたけど、一応自宅を午前3時に出発して一路
上高地に。
松本までは意外といい天気。しかし松本から見る上高地方面は黒い雲。
沢渡手前から雨〜みぞれ〜雪にと変わって、駐車場に着いたのが8時前。
この日は上高地で開山祭もあって、朝から観光客と重なって、バス停は大混雑。
自分はこの日は横尾まで入るつもりだったから、混雑を避ける為に車の中で
待機。外は強風と吹雪。4月も終わりだというのに、こんなに雪が降るなんて。
駐車場の車の中で待ってても雪は止まず、14時くらいから着替えをして
バスで上高地に。
上高地に着く頃には雪も止んで曇り空に。明神方面は青空も覗いてました。
身支度を整えて上高地を出発したのが16時。
この時間になるとさすがに人の数も疎らでした。しかし横尾までの林道は
真白に雪化粧して、芽吹きを待つ木々もまるで厳冬期のようでした。
いつもは辛く長い林道歩きも、思わぬ雪の為に興奮状態。いつもより楽しい
林道歩きでした。
横尾まで行きたかったけど、徳澤で日暮となってしまって、徳澤テントサイトも
満員御礼状態。仕方なく徳澤ロッジに聞いてみたら空いてると言われ、
ロッジのスタッフに甘えてお世話になる事に。食事の時間を過ぎてましたが
嫌な顔もせずに驚く食事を用意してくれ感謝しています。
食事を済ませてロッジのスタッフに聞くと、明日は天気は回復する見込み
だけど、明日の方が雪崩の危険が増すので、明日いっぱいは横尾から先は
通行規制は解除しないとの事。
2009年から雪山をかじり出したけど、このGWは本当に天候や体調に恵まれ
ない自分。そしてこの日は白馬の大雪渓でも大規模な雪崩で数人が巻き込まれた
情報も届いていました。
明日は山に入れると思っていただけに、落胆する気持ちと2010年の雪崩の
教訓とが心の中で同居していました。
次の日の朝、スタッフの人から今日も入山禁止との説明を聞いた瞬間に、
また来ればいい。今回は帰ろう。と思って身支度をして玄関で靴を履き
フロントでお礼の挨拶をした時でした。
横尾から先が解除ではないけど、一段ゆるい自己責任でなら入ってもいいと
言われ、もう頭の中では穂高一色状態に。
もう時間は9時近くになってたけど、これは行くしかないと思い横尾方面に
向いました。横尾に着くと山岳警備の警察の人が出ていて、厳しい装備
チェックと、出来れば止めて欲しいとの静止を繰り返していた。
横尾のテント場もまだかなりの数のテントが張られていて、横尾大橋を
渡って向う人の数も殆どいない。
山岳警備の人に聞いてみると、やはり本谷橋より先がかなり危険な状態
らしい。時間は11時くらいだったけど、まだどこも雪崩てないらしい。
この日は朝から天気が良くて、気温もグングン上がっていた。
本谷橋より先に入って、上部から一発来れば人生終わってしまう。
悩んだけど、山岳警備の人に装備を見せて、一応本谷橋まで行ってみる
事を伝えてアイゼンを装着した。
2011年にインブルエンザで敗退した場所を過ぎて、本谷橋に向かう。
天気は依然晴れ。気温もどんどん上がる。木々の上から雪がドサドサ
落ちて来る。
そして本谷橋に到着。雪崩が来ても良さそうな場所で昼食のパンを食べた。
30分くらい腰を下しただろうか?パンを食べながら2010年の雪崩遭難を
思い出していた。
後2時間歩けばあの素晴らしい穂高の景色が見れる。でもこの先雪崩の巣に
突入して、一発来れば多分トップニュースに。
時間だけが静かに流れて行った。
やっぱ帰ろう。山はまた来ればいい。そう思い食事を片づけて身支度を
して帰ろうと思っていたら、後続者がどんどん登って行く。
頭の中で行くか帰るか混乱していた。よし、やっぱ行こう。登りながら
常に左右からの雪崩を警戒して、危なかったら引き返そうと思い雪崩の巣に
突入して行った。
幸い、前も後ろからも他のパーティーの人達がいたから、周囲からの
雪崩も一人で警戒するより心強い。
そしてもうすぐSガレという場所にさしかかった時に、突然後ろのパーティーの
人から、「雪崩ぇ〜〜〜」と大きな声で叫ばれた。
自分は右斜面を警戒していた為、左からの屏風岩方面から雪崩が発生。
自分の真横から来た雪崩だったので、一瞬終わったかな?と思ったら、幸いに
大きな規模にはならず、手前で止まってくれた。
もう心臓バクバク状態。
急ごう、ここを突破して涸沢でビールだと思い、思いザックを何度も
背中にコギ上げて、涸沢を目指した。
Sガレを過ぎると一層斜度も増して、左右の斜面からの雪崩の危険度が
増す。そんな中、腰を下してる人もいたが、自分も疲労していたが、ここでは
休めないと思い、テント場を目指した。
そして涸沢ヒュッテ見えて来た。後少し、額から流れる汗を拭きながら
最後の急坂を登りつめた。
その瞬間、自分で自分にお疲れ様を言ったような気がした。
ザックを下す間もなく、テント場に行って驚いたのは地形でした。
涸沢のテント場はこの時期でも少しくぼんだところにあるのだけど、今年は
ヒュッテの上に位置していた。到着の瞬間を動画撮影して、時間も15時半を
回っていたので、急いでテントの設営に取り掛かった。
そしたら途中で一緒になった京都から来た御兄弟が、テント場の受付で
本日は雪崩の危険があるので、テント泊代は無料と言われたらしい。
よく周りを見ると、まだどこの沢も雪崩れていない。一昨年は北穂方面からの
雪崩で、営業前のヒュッテが埋まった事も記憶に新しい。
今回もその可能性が十分ににある。
雪面を圧縮してテント場を作っていたが、ここにテントを張って夜中に
雪崩に襲われたらと思ったら、作業の手が止まってしまった。
今回は殆どの人が涸沢入りを諦めた為に、この時期としては珍しいくらい
人が少なかった。自分もここまで来れた喜びと、ここまでテントを担ぎ上げた
自信で満足して、これ以上無理をしてはいけないと判断。
この日はヒュッテに素泊まりでお世話になる事にした。
そして翌日。あずき沢方面を見上げると、今年初のトレースをつけて登ってる
人たちがいる。沢筋は危ないからザイテンのすぐ左を登ってるようだ。
自分も行きたかったが、30日は天気は崩れる見込み。
心の中で、もう十分だよ。今の自分の技術では無理と思い、食事を澄ませて
帰りの支度をした。昨日から行動を共にしていた京都からの兄弟も、今日は
上高地に待たせている親の元へ戻ると言う。
自分の中でもまた来る楽しみが増えたと言い聞かせて、涸沢を後にした。
何度も何度も穂高を振り返る。また来いよと言ってくれてるみたいだ。
4月下旬に降った季節外れの大雪で、穂高は白くその高みを一層輝かせて
いるようにも見えた。
そしてようやく穂高が見えなくなって雪崩の危険もなくなったので、ザックを
下して小休止。すると屏風岩方面から、ゴォォォ〜〜っと凄い音と共に
雪崩が発生。沢筋で休んでいたおじさんも、ザックを捨てて走ってこちらに
逃げて来た。幸い途中で止まった為に、トレースのあることろまでは
達しなかったけど、まだまだ油断は出来ない。
連続して3発発生したので、最後はカメラを出して動画を撮影。この雪崩で
巻き込まれた人はいないけど、昨日同様、気温がどんどん上がっていた。
この時間から昨日より多くの登山客が登って行く。
何事も無ければいいのだがと思い、声を交わした。
今、こうして自宅でヤマレコを書いてると、無事に戻れた安ど感と、あの
危険な雪崩の巣に突入した反省の気持ちがあります。無事に帰って来れた事は
結果論で、一歩間違えば白馬の雪崩と同じ事になっていたと思う。
自分の判断は正解ではなかったかも知れないけど、自分に出来るだけの装備は
持って、出来るだけのリスクマネジメントはしたつもりだ。
そして今思う事は、穂高という山は、自分の中ではエベレストより高い山に
思える。来年こそは、そんな気持ちで今は一杯です。
白馬で雪崩に遭われ、今だ行方不明になられてるご家族に哀悼の意を送りたいと
思います。
そして今まで応援してくださった皆様に感謝したいと思います。
ありがとうございました。
P.S
今回、カメラの撮影モードが、狂っていたため、写真が全て露出オーバーに
なってしまいました。本当はもっとたくさんの写真をアップしたかったけど
殆どの写真が使えずショックです。
それと2日目の徳澤〜横尾のGPSデータが電池切れのため飛んでます。
あくまでも参考にしてください。
下のURLは涸沢到着の瞬間です。
https://www.youtube.com/watch?v=wBOTQYNyJwA
写真、動画、感動したり、雪崩に緊張したりしながら、見せていただきした。
夏場は何回か涸沢、北穂に行きましたが、この時期は全く違って、冬山ですね。
雪崩は予測不可能でしょうし、無事で何よりでしたね。
はじめまして、コメントありがとうございます。
今年はこの時期になっても天気が安定せず、予定も
2手3手と変わりましたが、夏もこの時期も穂高は
いいですよね。
またどこかでお会いしたら声かけてくださいね。
こんにちはです〜〜。
なんとまあ、こんなにニアミスしていたとは!
しかも同じ行程を予定していたみたいですね(*^◯^*)
私達は15時過ぎに上高地を出たので、ほんとすれ違いだったようです。
28日、涸沢行かれたんですね。
雪崩れた跡の無い真っ白な涸沢の画。とんでもなくスペシャルな山行ですね。
途中の葛藤の場面、すごい共感しました。
涸沢、あれから上手いこと雪崩れてくれたかしら。。
何はともあれ何事もなくって何よりです。
スペシャル画像を有難うございました!
ご無事でよかったです。
そんなにも山が好きなんですね
お花と戯れてる私とは話が違います。
今回もjoeさんの大好きな帽子が守ってくれたんですよ。
かわいい子供さんのためにも決して無理はしないで下さいね。
ps・あの鯉のぼりは何なのでしょうか?
ほんと、ニアミスだったようですね
自分も帰ってきてittiさんのレコ読んだら「えっ」って
思いましたよ
来年はお互いにリベンジですね
コメントありがとうございます
自分の場合は山が好きというか、自然が好きなん
ですよ
人それぞれ山の楽しみ方はあると思いますけど
自分は開けても暮れても穂高が好きなんですよ
あの鯉のぼりは、GWだったからザックに付けて行った
んですよ。本当は奥穂高の山頂に立てたかった
んだけどね
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