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Yamareco

記録ID: 291120
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

〜雪崩の巣に突入〜涸沢(奥穂高岳は無念の断念)雪崩動画付き

2013年04月27日(土) 〜 2013年04月29日(月)
 - 拍手
体力度
6
1〜2泊以上が適当
GPS
95:00
距離
71.8km
登り
2,270m
下り
2,259m
歩くペース
ゆっくり
1.21.3
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
16:00上高地〜17:05明神〜18:10徳澤(徳澤ロッジ泊)

2日目
9:00徳澤〜10:13横尾〜11:48本谷橋〜15:38涸沢(涸沢ヒュッテ泊)

3日目
8:30涸沢〜11:26横尾〜13:22徳澤〜14:12明神〜15:29上高地
天候 27日大雪&強風
28日快晴
29日曇りのち晴れ
過去天気図(気象庁) 2013年04月の天気図
アクセス
利用交通機関:
バス 自家用車
松本から国道158号線を上高地方面に。
沢渡にマイカー駐車場がある。
一日500円。そこからバスで上高地へ。
コース状況/
危険箇所等
上高地〜横尾
楽しい林道歩き?(長い)特に危険個所はありません。

横尾〜涸沢
今回は降雪直後だったから、雪崩には最大限注意しながら
登りました。特に、本谷橋付近と、Sガレを過ぎてからの
左右からの雪崩には注意が必要です。いくら注意しても
Sガレを過ぎてから雪崩に襲われたら逃げる場所はありません。
予約できる山小屋
横尾山荘
ファイル
パスワードあり 涸沢.gpx
joe
(更新時刻:2013/05/01 18:53)
河童橋から見た明神岳。
天気も回復してきた。
2013年04月30日 21:40撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
4/30 21:40
河童橋から見た明神岳。
天気も回復してきた。
穂高方面は依然厚い雲の中。
2013年04月30日 21:40撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
1
4/30 21:40
穂高方面は依然厚い雲の中。
小梨平でも多くの登山客の人が
テントを張っていました。
2013年04月30日 21:40撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
1
4/30 21:40
小梨平でも多くの登山客の人が
テントを張っていました。
積雪は上高地で御覧の通り。
2013年04月30日 21:41撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
4/30 21:41
積雪は上高地で御覧の通り。
まるで厳冬期かと思うような横尾までの
林道です。
2013年04月30日 21:41撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
4/30 21:41
まるで厳冬期かと思うような横尾までの
林道です。
周りの木々にも新雪が積もり、今回は
飽きる事なく林道歩きが楽しめました。
2013年04月30日 21:43撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
4/30 21:43
周りの木々にも新雪が積もり、今回は
飽きる事なく林道歩きが楽しめました。
明神岳も、稜線まで見えて来ました。
2013年04月30日 21:43撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
1
4/30 21:43
明神岳も、稜線まで見えて来ました。
入山した時間が遅かったため、いつもは
登山客で賑わう明神も、人の影はありません
でした。
2013年04月30日 21:44撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
1
4/30 21:44
入山した時間が遅かったため、いつもは
登山客で賑わう明神も、人の影はありません
でした。
このサル、人の横をすれちがっても
顔色一つ変えないです。
2013年04月30日 21:44撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
4/30 21:44
このサル、人の横をすれちがっても
顔色一つ変えないです。
徳澤に着く頃には、前穂の稜線も
見えて来ました。
2013年04月30日 21:45撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
4/30 21:45
徳澤に着く頃には、前穂の稜線も
見えて来ました。
2013年04月30日 21:45撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
4/30 21:45
今回は、徳澤に着いたのが遅かったため
テントを張るのは諦め徳澤ロッジにお世話に
なりました。豪華な夕食でした。
2013年04月30日 21:38撮影 by  FinePix A800 , FUJIFILM
7
4/30 21:38
今回は、徳澤に着いたのが遅かったため
テントを張るのは諦め徳澤ロッジにお世話に
なりました。豪華な夕食でした。
28日朝、横尾より先が解除になったと聞いて
ニコニコしながら記念撮影。
2013年04月30日 21:53撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
3
4/30 21:53
28日朝、横尾より先が解除になったと聞いて
ニコニコしながら記念撮影。
2013年04月30日 21:54撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
4/30 21:54
2013年04月30日 21:55撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
4/30 21:55
徳澤のキャンプサイトも、多くのテントが
張られていました。皆さん、寒いのに
御苦労さまです。
2013年04月30日 21:55撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
2
4/30 21:55
徳澤のキャンプサイトも、多くのテントが
張られていました。皆さん、寒いのに
御苦労さまです。
徳澤から横尾に向う林道です。多くの
人が槍、穂高を目指します。
それにしてもGWとは思えない風景です。
2013年04月30日 21:55撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
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4/30 21:55
徳澤から横尾に向う林道です。多くの
人が槍、穂高を目指します。
それにしてもGWとは思えない風景です。
前穂の稜線からは雪煙が上がって
いました。
稜線はまだ相当風が強いみたいです。
2013年04月30日 21:56撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
4
4/30 21:56
前穂の稜線からは雪煙が上がって
いました。
稜線はまだ相当風が強いみたいです。
2013年04月30日 21:56撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
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4/30 21:56
梓川もこの時期というのに真白でした。
お陰で林道歩きも飽きることなく
楽しめました。
2013年04月30日 21:57撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
1
4/30 21:57
梓川もこの時期というのに真白でした。
お陰で林道歩きも飽きることなく
楽しめました。
この時期は、横尾の手前の林道が除雪
してないために、梓川を歩きます。
2013年04月30日 21:58撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
1
4/30 21:58
この時期は、横尾の手前の林道が除雪
してないために、梓川を歩きます。
前穂がきれいでした。
2013年04月30日 21:59撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
1
4/30 21:59
前穂がきれいでした。
2013年04月30日 21:59撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
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4/30 21:59
横尾に着きました。いよいよ雪崩の巣に
突入です。
2013年04月30日 22:00撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
4/30 22:00
横尾に着きました。いよいよ雪崩の巣に
突入です。
アイゼンを装着して記念撮影。
ここから先は、フルアイゼンが
必要でした。
2013年04月30日 22:00撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
4/30 22:00
アイゼンを装着して記念撮影。
ここから先は、フルアイゼンが
必要でした。
屏風岩です。
2013年04月30日 22:00撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
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4/30 22:00
屏風岩です。
こうして雪を被った屏風岩は
凄いの一言です。
2013年04月30日 22:01撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
1
4/30 22:01
こうして雪を被った屏風岩は
凄いの一言です。
前穂北尾根です。
2013年04月30日 22:03撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
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4/30 22:03
前穂北尾根です。
2013年04月30日 22:04撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
4/30 22:04
吊尾根です。今ここで雪崩に襲われたら
一巻の終わりです。
2013年04月30日 22:04撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
3
4/30 22:04
吊尾根です。今ここで雪崩に襲われたら
一巻の終わりです。
奥穂高の稜線からは、恐ろしいくらいの
雪庇が張り出してました。
2013年04月30日 22:07撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
3
4/30 22:07
奥穂高の稜線からは、恐ろしいくらいの
雪庇が張り出してました。
穂高岳山荘に行くザイテングラード。
2010年に雪崩に遭ったあずき沢。
どこもまだ雪崩が出ていません。
トレースもついていませんでした。
2013年04月30日 22:07撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
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4/30 22:07
穂高岳山荘に行くザイテングラード。
2010年に雪崩に遭ったあずき沢。
どこもまだ雪崩が出ていません。
トレースもついていませんでした。
2013年04月30日 22:08撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
2
4/30 22:08
涸沢槍です。
2013年04月30日 22:09撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
4
4/30 22:09
涸沢槍です。
なにはともあれ、涸沢と言ったら
コレでしょ。
2013年04月28日 16:45撮影 by  FinePix A800 , FUJIFILM
6
4/28 16:45
なにはともあれ、涸沢と言ったら
コレでしょ。
29日朝。天気は下り坂。岐阜県側からは
黒い雲が流れ込んで来てました。
2013年04月30日 21:19撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
4/30 21:19
29日朝。天気は下り坂。岐阜県側からは
黒い雲が流れ込んで来てました。
朝の早い時間からザイテングラード
横から皆さん登って行かれてました。
2013年04月30日 21:19撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
1
4/30 21:19
朝の早い時間からザイテングラード
横から皆さん登って行かれてました。
いつもならデブリの跡があっても
おかしくないカール内も、今年は
デブリの跡もない綺麗な雪面でした。
2013年04月30日 21:19撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
3
4/30 21:19
いつもならデブリの跡があっても
おかしくないカール内も、今年は
デブリの跡もない綺麗な雪面でした。
涸沢ヒュッテもまだ雪の中です。
2013年04月30日 21:20撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
1
4/30 21:20
涸沢ヒュッテもまだ雪の中です。
2013年04月30日 21:20撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
2
4/30 21:20
いつもビールを飲むテラスです。
今年は雪が多いみたいで、テラスの
横には凄い壁が出来てました。
2013年04月30日 21:20撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
2
4/30 21:20
いつもビールを飲むテラスです。
今年は雪が多いみたいで、テラスの
横には凄い壁が出来てました。
京都から来たと言う、御兄弟と仲良くなり
前日も鍋をいただきました。
色々とご馳走様でした。
2013年04月30日 21:22撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
7
4/30 21:22
京都から来たと言う、御兄弟と仲良くなり
前日も鍋をいただきました。
色々とご馳走様でした。
北穂方面です。
2013年04月30日 21:23撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
2
4/30 21:23
北穂方面です。
デブリの出ていない沢を下ります。
2013年04月30日 21:23撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
2
4/30 21:23
デブリの出ていない沢を下ります。
どこから雪崩が出てもおかしくない
状況です。
2013年04月30日 21:23撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
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4/30 21:23
どこから雪崩が出てもおかしくない
状況です。
2013年04月30日 21:24撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
4/30 21:24
横尾まで無事に帰って来ました。
天気も回復して来ました。
2013年04月29日 12:12撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
2
4/29 12:12
横尾まで無事に帰って来ました。
天気も回復して来ました。
途中サルの親子が毛づくろいをして
ました。
2013年04月29日 12:53撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
5
4/29 12:53
途中サルの親子が毛づくろいをして
ました。
2013年04月29日 12:53撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
3
4/29 12:53
徳澤で、お決まりのソフトクリームを
いただき、元気を回復です。
2013年04月30日 21:19撮影 by  FinePix A800 , FUJIFILM
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4/30 21:19
徳澤で、お決まりのソフトクリームを
いただき、元気を回復です。
無事に上高地に到着です。
しかしGW明けに、この日焼けた顔で
仕事に行くのが少し恐ろしいです。
2013年04月29日 15:51撮影 by  Canon EOS Kiss X3, Canon
5
4/29 15:51
無事に上高地に到着です。
しかしGW明けに、この日焼けた顔で
仕事に行くのが少し恐ろしいです。

感想

今年は4月に入っても天気が安定せず、暑い日と寒い日の繰り返し。
GW初日の27日も朝から北アルプスは大荒れの天気に。
天気予報を見て知ってはいたけど、一応自宅を午前3時に出発して一路
上高地に。
松本までは意外といい天気。しかし松本から見る上高地方面は黒い雲。
沢渡手前から雨〜みぞれ〜雪にと変わって、駐車場に着いたのが8時前。
この日は上高地で開山祭もあって、朝から観光客と重なって、バス停は大混雑。
自分はこの日は横尾まで入るつもりだったから、混雑を避ける為に車の中で
待機。外は強風と吹雪。4月も終わりだというのに、こんなに雪が降るなんて。

駐車場の車の中で待ってても雪は止まず、14時くらいから着替えをして
バスで上高地に。
上高地に着く頃には雪も止んで曇り空に。明神方面は青空も覗いてました。
身支度を整えて上高地を出発したのが16時。
この時間になるとさすがに人の数も疎らでした。しかし横尾までの林道は
真白に雪化粧して、芽吹きを待つ木々もまるで厳冬期のようでした。

いつもは辛く長い林道歩きも、思わぬ雪の為に興奮状態。いつもより楽しい
林道歩きでした。

横尾まで行きたかったけど、徳澤で日暮となってしまって、徳澤テントサイトも
満員御礼状態。仕方なく徳澤ロッジに聞いてみたら空いてると言われ、
ロッジのスタッフに甘えてお世話になる事に。食事の時間を過ぎてましたが
嫌な顔もせずに驚く食事を用意してくれ感謝しています。

食事を済ませてロッジのスタッフに聞くと、明日は天気は回復する見込み
だけど、明日の方が雪崩の危険が増すので、明日いっぱいは横尾から先は
通行規制は解除しないとの事。

2009年から雪山をかじり出したけど、このGWは本当に天候や体調に恵まれ
ない自分。そしてこの日は白馬の大雪渓でも大規模な雪崩で数人が巻き込まれた
情報も届いていました。

明日は山に入れると思っていただけに、落胆する気持ちと2010年の雪崩の
教訓とが心の中で同居していました。

次の日の朝、スタッフの人から今日も入山禁止との説明を聞いた瞬間に、
また来ればいい。今回は帰ろう。と思って身支度をして玄関で靴を履き
フロントでお礼の挨拶をした時でした。

横尾から先が解除ではないけど、一段ゆるい自己責任でなら入ってもいいと
言われ、もう頭の中では穂高一色状態に。
もう時間は9時近くになってたけど、これは行くしかないと思い横尾方面に
向いました。横尾に着くと山岳警備の警察の人が出ていて、厳しい装備
チェックと、出来れば止めて欲しいとの静止を繰り返していた。
横尾のテント場もまだかなりの数のテントが張られていて、横尾大橋を
渡って向う人の数も殆どいない。
山岳警備の人に聞いてみると、やはり本谷橋より先がかなり危険な状態
らしい。時間は11時くらいだったけど、まだどこも雪崩てないらしい。
この日は朝から天気が良くて、気温もグングン上がっていた。
本谷橋より先に入って、上部から一発来れば人生終わってしまう。
悩んだけど、山岳警備の人に装備を見せて、一応本谷橋まで行ってみる
事を伝えてアイゼンを装着した。

2011年にインブルエンザで敗退した場所を過ぎて、本谷橋に向かう。
天気は依然晴れ。気温もどんどん上がる。木々の上から雪がドサドサ
落ちて来る。

そして本谷橋に到着。雪崩が来ても良さそうな場所で昼食のパンを食べた。
30分くらい腰を下しただろうか?パンを食べながら2010年の雪崩遭難を
思い出していた。
後2時間歩けばあの素晴らしい穂高の景色が見れる。でもこの先雪崩の巣に
突入して、一発来れば多分トップニュースに。
時間だけが静かに流れて行った。
やっぱ帰ろう。山はまた来ればいい。そう思い食事を片づけて身支度を
して帰ろうと思っていたら、後続者がどんどん登って行く。

頭の中で行くか帰るか混乱していた。よし、やっぱ行こう。登りながら
常に左右からの雪崩を警戒して、危なかったら引き返そうと思い雪崩の巣に
突入して行った。

幸い、前も後ろからも他のパーティーの人達がいたから、周囲からの
雪崩も一人で警戒するより心強い。

そしてもうすぐSガレという場所にさしかかった時に、突然後ろのパーティーの
人から、「雪崩ぇ〜〜〜」と大きな声で叫ばれた。
自分は右斜面を警戒していた為、左からの屏風岩方面から雪崩が発生。
自分の真横から来た雪崩だったので、一瞬終わったかな?と思ったら、幸いに
大きな規模にはならず、手前で止まってくれた。
もう心臓バクバク状態。
急ごう、ここを突破して涸沢でビールだと思い、思いザックを何度も
背中にコギ上げて、涸沢を目指した。

Sガレを過ぎると一層斜度も増して、左右の斜面からの雪崩の危険度が
増す。そんな中、腰を下してる人もいたが、自分も疲労していたが、ここでは
休めないと思い、テント場を目指した。

そして涸沢ヒュッテ見えて来た。後少し、額から流れる汗を拭きながら
最後の急坂を登りつめた。

その瞬間、自分で自分にお疲れ様を言ったような気がした。
ザックを下す間もなく、テント場に行って驚いたのは地形でした。
涸沢のテント場はこの時期でも少しくぼんだところにあるのだけど、今年は
ヒュッテの上に位置していた。到着の瞬間を動画撮影して、時間も15時半を
回っていたので、急いでテントの設営に取り掛かった。
そしたら途中で一緒になった京都から来た御兄弟が、テント場の受付で
本日は雪崩の危険があるので、テント泊代は無料と言われたらしい。

よく周りを見ると、まだどこの沢も雪崩れていない。一昨年は北穂方面からの
雪崩で、営業前のヒュッテが埋まった事も記憶に新しい。
今回もその可能性が十分ににある。
雪面を圧縮してテント場を作っていたが、ここにテントを張って夜中に
雪崩に襲われたらと思ったら、作業の手が止まってしまった。

今回は殆どの人が涸沢入りを諦めた為に、この時期としては珍しいくらい
人が少なかった。自分もここまで来れた喜びと、ここまでテントを担ぎ上げた
自信で満足して、これ以上無理をしてはいけないと判断。
この日はヒュッテに素泊まりでお世話になる事にした。

そして翌日。あずき沢方面を見上げると、今年初のトレースをつけて登ってる
人たちがいる。沢筋は危ないからザイテンのすぐ左を登ってるようだ。
自分も行きたかったが、30日は天気は崩れる見込み。
心の中で、もう十分だよ。今の自分の技術では無理と思い、食事を澄ませて
帰りの支度をした。昨日から行動を共にしていた京都からの兄弟も、今日は
上高地に待たせている親の元へ戻ると言う。
自分の中でもまた来る楽しみが増えたと言い聞かせて、涸沢を後にした。
何度も何度も穂高を振り返る。また来いよと言ってくれてるみたいだ。

4月下旬に降った季節外れの大雪で、穂高は白くその高みを一層輝かせて
いるようにも見えた。
そしてようやく穂高が見えなくなって雪崩の危険もなくなったので、ザックを
下して小休止。すると屏風岩方面から、ゴォォォ〜〜っと凄い音と共に
雪崩が発生。沢筋で休んでいたおじさんも、ザックを捨てて走ってこちらに
逃げて来た。幸い途中で止まった為に、トレースのあることろまでは
達しなかったけど、まだまだ油断は出来ない。
連続して3発発生したので、最後はカメラを出して動画を撮影。この雪崩で
巻き込まれた人はいないけど、昨日同様、気温がどんどん上がっていた。
この時間から昨日より多くの登山客が登って行く。
何事も無ければいいのだがと思い、声を交わした。

今、こうして自宅でヤマレコを書いてると、無事に戻れた安ど感と、あの
危険な雪崩の巣に突入した反省の気持ちがあります。無事に帰って来れた事は
結果論で、一歩間違えば白馬の雪崩と同じ事になっていたと思う。
自分の判断は正解ではなかったかも知れないけど、自分に出来るだけの装備は
持って、出来るだけのリスクマネジメントはしたつもりだ。

そして今思う事は、穂高という山は、自分の中ではエベレストより高い山に
思える。来年こそは、そんな気持ちで今は一杯です。

白馬で雪崩に遭われ、今だ行方不明になられてるご家族に哀悼の意を送りたいと
思います。
そして今まで応援してくださった皆様に感謝したいと思います。

ありがとうございました。


P.S
今回、カメラの撮影モードが、狂っていたため、写真が全て露出オーバーに
なってしまいました。本当はもっとたくさんの写真をアップしたかったけど
殆どの写真が使えずショックです。

それと2日目の徳澤〜横尾のGPSデータが電池切れのため飛んでます。
あくまでも参考にしてください。



下のURLは涸沢到着の瞬間です。

https://www.youtube.com/watch?v=wBOTQYNyJwA

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コメント

こんにちはjoeさん
写真、動画、感動したり、雪崩に緊張したりしながら、見せていただきした。
夏場は何回か涸沢、北穂に行きましたが、この時期は全く違って、冬山ですね。
雪崩は予測不可能でしょうし、無事で何よりでしたね。
2013/5/1 11:27
divyasu21さん
はじめまして、コメントありがとうございます。
今年はこの時期になっても天気が安定せず、予定も
2手3手と変わりましたが、夏もこの時期も穂高は
いいですよね。
またどこかでお会いしたら声かけてくださいね。
2013/5/1 18:39
joeさんっ!!
こんにちはです〜〜。
なんとまあ、こんなにニアミスしていたとは!
しかも同じ行程を予定していたみたいですね(*^◯^*)
私達は15時過ぎに上高地を出たので、ほんとすれ違いだったようです。

28日、涸沢行かれたんですね。
雪崩れた跡の無い真っ白な涸沢の画。とんでもなくスペシャルな山行ですね。
途中の葛藤の場面、すごい共感しました。
涸沢、あれから上手いこと雪崩れてくれたかしら。。
何はともあれ何事もなくって何よりです。
スペシャル画像を有難うございました!
2013/5/1 20:18
joeさん、お帰りなさい
ご無事でよかったです。
そんなにも山が好きなんですね

お花と戯れてる私とは話が違います。

今回もjoeさんの大好きな帽子が守ってくれたんですよ。
かわいい子供さんのためにも決して無理はしないで下さいね。

ps・あの鯉のぼりは何なのでしょうか?
2013/5/1 23:59
ittiさん
ほんと、ニアミスだったようですね
自分も帰ってきてittiさんのレコ読んだら「えっ」って
思いましたよ
来年はお互いにリベンジですね
2013/5/2 4:54
miyaさん
コメントありがとうございます
自分の場合は山が好きというか、自然が好きなん
ですよ
人それぞれ山の楽しみ方はあると思いますけど
自分は開けても暮れても穂高が好きなんですよ

あの鯉のぼりは、GWだったからザックに付けて行った
んですよ。本当は奥穂高の山頂に立てたかった
んだけどね
2013/5/2 5:05
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この記録に関連する登山ルート

無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [2日]
上高地から横尾経由槍ヶ岳ピストン!
利用交通機関: 車・バイク
技術レベル
2/5
体力レベル
4/5
キャンプ等、その他 槍・穂高・乗鞍 [2日]
上高地から涸沢にテント泊で周辺の紅葉景勝地の散策も
利用交通機関: 電車・バス、 タクシー
技術レベル
2/5
体力レベル
4/5
無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [2日]
重太郎
利用交通機関: 電車・バス
技術レベル
3/5
体力レベル
4/5
無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [2日]
上高地〜横尾〜徳沢
利用交通機関: 車・バイク、 電車・バス
技術レベル
2/5
体力レベル
4/5
アルパインクライミング 槍・穂高・乗鞍 [2日]
前穂高北尾根
利用交通機関:
技術レベル
5/5
体力レベル
4/5

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