5月残雪の奥穂高岳(2泊3日)


- GPS
- 104:00
- 距離
- 34.1km
- 登り
- 1,926m
- 下り
- 1,917m
コースタイム
2日目 6:30涸沢テント場−9:5穂高岳山荘−9:50涸沢岳−11:25奥穂高岳−14:15涸沢テント場
3日目 7:00涸沢テント場−9:05横尾−10:10徳沢園−11:45上高地
天候 | 1日目 雨から曇り 2日目曇り 3日目曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2012年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
予約できる山小屋 |
横尾山荘
|
写真
感想
昨年、2回奥穂高岳に登った。皆から雪山は危ないから行くのやめなと言われ、厳冬期は近場の山だけ行っていました。でも、実は道具はそろえていた。靴はザンバランのエスクパートプロGTXを購入、12本爪アイゼン、ピッケル、冬用シュラフを兄からゲット。テントも外張りを購入。ペグは竹ペグ。ヘルメットはアマゾンで購入。眼鏡市場で遠近両用サングラス、ザックはお金がなかったので、中古の60Lザックを買いました。あとはえ〜とダウンの像足、モンベルのダウンも。後は行くだけでしょう。ということで、残雪の奥穂高岳へGo! しかし、重い。20Kgになっていました。こんなのかついで涸沢までいけるのかしらん。
上高地から横尾までは殆ど雪がない。しかし、穂高連峰、明神岳上部は雪に覆われている。どんな山旅が待っているのでしょう。
横尾から先は少しずつ山道に雪が増え、本谷橋付近では、皆アイゼンを付け始める。自分もならって、アイゼンを付けて歩き始める。アイゼンは地元の丹沢登山で練習済み。夏なら樹林帯や、沢沿いを歩くのだが、みんな埋まっていて何も見えない。多少黒っぽく、雪もシャーベット状だが景色は全然違う。これよ、これ。こんな景色を歩きたかった。しかし、この人数は何なの。まるで、ありの行列のように歩きます。
涸沢に着いてからは、受付がまだ始まっていなかったので、適当な場所を見つけテントを張ります。いつもなら、石がゴロゴロしていて、整地が大変で、横になっても背中が痛いのだが、今は石が無い。前の人が使った場所を見つけ、ここにテントを設営する。ここでも回りを観察して、ピッケルをテントのヒモにからませ、アイゼンを吊るす。初めての外張りも何とか使うことができた。
夜はそれほど寒くは無かったものの、風が強く、テントが飛ばされないかと、ひやひやしている内に明るくなる。こんな風では、だれも登らないだろうと思って、外を見ると、既に何パーティーも穂高岳山荘、前穂高岳方面へ向かっている。
これに勇気付けられ、自分も支度をして、ザイデングラードの向かって歩き出す。すると、さっそくアイゼンをひっかけ転ぶ。あわててはいけない。ここでも、夏山と全くルートが違い、直登。ザイデングラードの右横を登ってゆきます。
穂高岳山荘に着くと、さてどうするか。奥穂高岳は怖いし、ここから下るか。天気が悪く、ガスっているため、ちょっと危険のような・・・ 周りの人もあまり動く気配が無いので、行きやすい涸沢岳に行くことにする。前後に誰もいなかったが、確か比較的なだらかに登れたはず。登り始めると、案外歩ける。涸沢岳から降りるころ、続々と登ってきました。自信が付いてきたので、この勢いで奥穂高岳を目指します。最初の鎖場や階段を行き、岩場でアイゼンをひっかけないように慎重に登ります。途中、雪の壁をアイゼンの前爪とピッケルで登ります。ここは登りよりも、下りが大変。ここを過ぎれば奥穂高岳までなだらかな道です。奥穂高岳からの眺望は全くありませんでしたが、良く来たな〜と満足。そこへ、前穂方面からパーティーがやってくる。皆さん、ハーネスを付けて、かっこいい。一時写真を撮ったらまた、前穂方面に帰っていった。どこをどう通っていくのかしらん。
さて、帰りは雪の壁を下りなければなりません。ヤマレコではダガードポジションと言うらしい事は事前に勉強していた。周りの人のやり方を見ながら、まねをします。基本的に3点指示で、手はピックを雪にさし、足は前爪を蹴りこみ、一歩ずつ、後ろ向きで下ります。ロープで確保しながら順番に下るパーティーもいました。なんとかここをクリアーすると、後は安全とは言えないが、慎重に下りれば大丈夫。穂高岳山荘に戻ると、満足感いっぱいでした。下りは、シリセードという方法を使ったりすると、早く下りることができます。でも、ズボンがすれるのではないかと心配になりました。上から涸沢を見下ろすと、カラフルなテントでいっぱい。不思議な景色です。自分のテントもこの中にあると思うと、エヘンといった感じです。
今回残雪期とは言え、奥穂高岳という日本3位の雪山に登頂できたのは、とても信じられません。単独なので気合で移動し、そして勇気を持って登る決断をしなければなりません。最初がなければ、続きもありませんので、行こうと決断した気持ちを今後も持ち続けたいと思います。
この後、涸沢岳付近での遭難の話を聞きました。登った日の晩に穂高岳山荘では大変なことがあったことを知りました。北穂から穂高岳山荘まで縦走をしていたそうですが、あの天気では危険な行動、と思いました。山のベテランでもそのような事態に遭遇してしまう事があるのに、山の怖さを感じました。
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