記録ID: 2520454
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
日光・那須・筑波
大佐飛山
2002年05月03日(金) 〜
2002年05月05日(日)



- GPS
- 56:00
- 距離
- 21.0km
- 登り
- 1,687m
- 下り
- 1,676m
コースタイム
1日目
- 山行
- 4:15
- 休憩
- 0:15
- 合計
- 4:30
2日目
- 山行
- 7:15
- 休憩
- 1:15
- 合計
- 8:30
3日目
- 山行
- 2:25
- 休憩
- 0:05
- 合計
- 2:30
●男鹿山塊の最高峰「大佐飛山」
栃木県の北部、那須連山の南側には、登山道が余り無い男鹿山塊の山並みが連なっている。この男鹿山塊の最高峰「大佐飛山」に、以前三峰川遡行でお世話になったB氏と、百村側から登った。
5月3日の早朝に東京を出発し、東北道で那須を目指して出発した。ある程度の渋滞は覚悟していたが、事故渋滞が重なり登山口に到着したのは12時過ぎになってしまう。百村の光徳寺の手前にある林道を少し入ったところにある登山口の脇に車を止め、ここから歩き始める事にした。ガイドには登山口の標識が無いとあったが、杉林を登る登山道の入り口には「百村山→」と記されたプレートが、木に打ち付けられていた。五月連休の山装備は難しい。麓は初夏を思わせる気温なのだが、残雪の残る稜線では夜の冷え込みが厳しい。必然的に装備が膨らんでしまう。冬用のヤッケや寝袋を詰め込んだ上に、3日分の食料とアルコール(これがまた重い)を入れたザックは肩にズシリと重い。久し振りの重い荷物を背負って、植林された杉林の中をゆっくりと登り始めた。
● 残雪を気にしながら百村山へ
歩き始めて約45分、舗装された林道を横断する。視界が開け、百村山から黒滝山への稜線が見渡せたが残雪の気配が全然無い。大佐飛山への行程は、百村山から西に続く尾根筋を上って1754mの黒滝山まで登り、ここから北に向きを変えて稜線を辿っていく。地図上では1467m付近で登山道が終わっていた。山行記等では藪を漕いで黒滝山まで歩き、ここから残雪を踏んで大佐飛山に登った記録が多い。残雪で藪が倒れて歩き易くなっている事が、今回の「大佐飛山」山行計画の前提だし、もし残雪が無かったら幕営するのに必要な水の確保が問題になる。「とにかく百村山まで登ってみて、残雪が無さそうだったら戻ろう。」と、少々悲観的な気持ちで歩き進んだ。
百村山への道は新緑が眩しい明るい登山道で、歩いていても気分が好い。送電線の鉄塔を過ぎると、南側から巡視路が合流してきた。良く見ると、木々の下のほうに林道が見える。ここまで車で入れれば、百村山まで随分と楽に登ることが出来る。巡視路と合流して15分程で百村山の山頂に到着した。山頂部は平坦でカタクリの大群落がある。赤紫色のカタクリの花がちょうど見頃で、一面の花畑が実に見事であった。
●1588mの幕営地点へ
百村山まで登ってみると、黒滝山から北に伸びる稜線部に、残雪と思われる白い部分が所々に認める事が出来た。もう少し進んでみようと云う事で尾根筋を歩いて行くと、黒滝山から下山して来る登山者と遭遇した。山の様子を聞くと、「藪の刈払いが延伸し黒滝山まで登山道がついていて、1588mピーク付近からは所々に残雪がある。ただ黒滝山から先は藪で道は無い。」との事であった。とにかく幕営に必要な水の確保だけは出来そうである。「今晩は残雪のある所で幕営し、明日、黒滝山までは登ろう。その先は藪次第...」と言う事で、なおも歩き続けることにした。
1467mのピークの手前から、登山道は笹薮を縫って進むようになった。かつてはこの辺りで登山道が終わり、後は藪を漕いで登ったのだろう。幸いにして藪が刈払われたおかげで、随分楽に登ることが出来る。藪漕ぎが無かったとはいえ、ピーク手前の急登はきつく、重い荷物を背負っての登りに、予想以上の時間を要した。何とか1588mのピークにたどり着いたくと、幕営するのには都合のよい平坦な残雪地帯が何箇所か残っていた。さっそくテントを設営、晩飯の支度に取り掛かる。残雪は少し掘ればきれいなもので、煮沸すれば水の確保には困らない。小鯛の酢漬、名古屋コーチンのつみれ鍋、ハタハタの一夜干等を肴に、残雪で冷やしたビールが美味い。暗くなると、眼下に那須の街明かりが耀いて見え、実に綺麗だった。晩飯をいただきながら明日の行程を検討した後、21時頃シュラフに潜り込んだ。
●黒滝山から藪に突入する。
翌朝は4時過ぎに鳥のさえずりで目が覚める。しばらくシュラフの中でまどろんでいたが、予定通り5時に起床、中華雑炊と餅のいそべ焼で朝食を済ませる。時折ポツポツと小雨が降って来たが、雨具を付ける程ではない。東の空には太陽も雲間からのぞいている。装備はテントに残し、軽装になって6時30分に歩き始めた。
黒滝山まではしっかりとした登山道で、7時15分頃には黒滝山の山頂に到着した。山頂一帯はシャクナゲにおおわれていて、此処から先は笹藪とシャクナゲを掻き分けての道となる。オレンジで喉を潤した後、黒滝山の山頂から少し引き返し、踏み込んだ跡のある辺りからシャクナゲの斜面を下り始めた。シャクナゲの斜面を下りきると、残雪の窪地に出る。此処から尾根の続く方向に残雪を進み、笹藪の斜面を進んだが、窪地から西側の斜面を登り、残雪の尾根を伝っていった方が藪が少なくルートとしては好かった様だ。(戻りはこのルートをとった。)
●残雪の尾根を進む
黒滝山から大佐飛山までは、幾つかの小ピークを越していく。最初の1775mのピーク迄は直線距離で700m位であったが、この間が最も藪が濃く約1時間かかった。所々に赤テープがあり、地形図を注意しながら歩けば道を外す事は無いと思われるが、谷筋の残雪帯から藪の斜面に取り付く場所が判りづらく、万一の事を考えて、帰路の為に赤布で印を付けながら進んだ。
1775mピークから先は、尾根の東側に雪庇の名残りがあり、これを利用しながら進んだ。所々で藪を横断しなければならなかったが、そんな場所では一旦稜線部に上がり、シャクナゲを掻き分けながら進んだ方が安全だ。稜線部には、微かな踏み跡が残っていて、ここを歩けば幾分歩き易い。
●大佐飛山の山頂。
幕営地を出発して約4時間30分。漸く大佐飛山の山頂に到着した。山頂は樹林帯に覆われ展望は今ひとつであったが、充実した山歩きで到着した山頂は気分が良いものだ。ビールで乾杯した後、暖かいトマトスープとパンの昼食を取った。山頂には真新しいプレートが打ち付けてあったが、日付を見ると14年5月4日。正に今日、少し前に山頂を踏んだ人が居るようであった。男鹿岳方面から続く反対側の稜線に踏跡が残っており、北側から登った様であった
帰路は道の様子が判っている事もあって順調で、約3時間半で幕営地に戻る事が出来た。テントの中で大佐飛山登頂の祝杯をあげ、もう一晩幕営した後、3日目に無事に下山。板室温泉で汗を流した後、帰路についた。
栃木県の北部、那須連山の南側には、登山道が余り無い男鹿山塊の山並みが連なっている。この男鹿山塊の最高峰「大佐飛山」に、以前三峰川遡行でお世話になったB氏と、百村側から登った。
5月3日の早朝に東京を出発し、東北道で那須を目指して出発した。ある程度の渋滞は覚悟していたが、事故渋滞が重なり登山口に到着したのは12時過ぎになってしまう。百村の光徳寺の手前にある林道を少し入ったところにある登山口の脇に車を止め、ここから歩き始める事にした。ガイドには登山口の標識が無いとあったが、杉林を登る登山道の入り口には「百村山→」と記されたプレートが、木に打ち付けられていた。五月連休の山装備は難しい。麓は初夏を思わせる気温なのだが、残雪の残る稜線では夜の冷え込みが厳しい。必然的に装備が膨らんでしまう。冬用のヤッケや寝袋を詰め込んだ上に、3日分の食料とアルコール(これがまた重い)を入れたザックは肩にズシリと重い。久し振りの重い荷物を背負って、植林された杉林の中をゆっくりと登り始めた。
● 残雪を気にしながら百村山へ
歩き始めて約45分、舗装された林道を横断する。視界が開け、百村山から黒滝山への稜線が見渡せたが残雪の気配が全然無い。大佐飛山への行程は、百村山から西に続く尾根筋を上って1754mの黒滝山まで登り、ここから北に向きを変えて稜線を辿っていく。地図上では1467m付近で登山道が終わっていた。山行記等では藪を漕いで黒滝山まで歩き、ここから残雪を踏んで大佐飛山に登った記録が多い。残雪で藪が倒れて歩き易くなっている事が、今回の「大佐飛山」山行計画の前提だし、もし残雪が無かったら幕営するのに必要な水の確保が問題になる。「とにかく百村山まで登ってみて、残雪が無さそうだったら戻ろう。」と、少々悲観的な気持ちで歩き進んだ。
百村山への道は新緑が眩しい明るい登山道で、歩いていても気分が好い。送電線の鉄塔を過ぎると、南側から巡視路が合流してきた。良く見ると、木々の下のほうに林道が見える。ここまで車で入れれば、百村山まで随分と楽に登ることが出来る。巡視路と合流して15分程で百村山の山頂に到着した。山頂部は平坦でカタクリの大群落がある。赤紫色のカタクリの花がちょうど見頃で、一面の花畑が実に見事であった。
●1588mの幕営地点へ
百村山まで登ってみると、黒滝山から北に伸びる稜線部に、残雪と思われる白い部分が所々に認める事が出来た。もう少し進んでみようと云う事で尾根筋を歩いて行くと、黒滝山から下山して来る登山者と遭遇した。山の様子を聞くと、「藪の刈払いが延伸し黒滝山まで登山道がついていて、1588mピーク付近からは所々に残雪がある。ただ黒滝山から先は藪で道は無い。」との事であった。とにかく幕営に必要な水の確保だけは出来そうである。「今晩は残雪のある所で幕営し、明日、黒滝山までは登ろう。その先は藪次第...」と言う事で、なおも歩き続けることにした。
1467mのピークの手前から、登山道は笹薮を縫って進むようになった。かつてはこの辺りで登山道が終わり、後は藪を漕いで登ったのだろう。幸いにして藪が刈払われたおかげで、随分楽に登ることが出来る。藪漕ぎが無かったとはいえ、ピーク手前の急登はきつく、重い荷物を背負っての登りに、予想以上の時間を要した。何とか1588mのピークにたどり着いたくと、幕営するのには都合のよい平坦な残雪地帯が何箇所か残っていた。さっそくテントを設営、晩飯の支度に取り掛かる。残雪は少し掘ればきれいなもので、煮沸すれば水の確保には困らない。小鯛の酢漬、名古屋コーチンのつみれ鍋、ハタハタの一夜干等を肴に、残雪で冷やしたビールが美味い。暗くなると、眼下に那須の街明かりが耀いて見え、実に綺麗だった。晩飯をいただきながら明日の行程を検討した後、21時頃シュラフに潜り込んだ。
●黒滝山から藪に突入する。
翌朝は4時過ぎに鳥のさえずりで目が覚める。しばらくシュラフの中でまどろんでいたが、予定通り5時に起床、中華雑炊と餅のいそべ焼で朝食を済ませる。時折ポツポツと小雨が降って来たが、雨具を付ける程ではない。東の空には太陽も雲間からのぞいている。装備はテントに残し、軽装になって6時30分に歩き始めた。
黒滝山まではしっかりとした登山道で、7時15分頃には黒滝山の山頂に到着した。山頂一帯はシャクナゲにおおわれていて、此処から先は笹藪とシャクナゲを掻き分けての道となる。オレンジで喉を潤した後、黒滝山の山頂から少し引き返し、踏み込んだ跡のある辺りからシャクナゲの斜面を下り始めた。シャクナゲの斜面を下りきると、残雪の窪地に出る。此処から尾根の続く方向に残雪を進み、笹藪の斜面を進んだが、窪地から西側の斜面を登り、残雪の尾根を伝っていった方が藪が少なくルートとしては好かった様だ。(戻りはこのルートをとった。)
●残雪の尾根を進む
黒滝山から大佐飛山までは、幾つかの小ピークを越していく。最初の1775mのピーク迄は直線距離で700m位であったが、この間が最も藪が濃く約1時間かかった。所々に赤テープがあり、地形図を注意しながら歩けば道を外す事は無いと思われるが、谷筋の残雪帯から藪の斜面に取り付く場所が判りづらく、万一の事を考えて、帰路の為に赤布で印を付けながら進んだ。
1775mピークから先は、尾根の東側に雪庇の名残りがあり、これを利用しながら進んだ。所々で藪を横断しなければならなかったが、そんな場所では一旦稜線部に上がり、シャクナゲを掻き分けながら進んだ方が安全だ。稜線部には、微かな踏み跡が残っていて、ここを歩けば幾分歩き易い。
●大佐飛山の山頂。
幕営地を出発して約4時間30分。漸く大佐飛山の山頂に到着した。山頂は樹林帯に覆われ展望は今ひとつであったが、充実した山歩きで到着した山頂は気分が良いものだ。ビールで乾杯した後、暖かいトマトスープとパンの昼食を取った。山頂には真新しいプレートが打ち付けてあったが、日付を見ると14年5月4日。正に今日、少し前に山頂を踏んだ人が居るようであった。男鹿岳方面から続く反対側の稜線に踏跡が残っており、北側から登った様であった
帰路は道の様子が判っている事もあって順調で、約3時間半で幕営地に戻る事が出来た。テントの中で大佐飛山登頂の祝杯をあげ、もう一晩幕営した後、3日目に無事に下山。板室温泉で汗を流した後、帰路についた。
天候 | 晴れ時々曇り |
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アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
着替え
靴
ザック
ザックカバー
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
調味料
飲料
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
ライター
地図(地形図)
コンパス
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
時計
タオル
ナイフ
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
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感想
2002年は冬の降雪が少なかった上に春が暖かで、残雪が消えるのが早かった。例年の雪であれば、もう少し楽な行程であったと思われる。幕営地は1588mの先は、黒滝山直前の鞍部になるが、展望の点では1588m地点の方が好い。百村山へは、送電線の巡視路利用すると、山頂まで30分位の地点まで車で上がれる。
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