守門岳〜風が書いた雪のクロニクル
新潟県
ぐろ
体力度について
- GPS
- 07:30
- 距離
- 16.7km
- 登り
- 1,387m
- 下り
- 1,392m
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- 山行
- 7:06
- 休憩
- 0:24
- 合計
- 7:30
二分〜藤平山〜大岳まで新雪ノートレース。大池山先でコースロストし30分以上の遅れ。
| 天候 | 曇りのち晴れ 守門岳〜大岳の稜線は強風。 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2019年03月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
郵便局先から積雪凍結。午後は溶けていた。早朝橋の上は凍結しやすい。春先でも冬装備を。 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
・反時計回り周回。前日までの新雪10〜30cm。 ・二分から大岳までノートレース。大岳〜二分まで明瞭なトレース。 ・大池山先でロストルート。スキートラックについて行ってしまい、GPSでルーファイしながら復帰で尾根と沢2つトラバース、30分以上の遅れ。 ・隠れクラックが多数、小クラック無数。転落するほどではないが踏み抜く。 |
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感想
切り裂く音をたて、風が通り抜けていく。舞い上がる雪、地吹雪。地にある樹木は傾き折れ、原木が分からぬほど着氷雪する。通り過ぎる雪原には風が模様を描く。
稜線の風下には、庇のようにせり出した雪の塊。厳冬期になると巨大化していく。自重に耐えらず崩壊し、季節が巡ると溶けて跡形もない。その年ごとに形や大きさも違う。風が書いた雪のクロニクル。永遠に残ることはない年代記。現れてはまた消え去っていく。
早朝4時、前日のアカヤシオを回想しながら関越道へ。新潟遠征。小出インターからひた走る。途中の道から朝焼け見物。紅く染まる守門岳も美しかった。
郵便局先の橋の上から凍結。その先も除雪終点まで積雪凍結があった。春先でも冬装備が必要。2台停まっていた。気温−3℃装備して出発する。先行者2名はBCの方で長峰方面へ行かれた。私はiiyuさんおすすめの反時計回りで行く。
新雪が5〜10cmの林道を考慮して、最初からスノーシューは履く。ウォーミングアップで林道まで直登。猿倉まで川沿いを歩む。橋の手前から樹林帯へ。大池は雪原と化していた。その先から急登が始まる。ブナ林やスギ林の中を歩んでいく。
ヤセオネの雪庇上を歩くが一部崩落していた。藪の上を歩く。大池山先でスキートラックが現れた。それについて行ってしまい、現在地を見るとかなり北に。復帰するために尾根と沢を2つ越えた。30分以上の遅れ。
ただその手前から霧氷が現れ、朝日に輝く美しさに呆然と立ち尽くしていた。霧氷の中をさまよい歩く愚か者。危機感などなく霧氷に見とれる。ログを見ると酔っ払いが歩いた軌跡のようだった。
藤平山は白い雪原のような山頂。越後三山、上越県境山稜の眺望が雄大に広がる。春でも午前中なら霞まないので、眺望が素晴らしい。反時計回りの優位点。
守門岳へと続く白い尾根。広く雪原のように広い稜線には、霧氷が点在している。雲が東に流れ、抜けるような青空が現れる。その先には青い空と白い雪しか見えない。
乱反射するまっさらな雪原を歩いていく。私の前に道はなく、私のあとに道が出来る。点在する霧氷を楽しみながらゆったりと歩む。右手にある浅草岳が神々しく輝いていた。ヒメサユリに思いを馳せる。
小雪庇がある小烏帽子から登り上げると守門岳南尾根。雪庇と隠れクラックが現れる。それほど深くはないが踏み抜く。小クラックは無数にある。ストックで確認しながら進んで行く。小さな霧氷帯を直登するとビクトリーロード。
南からの強風吹き荒れる広い山頂からは雄大な景色。青空のもと四方に延びる白い尾根。そして北西に延びる大岳中津又岳への稜線上には巨大な雪庇。東から南にかけては、飯豊連峰、浅草岳、会津駒ヶ岳、燧ケ岳、平ヶ岳、奥利根山稜、越後三山、谷川連峰と名峰がずらりと並ぶ絶景。
南南西にうっすらと仙ノ倉山平標山が見える。少し視線を西へ向けると一ノ肩から続く日白山が見える。今、まさに稜線歩きをしているirohaさんにパワーを送る。
記念撮影して大岳方面へ向かう。本高地沢から吹き上げる強風に煽られつつ歩くも、目前の巨大な雪庇から目が離せない。小高い青雲岳に登り上げていく、見上げると青い空に白い雲が流れていく。今日の天気に相応しい山名。
再び下りこんで大岳へ。樹木の東側に大きなクラック。迂闊に近づかない。樹木付近にも隠れクラック。小さく転落の恐れはないが、踏み抜くの恐れがある。
小クラックを多数跨ぎ、再び登り返して大岳へ。山頂にBCの方が4名いる。今日初めて山中で人と会う。トレースも明確にあるので一安心。雪庇ぎりぎりまで近づき守門岳方面を撮影。保久礼方面へ下る。
緩やかに下る白い尾根。山麓の町並みや長岡市街地が遠くに見える。私の横をBCスキーヤーが滑り下りていく。昨夜の新雪は気温上昇ですでに重く、シャラシャラと音を立てていた。
風も凪いで暑く、腕まくり。気温8℃。傾斜が緩い所はグリセードで、急な所はシリセードで下っていく。雪焼けした顔や腕に雪が心地よい。長峰分岐を左へ。スギ林の川沿いを歩く。花粉症の方は要注意。
白い田園と西川が見えると終点も近い。橋のたもとから守門岳を見上げる。雄大な山容を目に焼き付ける。上空は雲が多くなり始めた。林道を歩いて駐車場所へ。
着替えて帰路へ。持って行った水2ℓは全て消費した暑さだった。帰路の道は、越後駒ケ岳と八海山を見ながらゆったりと白い田園地帯を流す。
小出ICから高速道へ。湯沢の先で万太郎山からオジカ沢ノ頭の谷川主脈、俎�瑤�白く輝く。武能岳、蓬峠も見えていた。関越トンネルに入る。景色は消えたが、心の中では、花があふれる谷川の稜線を歩く自分がいた。
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growmonoさん
おはようございます。
美しく素晴らしいレコでした。
きっと守門岳も喜んでおりますよ。
特に感想文がいいですね！
やっぱりgrowmonoさんです。
うれしいなあ！
こんばんは、iiyuさん。
先週iiyuさんも行かれましたね。コメントにて記したように、行って参りました。おすすめの反時計回りコースです。ノートレースの雪原や白い稜線は良いものですね。
霞がまだ薄い午前中に、越後三山や上越山稜を近い位置で見られますので、こちらの方が良いですね。藤平山から守門岳への稜線は、青空に雪原そして霧氷もあり素晴らしかったです。霧氷の中をコースロストしてさまよってました。
時計回りで保久礼コースですと、登り坂の距離が短く短時間で大岳まで行けますが、稜線上にでても藤平コースより景観が優れないと思います。広い尾根は歩きやすいですけど。
感想をお褒め頂き恐縮です。登山中はほとんど無心ですが、美しい景色を自分なりの視線で情景描写し、休んだ時に心の中で感じたことも言葉にしています。帰宅後、時事系列に写真を見ていき、その情景を思い出して文章にします。文字にするとまた記憶が蘇ってきて余韻に浸ることもあります。今回もたっぷりと回想しました。良い山行きでした。
growmonoくん こんにちは^^
しっかりパワー受け取ったよ
守門岳もいいね〜来年は是非行ってみたい。
その時はまたヤマレコMAPにダウンロードさせてもらうよ
こんばんは、irohaさん。
平標山〜日白山やりましたね。レコ先ほど軽く拝見しました。あとでじっくりと拝見します。
出発もほぼ同時時刻でしたから、おおよそ到達場所が分かりました。今頃、樹林帯を巻いて苦労しているかなと思ってました。私も新雪のノートレースとコースロストで一苦労しましたが、あとはまったりした歩きでしたね。
この山の醍醐味は美しい景色を堪能する稜線上の周回コースです。今季は雪庇がそれほど大きくないですが、迫力ある風景に変わりはありません。ぜひ来年は訪れてください。
今回のログは大池山先などでロストしてますので、得意の急斜面トラバースや複数の登り返し、沢への小滑落も含んでますので、使わない方が良いです。ヤマレコの紹介コースをダウンロードしてください。
growmonoさん こんばんは
いつも、人の少ない雪山を歩くことのできるgrowmonoさんに
感心するばかりです。自分はクラックにはまるかも…と考える
だけで、とても怖くていけません。景色の良いことはわかって
いますが、growmonoさんの写真で我慢します。まだ守門岳に
登ったことが無いので、紅葉の季節に行くことにします。
埼玉のchii
こんばんは、chiiさん。
人の少ない山・・・・月曜でみなさん仕事しているからでしょう。平日の山は静かで良いです。人と会わないのに慣れているので、日曜で混雑していると辟易してしまいます。
西黒や俎�瑤里茲Δ僕遒舛燭藉躙院△箸いΕ�ラックはそれほどありません。踏み抜き程度です。ただし視界不良時は恐いですね、知らぬうちに雪庇から転落しそうです。紅葉時期もよさそうですね。夏にはニッコウキスゲ、ヒメサユリも咲くようです。
遅ればせながら．．．こんにちは、growmonoさん！
この日、私も守門か浅草か迷いながら前日から車に用具を積んでいました。
ギリギリまで天気予報と睨めっこをしていましたが、風が強いので諦めました。
軍曹は飛ばされないでしょうが、私は耐風姿勢のままで飛ばされそうです
この週末も新潟を狙っていましたが、チョット無理みたい
週末毎に天気が悪いけど、こんなレコみると無理しても突っ込みたくなります
こんにちは、hottenさん。
遅くともコメントをお寄せ頂くだけで励みになります。いつもありがとうございます。感謝です。
先週は強風と降雪、今週も荒れ模様ですね。25日月曜は中腹までは穏やかな天気で暑いほどでした。ただ藤平山から守門岳大岳は南からの爆風でした。風速10〜15m/sほどですね。私は体重80kg、今回の装備は軽く約13kgです。カメラやウェアを入れると総重量約100kgあります。0.1トン。
風速15ｍ/ｓほどでしたら全く問題ないです。上州からっ風で鍛えられ、昭和男の典型的な体型の胴長短足大足と、野太い体幹を持っていますので、起き上がり小法師のように安定感があります。昨年2月に唐松岳で30m/s近い爆風を経験しましたが、さすがに直立できず這ってました。
思いがけない霧氷と、踏み跡のない雪原を、抜けるような青空に向かって歩きました。横には越後三山と上越山稜。前方には白く輝く浅草岳。神々しい眺望に直前にロストしたことなど忘れて佇んでおりました。
hottenさんがおっしゃるように、無理してでも突入したくなるひと時が過ごせました。
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