琴引山:八百万の神々が降臨する頂へ(琴引フォレストパークから佐見ルート〜敷波ルートを周回)【島根県飯南町】

- GPS
- 02:50
- 距離
- 6.4km
- 登り
- 551m
- 下り
- 550m
コースタイム
- 山行
- 2:25
- 休憩
- 0:25
- 合計
- 2:50
琴引フォレストパークスキー場駐車場 1245 ― ゲレンデ 1247 ― 登山口100m 1254 ― 佐見登山口 1256 ― 十畳岩 1309 ― 弦の清水 1322 ― 大神岩 1327 ― 佐見ルート・敷波ルート合流点 1338 ― 琴弾山神社下 1340 ― 琴弾山 1342 ― 琴引山山頂 1346/1357 ― 草峠大万木方面等合流点 1359 ― 琴弾山神社下 1400 ― 佐見ルート・敷波ルート合流点 1402 ― チェーンスパ装着 1407/1412 ― 琴の岩屋 1420/1421 ― 苔むした大岩のロープ場 1432 ― 敷波登山口 1456/昼食/1507 ― 町道と合流 1522 ― 琴引フォレストパークスキー場駐車場 1533
●行動時間 2:48
| 天候 | 曇り、アラレ |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2025年12月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
自家用車
(用事先=フォレストパークスキー場駐車場) 駐車場―佐見コース登山口―琴引山―敷波登山口―駐車場 (フォレストパークスキー場駐車場=広島の家) ●登山口へのアクセス ○フォレストパークスキー場駐車場 ・国道54号で飯南町へ。佐見にて「琴引フォレストパーク」のゲートをくぐって東へ。そのまま終点まで上がるとフォレストパークスキー場。駐車場は終点にある第1が登山に利便がもっとも良いが、今回のように佐見ルート、敷波ルートを周回するならば、第1よりも手前にある第2〜第4でも結局変わりはない ・駐車可能台数は多過ぎてよく分からない (2025.12現在) |
| コース状況/ 危険箇所等 |
○佐見ルート(フォレストパークスキー場〜登山口〜琴引山) ・登山道はスキー場のゲレンデ中腹にある。標示がある。そこから十畳岩までは尾根筋、途中からは流れに沿った緩やかな上りが続く。十畳岩を過ぎると急坂になり山頂へと至る。山頂の手前には琴弾山神社があり、その手前で佐見コースと敷波コースが合流している。神社の背後から山道が続き山頂へと至るが、山頂付近には複数の登山道があるが標示も付されている ○敷波ルート(敷波登山口〜琴の岩屋〜琴引山) ・山頂から下ると、琴弾山神社の先で佐見コースと分岐する。敷波コースはしばらく斜面をへつって遷移した後、細い尾根筋に付けられたつづら折りの急坂を一気に下降する。何度か平坦地を挟むが、急坂が続く。標高700m付近からは樹間を縫うように進む山道になる。ピンクテープ等の印付けが少ないが、踏み跡は極めて明瞭。それを頼りに進む ※本日の積雪状況 ・標高800m付近までは積雪なし。それ以降も草葉の霜にはじまり、標高が上がるに連れ白いものが増えていく。ただし、コース上には多くても数センチであり、佐見コースではアイゼンなしでも登り切ることができるレベル。敷波コースは上部の急坂に落ち葉と積雪があり滑る。下降の際にチェーンスパを使用した (いずれの記述も2025.12現在) |
| その他周辺情報 | ●買う、食べる ・コンビニは、国道54号沿いでは北は掛合、南は飯南町赤名にある ・飲食店は飯南町内では、国道54号沿いに複数ある。南は来島の蕎麦屋から北は頓原の道の駅まで。 スキー場着前にある「琴引ビレッジ山荘」でもできるようだ。 ●日帰り温泉 ・上記「琴引ビレッジ山荘」では日帰り入浴が可能。そのほかに、飯南町では頓原、下来島に、隣の雲南市掛合では波多に日帰り入浴施設がある (いずれの記述も2025.12現在) |
写真
感想
冬の琴引山へと向かった。今年最後になるかもしれない山行きは、すでに初雪後の西中国山地とした。先週降雪はあったはずだが、今日は天候も落ち着いているようだ。“無雪期登山”としてはこれが最後であろうと思い、ここを選んだ。毎年師走になると忙しくなり、山に向かう時間がなかなか取れなくなる。今年もスケジュールとにらめっこした結果、午前のご用のあとに向かうこととした。
琴引山は、出雲神在月に全国の八百万の神々が降臨する場所とされている。ここから神戸川にて河口へと下り、稲佐浜から出雲大社に至るそうだ。出雲国ではこうした神話に事欠かない。
国道54号を北上し、飯南町に入る。佐見にある「フォレストパーク」を示す大きな入口ゲートへと曲込み、スキー場に到着。スキー場は雪造りの最中で、下のゲレンデの天端付近ではホースから雪が吹き出しており、消防士のようにそのホースを持った人がじっとそのようすをうかがっている。見上げると、琴引山山頂部も見えており、すでに上部は白くなっていることが分かる。
ゲレンデに敷かれた固いグリーンシートの上を歩き、ゲレンデ上部を目指す。このシートは土よりも歩きにくい。シートの上部まで来ると「登山口100m」の標示が目に入り、雪造りの施設らしい工場のような建物のそばを一登りするとゲレンデ脇に登山口があった。
そこからはゲレンデを離れ山道になる。緩く尾根を登り、やがて沢沿いへ。しばらく登ると小滝が目に入る。その上部に進むと、滝は大きな一枚スラブから流れ落ちていることが分かる。それが「十畳岩」だ。
十畳岩からは登山道の面相が大きく変わる。急な斜面の登りとなり、一気に高度を稼いでいく。標高800m付近からは周囲に白いものが見え始め、やがてコース上にも現れるようになる。落ち葉に埋もれた道の上に積もったうすい雪。
周囲の空気も改まる。雪の世界のそれらしくピンと張りつめた静寂が身を覆う。
滑るレベルではないのでチェーンスパを使うこともなく進む。「弦の清水」「大神岩」と名付け地点を過ぎ、いよいよ雪を踏まえない限りは歩けないほどになってきた。と思う頃に佐見・敷波両ルートの合流点が現れた。そこからは、すでに琴弾山神社のある巨岩が見えており、一登りで神社入り口に到着した。
半分雪に埋もれた石段を慎重に上っていく。屹立する大岩の狭間を進み琴弾山神社本殿へ。お詣りの後、本殿裏へと回り込むと下で分かれた山道への近道があり、再び山道へ。すぐに山頂を指し示す標識があり、それに従い山頂方面へ。ほどなく、見晴らしの良い山頂に到着。
山頂は卓球台一つ程度の狭いものだが、遮る樹木も限られており、ほぼ360度の絶景を楽しむことができる。山頂が狭く、全方位切れ落ちているので、足下から遠方までを一望することもできる。
東側では間近の沖の郷山から大万木山、西側では三瓶山や大江高山が堂々と聳えている。ちょうど猿政山のあたりが樹木に遮られているが、それ以外は大展望だ。遠く阿佐山付近も見えているが、どうやらそちらは空色が悪くなりかけているようだ。
よそ事のように空模様の心配をしていたら、こちらもアラレが落ち始めた。まだそれほどに空が暗くなっているわけではないのだが、現に降ってきたものには敵わない。もっとゆっくりしたいところだが、そそくさと撤退を決めた。
下りは敷波ルートへ。先ほど見た分岐点から斜面のへつりを暫く進み、急な細尾根の下りへ。こちらは先ほどの佐見ルートとは異なり、登山道はしっかりと3センチ程度の積雪に埋まっている。急坂と落ち葉と積雪が相乗して歩きにくいことこの上ない。下りにはなっていたもののチェーンスパを取り出した。
そこから標高800m付近までは変わりなく急坂が続く。チェーンスパを出すときには逡巡したが、結局、付けて良かった。迷わず決断することが大切なのだが、人間なかなかそうはいかないものだ。
登山道の雪が消えかけた頃に「穴神琴弾岩」との標示。ガイド本にある琴の岩屋のようだ。一旦登って岩屋にお詣り。岩には深そうな横穴がある。大国主命の琴を埋めた候補地のひとつとのことだが、行きにみた大神岩にしたもこの岩屋にしても、厳かさがある。
そののち苔むした大岩のロープ場が現れる。他のガイド本でもよく取り上げられているが、現地はわずかに岩ひとつ分のことだ。ただし、落ちたら斜面下まで行きそうな恐い場所であることは変わりない。
そのあとは穏やかな樹林帯の下降。誘導マーキングが少ないのだが、踏み跡が明瞭なので進めるが、一面雪の時などはたいへんそうだ。最後は谷筋の下り。落ち葉が集まり足下がふわふわする。
降りきると登山口。敷波登山口には鳥居がある。
登山口からは車道歩きでスキー場に戻る。
すでに冬の装いの山へと行くことができたが、アラレは余計だった。麓の天気予報は曇りであり、その通りの天候なのだが、やはり山の上は同じとは限らない。
アラレはひょっとしたらまだ降っているのかもしれないが、こちらからはまだ山頂部を見上げることができる。大展望も楽しめ、年の最後に印象に残る山行きだった。
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