雷鳥荘宿泊:剱御前小舎まで行ってきた(雄山ホワイトアウト撤退、奥大日岳雪崩撤退)

- GPS
- 08:48
- 距離
- 9.7km
- 登り
- 740m
- 下り
- 733m
コースタイム
- 山行
- 1:21
- 休憩
- 1:11
- 合計
- 2:32
- 山行
- 5:56
- 休憩
- 0:16
- 合計
- 6:12
| 天候 | 11/21(金)、降雪、風はまぁまぁ(予報だと室堂平で8m/s)、-4〜-2℃。視界非常に悪い。早々に小屋に入ったが、午後は窓にあられがたたきつけられ、日没後も吹雪いていた。 11/22(土)、快晴、稜線に出るまでは無風、稜線では強風(予報だと15m/s)、-7〜5℃。日が射すと暑かった。稜線では雪氷が吹き付けて、肌を露出していると痛い。 積雪深は下記参照。 https://toyamaken-sotaikyo.jp/avalanche 11/21 8:25時点で、24時間降雪5cm、積雪深130cm、「なだれに注意」(4段階の一番下)。 11/22 8:26時点で、24時間降雪25cm、積雪深150cm、「危険な状態」(4段階の下から2番目)。 |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2025年11月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
8時ごろチケット売り場に行くと数人が並んでいた。問題なく始発8時半のチケットゲット。 当初は立山駅を目指していたが、初日の降雪で運航中止になるリスクがあると考えて扇沢駅に回った。実際、運転見合わせとなった時間帯があった様子。 アルペンルート時刻表 https://www.alpen-route.com/timetable/ 室堂駅から扇沢駅への最終便は15時半発。 |
| コース状況/ 危険箇所等 |
《11/21の状況》 室堂駅〜室堂山荘:竹ポールがさしてあり、視界悪くても進める。ツボ足ではズボズボ行くのでワカン着用。 室堂山荘〜一ノ越(撤退):なんとか行けないかと思ったが、室堂山荘より先は目印になるものが何もなく、斜面の雪の状態等も見えず危険と判断。早々に撤退。 室堂山荘〜雷鳥荘:こちらもポールがあるので問題なく行けた。ワカンが役立った。 《11/22の状況》 雷鳥荘〜浄土橋:ワカンで問題なし。浄土橋は小さな橋が架かっている。 浄土橋〜新室堂乗越(撤退):途中までトレースあり、アバランチ講習の方たちが通った後だった。夏道どおり新室堂乗越に向かうのでは、雪だまりがあるように見えて危なく思ったので、手前の尾根を上がろうと向かっていた。ボーダーが上から下りてきて、その斜面で小さな雪崩を起こした。これは危険と判断して撤退。 撤退箇所〜剱御前小舎:ボードやスキーの人が大勢登ったトレースを拝借。途中からアイゼン・ピッケルに変更。岩混じりのところは少ないが、ハイマツを踏み抜くところはあった。それほど大きくはないが雪庇は注意して歩く。こちらも先行された方のトレースを使わせていただいた。稜線は風強かった。下りは向かい風で雪氷が叩きつけられてくるので、バラクラバ・ゴーグルで顔を守った。 その後:下りは特に問題なし。雷鳥荘以降は雪が踏み固められていて、チェーンスパイクがちょうどよかったと思う。 |
| その他周辺情報 | 《入山届》 コンパスで計画書を提出する際に、入山届の記入も求められる。雪崩ビーコン、プローブ、ショベル、ツェルトの持参が必要。入山ルールは下記参照。 http://toyamaken-sotaikyo.jp/rule#02 《雷鳥荘》 https://www.raichoso.com/index.html ・夕食は18時から、朝食は6時半〜8時。早出弁当は17時までにフロントに言うとのことだが今回は利用しなかった。受付時に、昼食弁当の要否も確認された。 ・喫茶11時〜19時、売店6時半〜20時、水・湯は24時間無料。 ・入浴11時〜翌朝7時。ボディソープ、リンスインシャンプーがある。 ・ベッドごとに電源コンセントがある。 ・その他、感想欄に書きました。 |
| 予約できる山小屋 |
|
写真
こちらは寝床。しっかり仕切ってあって人目に触れないスペースになっている。
しかし、その尾根でボーダーが雪崩を起こした。
大勢が登っているルートに向かい、剱御前小舎を目指すことにした。時間があれば剱御前又は別山に行きたいと思っていた。
扇沢への最終バスは15時半だが、遅くとも14時半には乗りたい。室堂駅まで3時間はかからないと思うが、2時間では難しいと考え、ここで引き返すことにした。
復路は正面から風を受けるので顔に氷雪が叩きつけられる。バラクラバをセットしなおし、サングラスをゴーグルに交換。
この辺りまで来ると人がたくさん通っていて、圧雪されている。チェーンスパイクで良かったと思うが、しばらくワカン継続した。
装備
| MYアイテム |
重量:-kg
|
|---|---|
| 個人装備 |
セプター35
ビーコン
予備電池
プローブ
ショベル
ワカン
アイゼン
ピッケル
トレッキングポール
ヘルメット
ダウンフーディ
エバーブレスアクロジャケット
予備グローブ
予備ソックス
サングラス
ゴーグル
バラクラバ
ヘッドライト
予備ヘッドライト
行動食
山専ボトル
日焼け止め
手ぬぐい
ファーストエイド
ポケットティッシュ
予備靴ひも
ピコシェルター
エマージェンシーシート
マルチツール
モバイルバッテリー
Focus
カメラ
コンパス
地形図
iPhone
ストラップとタッチペン
時計
財布
|
| 備考 | ●装備 ・10.9kg。お湯0.5L込み。 ・アルペンルート交通機関用に、トートバッグが役立った。ヘルメットやピッケルなど外付けは外しておく方が安全。 ●服装 《上半身》 ・ドライレイヤーウォーム(Finetrack) ・DF Mesh Merino Hoody(山と道) ・ポリゴン2ULジャケット(Finetrack) ・フロウラップフーディ(Finetrack) 初日は終始、2日目は稜線で風が強かったが、ハードシェル出番なし。 2日目、ポリゴンは暑くて脱いだ。 《下半身》 ・ドライレイヤータイツ(Finetrack) ・メリノスピンライトタイツ(Finetrack) ・ドラウトクローパンツ(Finetrack) ・エバーブレスアクロパンツ(Finetrack) ちょうどよい。 《グローブ》 ・ウールインナーグローブ(Millet) ・パウダーライトグローブ(Mont-bell) シェルグローブもスタンバイしていたが出番なし。 《その他》 ・Dry Layer Socks(Finetrack) ・RLメリノアルパイン(Caravan) ・MANTATECH GTX(Scarpa) ・クロコダイルゲイター(Outdoor Research) ・Balaclava Arctic WS(Mammut) ・ヘルメット(Grivel) |
感想
11月恒例の立山は、当初は11月上旬のみくりが池温泉宿泊の予定だった。しかし、家族のけががあり中止。出かけても大丈夫となってから探したら、11/21(金)の雷鳥荘に空きがあった。仕事の調整をして、出かけることができた。
当初は立山駅に向かう予定だったが、初日が降雪予報だったので立山高原バスが止まるリスクがあると考えて扇沢駅へ(実際、運転見合わせの時間帯があった様子)。扇沢駅から黒部ダムへのバスに初めて乗ることに。
扇沢駅で並んでいる時にビーコンを車に忘れたと気がつき、無料駐車場にとめた車まで走った。何とか間に合ってよかった。
他のお客さんを見ると、ボーダーが多く、次にスキーヤー、ハイキング(軽装)は目立つが、登山はあまりいないかも?
室堂駅から出る時は、吹雪が吹き込んでいて大変な時に来たか?と思ったが、出てみると思ったほど寒くなく、これなら雄山に行けるかもと感じた。
室堂山荘までは、細い竹竿が刺さっていて、視界が悪くてもそれを頼りに行けた。
室堂山荘を過ぎると、たちまち進行方向が分からなくなる。コンパスとGPSを頼りに進むことも考えたが、右手の斜面の状況も分からないのではリスクが高いと考え、撤退。
まずはみくりが池温泉に寄って、ピザとココア。
早々に雷鳥荘に入って、ビール。
何度か外を見たが、アラレが叩きつけるように降っていたり、吹雪が続いていた。
雷鳥荘の素晴らしいところ
・相部屋にしたところ、板壁とカーテンでしっかり仕切られて人に見られない空間が確保されている。膝のテーピングがしやすい!
・一人一人のスペースに電灯とコンセントが用意されている。
・フリーWi-Fiがしっかりした通信速度で役にたつ。
・お風呂が広い。もちろん温泉。
・ボディソープ、リンスインシャンプーが置いてある。
・脱衣所に貴重品ロッカーがある。
・ビールの種類が多い。生ジョッキはアサヒ、缶はアサヒ、キリン、クラフトがある。
・ご飯が美味しいし、品目も多い。みくりが池温泉は、ベースの献立にオプションで注文していく形。雷鳥荘は、定食で完結。
いまいちだったところ
・荷物は靴も含めて部屋に。相部屋にそんなにスペースはないが、まぁ困るほどではなかった。
・日本酒が立山しかない。立山は、県外では一番見かける富山の酒だが、富山の酒っぽいかと言われると我が家(富山の実家)の感覚では違うかなと。
土曜朝、ご飯を腹一杯食べて出発。
少し偵察に出て、ワカンで行くことにした。スノーシューがあればなお良かったと思う。直前まで迷って、ワカンを持ってきたが、この辺りは経験積むと分かるようになってくるのだろうか?
-7℃を見た。下の方は風がなくて、-7℃でもあまり寒くなかった。
日が射すと気温が上がり5℃くらいになった。
奥大日岳を目指して新室堂乗越にどう行くか。まずは夏道通り行こうとしたが、近づいてくると雪溜まりになっている感じ。手前の小さな尾根を上がろうと向かっていたら、ボーダーが小さな雪崩を起こした。
あーやっぱり雪崩リスク高いよね〜、教えてくれてありがとう〜と考え直して、大勢が上がっているルートを使うことにした。目的地はとりあえず剣御前小屋、余裕あれば別山か剣御前に向かうことにした。
長い登りだった。とにかく長く感じた。体力が足りないと感じた。
途中、険しくなるところはアイゼン・ピッケルに変更した。
尾根歩きは雪庇注意と思い、トレースよりもやや下がったところに足場をつくったりしながら歩いた。尾根は風も強かったが、登りでは背中からの風だったのであまり気にならなかった。
剣御前小屋前では剱岳、後立山がきれいに見えた。風が強く、雪というか霰のようなものが叩きつけられた。下山するとなると風に向かって行くことになり、あまりにも顔が痛いので、バラクラバをセットし直して、ゴーグル投入。全く痛くならず、また新調したゴーグルがとても調子良く、快適に下りることができた。
当初、雷鳥坂を下りようかと思ったが、雪崩リスクが頭を掠めたので元来たルートを戻った。
稜線を外れてしばらくすると風がなくなり暑くなってきた。まずアイゼン・ピッケルをワカン・ストックとして、その後ヘルメット・ゴーグルをビーニー・サングラスに変えた。
雷鳥沢野営場は、朝よりもテントが増えて賑やかだった。雷鳥荘への登り返しはわかってはいるけれどもしんどかった。雷鳥荘では休憩せず、みくりが池温泉の前でワカンをチェーンスパイクに変えた。
雷鳥荘〜みくりが池区間で、ボーダーがルート上のステップを削りながら滑っていたのが残念だった。横の斜面を滑ったらいいじゃないか、なんでそんな、人が歩いているところを削りながら下りてくるかな?
前日は真っ白で分からなかったが、みくりが池周囲は雪庇ができていた。
室堂駅に着いたら、立山駅行きも普通通り動いているようだった。扇沢へはバス、ロープウェイ、ケーブルカー、バスと、乗り継がねばならず、待ち時間も意外と取られる。あー立山駅がよかったなぁ、吉峰も行きたかったなぁと思いながら帰った。
初日のホワイトアウト、2日目の雪崩リスク・雪庇リスク、良い経験になった2日間だった。今季も安全に雪山歩きを楽しみたい。
そして、積雪期の奥大日岳と別山にいつかは行く!
sharks74








