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記録ID: 8881668
全員に公開
沢登り
霊仙・伊吹・藤原

【湖北】久々の当たり沢? 横山岳・リッカ谷左岸枝谷

2025年11月01日(土) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
17.1km
登り
970m
下り
972m

コースタイム

日帰り
山行
10:10
休憩
0:00
合計
10:10
6:00
120
駐車地(田戸集落跡)
8:00
60
リッカ谷左岸枝谷の出合
9:00
150
600m二俣(左俣へ)
11:30
20
11:50
100
右俣へ下降開始
13:30
50
600m二俣
14:20
110
リッカ谷左岸枝谷の出合
16:10
駐車地(田戸集落跡)
天候 終日、断続的に雨
過去天気図(気象庁) 2025年11月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
アクセス路である滋賀県道284号線(杉本余呉線)及び285号線(中河内木之本線)は、菅並集落の少し先で通行止めとなっているが、実際にはバリケードは開いた状態で、車で進入可能(もちろん、公式には通行止めなので、進入は自己責任となる)。奥川並川沿いの林道が分岐する地点(田戸集落跡)に広い空き地がありそこに駐車。奥川並川沿いの林道は入り口に鍵付きのワイヤーが張ってあり車での進入は不可だが、少なくともリッカ谷川が分岐するあたりまでは路面は概ねフラットなダートなので、自転車の活用がおすすめ(今回は歩いたけど)。
コース状況/
危険箇所等
・ 今回遡下降した奥川並川支流・リッカ谷の左岸枝谷は、流域全体がほぼ自然林(二次林だけど)で雰囲気がよく、またこの山域の谷にありがちな藪っぽさもなくスッキリしており、源頭の藪もそれほど濃くないので、概ね快適に歩けるのが好印象。
・ 滝やナメが随所にほどよく配され、この山域の谷としてはまず充実した内容。特に、600m二俣の手前に現れる20m多段ナメ滝と、同二俣の左俣を入ってすぐ出てくるミニゴルジュの奥にある20m直瀑はともに姿が美しく、この谷の目玉といえる。
・ 600m二俣の左俣は前述の20m直瀑を擁するミニゴルジュの後は小滝が散発的に続く(途中の右岸枝谷にCS滝の詰まった凄まじいゴルジュがあり、覗いてみてもいいかも)。対して右俣は大きな滝はないものの、最大5mほどの小滝が連続して途切れない。左・右のどちらを進路に取ってもそれなりに楽しめる。
・ どの滝場も比較的容易に直登又は高巻けるので、遡行難度は高くない。下降もロープなしで可能な程度。
冷たい雨の中、奥川並川沿いの林道を歩く。沿道の木々も色づき始めていた。
冷たい雨の中、奥川並川沿いの林道を歩く。沿道の木々も色づき始めていた。
奥川並集落跡地の石碑。戦国時代に島左近を匿った鍾乳洞があるとの一節に興味を惹かれた。今回の遡行中もところどころで石灰岩を見かけたので、本当に鍾乳洞があるのかもしれない。
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奥川並集落跡地の石碑。戦国時代に島左近を匿った鍾乳洞があるとの一節に興味を惹かれた。今回の遡行中もところどころで石灰岩を見かけたので、本当に鍾乳洞があるのかもしれない。
途中まではきれいな林道だったが、リッカ谷川沿いの林道に入ると一気に荒れ気味に。藪っぽいが歩行に支障ない。古い小屋がぽつんと一軒建っていた。
途中まではきれいな林道だったが、リッカ谷川沿いの林道に入ると一気に荒れ気味に。藪っぽいが歩行に支障ない。古い小屋がぽつんと一軒建っていた。
随所に石垣が見受けられる。おそらく、リッカ谷沿いはかつて田畑として拓かれていたのだろう。
随所に石垣が見受けられる。おそらく、リッカ谷沿いはかつて田畑として拓かれていたのだろう。
放置された重機。リッカ谷沿いは何となく荒れた感じが濃厚。
放置された重機。リッカ谷沿いは何となく荒れた感じが濃厚。
今回入渓するリッカ谷の左岸枝谷(写真右手)の出合にやっと着いた。大きな支流で、水量は1:1くらい。正直言って、枝谷というより、「リッカ谷の右俣」と表現したほうが合っているかもしれない。
今回入渓するリッカ谷の左岸枝谷(写真右手)の出合にやっと着いた。大きな支流で、水量は1:1くらい。正直言って、枝谷というより、「リッカ谷の右俣」と表現したほうが合っているかもしれない。
リッカ谷左岸枝谷に入ると、すぐに堰堤を2つ越える。もしかして堰堤だらけの谷だったりして…。歩いてきたリッカ谷の荒れた感じと相まって、嫌な予感がする。
リッカ谷左岸枝谷に入ると、すぐに堰堤を2つ越える。もしかして堰堤だらけの谷だったりして…。歩いてきたリッカ谷の荒れた感じと相まって、嫌な予感がする。
「国債」って…。「〇〇補助事業」とかはよく見るけど、補助財源までわざわざ書いてあるのはあまり見たことがない気がする。
「国債」って…。「〇〇補助事業」とかはよく見るけど、補助財源までわざわざ書いてあるのはあまり見たことがない気がする。
堰堤だらけの荒れた谷だったりして、というイヤな予感を裏切るように、堰堤を越えると谷の雰囲気が急に良くなり、深い自然林に包まれた。リッカ谷本流が植林だらけだったことからすると、ちょっと意外な変化。
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堰堤だらけの荒れた谷だったりして、というイヤな予感を裏切るように、堰堤を越えると谷の雰囲気が急に良くなり、深い自然林に包まれた。リッカ谷本流が植林だらけだったことからすると、ちょっと意外な変化。
そしていきなり5m滝が出現。等高線からして下流部はただの凡流だろうと予想していたこともあって、びっくり。
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そしていきなり5m滝が出現。等高線からして下流部はただの凡流だろうと予想していたこともあって、びっくり。
続いて間髪入れず3m滝。
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続いて間髪入れず3m滝。
さらに10m滝! 凡流だとばかり予想していたところに、いきなり3連コンボを決められ、すっかりヤラれてしまった。これはまさかの、良渓の予感?
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さらに10m滝! 凡流だとばかり予想していたところに、いきなり3連コンボを決められ、すっかりヤラれてしまった。これはまさかの、良渓の予感?
この滝場の周囲は大木が多く、なかなかの大トチも。
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この滝場の周囲は大木が多く、なかなかの大トチも。
これも立派。なんでこの谷だけ、こんなに自然度が高いんだ…
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これも立派。なんでこの谷だけ、こんなに自然度が高いんだ…
3連瀑のあとはナメなんかも出てきて、なかなか良い渓相。
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3連瀑のあとはナメなんかも出てきて、なかなか良い渓相。
そのあとはしばらく穏やかになるが、それでも程よい間隔で小滝が出てくる。
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そのあとはしばらく穏やかになるが、それでも程よい間隔で小滝が出てくる。
小ぶりでも美しいナメ滝と深い釜。
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小ぶりでも美しいナメ滝と深い釜。
いいねぇ
この滝の右岸側にトラロープがあった。記録の見当たらない谷だけど、どうやら少なくとも下部までは釣り師さんは入っているらしい。でも、人間の気配を感じたのはここだけ。
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この滝の右岸側にトラロープがあった。記録の見当たらない谷だけど、どうやら少なくとも下部までは釣り師さんは入っているらしい。でも、人間の気配を感じたのはここだけ。
穏やかな中にも、ところどころナメが走って楽しませてくれる。
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穏やかな中にも、ところどころナメが走って楽しませてくれる。
と、両岸がキリリとゴルジュ状に狭まって、その中にひときわ美しいナメ滝が現れた。これはいいなぁ〜
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と、両岸がキリリとゴルジュ状に狭まって、その中にひときわ美しいナメ滝が現れた。これはいいなぁ〜
スライダーができそうなナメ滝
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スライダーができそうなナメ滝
その上にも何段かのナメ滝が連続していた。全体で20mほどの優美な多段ナメ滝でした。
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その上にも何段かのナメ滝が連続していた。全体で20mほどの優美な多段ナメ滝でした。
ミニゴルジュを抜けた後にも、15mほどのきれいなナメ。ナメの多い谷だなぁ。
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ミニゴルジュを抜けた後にも、15mほどのきれいなナメ。ナメの多い谷だなぁ。
最初の滝場ほどの大木は見かけられなくなり、二次林っぽくはあるが、それでも全流域にわたって深い自然林が続く。
最初の滝場ほどの大木は見かけられなくなり、二次林っぽくはあるが、それでも全流域にわたって深い自然林が続く。
600m二俣。ここはとりあえず等高線のうねりが激しく、滝場が出てきそうな左俣に入る。右俣は下降路として取っておこう。
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600m二俣。ここはとりあえず等高線のうねりが激しく、滝場が出てきそうな左俣に入る。右俣は下降路として取っておこう。
左俣に入ってすぐ、炭焼き窯跡の石垣を発見。昔は奥川並集落の人たちが山仕事で入っていたのだろうか(実際、奥川並の主な生業は製炭だったそうだ)。
左俣に入ってすぐ、炭焼き窯跡の石垣を発見。昔は奥川並集落の人たちが山仕事で入っていたのだろうか(実際、奥川並の主な生業は製炭だったそうだ)。
煤けた煙突跡もはっきり残っている稀有な例。
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煤けた煙突跡もはっきり残っている稀有な例。
じきに両岸が高く切り立ってゴルジュとなり、その中に小滝が連続する。等高線の詰まり具合から悪場を予想してはいたが、なかなかの険悪な雰囲気にちょっと気が引き締まる。
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じきに両岸が高く切り立ってゴルジュとなり、その中に小滝が連続する。等高線の詰まり具合から悪場を予想してはいたが、なかなかの険悪な雰囲気にちょっと気が引き締まる。
全部直登していくが、このチョックストーンの詰まった小滝はちょっと苦労。右隅を強引に乗り越える。
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全部直登していくが、このチョックストーンの詰まった小滝はちょっと苦労。右隅を強引に乗り越える。
出たぁ! 大滝!
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出たぁ! 大滝!
大滝といっても20mあるかないかくらいだし、小さな谷なので水量も限界はあるが、でもこれは嬉しい! 記録もなく、凡谷の可能性が高いと考えていたリッカ谷の枝谷で、こんな滝に出会えるなんて…
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大滝といっても20mあるかないかくらいだし、小さな谷なので水量も限界はあるが、でもこれは嬉しい! 記録もなく、凡谷の可能性が高いと考えていたリッカ谷の枝谷で、こんな滝に出会えるなんて…
直下から。美しい直瀑だ。もちろん直登は難しいので、右岸から巻いた。
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直下から。美しい直瀑だ。もちろん直登は難しいので、右岸から巻いた。
20m直瀑の上には、5m斜滝が連続して掛かっていた。
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20m直瀑の上には、5m斜滝が連続して掛かっていた。
その上の小さな二俣では、山頂に直行する右俣を進もうと考えていたが、左俣に高い岩壁がそびえているのを見て、そのただならぬ雰囲気に、ちょっと左俣を覗いてみることにした。
その上の小さな二俣では、山頂に直行する右俣を進もうと考えていたが、左俣に高い岩壁がそびえているのを見て、そのただならぬ雰囲気に、ちょっと左俣を覗いてみることにした。
水量は少ないが、すぐに凄まじいゴルジュに。
水量は少ないが、すぐに凄まじいゴルジュに。
その先には凶悪な面構えのCS滝が連続! これは絶対無理! 進むのがこっちの谷じゃなくて良かった…。横山岳にもこんな殺伐とした風景があるんやねぇ…。
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その先には凶悪な面構えのCS滝が連続! これは絶対無理! 進むのがこっちの谷じゃなくて良かった…。横山岳にもこんな殺伐とした風景があるんやねぇ…。
最上段の巨岩CS滝を遠望。これは無理だろ…
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最上段の巨岩CS滝を遠望。これは無理だろ…
一旦二俣に戻り、今度は山頂に近い右俣へ。こっちもさっきみたいな不可能ゴルジュが出てきたらどうしよう、と結構本気で心配していたが、登れる小滝が続いて一安心。
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一旦二俣に戻り、今度は山頂に近い右俣へ。こっちもさっきみたいな不可能ゴルジュが出てきたらどうしよう、と結構本気で心配していたが、登れる小滝が続いて一安心。
小滝は多いが、ほぼ全部楽しく直登できる。
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小滝は多いが、ほぼ全部楽しく直登できる。
山頂に直行する枝谷は、なぜか水量が少なく入る気がしなかったので、その東隣の枝谷を詰め、途中で山頂に直行する枝谷にトラバースして復帰するルートをとった。
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山頂に直行する枝谷は、なぜか水量が少なく入る気がしなかったので、その東隣の枝谷を詰め、途中で山頂に直行する枝谷にトラバースして復帰するルートをとった。
そのまま穏やかな詰めへ。等高線的にもっと悪場が出てくるかと思っていたので、ちょっと拍子抜けだったが、これはこれで気持ちが良い詰め。
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そのまま穏やかな詰めへ。等高線的にもっと悪場が出てくるかと思っていたので、ちょっと拍子抜けだったが、これはこれで気持ちが良い詰め。
ブナの美しい横山岳の東尾根に詰められるのが高得点。
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ブナの美しい横山岳の東尾根に詰められるのが高得点。
素晴らしいブナ黄葉。
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素晴らしいブナ黄葉。
横山岳の山頂の一つ東隣にある小ピークに詰め上げた。霧にけむるブナの森。
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横山岳の山頂の一つ東隣にある小ピークに詰め上げた。霧にけむるブナの森。
横山岳山頂。雨なので誰もいない。
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横山岳山頂。雨なので誰もいない。
今度は右俣を下降。横山岳の山頂から直接北に降りればいいだけなのでルーファイが非常に楽。
今度は右俣を下降。横山岳の山頂から直接北に降りればいいだけなのでルーファイが非常に楽。
左俣は大きな滝こそ出てこないものの、とにかく小滝が多い谷でした。
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左俣は大きな滝こそ出てこないものの、とにかく小滝が多い谷でした。
本当に小滝が途切れず連続して、ちょっと関心するくらい。
本当に小滝が途切れず連続して、ちょっと関心するくらい。
しかもほとんどの滝が簡単にクライムダウンor小さく巻けるのがユーザーフレンドリー。
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しかもほとんどの滝が簡単にクライムダウンor小さく巻けるのがユーザーフレンドリー。
面白い形の5m滝。
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面白い形の5m滝。
谷全体が小滝でできてるんでないの、というくらい小滝が連なる区間も。
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谷全体が小滝でできてるんでないの、というくらい小滝が連なる区間も。
600m二俣に戻り、登りで親しんだナメ滝と別れを惜しみながらさらに下っていく。
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600m二俣に戻り、登りで親しんだナメ滝と別れを惜しみながらさらに下っていく。
やっぱりこの20m多段ナメ滝は美しい。
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やっぱりこの20m多段ナメ滝は美しい。
リッカ谷沿いの林道に戻ってきた。再び強まる冷たい雨の中、体は冷え切っているし、帰路の林道もいいかげん長いが、小粒でも鮮やかな印象を残す谷との思わぬ出会いに、心は軽やかだった。
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リッカ谷沿いの林道に戻ってきた。再び強まる冷たい雨の中、体は冷え切っているし、帰路の林道もいいかげん長いが、小粒でも鮮やかな印象を残す谷との思わぬ出会いに、心は軽やかだった。

装備

備考 ・ フェルトソール沢足袋使用。ややヌメリがある印象だった。
・ 40mロープなど沢登りの基本装備は携行したが、使用機会なし。

感想

 ある山や谷について当たりだのハズレだの決めつけるのはなるべく控えたいところだが(と言いながらよくやってしまうのだけれど)、敢えて言うならば、今回の谷は「当たり」だったと思う。もちろん、「この山域、この規模で、かつ過去記録の見当たらない谷としては(「としては」に傍点)」という但し書きは付くけれど。

 横山岳周辺の谷は、そもそも通常は沢登りの対象としては考えられておらず、記録はごく少ない。記録が見られる谷としては、経の滝・五銚子の滝のある白谷、小市谷、菅並集落の奥にある白谷くらいだろうか(経の滝・五銚子の滝のある白谷は、一般登山道が付いているハイキングコースである)。このほか、自分としては横山岳南面の十丁谷と滝の谷、それから横山岳の北隣にある安蔵山・谷山の何本かの谷に入ったことがある。また横山岳東尾根に突き上げる土倉谷の枝谷についてtsutomuさんの記録がある。
 この山域の谷に言えることとしては、全体的に小規模で、一度伐採を受けていて藪っぽい谷が多いということである。当然ながら沢登りの対象としてはやや魅力に欠けるのだが、それでも滝の谷やtsutomuさんの土倉谷枝谷など、滝が比較的出てきて楽しめる谷もある。もちろん、ハイキングコースではあるが、経の滝や五銚子の滝という立派な大滝もある。
 今回選んだ奥川並川支流・リッカ谷の左岸枝谷(かなり大きな枝谷なので、「リッカ谷の右俣」と呼んだ方が適当かもしれないが)も、ざっと調べた限りでは過去記録は見つからないが、上部はかなり等高線が混んでいる上にうねっていて、もしかしたら滝が出てくるのではないかと考えていた。北尾根と並んでブナが美しい横山岳東尾根に直接詰め上げられるというのも魅力的に思えた。ただし、リッカ谷の本流側は全線にわたって林道が敷かれていて、流域全体が伐採を受けている可能性も大。単なる荒れた凡谷であるリスクも十分受け入れたうえで、冷たい雨の中、長い林道をとぼとぼ歩いて奥川並川の奥地へと向かった。
 リッカ谷は過去に田畑として拓かれていたようで、随所に崩れた石垣や放置された重機などが目につき、植林にも覆われていて、離村して久しい奥川並の人々の生活の跡が垣間見えて感慨深くはあるものの、それ以上に人の営みが絶えた後の荒廃した気配が濃厚で、「ああ、これはやっちまったかな」と入渓前にもかかわらず早くも諦念に包まれていた。目的の左岸枝谷に入渓してからも、堰堤が2つ連続し、気分は晴れない。
 しかし、2つ目の堰堤を巻き越えた瞬間、谷の雰囲気ががらりと変わった。植林が消えて緑もまばゆい自然林に包まれ、トチノキの大木の姿さえいくつも両岸に見られるようになった。そして堰堤を後にして1分で現れた5m、3m、10mの3連瀑。単なる凡谷と信じかけていた谷の入り口でいきなり3連コンボを決められ、一気にやられてしまった。もしかして、良い谷なんちゃう!?
 その後、20m多段ナメ滝、ミニゴルジュの奥に隠れた20m直瀑と続くにあたって、驚きは確信に変わった。これは良い谷だ。目立った滝のほかにも小滝や小さなナメが随所に現れ、飽きの来ない構成。そして詰め上げた源頭部では、北尾根と並び横山岳自慢の東尾根のブナが、黄葉もあざやかに斜面いっぱいに広がる。
 小粒でも、十分楽しめる谷だった。もちろん、凡谷かも、という予期を良い意味でひっくり返されたことによるプラス補正も多分にかかっているかもしれない。それでも、この山域にこのような小さくてもキラリと光る風景が隠れていたこと、そしてブナの黄葉もさかりの秋の日にそれを訪ね当てることができたことを嬉しく思う。
 もちろん、晴れていたらもっと申し分なかったのだけれど…。帰路の林道では氷雨に打たれ過ぎて歯の根が合わないくらいに体が冷え切り(沢登り用のカッパは藪漕ぎで穴だらけで防水効果ゼロ)、くつき温泉の湯船に飛び込むまでは生き心地がしなかった。

※ といっても、過去記録を見逃しているだけで、既に入渓されている方もおられるかもしれません。過去記録をご存じの方は是非ご教授ください。正確な谷名も知りたいので…。

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