【湖北】久々の当たり沢? 横山岳・リッカ谷左岸枝谷

- GPS
- --:--
- 距離
- 17.1km
- 登り
- 970m
- 下り
- 972m
コースタイム
- 山行
- 10:10
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 10:10
| 天候 | 終日、断続的に雨 |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2025年11月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
| コース状況/ 危険箇所等 |
・ 今回遡下降した奥川並川支流・リッカ谷の左岸枝谷は、流域全体がほぼ自然林(二次林だけど)で雰囲気がよく、またこの山域の谷にありがちな藪っぽさもなくスッキリしており、源頭の藪もそれほど濃くないので、概ね快適に歩けるのが好印象。 ・ 滝やナメが随所にほどよく配され、この山域の谷としてはまず充実した内容。特に、600m二俣の手前に現れる20m多段ナメ滝と、同二俣の左俣を入ってすぐ出てくるミニゴルジュの奥にある20m直瀑はともに姿が美しく、この谷の目玉といえる。 ・ 600m二俣の左俣は前述の20m直瀑を擁するミニゴルジュの後は小滝が散発的に続く(途中の右岸枝谷にCS滝の詰まった凄まじいゴルジュがあり、覗いてみてもいいかも)。対して右俣は大きな滝はないものの、最大5mほどの小滝が連続して途切れない。左・右のどちらを進路に取ってもそれなりに楽しめる。 ・ どの滝場も比較的容易に直登又は高巻けるので、遡行難度は高くない。下降もロープなしで可能な程度。 |
写真
装備
| 備考 | ・ フェルトソール沢足袋使用。ややヌメリがある印象だった。 ・ 40mロープなど沢登りの基本装備は携行したが、使用機会なし。 |
|---|
感想
ある山や谷について当たりだのハズレだの決めつけるのはなるべく控えたいところだが(と言いながらよくやってしまうのだけれど)、敢えて言うならば、今回の谷は「当たり」だったと思う。もちろん、「この山域、この規模で、かつ過去記録の見当たらない谷としては(「としては」に傍点)」という但し書きは付くけれど。
横山岳周辺の谷は、そもそも通常は沢登りの対象としては考えられておらず、記録はごく少ない。記録が見られる谷としては、経の滝・五銚子の滝のある白谷、小市谷、菅並集落の奥にある白谷くらいだろうか(経の滝・五銚子の滝のある白谷は、一般登山道が付いているハイキングコースである)。このほか、自分としては横山岳南面の十丁谷と滝の谷、それから横山岳の北隣にある安蔵山・谷山の何本かの谷に入ったことがある。また横山岳東尾根に突き上げる土倉谷の枝谷についてtsutomuさんの記録がある。
この山域の谷に言えることとしては、全体的に小規模で、一度伐採を受けていて藪っぽい谷が多いということである。当然ながら沢登りの対象としてはやや魅力に欠けるのだが、それでも滝の谷やtsutomuさんの土倉谷枝谷など、滝が比較的出てきて楽しめる谷もある。もちろん、ハイキングコースではあるが、経の滝や五銚子の滝という立派な大滝もある。
今回選んだ奥川並川支流・リッカ谷の左岸枝谷(かなり大きな枝谷なので、「リッカ谷の右俣」と呼んだ方が適当かもしれないが)も、ざっと調べた限りでは過去記録は見つからないが、上部はかなり等高線が混んでいる上にうねっていて、もしかしたら滝が出てくるのではないかと考えていた。北尾根と並んでブナが美しい横山岳東尾根に直接詰め上げられるというのも魅力的に思えた。ただし、リッカ谷の本流側は全線にわたって林道が敷かれていて、流域全体が伐採を受けている可能性も大。単なる荒れた凡谷であるリスクも十分受け入れたうえで、冷たい雨の中、長い林道をとぼとぼ歩いて奥川並川の奥地へと向かった。
リッカ谷は過去に田畑として拓かれていたようで、随所に崩れた石垣や放置された重機などが目につき、植林にも覆われていて、離村して久しい奥川並の人々の生活の跡が垣間見えて感慨深くはあるものの、それ以上に人の営みが絶えた後の荒廃した気配が濃厚で、「ああ、これはやっちまったかな」と入渓前にもかかわらず早くも諦念に包まれていた。目的の左岸枝谷に入渓してからも、堰堤が2つ連続し、気分は晴れない。
しかし、2つ目の堰堤を巻き越えた瞬間、谷の雰囲気ががらりと変わった。植林が消えて緑もまばゆい自然林に包まれ、トチノキの大木の姿さえいくつも両岸に見られるようになった。そして堰堤を後にして1分で現れた5m、3m、10mの3連瀑。単なる凡谷と信じかけていた谷の入り口でいきなり3連コンボを決められ、一気にやられてしまった。もしかして、良い谷なんちゃう!?
その後、20m多段ナメ滝、ミニゴルジュの奥に隠れた20m直瀑と続くにあたって、驚きは確信に変わった。これは良い谷だ。目立った滝のほかにも小滝や小さなナメが随所に現れ、飽きの来ない構成。そして詰め上げた源頭部では、北尾根と並び横山岳自慢の東尾根のブナが、黄葉もあざやかに斜面いっぱいに広がる。
小粒でも、十分楽しめる谷だった。もちろん、凡谷かも、という予期を良い意味でひっくり返されたことによるプラス補正も多分にかかっているかもしれない。それでも、この山域にこのような小さくてもキラリと光る風景が隠れていたこと、そしてブナの黄葉もさかりの秋の日にそれを訪ね当てることができたことを嬉しく思う。
もちろん、晴れていたらもっと申し分なかったのだけれど…。帰路の林道では氷雨に打たれ過ぎて歯の根が合わないくらいに体が冷え切り(沢登り用のカッパは藪漕ぎで穴だらけで防水効果ゼロ)、くつき温泉の湯船に飛び込むまでは生き心地がしなかった。
※ といっても、過去記録を見逃しているだけで、既に入渓されている方もおられるかもしれません。過去記録をご存じの方は是非ご教授ください。正確な谷名も知りたいので…。
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