愛媛県新居浜市 筏津〜東赤石山〜八巻山周回 滝&岩場&紅葉

Machapuchare
その他1人 - GPS
- 09:03
- 距離
- 12.1km
- 登り
- 1,329m
- 下り
- 1,326m
コースタイム
- 山行
- 8:38
- 休憩
- 0:23
- 合計
- 9:01
歩行距離12km、歩行時間8時間30分、歩行数23,800歩、消費カロリー2,220Kcal
| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2025年10月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
| コース状況/ 危険箇所等 |
往路の東瀬場谷コースよりも復路の瀬場谷コースのほうが道がわかりにくく渡渉が多いので、今回と逆まわりされる方のほうが多いです。そのほうが迷いにくいのか、往路、復路ともに道から逸れた箇所があります。幸い、ヤブコギなしで復帰できました。復路は予想以上に水量がありました。雨天や雨後は避けたほうがいいかもしれません。 東赤石山<写真44〜47>から八巻山<写真61〜64>までは大部分に明瞭な巻き道があり、岩の直登箇所は安全です。1か所岩を無理に巻こうとして少しヤブコギになってしまい、直登箇所もあることに気づきました。 筏津(いかだづ)登山口駐車場から山荘経由瀬場谷ルート&東瀬場谷ルート分岐<写真08>までは鎖場やはしごもありますが、すぐに終わります。 駐車場から登山口<写真03>までは舗装道路です。低い草が茂った道からすぐに樹林帯に入ると、しばらくは階段状の砂利道や石埋まり道が続きます。鎖場やはしごもありますが、すぐに終わります。ただし、傷みかけているように見えるものも多く、避けて脇を通れる箇所はそうしました。 山荘経由瀬場谷ルート&東瀬場谷ルート分岐<写真08>から二段大滝<写真15>を経て赤石山荘&東赤石山分岐<写真30〜32>までは、標高1,280〜1,325m辺りで道から逸れてしまいましたが、ヤブコギなしで復帰できました。 往路の東瀬場谷ルートの渡渉点は水深が浅く歩きやすいです。苔むした岩盤の上だけ滑らないよう気をつければ大丈夫でした。 二段大滝<写真15>へは踏み跡らしきものを辿って南下から北上しました。無事に滝壺まで下りると、崩れやすい斜面を東に適当に登って戻りました。 標高1,080m辺りから石埋まりや小石ゴロゴロの渡渉点がありました。ここから次第に石が増えてきます。 標高1,230m辺りには渡渉点があります。うっかり北上してしまい、引き返すとちゃんとピンクテープがありました。ここはすぐに気づけるので大丈夫です。 この渡渉点の西から石ごろ斜面登り<写真16>が始まりました。ピンクテープは少なく、石埋まりの間をどこでも歩けるため道から逸れやすいです。西寄りを意識して尾根上を歩かないよう注意すればよかったようですが、歩けるので尾根上に向かってしまい、標高1,300m辺りで西に方向転換。木が生えていますがかき分けずに歩け、なんとなく踏み跡らしく思える箇所もありました。標高1,325m辺りで登山道に合流すると、石はなくなり土の細道になっていました。ここからはピンクテープをよく探しながら歩きました。渡渉点は問題ありませんでした。 標高1,400m辺りから石がゴロゴロしておりほとんど涸れた沢沿いになりました。これからあまり逸れないように歩けばいいようです。 怒りん坊亀岩⁉越しに紅葉<写真24,25>撮影地点で道から逸れていることに気づきましたが、すぐ左下にピンクテープが見えたのですぐに石ゴロの涸れ沢に復帰できました。 赤石山荘&権現越分岐<写真26>で左折すると土の細道になりましたが、そのうちにまた石埋まり道になりました。 標高1,575m辺りの赤石山荘&東赤石山分岐<写真30〜32>から東赤石山<写真44〜47>、八巻山<写真61〜64>を経て標高1,540m辺りの瀬場谷ルート&東瀬場谷ルートの分岐までは、1か所岩を無理に巻こうとして少しヤブコギになってしまいました。 赤石山荘&東赤石山分岐<写真30〜32>から傾斜のある岩盤登りから石埋まりの登りが続きます。 稜線に出て八巻山<写真61〜64>&東赤石山<写真44〜47>分岐から東赤石山<写真44〜47>までは、ロープ場<写真35>から岩場登りが続きました。三角点「赤石」のある東赤石山頂上<写真44〜47>まではしばらく土の細道でした。石埋まりを登ると頂上です。 八巻山<写真61〜64>&東赤石山<写真44〜47>分岐から八巻山まではほとんど巻き道があります。岩の間を通っている細道は明瞭で、道がなくなったら岩場を登り、また巻き道に合流する感じです。ほとんど登りだったので岩場が苦手な連れも大丈夫でした。ただし、「これはサルやろ岩⁉」<写真52>を過ぎてから別の岩の右を無理に巻いたら木の枝をかき分ける羽目になりました。幸い、すぐにヤブを抜け巻き道復帰点の岩場<写真53>で巻き道に復帰しました。 八巻山頂上<写真61〜64>から赤石山荘<写真74>まではテープなどはありませんが、石埋まりや小石がゴロゴロした谷を下れば大丈夫です。赤石山荘<写真74>からはゴロゴロしている石が小さくなり、緩やかで歩きやすくなりました。 標高1,540m辺りの瀬場谷ルート&東瀬場谷ルートの分岐から道迷いの滝<写真79>を経て山荘経由瀬場谷ルート&東瀬場谷ルート分岐<写真08>までの瀬場谷ルートは、渡渉が多く迷いやすいです。水量があるので雨天や雨後は避けたほうがいいかもしれません。 標高1,540m辺りの瀬場谷ルート&東瀬場谷ルートの分岐からしばらくは小石がゴロゴロしている箇所があります。標高1,520m辺りからは木の間道でさらに歩きやすくなりました。 標高1,365m辺りで瀬場谷ルート最初の渡渉がありました。しばらくはピンクテープが対岸にもありわかりやすいです。しかし、ピンクテープをよく探し道が怪しくなったら周辺を確認しても迷うときには迷います。石を投げこんで足場を追加し渡渉したことも何度かありました。もしかしたら、渡渉点ではなかったのかもしれません。 道迷いの滝<写真79>のすぐ後で対岸少し引き返す方向に木橋が見えたので、道から逸れていたことに気づき、すぐに渡渉しました。 この後、地形図の破線の道は沢から大きく逸れているように見える箇所があります。破線の道よりも東を歩いていることには気づきましたが、西のほうが高く急なので、登って合流するほうが危険と判断、そのまま緩やかなトラバースを続けました。しかし、とうとう前方がヤブになり、西側の谷に向かって下りると、標高1,275m辺り、ちょうど地形図の破線の道に合流する所には沢の中に水色のテープがあり、浅い所を選んで渡渉しました。 また、1か所、壊れた木橋がありましたが、距離は短く水深も浅かったので、横をすぐ渡渉できました。 振り返り滝<写真81>の東南東、標高1,220m辺りで木橋<写真82>を渡りきるとすぐに小さな木製のはしごを下りて苔むした岩を乗り越えて渡渉しました。ここが最後の渡渉点でした。また、そのうちに小石ゴロゴロはなくなりました。 |
| その他周辺情報 | 筏津登山口駐車場の北西、県道47号線沿いにマイントピア別子があります。2月第3週の月曜日から1週間程休館です。営業時間は売店が9時半〜17時、レストランは11〜16時(ラストオーダー15時)、温泉受付は10〜21時(岩盤浴は20時半)です。 |
写真
装備
| 個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下(厚手)
手袋(防水加工)
軍手
雨具
スパッツ
日よけ帽子(フード付き)
雨用帽子
登山靴(防水加工)
靴ひも予備
ザックカバー(防水用)
地形図
コンパス
マップケース
筆記用具
タオルハンカチ
カメラ
飲料水(スポドリ&茶)
水筒(保温)
非常食(栄養補助食品)
スマホ(地図アプリ使用)
eTrex22x(GPSナビゲーター)
虫よけスプレー
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感想
【日本二百名山、花の百名山、四国百名山の東赤石山へ】
前日は、赤石山系に広がる別子銅山産業遺産巡りを行いました。
「別子銅山 旧別子、東平エリア」
2025年10月28日https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-8868895.html
この日の天気予報は、終日晴れでしかも風も穏やかとのことでしたので、東赤石山に登ることにしました。
東赤石山は日本二百名山、花の百名山、四国百名山にも認定されている四国の名峰です。東西に延びる稜線(赤石山系)は四国中央市と新居浜市の境にあります。出発点とした筏津(いかだづ)登山口駐車場には、別子銅山最後の坑口といわれる筏津坑があり、現在、一般公開されています。時間に余裕があれば、これまでの別子銅山巡りの流れもあり、見学しようと考えていましたが、結果的には9時間にもおよぶ山行となり、残念ながら山行後に訪問することはできませんでした。
筏津登山口は標高665mで東赤石山の最高点は1,710mありますので、高度差はなんと1,045mもあり、ハードな山行が予想されました。実際にハードでしたが、銅山川の支流である瀬場谷・東瀬場谷の下流部から中流部は滝と渡渉の連続、上流部は迷路、尾根上は巨岩・奇岩の連続、頂上は360度パノラマ展望と、終始アドベンチャーなコースを楽しむことができました。
東赤石山の山塊は地質的には、「東赤石山かんらん岩体」と呼ばれ、赤石山系の頂上付近に東西約5km、南北約3kmにわたってかんらん岩が露出しています。関東から九州まで続いている日本最大の広域変成帯である三波川(さんばがわ)変成岩の中で最大の超苦鉄質岩体(ちょうくてつしつがんたい)です。この超苦鉄質岩の特徴は、カンラン石や輝石(きせき)、角閃石(かくせんせき)といった、マグネシウムや鉄を豊富に含む有色鉱物である「苦鉄質鉱物(マフィック鉱物)」がその組成の大部分を占めている点にあります。特に東赤石山<写真44〜47>からその西側の八巻山<写真61〜64>にかけての稜線部は、カンラン岩で形成された岩稜帯となっており、カンラン岩特有の、赤茶けた色合いをしています。
岩場と岩場の間の草地には、夏には超苦鉄質岩領域に特有の高山植物が咲きます。花の百名山の象徴となっているオトメシャジンの花期はすでに終わっていましたが、この日は紅葉が始まりつつありました。今回は紅葉を半ば諦めかけていましたが、この地域に来てようやく「小さい秋見つけた感」が生じ、感慨深いものがありました。
【日本百迷山❓これでもマシなほうだった東赤石山東瀬場谷ルート】
東赤石山は日本二百名山や四国百名山にも認定されているので、他の名山同様、登山道はある程度は整備されているものと思っていました。しかし、実際は往路の東瀬場谷ルート、復路の瀬場谷ルートともに道から逸れた箇所があります。往路の東瀬場谷ルートよりも復路の瀬場谷ルートのほうが道がわかりにくく渡渉が多いので、今回と逆まわりされる方のほうが多いです。そのほうが迷いにくいのかもしれません。
出発点とした筏津(いかだづ)登山口駐車場から舗装道路を歩いて登山口<写真03>に向かいました。低い草が茂った道からすぐに樹林帯に入ると、鎖場やはしごもありますが、すぐに終わります。ただし、傷みかけているように見えるものも多く、避けて脇を通れる箇所はそうしました。
標高920m辺りは分岐<写真08>で登山道が二方向に分かれました。ここが運命の分かれ道?他の方々とは逆の東瀬場谷ルートへ。
東瀬場谷は、銅山川支流の瀬場谷のさらに支流にもかかわらず、水量がかなり多く、傾斜もあることから、滝が何度も出てきました。小さな滝をさまざまなアングルから望むことができ、しばらくは滝ウォッチングが続きました。
特に二段大滝<写真15>は見応えがありました。これが名無しなのが不思議です。道の左に見えたときには、その落差と水量、水音に思わず声を上げてしまいました。踏み跡らしきものを辿って南下から北上、無事に滝壺まで下りると、崩れやすい斜面を東に適当に登って戻りました。
標高1,080m辺りから石埋まりや小石ゴロゴロの渡渉点がありました。ここから次第に石が増えてきます。そして、道迷いも・・・😅
【頂上直下は岩ゴロゴロ帯、尾根は巨岩・奇岩の連続】
往路の東瀬場谷ルートの標高1,230m辺りには渡渉点があります。うっかり北上してしまい、引き返すとちゃんとピンクテープがありました。ここはすぐに気づけるので大丈夫です。
この渡渉点の西から石ごろ斜面登り<写真16>が始まりました。ピンクテープは少なく、石埋まりの間をどこでも歩けるため道から逸れやすいです。西寄りを意識して尾根上を歩かないよう注意すればよかったようですが、連れの指摘を無視して歩ける尾根上に向かってしまい、標高1,300m辺りで西に方向転換。木が生えていますがかき分けずに歩け、なんとなく踏み跡らしく思える箇所もありました。
標高1,325m辺りで登山道に合流すると、石はなくなり土の細道になっていました。これに懲りてここからはピンクテープをよく探しながら歩きました。
標高1,400m辺りから石がゴロゴロしておりほとんど涸れた沢沿いになりました。どうやら、これからあまり逸れないように歩けばいいようです。
標高1,450mを過ぎると、前方に待望の黄色や赤色<写真21>が見えました。ちょうどこの辺りで下りてこられる方にお会いしたので、「道がわかりにくいですね。」と声をかけると、瀬場谷ルートのほうが渡渉が多く迷いやすいのでそちらから登ってこられたとのこと。こっち、わかりやすいほうなんや・・・。復路は迷いやすいほうの瀬場谷ルートを予定していたのですが、わかりやすいルートでコースアウトしているので、帰りが心配😓
気を取り直し紅葉を探しながら歩いていると、怒りん坊亀岩⁉越しに紅葉<写真24,25>が見えました。この日一番の鮮やかな赤色に気をよくしてさあ、進もう。あれっ、周りヤブなんですけど😅またやっちまったと思いましたが、すぐ左下にピンクテープが見えたのですぐに復帰できました。なぜか石ゴロの涸れ沢が復活。逸れるようなとこあったかなあ😟
標高1,575m辺りの赤石山荘&東赤石山分岐からわずかに西に進むと、伊予富士や石鎚山<写真30〜32>が見えました。これほど遠くまで見えるとは思いませんでした。
ここからはこれまでのロケーションとは一転、ガンダーラ(岩だらけ)の世界が広がります。傾斜のある岩盤登りから石埋まりの登りが続きますが、周辺の巨岩や奇岩を見ながら楽しく歩けました。
稜線に出て八巻山<写真61〜64>&東赤石山<写真44〜47>分岐で右折、東赤石山へ。ロープ場<写真35>からは岩場登りが続き、展望地だらけでテンションが上がりました。
最高点1,710mの東赤石山ピーク標周辺<写真41>は、遠目には木が生い茂った柔和な普通の山に見えますが、いざ頂上に立つと、巨岩に満ちたロケーションとなります。狭い岩場ですが、3人くらいなら座ってゆっくり休憩できます。
三角点「赤石」のある東赤石山頂上<写真44〜47>まではしばらく土の細道でした。石埋まりを登ると頂上です。周辺は東西に長く開けており、平らで座りやすいので、ここで休憩しました。平日で紅葉は少し早かったためか、お昼時だというのに貸し切り状態でした。ここも展望が効くのですが、なぜか北から東には雲が多く、合間を狙って写真を撮りました。雲のドーナツの穴から新居浜東港やフェリーが見える<写真45>のがおもしろかったです。
もう13時になっていたので、連れは赤石山荘&東赤石山分岐<写真30〜32>まで引き返し瀬場谷ルートを下ろうと主張しました。しかし、下りが苦手な連れにとっては、そこまでの石埋まりの下りもたいがいです。結局、八巻山<写真61〜64>経由で下山することにしました。
八巻山<写真61〜64>&東赤石山<写真44〜47>分岐まで戻り、今度は直進。八巻山までの縦走路は、ほとんどロックショー🎶😂の状態でした。巻き道を辿っていけば滑落という危険は回避できますが、わかりにくいとの情報があり、連れは多少不安だったようです。しかし、ロック(岩)を登っていくという楽しさのあまり何も考えずに岩場を次々と乗り越えていくと、その先で突然切り立った崖となり前進不可能な状態となることも予想されます。ここはわかりにくくても巻き道を探しながら進んだほうが賢明だと判断しました。幸い、岩の間を通っている細道は予想以上に明瞭で、迷ってもすぐに見つけられました。
ただし、「これはサルやろ岩⁉」<写真52>を過ぎてから別の岩の右を無理に巻いたら木の枝をかき分ける羽目になりました。幸い、すぐにヤブを抜け巻き道復帰点の岩場<写真53>で巻き道に復帰しました。道がなくなったら岩場を登り、また巻き道に合流する感じです。ほとんど登りだったので岩場が苦手な連れも大丈夫でした。
標高1,700m前後の岩稜帯を歩いていると、まるで北アルプスの標高2,500m以上の岩稜帯を歩いているような気がしました。何かの形に似ている奇岩も多く、勝手に名前をつけていくのも楽しかったです。この岩稜帯は八巻山からさらに西にある前赤石山(1,677m峰)まで続きますが、これ以上縦走すると日暮れまでに下山できないので、八巻山から閉鎖中の赤石山荘経由で下山することにしました。
八巻山頂上<写真61〜64>も岩場です。祠<写真61>もありますし、ここでは休憩しにくいです。前赤石山や瀬戸内海などの展望を楽しんだらさっさと出発。14時を過ぎたので、日暮れまでに下山できるかと連れが不安そうでした。
往路の赤石山荘&東赤石山分岐<写真30〜32>から八巻山<写真61〜64>&東赤石山<写真44〜47>分岐までの道と同じような石埋まりの下りが続きました。どっちもどっちやったかなあ😅
遅れる連れを心配して時々振り返っていたので、お亀岩<写真68>などの見どころを見落とさずにすみました。テープなどはありませんが、石埋まりや小石がゴロゴロした谷を下れば大丈夫です。赤石山荘が見下ろせるようになると<写真72>、そちらに向かって下ればいいので気が楽になりました。赤石山荘<写真74>からはゴロゴロしている石が小さくなり、緩やかで歩きやすくなりました。
【日本百迷山❗渡渉点だらけで迷いやすい東赤石山瀬場谷ルート】
標高1,540m辺りの瀬場谷ルート&東瀬場谷ルートの分岐で直進、瀬場谷ルートへ。振り返り八巻山西尾根南斜面の岩場<写真75,76>を見上げると、ロックショーも見納めです。標高1,520m辺りからは木の間道でさらに歩きやすくなりました。
ここは往路の東瀬場谷以上に滝の連続で、水の轟音が聞こえてくる度に次はどんな形状の滝が見えるのかが楽しみのひとつとなりました。瀬場谷および東瀬場谷は、沢登り(ロッククライミング)をされる方にとっては、格好のフィールドに違いありません。ただし、ヘルメット、ロープや登攀用具を使う中級者用コースとなりますので、あくまで沢登りを十分に経験をされた方限定となります。それにしても、標高1,000m前後でこれだけ水量豊富な谷は、これまで訪れた中四国の山では初めてでした。
標高1,365m辺りで瀬場谷ルート最初の渡渉。ピンクテープは対岸にもありました。なんや、わかりやすいやん。
いや、瀬場谷ルートをナメてはいけません。ピンクテープをよく探し道が怪しくなったら周辺を確認しても迷うときには迷います。石を投げこんで足場を追加し渡渉したことも何度かありました。もしかしたら、渡渉点ではなかったのかもしれません。
道迷いの滝<写真79>のすぐ後で対岸少し引き返す方向に木橋が見えたので、道から逸れていたことに気づきました。いや、普通に歩けたけどなあ😅とりあえず、すぐに渡渉しました。
この後、地形図の破線の道は沢から大きく逸れているように見える箇所があります。これでもう渡渉は終わりだろうと思いきや、そんな甘いものではありませんでした。破線の道よりも東を歩いていることには気づきましたが、西のほうが高く急なので、登って合流するほうが危険と判断、そのまま緩やかなトラバースを続けました。このまま行けばそのうち合流できると思っていましたが、とうとう前方がヤブになり、西側の谷に向かって下りることにしました。まさか、また渡渉・・・。標高1,275m辺り、ちょうど地形図の破線の道に合流する所には沢の中に水色のテープがあり、浅い所を選んで渡渉しました。
ちょうど16時頃、振り返り滝<写真81>の東南東、標高1,220m辺りで木橋<写真82>を渡りきるとすぐに小さな木製のはしごを下りて苔むした岩を乗り越えて渡渉しました。地形図上はここが最後の渡渉点のようですが、油断は禁物。
もうないやろ、もうないやろと思いつつ、水量のある沢を見下ろして不安に駆られます。樹林帯なので日が差し込まないともう薄暗いのです。ヘッデンはありますが、足元は見えたとしてもこれをつけての渡渉は危険です。
木々の上からたまに光が差し込んで明るくなることがあり、テンションが上がります。太陽ってすばらしい😊
遅れてはぐれないようにと連れを先に歩かせ、背中を確認しながら進みました。幸い、小石ゴロゴロはなくなり、スピードが上がってきました。
見下ろし滝<写真84>が見え始めると、「これ渡渉せえ言わへんやろな。」と連れ。いつもなら滝を見るときれいだと思いテンションが上がるのですが、渡渉点が近いかもと思ってしまうので、テンションだだ下がり😓ここまで、「ええっ、嘘やろー。また渡るんかー。」が何度もあったので、ドキドキしながら見下ろして通過しました。もちろん、その前にバッチリ写真も動画も撮りました。時間押してるのに😅
16時41分、往路の東瀬場谷ルートとの分岐まで戻ってきたときには、二人とも「やったー、終わったー。いや、終わってへんけど。」そうです、問題はこれからです。この日の日の入り時刻は17時17分。それまでに下山できるかどうか。
一度歩いているので、連れがさらにスピードアップ。しかし、突然「ああーっ、17時過ぎたー!」それでもすぐに思い直します。「日、暮れてもしばらく明るかったよなあ。ヘッデンあるし。」「大丈夫や。歩きやすい道やし。」と言いつつ、気が気ではありませんでした。頼むからお前、頑張ってくれや。
ちょうど日没頃、舗装道路が見えました。「やったー、来たー!」見上げると、空には白い月<写真85>。もう大丈夫、後は駐車場まで舗装道路です。
17時22分、暗くなる前になんとかゴール。さすがに車は我々のだけでした。これほど焦り、ゴール後に安堵したことはありませんでした。
距離的にも気分的にも長い長い山行でどっと疲れが出るかと思いましたが、興奮が2日間くらいは続きました。アドレナリン、出過ぎやな😅
我々のように道なき道を歩み慣れている方にとってはとても刺激的で楽しいフィールドですが、団体さんやルートファインディングの経験があまりない方は、このルートは避けたほうがいいかもしれません。かといって、往路の東瀬場谷ルートを推奨しているわけではありませんが・・・😅
前日の西赤石山山腹では、厳しい気象条件の割に何人もの登山者にお会いしましたが、この日の東赤石山では好天にもかかわらず、たったお一人だったことが、安易に登れる山でないことを示唆していました。今まで登った名山と称される山の中でもコース取りが難しい山でしたので、勝手に「日本百迷山」に認定させていただきました😓まだ100か所も迷ってへんけど😁
【東赤石山も八巻山も頂上は360度パノラマ展望所】
東赤石山<写真44〜47>の頂上に立った際に、簡単にアプローチができないこの山がなぜ日本二百名山および四国百名山に選定されたのかが理解できました。頂上からは、西赤石山、前赤石山など赤石山系の山々や新居浜港および瀬戸内海、さらに石鎚山(いしづちやま)などの愛媛県、高知県、徳島県をまたぐ四国山地の360度のパノラマ展望が楽しめます。四国山地は石鎚山や剣山など、西日本の標高ベスト20位のうち13座を占める高山帯ですが、東赤石山や八巻山<写真61〜64>からはこれらを水平上に望むことができるのです。今回は雲で見えなかった山も多く、天気はよかったのですが少し残念な結果となりました。
もし、また登頂する機会があれば、今回の筏津よりもう少し東にある床鍋(とこなべ)登山口から権現越経由で東赤石山に登るコースも検討しようと思います。こちらは記録が比較的少ないので、さらにアドベンチャー登山になるのかもしれませんが・・・😥「まあ、アタシ次第やな。」とにんまりする連れ。頼むでホンマ。










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