奥久慈ハイキング−釜沢越から大円地越へ

- GPS
- 05:56
- 距離
- 14.2km
- 登り
- 951m
- 下り
- 953m
コースタイム
| 天候 | 雨 |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2025年10月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
| コース状況/ 危険箇所等 |
釜沢越登山道へ取り付くまでの林道歩きは何箇所か分岐点があるので、GPSで地図と現在位置を確認しながら間違えないように歩きます。登山道の取り付きは奥久慈パノラマラインにぶつかったところで、向かい側(やや距離あり)に標識と明瞭な踏み跡があります。 釜沢越までの登山道は釜沢越付近が危険です。序盤が快適なので油断しそうですが、左は絶壁で転倒すれば行方不明です。そして終盤はその絶壁に沿って横ばいするところがあるかと思うと、滑りやすい土つきの急斜面が釜沢越までずっと続きます。つかむところが余り多くないので、初心者にはかなり辛いと思います。引率者は10mくらいのお助けロープを用意することをお勧めします。 釜沢越から大円地越までのいわゆる表縦走路は枝道が結構出ているので紛れ込まないようにします。事前にヤマレコの標準的な山行記録のトレースを何らかの方法でダウンロードしておくのも手だと思います。筆者がいつもやらかすのは釜沢越ー鷹取岩間の巻くべき尾根をしっかりした踏み跡に添って登ったあげくに崖にぶつかるパターンです。ここは尾根へ登る手前に黄色いテープ(県北あるいは常陸の国ロングトレイルの印)が2本連続で杉の幹に縛ってあり、それに沿って進むと巻き道に入れます。ちなみに大円地越から歩く場合は先に崖にぶつかるのでこの道迷いはしません。 鷹取岩と入道岩眺望点の間はちょっとした岩場になっている上、雨天でなくてもたいてい濡れているか、これからの季節は凍結しているので通過には特に気をつけます。幸い手すりがあるので本格的なクライムダウンは必要ありません。 大円地越から登山道入り口までの男体山一般コースは歩きやすい登山道ですが、歩きこまれて磨かれた岩や、赤土の露出した箇所などは非常に滑ります。 そして極めつけに滑りやすいのは一般コースのゴールにある木橋と、その先にある木道です。筆者はわかっていても何回かに一回は滑ります。木道はさらに崩壊が進んでいるので踏み抜きにも注意します。 |
写真
装備
| 備考 | 雨具、帽子、スマホGPS、ゴム引き軍手(商品名「タフレッド」)、ヘッドライト、虫除けネット、タオル、フリース、水、行動食、コーヒー沸かしセット |
|---|
感想
週末の天気予報は、土曜日は昼過ぎから雨、日曜日は夕方まで雨とのことだった。日曜日は自宅で過ごし、土曜日は朝のうちにさっと歩いてくることにしよう。
土曜朝4時、目覚めるとアパートのトタン屋根を雨が叩いていた。今日は在宅と思ってそのまま朝寝を楽しんだ。
朝6時、静かになったので外に出てみると、雲の切れ間に若干の青空さえ見えるではないか。これなら歩けるかもしれない。雨は午後かららしいから午前中にさっと歩いて帰ってくるという当初の予定は達成できそうだ。
困ったときには男体山なのだが、雨に濡れた岩場を歩くのは少々自信がない。それならばということで、釜沢越から表縦走路を歩いて大円地越から男体山の一般コースをくだることにした。
林道歩きの途中で、雨が降り出した。土砂降りでないならば、雨の中を歩くことは嫌いではないが、雨に濡れた薮をこぐと体がびしょぬれで冷える。昔赤谷山(剱岳北峰稜線早々に撤退)のときも雨そのものよりも薮の雨粒を拾ってびしょぬれになったことを、釜沢越を目指すクマザサに覆われた登山道をかき分けて歩きながら思い出した。
釜沢越への登りが急登であることは覚悟していたのだが、崩落が進んでいて一段と危険度が増した気がする。岩場を横ばいしたり、ざれた斜面を登らされたり、一応お助けロープは随所にあるのだが、寸断されていて余り当てにならない。今日は雨のおかげでざれた足もとが良い塩梅に締まっているのだが、乾燥するとアリジゴク状態になる。
何とか釜沢越にたどり着き、今度はしょっぱいアップダウンを繰り返した。ここで頭を空っぽにして歩いていると、がけっぷちに連れて行かれる。わかっていても連れて行かれて、何度クライムダウンしたことか。今日は絶対に巻くぞと意気込んで歩いた。逆に今日は尾根筋を歩けば良いものを巻いてしまったり、巻き道がもともと無いところへ踏み込もうとして、これはハイキングコースではないと引き返すことを繰り返したりと、小さな失敗を繰り返した。課題の崖の回避には成功した。同じ失敗をする人が多いのだろう。常陸の国ロングトレイルの黄色いテープが2本、これに添って進むのですよと巻き道の入り口へといざなっていた。
歩いてみると巻き道もすれ違いが困難なほど狭いし、紛れの枝道も張っているし、濡れた岩場の通過もあったりと、存外しょっぱいのであるが、あの崖をクライムダウンするよりは遥かに快適だった。
課題を解決した後は奥久慈岩稜の眺望点を次々と楽しむ。まずは鷹取岩と入道岩。入道岩の眺望点では、わずかながら雲が切れたおかげで、奥久慈の奇岩の王とでも言うべき岩塔を眺めることができて自己満足し、元気が一気に回復した。
表縦走路沿いの男体山眺望点は雲のため不発だったが、櫛が峰に続く尾根を望めることを発見した。まだ尾根の末端しか歩いたことがないのだが、もしチャンスがあれば櫛が峯の根元まで、そしてできれば縦走路へ抜けるルートを見抱いてみたいものだ。積雪期ならなおのこと美しいだろう。
今日は雲で男体山を拝むことは無理かなとあきらめ気味に歩いていたが、櫛が峰左峰(下から見上げたとき)の末端に張り付いたとき、良い具合に雲が切れて美しい頂上稜線、健脚コースの稜線、そして凛々しい横顔を一瞬眺めることができた。ここは紅葉になれば絶景だが、まだその気配には遠い。樹林帯の中を歩いている感覚ではむしろ広葉樹のいくばくかはすでに落葉しており、今年も山全体が錦に染まる様子を眺めることはできないのではないかと不安に感じている。
櫛が峯からはちょっとしたアップダウンを繰り返し、地籍図根三角点の岩塔に寄り道し、最後の危なっかしい急斜面をびくびくしながら大円地越へ降りた。まだ正午過ぎだったから、カフェ大円地越を開くことにした。さっと沸かしてさっと頂いてというつもりだったが、アルコールストーブの点火に時間がかかって少々体を冷やしてしまった。少量の燃料で上手く点火するための仕組みを用意して、さかづき一杯程度のメタノールでコーヒーが飲める燃費の良さを活かすことがこの冬の宿題のようだ。
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