剱岳


- GPS
- 12:12
- 距離
- 15.9km
- 登り
- 1,497m
- 下り
- 1,499m
コースタイム
- 山行
- 2:42
- 休憩
- 0:33
- 合計
- 3:15
- 山行
- 6:02
- 休憩
- 2:52
- 合計
- 8:54
天候 | 1日目 晴れのち曇り 2日目 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
6:30から当日のケーブルカーのチケット売り場に並ぶも行列が長くチケット購入できたのが7:30、ケーブルカー8:00発で美女平へ。そのまま臨時便の高原バスが2台連なり、9:00ごろに室堂着。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
室堂~雷鳥沢 石畳の遊歩道、帰路では雷鳥沢からの登り返しの階段が足に来る。 雷鳥沢~剱御前小舎 ハイマツの間を縫うガレた急斜面 剱御前小舎~剱澤小屋 剱沢上流の緩斜面 剱澤小屋~剣山荘 剱沢の横断、ほぼ高低差のないガレ場。ペンキマークをたどる。 剣山荘~一服剱 やや斜度のあるガレ場。一服剱前で鎖が出てくる。 一服剱~前剱 岩場の急斜面、ところどころ手を使う。段差が大きい斜面あり。 前剱~山頂 怖い岩場、鎖場多数、落ちたら死ねる箇所多数。 |
予約できる山小屋 |
|
写真
登山者のヘッデンが連なる。あの一人になります。
これだけ人がいれば何かあって安心(全然そんなことはないのだが)と思い登り始め。ただこのあたりで上空が青くガスが薄くなっているのに希望を持つ。
一歩目を右足で行くか、左足で行くか迷う。とりあえず左足で一歩目を踏み出したけど、どっちが良かったんだろ?両足を斜面に乗せられたら、あとは矢印通りに足場に乗っけておけばOK。
装備
個人装備 |
食料
地図
コンパス
保険証
飲料水(2L)
経口補水液(1L)
ティッシュ
三角巾
バンドエイド
医薬品
タオル
携帯電話
雨具
時計
非常食
熊鈴
ヘッドランプ
ロールペーパー
ザック
タイツ
Tシャツ替え
長袖アンダー替え
ヘルメット
長袖ジャケット
車
ズボン
グローブ
ハット
靴
サングラス
カメラ
コンロ
コッヘル
ナイフ
|
---|
感想
40歳になる前に剱岳を登っておきたい!と思い、大枚をはたいたアルパインブーツはギリギリ40歳を2ヶ月後に控えた9月の頭に早月尾根日帰りをさせてくれた。まさに試練で下山時はクタクタだったが、小屋泊でお金をかけたくない&休みの少ない会社勤めの中、あちこちソロの日帰り登山ばかりやるきっかけになった。
なので泊まりが必要で、一般ルートでの国内有数の難易度、昔聞いた父親の言葉では「早月尾根よりアブナイ」剱岳別山尾根はヘタレな性格もあって手付かずのまま。早月尾根から登ればアルペンルート代もかからんしなんて思ってたら、気がついたら十年。
もう今年で50歳。身体能力も体力も衰える前に剱岳を別山尾根から登ることが今年の目標に。お盆中に登った朝日岳で何とか体力は持つだろうと思い、帰宅後、剣山荘と剱澤小屋の予約情報を見ると、23日に剱沢小屋に空きがあるのを発見。これを逃すと9月いっぱいまで週末は満室、やるなら今!と思い夕食朝食付き1泊繁忙期料金¥15400をポチる。
初日、目が覚めてからゆっくり成り行きと思っていたのに興奮からか早めに目が覚め、結局6時半には立山駅の列につき、9:00には室堂着。立山そばで山菜そばをいただいた後に出発。一泊2日で別山尾根だけ登る計画(別山とか奥大日まで足伸ばすのはキャンセル)はたっぷり時間はある上に夏山景色が広がる室堂から雷鳥沢まではカメラ片手にまさに物見遊山。そこそこ斜度のある雷鳥坂の登りは物見遊山とは行かなかったが、それでも午前中には剱御前小舎まで到達。ここまででガスが上がり眺望は今ひとつだが、花どりしながら13:00前には剱澤小屋到着。小屋の前で剱岳が雲から出るのを眺めたり(結局ガスがかかり眺望は開けず)、談話室で岩場の登り方をおさらいしたり、明日に向けて装備の準備をしたりとのんびりしているうちに気がつくと夕食時間に。美味しく夕食をいただき同じテーブルとなった方々と山の話をしていたら、あっという間に19:00となり、就寝。
目が覚めると2時半。朝食弁当を食堂で食べて3時過ぎに表に出ると満点の星空、天の川が肉眼で見える。剱岳登山者のヘッデンの灯りもちらほら。やや風もある中出発。剣山荘をすぎたあたりからは周りに登山者が増え安心する一方、斜度は上がり、どんどん険しい岩場に。一服剱あたりからガスも出てきて、残念な山行になるかもと弱気に。それでも前剱あたりまで来ると周囲に気を向ける余裕がないくらい険しい岩登りがどんどん出てくる。足滑らしたら捻挫や打撲ですまない高度感のところがいくつも出てくる。怖いと思うと体が動かなくなる予感があったので、ひたすら足場と手元に注意し、某国大佐の言葉を読み替えて「当たらなければ(落ちなければ)どうということはない」って頭の中で繰り返してた。そんなこんなで鎖に鈴なりに登山者が取りついた状態のカニのタテバイも前後の方の声がけもあって無事に登り切ると、頭の上の空が青っぽい。ガスが晴れてきてると思うと山頂までの一息に俄然力が入る。岩だらけの山頂直前で日に照らされると見たことのない絶景が広がっていた。凄いわ、今まで一番の景色かもしれん!
早月尾根から登頂時、長い道程を思って涙目になるのが剱岳だった。今回、別山尾根からの登頂は怖さからの解放と絶景で目頭が熱くなった。
気が済むまで撮影したり、補給にたっぷり1時間を過ごして下山に取り掛かる。ルート上、最恐だった高度のあるトラバースのカニヨコバイは一歩目足の出し方が分からんなりに、何とか二歩目の足場を捉えれば、あとは自然に体が動いてくれた。前日、談話室で読んだブーツのつま先=クライミングゾーンを使う岩場の登り方が役立ち、その後の岩場下りも慎重にこなすことができた。日が高くなるにつれ周囲の山々のガスもとれていく。前剱で振り返った剱岳はもうどうしようもなくカッコイイ。
剣山荘まで下山して、眩しい日差しの中ヘルメットを脱ぐと小屋前のシンクに流しっぱなしの水での洗顔が気持ちよかった。危険地帯を乗り切ったご褒美に購入したコーラも美味かった。
そこからは、剱御前小舎まで周りに人のいない静かな山行となる。剱沢上部の岩場や雪渓を横目の剱御前小舎手前ではやや斜度もあったが、ペンキや踏み跡を辿れば気持ちよく歩ける。剱御前小屋から雷鳥沢までの雷調坂の下りはほぼ高速道路。前後の健脚の方の後を追う形で一気に浄土橋まで降りれた。
雷鳥沢の清流でちょっと涼んだあとは室堂までの石段登り返し。この登り返しは毎回辛い目に遭うが、今回は時間にも余裕がある。下界は炎熱地獄なので高山の涼しい風を感じながらゆっくり歩くことにする。
室堂ターミナルに着く頃にはちょどお昼に。昨日朝も食べた立山そばで今度はキツネそばをいただく。うまい。臨時の高原バスとケーブル運行で立山駅には14:00ごろに到着。下界はやっぱりクソ暑く、駅から駐車場までの歩きで汗だくに。
何よりコースの難易度の高さくる精神的な負荷の大きさと、劇的な山頂での絶景が忘れられない山行になった。当初目標の50歳までの剱岳別山尾根登頂の達成ができて、素晴らしさで言えば1、2位を争う登山になったと思う。剱岳、ますます好きになった。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する