南駒ヶ岳〜木曽駒ヶ岳縦走したかった空木岳


- GPS
- 21:05
- 距離
- 22.3km
- 登り
- 3,227m
- 下り
- 1,427m
コースタイム
- 山行
- 3:15
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 3:25
- 山行
- 7:59
- 休憩
- 1:28
- 合計
- 9:27
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
中央高速バス伊那線で新宿バスタから駒ヶ根バスターミナルへ、 駒ヶ岳ロープウェイバスで駒ヶ根駅から菅の台バスターミナルへ。 【帰り】 駒ヶ岳ロープウェイで千畳敷駅からしらび平駅へ、 駒ヶ岳ロープウェイバスでしらび平駅から菅の台へ。 (こまくさの湯で入浴) 駒ヶ岳ロープウェイバスで菅の台からすずらん通りへ、 中央高速バス伊那線で駒ヶ根バスターミナルから新宿バスタへ。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
コース全体を通して、水平/平坦な個所はほぼない。 基本的にアップもしくはダウンを続けることになる。 【菅の台〜マセナギ】 遊歩道にも設定されている区間を含んでいるため、整備状況は上々。 斜度も落ち着いており、また道もよくならされているので歩きやすい。 【マセナギ〜空木平分岐】 斜度が増し、また足元には岩や木の根が増え、歩行に注意を要する。 特に大地獄、小地獄は現地の看板にも書いてある通り、滑落、転落事故が多発してる場所となっているため、梯子や鎖場を通過できる技量が必要。 【空木平分岐〜空木平避難小屋】 道は歩きやすいものの、狭い個所などは存在する。 足を踏み外すと大きく転落するリスクのある箇所もしばしばあるので、注意する必要あり。 【空木平避難小屋〜空木岳】 大小さまざまな岩がごろごろ転がる沢筋、涸れ沢を遡上する。 渡渉も何度かあるため、特に雨天時には気を付けたほうがよい。 【空木岳〜濁沢大峰】 高高度での険しい稜線渡りが続く。 急な斜度、巨岩に張り付くようにしてわたる移動、鎖、はしご、鉄杭を活用しないと進めないような難易度の道が相当な高頻度で現れる。 足を踏み外すなどした場合はケガは免れないような個所も非常に多く、三点支持などを意識した行動が必須となる。 【濁沢大峰〜千畳敷駅】 斜度が緩まり、また危険を感じる箇所もほぼなくなる。 ここまで来られるハイカーであれば、特に心配する必要はない。 |
その他周辺情報 | 【こまくさの湯】 公式サイト:https://komakusanoyu.com/ 駒ヶ岳ロープウェイバスで菅の台バス停(菅の台バスターミナルバス停ではありません、その一つ手前です)下車、徒歩1分。 大人700円で入浴できます。 レストラン(アルコール提供もあり)、お土産屋も併設されており、下山後の需要はここで一通り満たせると思います。 |
写真
装備
個人装備 |
【ここから衣服】登山靴(中山製靴1000DX)
登山用靴下x2
登山用半ズボン
圧力タイツx2
長袖シャツx2
ハット
ネックガード
ダウンジャケット
手袋
雨具上下
【ここから食料】水3L(コンツアー3L)
ゼリー飲料x15
プロテインバーx6
井村屋58g羊羹x14
【ここから登山ギア】ザック(60L)
ストックx2
ヘッデン
ヘルメット
サングラス
ガベッジバッグ4L
手ぬぐいx2
寝袋
シュラフマット
寝袋シーツ
枕
枕カバー
下山後用着替え一式
下山後用お風呂セット
ダイアルロックx3
セキュリティワイヤー
【ここから消耗品】皮膚用日焼け止め
唇用日焼け止め
ティッシュ
ペーパータオル
ビニール袋
【ここから電子機器】携帯電話2機
モバイルバッテリー20000mAh
充電ケーブル
カメラ(OM-3)
三脚
GoPro12
GoPro12予備バッテリー
GoPro12マウント
Garminウォッチ
VTIGERライト
電動エアーポンプ
【ここから緊急用品】エマージェンシーシート
ドルマイシン軟膏
三角巾
包帯
折りたたみハサミ
サムスプリント指
チョコバー
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感想
【前説】
8月末、関東は絶対に暑い。
ということで、標高の高いところに行って涼をとりつつ、まだ行ったことないところに足を延ばしてみよう!
そこで目を付けたのが、南駒ヶ岳。
レポや山の紹介で見た、山頂からの景色に一目ぼれしたのがきっかけ。
ということで、ここに至るルートを検討した結果、西から越百山を巡る周遊か、駒ヶ岳ロープウェイから駒ヶ根に抜けるか、が多いみたい。
そこで登りは好きだけど下りが苦手な自分、ここは駒ヶ根から駒ヶ岳ロープウェイへ抜けつつ、空木岳から南駒ヶ岳ピストンするルートにしてみよう!
更に、せっかく駒ヶ岳ロープウェイまで行くなら、ついでに宝剣と木曽駒にも寄り道したいな。
ダブル駒ヶ岳制覇じゃ!
そうしてできた計画が、初日は午前中は移動、午後は菅の台から池山小屋へ。
2日目は池山小屋から空木岳、そこから南駒ヶ岳ピストンしてから木曽殿山荘へ。
3日目は木曽殿山荘から木曽駒まで縦走してから、駒ヶ岳ロープウェイでフィニッシュ。
後は当日の体調体力を見ながら、ルートを短縮したりしよう…
【出発】
今回は、バスタ新宿から高速バスで駒ヶ根バスターミナル経由の、駒ヶ岳ロープウェイバスで菅の台バスターミナルまでバス移動。
そして高速バス休憩ポイントの双葉SAで、今晩の夕食兼明日の朝食としてパンを調達。
登山やスキーで中央道乗ると、マイカーでもバスでもだいたい双葉SAによってパンを買っている気がする。
なんせ、早い時間からやってる上に美味いからなぁ、ここのパン。
更に駒ヶ根ではバスターミナル近くのベトナム料理屋でランチを。
牛肉フォーセットを頂いたんですが、セットで突いてくるバインミーも美味くて良い感じ。
店内も絵画や民族衣装などベトナム的な小道具の飾り付けがなされてて、雰囲気も良きでした。
【1日目:菅の台〜池山小屋】
そんなこんなで菅の台バスターミナルに到着したのは1時過ぎ。
菅の台付近は普通に観光地なのもあり、至るところで人人人。
とはいえここからの登山目的の人はほとんどいないようで、登山道に向けて5分も歩くとほぼ一人きり。
さらに5分も歩けば、アスファルトは終わりを告げて登山道に突入!
ここからしばらくは「木陰のパノラマ遊歩道」の名前の通り、かなりしっかり整備されて歩きやすい道で、さらに左右の木々が天然のサンシェードを作っているおかげでとっても快適な山歩き。
ちなみにこの道中、かなりの人たちとすれ違いました。
たぶん、ロープウェイから縦走帰り、もしくは空木岳ピストンあたりかな?
そんな樹林帯をひたすら登っていくと、池山林道終点へ到着。
ここは今回の登りルートでは珍しく、視界がちょっと開けてていい眺望が楽しめます。
そしてここからもひたすら登り。
道中、ちょこちょこキノコや花も登場するので、樹林帯とはいえ飽きずにテクテクできます。
ただ…困ったことに、タカウチ場を過ぎたあたりくらいから、かなり疲れを感じ始めてしまう。
まあ、原因は明白で、荷物が重すぎるのが基本的に悪さしているのである。
あとは今回から初出動の革製登山靴、疲れてないときはびっくりするぐらい重さを感じないのに、疲れるとびっくりするぐらい重さを感じるようになるのです。
おかげで疲れを感じ始めると、モロに足が重くなってペースが壊滅的に。
靴自体は、製靴のおやっさん推奨の靴紐結びをした結果、購入時に確認した通りかかとも指先も負荷が全然かからず、どこかにぶつけても靴の堅牢さがダメージをカットしてくれて、実に歩きやすいのだが…
自分の体力と登山の実力が、靴にまったく追いついてない…!
もっと山経験値を稼がねば。
そんな具合でえっちらおっちらと歩いて池山到着。
ここからは南アルプスのパノラマが楽しめます!
ただ、自分が到着したときは雲がそこそこ出始めてて、どれがどの山かよくわからない状態でしたが…残念。
【1日目:池山小屋泊】
池山からはちょっと下って登れば、本日のお宿の池山小屋へ。
そして水場をチェック…オーケー、水量たっぷり!
どうにも、池山小屋に関するネット上のレポートを見ると、だいたい半分は水量豊富、もう半分は水が枯れてました、といった具合だったので、かなり心配してたポイントであったのです。
一応、小屋の目の前の水場が枯れていても、200m先に別の水場もあるので、完全に水が手に入らないという最悪の事態は基本的にはないはず…
だけど、万が一そのパターンを引いた場合、計画中止の撤退だったからね。
ともかくまずは中に入って…って、入り口がバカ重たい!開かない!
っていうか何か引っかかってる?
でもあわてず騒がず。
今回は、登っている最中にすれ違ったほかのハイカーさんから、この入り口の開きにくさについて事前に教えてもらっていて、さらに開け方のコツ「引き戸事態を上に持ち上げながら開ける」も教えてもらっているのだ!
ということで上に持ち上げつつ頑張って引っ張ると…よし開いた!それでも重かったけど!
中を見渡すと、きれいに掃除されて整理整頓された、20人は休める広々とした空間。他に人はおらず、貸し切りの様子。
壁の大半は大きな窓が大量に設置されており、お陰で抜群の採光の室内は日が出ている間の光の心配は一切なし。
トイレも設置されていて、まず一つ目の扉を抜けると男子小用がひとつ。
二つ目の扉を抜けるとボットン式の和風がひとt…
ぐぎゃあ、これは匂いがやばきっつい!?
いやこれ、ここにいるだけで目が染みるほどだ、呼吸もかなり苦しいし、これはちょっと実際の利用は無理だ…
なお、離脱する前にチェックした限りでは、ゴミ箱が置いてあったので紙は直接流しちゃいけないタイプ、また備え付けの紙はなかったのでペーパーは持参する必要があります。
荷物整理と寝床の準備、夕食などを済ませてさて後は寝るか…と kindle で読書していると、2人組が到着。
それ以降は訪れる人もなく、この日は最終的には 3 名での利用となりました。
【2日目:池山小屋〜マセナギ】
翌日は 4時半くらいに起床して出発準備からの、5時過ぎから出発。
スタートからしばらくは、1日目と同じような歩きやすい道が続きます。
辺鄙な場所からの開始だし、しばらくは誰ともすれ違わないだろう…
と思いきや、1時間もしないうちに、普通に他の方に追い越される。
挨拶がてらちょっとお話してみると、トレラン中で今日は 40km 程度走り抜けるとのこと。
よ…40km????????
相変わらず、トレイルランナーは自分と同じ人間とは思えぬ。
【2日目:マセナギ〜空木平分岐】
マセナギを超えると、登山道の具合がワンランクはアップ。
傾斜がきつくなり、また足元も大き目の石や木の根の出現密度がかなりのものになり、足運びが難しくなってきます。
とはいえ、今回初出動の革製登山靴のビブラムソールのパゥワーでしっかりグリップするから、足を滑らせる心配はほとんどないんだ!
ただ、昨日からの疲労が徐々に悪さをしだして、足が重いという問題があるわけで。
ううむ…この調子で、3日目は大丈夫か?とちょっと不安になり始めたり。
今回のルートはエスケープルートが実質皆無だから、自分の登山で2回に1回はやってる途中離脱ができないんだよなぁ…
と、そうこうしているうちに突然梯子や鎖を使う登攀が出現、さらに難易度がワンランクアップ。
ここがいわゆる大地獄&小地獄!
ここはかなり本格的にハードなアップダウンが続きます、具体的にはこの一帯はストックをしまった方が良いほどに。
そして何よりかにより、たーのしい!
この区間自体はそう長くは続かないので、山にアタックしている感もほどよく感じられます。ほどよく。(ここ大事)
そんな地獄を超えてほどなく、ヨナ沢ノ頭へ。
そしてここで疲労がきつくなり、ザックを下ろす中休止を決行。
そういえば、今回の山行は虫の密度がかーなり低いように感じる。
おかげで10分以上へばってても、不快害虫アタックを受けることもなかったので快適でありました。
休憩後は、再び重い体に鞭打って登攀登攀また登攀。
大小の地獄を抜けた後だから、道自体はえらく簡単に感じるようになってはいた…
けど、なんやかやで石やら木の根やらは引き続き歩く難易度を上げてくれてはいるので、そう簡単には距離を稼げません。
とはいえ、ここらあたりまで来ると徐々に周囲の樹林密度が下がり始め、視界に空が占める範囲の広がりが感じられはじめるので、いよいよ空木岳への終盤戦感が色濃く見えだしてくるので、テンションも徐々に上がっていきます。
【2日目:空木平分岐〜空木平避難小屋〜空木岳】
空木平分岐。
名前の通り、ここからは 2 本の道が選べます。
北寄りのルートなら、小ピークである駒石を経由して空木岳へ。
南寄りのルートなら、避難小屋を経由して空木岳へ。
当初は駒石経由することを想定していたのですが…
池山小屋でトイレが使えなかった結果、私のおなかが「そろそろ限界だぜ?」と語りかけてくるのです。
ということで、急遽トイレが使える避難小屋経由ルートに変更。
そして必要に駆られて選択したこのルートですが、ところがどっこいこのルートは実に素敵ルートだったのです!
分岐を過ぎてからはすぐに樹林が道から離れて、道は日差しが降り注ぐスタイルに。
おかげで急に暑さを感じるようにはなるのですが、その代わりに道の両脇がたっぷりの陽光を浴びて咲き誇る高山植物とその花たちの群生が!
そんな花の蜜を摂りにくる蝶や虫が陽の光の下で飛び交っている…なんて素敵な光景なんだ。
ただし、やたら大量に生えているにんじん?のような葉の高山植物が、とてつもない独特のにおいを放ちまくってるのが玉に瑕。
この植物、山小屋でスタッフさんに聞こうとしたのを忘れた上に写真も撮ってないから、全然わからん…
ということで無理やり調べてみた結果、中部森林管理局が平成17年にリリースした「中央アルプス空木岳周辺の高山植物植生復元委託事業作業報告書」から、たぶんミヤマウイキョウっぽいということがわかりました。
本当にミヤマウイキョウかどうかまではわからないけど…植物同定、とても難しいアルよ。
そうして到着した空木平避難小屋、名前の通り周囲はちょっとした平場になっており、また小屋の近くには小さな沢も流れており雰囲気は抜群。
まあ、到着して最初にやったのはトイレダッシュですが…
そしてここのトイレ、めちゃ綺麗!
洋式が1座設置されており、ペーパーも設置されている手厚さ。
2,500m を超える立地のこの小屋を維持管理するのも大変だろうに…駒ヶ根市商工観光課山岳高原係の皆様に深く感謝!
避難小屋を出ると、しばらくは沢沿いを遡上していきます。
渡渉も何度かあるので、右岸にいったり左岸にいったり徐々に高度を稼いでいきます。
しかし、この沢の透明度がとんでもないことになっている…
中央アルプスの天然水が、これまた日差しに煌めきながら流れていくその様を見ているだけで、ラストスパートの登攀のための力が湧いてくるようだ!
そうして沢ゾーンを抜けると、残り 200m あたりでいよいよ森林限界も突破!
目の前には遮るもののない、堂々たる空木岳の美麗な姿!
足の重さはヤバいことになりつつあるけど、ここまで来たら気合いよ気合い!
【2日目:空木岳〜木曽殿山荘】
そうして…池山小屋から登ること7時間ちょっとで、遂に空木岳へ到達!
人生初の、中央アルプス核心部からのパノラマ…感動もひとしお!
南アルプス側は昨日に続いて雲に囲まれてて眺望はやや悪くとも!
テンションがあがりすぎて普段はやらない、山頂看板の自撮りもやっちゃったくらいに。
ありがとう撮影してくれた名も知らぬ空木岳ピストンハイカーさん!
さて…ここでひとつの思案どころ。
当初の計画では、ここで荷物をデポして南駒ヶ岳ピストンをする…はずでした。
が!今の疲労度と時間を考えると、ここからピストンしてからの木曽殿山荘は、どう考えても4時に間に合わない公算が高い!
そして明日もあることを考えると…ここは見送るしかない。
南駒ヶ岳は、またいつかどこかでリベンジしちゃる…越百山とセットで。
ということで、ここからはカカっと 350m を一気に下って木曽殿山荘へ。
今まで基本的にずっと登りだったけど、ここで初めてまとまった下り道。
そして…疲労がガッツリ溜まっているのを除いても、下りの歩き安さ、安定感がしっかりしている!
やはりこの革靴、半端ないな…
これだけ歩くのに労苦がなければ、今後は下り獲得標高を無理に削る必要もないかもしれないな。
まあ今回に限っていえば、足が重すぎてコースタイム54分に対してほぼ倍の99分とかかかってたりするけど。へろへろりん。
【2日目:木曽殿山荘泊】
2時半に到着して受付を済ませ、2F の大部屋でまずはばたんきゅー。
少しずつ到着してくる他のハイカーさんと山談議に花を咲かせたり。
ただ、平日に宿泊しに来る人たちなだけあって、皆さんベテランさんばかりで、実際話についていけたりいけなかったり。
逆に言えば、今後の山行計画の大いなる参考になるから助かるぜ!
そういう将来的な目線だけでなく、空木岳とその付近のルート状況に関する情報交換もできるので、計画の裏付けや必要に応じた変更の検討もできるのが助かる。
今回はほとんどの人がロープウェイ側からいらした方々ばかりなので、自分が提供した池山小屋の水場状況は、明日菅の台方面に下山するみなさんの役に立ててもらえた…はず。
ひとしきり休んで疲れが落ち着いたら、水の補給へ。
この山荘からは、徒歩でほぼ10分ほどで水場に辿り着けます。
ただ…この10分の道中、相当数の花が咲き誇っていました。
しかも、途中の木のうろの中で小さなきのこが3本ほど育っているというエモさマックスの光景を発見したり。
うわあああ、水の補充だからって水バッグしか持ってこなかった自分のアホ!
次回からは、ちゃんと水補充といえどカメラは持っていこう…
そして5時になると晩御飯タイム。
山小屋泊は、こうやって温かいごはんを頂けるのが一番ありがてぇ…荷物も減らせるし。
美味しく頂いた後は、明日に備えてさくっと就寝。
…本当は、深夜に起きて星空撮影をするつもりでした。
そのために、わざわざ manfrotto の Befree 三脚を購入して担ぎ上げてきました。
でも、予想以上に宿泊客が多く、深夜に起きだして荷物をガサゴソして建物を出入りするような騒音をまき散らす勇気は、私にはありませんでした。
こうして、今回はキャリングケース込みでだいたい 1.4kg のデッドウェイトを持ち運んだだけという結末になりました。どひー。
その代わりに翌朝4時までたっぷり熟睡をして体力回復に努めることができたので、まあ結果オーライ…と信じることにする。
5時からの朝食を頂いたら、いよいよ最終日の山行に出立!
【3日目:木曽殿山荘〜千畳敷ロープウェイ駅】
ぐわっはっはっ、初手いきなり足が重いぜ!
しかも先に言っちゃうと、さんざっぱら昨晩の山荘でお話したハイカーに脅されまくった通り、最初からほぼ最後まで道が激烈に厳しい!
標高グラフだと大したことなさそうに見えて、らくルートの難易度設定がほぼ全部 C 設定になっているのは伊達ではなかったのだ…
いや、実際のところ、このくらいの難易度の道、すっごい楽しいんですよ!
足の疲れと、背中のアホみたいな重さの荷物がなければ…!
とはいえ泣いても始まらないので、とにかくペースを上げ過ぎて完全にバテバテにならないように、ゆーっくり小幅歩幅の安全ペースで進行。
といっても、C 難易度はそんな安全運転のみを許してくれるわけもなく。
巨岩にしがみつく、岩の斜めな面をへつる、ストックを許さない鎖やホチキス足場、とにかくなかなかの頻度で集中力と体力を削りにかかってきます。
いや、繰り返し言うけど、めっちゃ楽しいんですよ!
空木岳から濁沢大峰にわたって 6km という長大な距離がなければ…!
ちなみに、やおら見通しがよいルートなので、東川岳の時点で今回のゴールの宝剣岳まで見えちゃったりします。
なので、最初からゴールが見えてるけど、それにいつまで経ってもたどり着かない…という精神攻撃も完備。うぇへへへへ、たのしいナァ!
それでも、素晴らしい天気からくる息をのむような景観のおかげで、辛さよりも幸せのほうが(ギリギリ)上回るのです。
また、平日にもかかわらずかなりの頻度ですれ違ったり追い越されたりするハイカーさんたちとの小さな交流も、ハイクの思い出に花を添えてくれるのです。
そうして、最後の難所である濁沢大峰を通過。
いやほんと、濁沢大峰近辺だけは正直楽しさより辛さが凌駕していたけど…
ここを抜けてしまえば、ルートはついに難易度 C ではなく B に切り替わります。
その切り替わりが示す通り、ここからは(C クラスに比べて)とっても歩きやすい快適なウィニングラン!
しかもこのあたりは本当に様々な高山植物が広い範囲で群生しています。
ここまで厳しい岩場と這松に支配されてきた景色からようやく抜け出した解放感も相まって、比類なき気持ちよさの区間になります。
そんな素敵エリアをたっぷり楽しんだ後は、何の問題もなく極楽平に到着です!
しかしながら、極楽平の時点で既に午後1時を回ってしまった。
足と腰は既に悲鳴を上げている。
ここから…再びC難易度に戻る上に、さらに難路指定になる宝剣岳は…うん、無理。
ついでに言えば、島田娘に辿り着くちょっと前くらいから猛烈に雲が上がってきた結果、視界がかなり白になってしまっているのもあり。
安全、残り時間、景観のすべての観点から、ここでの撤退を決断。
そのままロープウェイ駅に直行して、今回の 3 days hike は無事終了と相成りました。
【3日目:後奏】
駅に到着してみると、木曽殿山荘からここまで同じルートをたどり、休憩のたびにちょくちょくお話していたハイカーさんと合流成功。
ハイクの完遂を祝い、駅併設レストランで売っている信州生ビールで乾杯など。
あああ…このビールの美味さは、人生で飲んだビールで3本の指に入れられるほどであった。
その後はロープウェイで下山、バスで菅の台バス停下車から徒歩1分でたどり着けるこまくさの湯で温泉をば。
ちなみに木曽殿山荘のフロントには、こまくさの湯の50円引き券が置いてあったので、本来は700円のところを650円で入浴できました。
入湯税を抜いたら550円!安い!
そしてここ、設備の充実ぶりがすごい。
まず洗い場の数が多く、しかもシャワーは押しっぱなしにしないとすぐ止まる押しボタン式ではなくレバー式なので、使いやすい。
さらにシャワーヘッドに一時停止ボタンもあるので、利便性が完璧。
湯船も内湯に露天風呂、サウナに水風呂とこれまたうれしいラインナップ。
露天風呂はほどよくぬるく、長時間浸かるのにももってこい。
お風呂上りは、レストランに移動して夕食を。
いや、当初の予定ではいったん駒ヶ根市街に出てから、バスターミナル近くのインド料理屋に行こうと考えていたんですが、木曽殿山荘のハイカーの皆さんが、ソースカツ丼について語っているのを聞いてしまったので…
ということでソースカツ丼を注文しようとしたところ、その上位互換っぽい「極厚こまカツ丼」なるメニューを発見。
(※この極厚こまカツ丼、公式ページでは 1,800円ってことになってますが、今は 2,300円になっています。要注意)
文字通り、3cm 厚という激アツ(ダブルミーニング)な肉がカツに使われているので、食べ応えがとんでもないことに。
そしてこんなブ厚いにも関わらずお肉はしっとりやわらかに仕上げられていて、ボリュームも味も極上。
おまけに、漬物や千切りキャベツは撮りたい放題というサービスまで、至れり尽くせり。
惜しむらくは、脂身部分もド級の厚みで食べるのに多少難儀するのと、肉が多すぎて丼のご飯部分に辿り着くのが苦労することくらい?
というかこれだけ肉が多いなら、丼じゃなくて定食形式にしてくれたらうれしいかも。
食事を済ませたら、あとはバスで駒ヶ根バスターミナルまで戻り、高速バスでバスタ新宿から帰宅と相成りました。
【締めという名の反省会】
今回は自分にとって初めての 3 日にわたる行程で組んだ山行でした。
それだけに、良い体験、経験を積めたわけですが、その分初めて尽くしからくる失敗も多々ありました。
▼ 荷物の重量過多
これは今に始まったことではないのですが、とにかく持っていく荷物が多すぎて、結果として重量も重くなりすぎてしまった。
おかげで体力消耗と足腰の負荷がひどいことになり、コースタイムを下回る速度しか出せず、かつルートも計画からかなりの短縮を強いられる直接要員になりました。
特に…
・行動食が多すぎる。結果的に半分で十分だった。
・趣味装備が多すぎる。三脚のような大荷物は、もっと簡易な山行計画で持っていくべき。
・電材系装備が多すぎる。結局使わなかったGoProや、20,000mAh みたいな大容量モバイルバッテリーとか。
いい加減、軽量ギアへの切り替えや、持っていきたいギアと持っていかなきゃいけないギアを区別する努力をしないといかんなぁ…
▼ 靴
中山製靴の革登山靴を購入したのがうれしすぎて、慣らし運転もせずにいきなりハードな山行に持ち込んでしまった。
低山や日帰り山行などで何度か慣らし運転してから使うべきだった。
とはいえ、この靴の頑丈さ、グリップ力に助けられた場面は多々あったので、ここはメリットデメリットの双方があったと考えるべきか。
▼ 水
水に関する計画と持参が杜撰すぎる。
・初日は短距離なので 1L しか持って行かなかったが、実際には高度の低さからくる暑さで水消費はかなりのペースであった。
途中の水場がなかったら、小屋到着前に水が枯渇していた。
・池山小屋の水が枯れている場合を想定すべきだった。枯れていたら撤退は避けられなかった。
・3日目は逆に気温の低い高地の稜線渡りなので、3L は完全に過剰だった。(半分近く余った)
こういう微調整ができるようになる必要があることを痛感。
いずれにせよ、ちょっとここ最近はレベルアップを急ぎ過ぎている感があったのは事実。
これは、このまま放っておくといずれ技術レベルの向上が難易度工場のペースに追いつかずに、大きな事故をおこす典型的パターンが見え隠れしてしまっていますね…
なので、ちょっとしばらくはもうちょっと落ち着いたルートコースにしないとですね。
羨ましい!!空木岳また行きたい。
木曽駒ヶ岳&宝剣は後日また北側スキー場から登って千畳敷カールに降りればヨシ!!
登りが清涼感のある沢沿いというのも良いね〜。
そし流石のおキノコ様たち。
千畳敷〜南駒ヶ岳の稜線は同じく歩いたことあるけれど、何せ24年前(!)の足ができていた時期だからか楽しかった記憶しかない。登山者に脅されるようなルートだったっけ?
そのキツイ体感の半分くらいは、荷物リストの電子機器たちのせいだよな〜と思います。
スマホ2台とゴープロと一眼レフと予備バッテリーたちと三脚…おいおい。
いやほんと、雨男の自分にしては珍しく、3日間まるごと雨のあの字もなかった奇跡のような山行でした。
木曽駒&宝剣は、多分いつかそのルートで再挑戦することになると思ってます。
南駒と併せて、いずれリベンジですぞ!
元々水場、もっというと流れのある水が好きなので、ほんと自分的には大正解でした。
晴れが続いててほぼ完ぺきな清水だったのもよかったです。
ちなみに脅されたのは、多分今回山小屋で会話した人たちは平日に来られる人、つまりお仕事リタイア組が多かったからではないかなぁ、と。
なので、若者基準からみたら、脅したくなるくらい辛く感じたんじゃないかなぁ、と思います。
パッキングしてるときは、あれもやりたいこれもやりたいと夢がひろがりんぐ状態になるから、ついついやりすぎちゃうんですよね。
今までの低めの山であれば、それでも体力でブン回せましたが、中央アルプスは格の違いを見せつけられました、ええ。
こんにちは。木曾殿山荘から同じルートを歩いたおじさんハイカーです。千畳敷での🍺ビールは最高でしたね。
関東の山々のお話をきかせていただきありがとうございます。関東進出の足掛かりにしたいと思います。(笑)
また、どこかの山でお会いできるといいですね。
こんにちは。コメント&当日はありがとうございました!
あのビールは、乾いた喉が、疲れた身体が何を欲しているのがよくわかるほど、美味でした。
関東の山は、アルプス系のような雄大なビューや高度感はなかなかないものの、小粒でもピリリと辛い楽しみ方がそこかしこの峰々で楽しめること請け合いです。
是非、機会を見つけて足を運んでくださいまし。
それでは、またどこかの山で!
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