鎧岳・兜岳


- GPS
- 04:06
- 距離
- 5.9km
- 登り
- 674m
- 下り
- 682m
コースタイム
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
林道の一部が伐採作業のため通行禁止。 |
その他周辺情報 | 御杖 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
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感想
曽爾村あたりに車が差し掛かると、片側がスパッと切れ落ちた特異な姿の山が突然視界に入ってくる。その威容を目にしたなら、その記憶は容易には消えず、一度は登ってみたいと思うだろう。双耳峰となって聳える岩峰、鎧岳と兜岳、あの絶壁はどちらの山のものなのか知りたいと思っていたが、今回、それが鎧岳であることを理解した。
ヤマレコのアクセス機能を使って登り口の金強稲荷神社を目指す。少々迷走の末、少し下のテニスコート横に到着。林道は伐採のため通行止めになっていた。あまり使われていない感じのテニスコートに付随の駐車場に車をとめる。
車止めの隙間を抜けて林道を登っていく。すぐに作業現場に差し掛かった。工事責任者と思われる人に呼び止められ、通行止めと書いてあったでしょ、危険なのでここは通れません。と叱られる。だが、もう問題個所はほぼ通り抜けた後である。帰路は迂回するようにと念を押されて、山行を継続する。舗装林道の終点から山道となるが、太くよく踏まれた道である。周囲はスギ、スギ、スギ。その中をジグザグに登っていくが、下から見た印象とは違って地味にフツーの登山道を進む。分岐の標識から巻き気味に鎧岳方向に進むと、間もなくして稜線に乗る。ここから一旦稜線の南側斜面に入って登ってゆき、傾斜は次第に急となる。といってもフツーのレベルだ。やっと片側が自然林の北尾根にあがるとすぐに鎧岳山頂に達する。視界の利かない特徴のない山頂である。
山頂からは一旦来た道を戻り、峰坂峠から兜岳方向へと歩を進める。峠が低い位置にあるため、相当下ってまた登るというエネルギー消費型の行程となっている。こちらも最初はスギ植林帯で、いくつかのピークを越える。最初のピークから誤って下山方向に下ってしまい、本来のルートに復帰して再び登る。作業道に引き込まれないように注意しつつ小さな尾根に取り付くと、木の根岩角をつかんで立ちながら四つん這いの体制を強いられる。急なだけで特段の問題もなく高度をあげる。すぐに左手が自然林となり、絶壁の上なので植林していない(できない)のだろうと思いつつ、目を上げると、先ほど登った鎧岳の東側絶壁が目に飛び込んできた。この先、何か所も西に視界が開け、違った高度からの鎧岳を眺めることができる。眼下の郷から急峻にせりあがる岩山の眺めが楽しい。過去のログには岩登りがあるとの情報があったが、結局それは全くなく、肩透かしを食らった感じだ(今回我々がいかない南西側のルートには岩があるそうだが)。数パーティーとすれ違い、この山の人気のほどをうかがい知ることができた。一旦傾斜の緩んだ稜線が再び四つん這いを強いる急登となる。これを越えると穏やかな雰囲気となり、すぐに明るい兜岳山頂に出た。東の方角に視界が開け、目前の鎧岳は勿論、郷を隔てて向こう側正面には倶留尊山の山並が一際高く見事である。トレードマークのススキ原は二本ボソの山頂近くまで伸びている。右にはこの間登った古光山を見て、その比類なき?激急登、急降下の数々が想起される。
そんな兜岳山頂の石に腰かけ、昼食をとっていると、目の前にタテハの類が舞い降りた。何だろうと立ち上がって接近しようとしたとき、そのチョウは慌てて飛び立ち、そして頭上の木の葉に翅を半開して止まった。陽の光が翅を透かして射し込み、斑紋が幻灯機を通したように浮き立って見えた。アカタテハだった。
しばし、明るい山頂でのんびりと過ごし、さて、と下山にかかる。登ってきた道を峰坂峠に戻り、ここから登山口へと下っていく。林道に出たら例によってポリタンの水を山水に入れ替えて帰宅後のコーヒーやお茶用に持ち帰るのだ。
伐採現場では、車止めは除けられているものの作業は続いていた。往路、通行止めと言われた区間に入ってそのまま下ろうとしたが、見ると林道の真上で伐採木3本を重機で引き上げている。確かにリスクがあると思い直しておとなしく来た道を少し戻り、迂回路に入った。その結果、地図に記載されている金強稲荷神社を見ることができたので、行きに思った「神社はどこ?」の疑問は解決した。ただし、鳥居と社務所は建っていても、本殿は見えない、という謎は残ったまま。迂回路をさらに進むと、山中の指導標に表示されていた「県天然記念物ヒダリマキガヤ」の地点に達する。さらに下って葛集落の果てに降り立ち、駐車地へと車道を戻る。道の法面上にはシカの食害を逃れてホタルブクロが生え、白い釣鐘型の花を幾つも下げているのだった。この花を見ると夏の到来を実感する。駐車地への登りにかかると、右手にニューっと鎧岳がその全身をさらけ出して聳えているのが見えた。車で通った時には目に入らない絶景がそこにあった。
時刻はまだ正午過ぎ、ちょっと寄り道する時間はある。そこで、わざわざ出向くにはあまりに短行程の吉野の青根ヶ峰に立ち寄ってみることにした。ナビを頼りに、いざ、吉野へ。
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