明神岳・檜塚奥峰


- GPS
- 06:29
- 距離
- 12.5km
- 登り
- 986m
- 下り
- 1,004m
コースタイム
- 山行
- 5:52
- 休憩
- 0:38
- 合計
- 6:30
天候 | 曇時々晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
よく整備された登山道 |
その他周辺情報 | ふるさと村が登山口まで10分の地点にあり。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
|
---|
感想
来週からは関西では梅雨入りが予想され、山行も思うに任せなくなりそうだ。今週末は梅雨入り前最後の山となる。5月の末から6月初めに登りたいと狙っていたのは、台高山地の明神岳と檜塚奥峰である。関西側からのアプローチで便利な大又林道から登った場合、累積標高差で約1000m、補強距離は10kmを越えていて、ヤマレコの楽ルートによると歩程は8時間を超える。陽が一番長く、まだ暑さがやってこないこの時期に登るしかないと思ってのことである。さらには翌日仕事のない土曜日であってほしい。
今週末はこの条件をすべて満たしている。天気予報は曇基調で一時晴、ということは、登りの途中は曇っていて稜線に出たら晴れ、という調子のいい期待を抱かせるに十分なのだった。
この辺り、最近、繰り返し通っている山域である。車のルートも大分身についてきた。よく通る「野依」の信号(ノーベル化学賞の野依良治博士の野依なので一発で覚えた)手前で右折して、ほぼ道なりに進む。車のナビは『ふるさと村』、登山口手前車で10分にあるランドマークだ。
事前チェックで知っていたことだが、林道ゲート前では右岸の崩落個所の修復工事が行われており、駐車スペースが狭くなっている。すでに10台は止まっていたので、路肩に駐車する。ここまでの道は狭いとはいっても離合可能箇所がいくつもあるし距離も短いので緊張せずに到達できた。
歩き始めは大又川沿いの舗装林道を行く。豊かな水量で小滝を連続して掛ける流れが温帯広葉樹林の下をしぶきをあげてほとばしる。落差はないが大きな深い釜を伴った滝が目立つ。懐かしい東北、近場では但馬南部の深山の風景と重なって心洗われる思いだ。林道は次第に荒れて、金属製の橋を渡ると山道となる。ちょうどガクウツギが満開で、林のいたるところに白い花飾りをちりばめている。
道は基本、自然林中の沢沿いを行く。次々に滝が掛かり、ごうごうと水音が響いて、山深さを演出する。数か所の渡渉点には補助ロープが付けられている。木梯子や木組みの橋などもある。目前に何段かの滝が迫ってきた。ミョウジン谷との看板が立っている。ここから一旦右岸の斜面を登る。すると、下からは見えなかった上段の滝が姿を現わす。これが幅も落差も最大で、思わず見とれてしまう。明神滝との看板が立っている。道はこの滝を右岸から巻いて越えている。道はよく踏まれていて、奥山の雰囲気に気分も高揚し、すんなりと越えていくが、潜在的にはリスクのあるトラバースである。
次第に周囲の林は新緑の余韻を残すようになり、季節を少し遡ったようだ。木橋を渡ってリッジを回り込むと休憩場所があり、ここから先は山腹をジグザグに登るようになる。大きなジグザグなので傾斜が緩く、楽に登って行ける。やがて沢の源頭を横切るところに来る。左手の緩やかな窪地から豊かな湧水が流れ出ており、パイプが数本つけられている。ここで喉を潤す。
稜線は目前に迫っている。一登りすると高校の山小屋と東屋が姿を現わし、広々と草原の広がる明神平に飛び出す。思わずのっびりと過ごしたくなる開放感あふれる場所である。が、我々は先を急ぐ。ここからは穏やかな稜線漫歩となる筈だ。草原の中を緩やかに登り、薊岳への道を右に分けて進むと右側はすとんと切れこんだ尾根となる。左はなだらかである。眺望も開け、目論見通り青空が広がって爽快な尾根歩きとなる。周囲は次第に成長した林となる。ちょっとした登りをこなすと標識が見えてくる。明神岳の山頂である。右手の視界が開けているが、あまり山頂らしくない山頂で、通過点という感じである。
この少し先の道標のところで左折する。直進方向には「千石山」と書かれている。その先に池木屋山があるのだと思う。「左折」後はほとんど平坦な広々尾根が続き、ブナの大木が間隔を置いて空に向かって大きな枝を広げている。日本の山岳の原風景ともいえる。判官平を過ぎてゆるりと登っていくと、足元に地衣類が目立つようになり、岩がちな場所はスゲの草地となっている。大峯の稜線と鈴鹿の山頂部とをミックスしたような景観である。
カマツカが白い花をつけているが、それに混ざって終わったはずのシロヤシオが、まだ新鮮な花をつけて迎えてくれた。登るでもなく高度をあげていくと林下に山頂を示す石柱が立ち、背後の道標は左に檜塚、右に檜塚奥峰と表示している。右の開けた場所が、よくログに出て来る檜塚奥峰の山頂であった。空は綺麗に晴れ上がって、ほぼ360度の眺望を楽しむことができた。山頂には二人の先行者があったが、すぐに退去され、我々の独占するところとなった。ゆるりと昼食をとる。
帰路は往路を忠実に戻る。子どもを連れて(背負って)登ってくる人たちや高校生らとすれ違ったが、皆さん、山小屋に集合なのか。水場ではポリタンに入れてきた水道水を捨てて、山水を満たして帰る。
今日は気温も低めで登りは曇り空、山上は綺麗に晴れて、最高のコンディションに恵まれたせいか、数値データとは裏腹に全く無理なく深山の空気を吸い、ブナの原生林と草原闊歩を楽しんで、満足の山行となった。帰宅後、山水で芋焼酎のお湯割りをつくり、食後には煎茶を入れる。翌朝のコーヒーも山水で。ここの山水はお茶、焼酎、コーヒー、何れにもマッチして、いい味を出してくれた。今度行くことがあったら、また汲んで帰るとしよう。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する